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第二章 再会

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 光のように速く流れる景色の中で変わらないのは必ず俺の家族全員がいること。あぁ、こんなこともあったなーなんて思いながら見ていると教室内がやけに静かなことに気付いた。横目で見るとみんな俺の魔法で作り出された景色を凝視している。

 ……や、ほんとになんで?そんなにおかしかった?まあ半分俺の癒しのためにやったことだし、そもそもこの世界にはないくらい発展してる街だしね。そんなところに俺がいたらこの反応も頷けるかー。俺って転生したのに容姿は変わってないからね。アリスもだったけど。

「はい、おしまい」
「えー」
「えーじゃないよ。文句言わないの」
「ナギサ様、今のは何の魔法ですか?」
「幻惑だよー。俺が想像したものが景色となる。まあ簡単に言うなら幻覚を見せてるようなものだよ」

 キラキラした目で質問してくるセインくんに答えると、なるほど!と元気いっぱいな返事が返ってきた。何気に好奇心旺盛だよねー……でもこれ、使い方によっては強力な武器にもなるよね。敵に幻覚を見せれば相打ちだってさせられるんだしー。ただこの魔法、仕えるようになるまで結構コツがいるんだよ。俺も今初めて使ったんだよねぇ。

「……先ほどの景色ですけれど、あれはいったい…」
「ただの俺の想像の世界。俺が昔読んだ書物にはあれくらい発展した国もあるかもしれないって書かれてた。少なくともこの世界にはないけどねー?」

 真っ赤な嘘だけど。そんな書物読んでないし、そんなものないと思うよー。でもこう言わないと怪しまれるし仕方ないでしょー。

 ◇

「さっきの魔法で見せてくださった景色って、ゼンセ?のナギサ様ですよね」
「なんでそう思うの?」
「ナギサ様に似た方が一緒にいましたし、必ず同じ三人が移っていました」

 ま、俺の前世の話を知ってる人はそう思うよね。ランスロットくんも同じことを言いたそうだしさ。

 精霊たちも勘付いてるようだね。これは言い逃れしようがない。別にするつもりはなかったし、気付かれる顔知れないとは思ってたから全然良いんだけど。

「せーいかーい。俺の弟、どの子か分かった?」
「傍に少しチャラそうな男を連れてた子だろう?」
「そうそう。あの子、俺の弟で直人って名前なんだよ。かわいくない?かっこよくない?国宝級の美しさでしょ」

 ランスロットくんの言うチャラそうな男ってのはあの子の側近だろうね。チャラそうで意外とそうでもないんだよ。チャラそうなのは見た目と話し方だけってやつだねぇ。

 直人くんはもう可愛い、かっこいい。褒め言葉のオンパレードだよ。あれで本人は俺に負けるって言うんだから意味分かんないよねー。
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