【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜

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第2章 亜麻色の光

42 祝福、契約、もしくは

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「国宝級の美しさ……というのはまあ、たしかにそうだが」
「残りのお二人もご兄弟ですか?」
「やっぱりそう見える? あのね、いつも言われるんだけどあれは俺の両親なんだよ。そんなに若くない……って言ったら殺されるから言わないけど」
「それはもう言っちゃってるよね」

 母さんに年齢を示唆するようなことを言うとね、誰であっても頭に一発落ちてくる。それはもう恐ろしーい笑顔でね。頭はそんなに痛くないけど、笑顔が怖いから胃は痛くなるね。
 実年齢の何倍も若く見えるんだから、そんな怒らなくても良いのにね。メイクなしでも本当に二十代にしか見えないから。

「にしてもナギサの幻惑、だったか? すごい魔法だったな」
「そう?」
「ああ。こう言っては何だが、他の精霊様とは格が違う。もちろん本当に素晴らしかったが、ナギサのは単純に魔法がすごいだけではなく、一番心が籠っているように感じた」

 んー……魔法って一種の演技だと俺は思ってるからね。演技は得意だし、そういうことかな? 俺は精霊王だし、無系統魔法は精霊王にしか使えないから格が違うのは当たり前。

「ありがとね」
「あ、ああ……」

 自分の好きなことや得意なことって褒められると嬉しいよね。自分が認められているような感じがする。俺としては精霊たちの方がすごかったなって思ったんだけど、まあ褒めてくれているのにわざわざ否定することもないでしょー。

 明日からは学園祭に向けて、本格的な練習に入るのかな。

「……ねぇルー。今回、俺達が手を貸して魔法を使えるようにするってことになってるけど、そもそもどうやって魔法を使えるようにするか決めてないよね。祝福? 契約?」
「契約で良いんじゃないですか?」
「ナ、ナギサ様。祝福や契約じゃなくても……一時的にナギサ様の力を貸せば……?」
「わたし達はできないけど、王様だったらパートナーにならなくても他者に魔法を貸せるんじゃなかったっけ!」
「簡単に言うけどね、あれって俺の負担が結構大きいんだけど? 魔法ではなく魔力を貸すことになるから、誰かが魔法を使う度に俺の魔力がなくなっていくんだけど」

 祝福や契約だとそういう負担はない。その精霊のパートナーに魔力が宿るようになって、魔法を使うと使った本人の魔力が消費されるから。
 もちろん祝福や契約をなくせばその宿った魔力もなくなるんだけど。

「ナギサ様は魔力量が多いだろう!」
「それは精霊王なんだから君達よりは多いに決まってるよ。でもクラスメイト二十人くらい? が同時に使うんだから、消費スピードがとんでもないことになるよ」

 しかも初めて魔法を使う人がほとんどなんだから、使い勝手も分かっていない。それでは俺の魔力だけ無駄に消えちゃうことになる。この根本的な問題を忘れてたなんて、俺も馬鹿だね。

 契約や祝福も一時的なものならデメリットがあるし、それなら俺が力を貸せば良いって話になるよねー。どうしようかな。
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