【第二章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで？

第二章 再会

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「ナギサ、やってくれないの？」
「……演技で良いなら」
「だーめ」
「アリスは普段の俺より感情的になってる俺の方が好きなわけー？」
「え、なに？そんなことないけど」
「……………」

　あれは俺だけど俺じゃないって言うか……普段の俺が認めてない俺？自分で行ってて意味わかんないけどねー。

「……自分に嫉妬でもしてんのか？」
「！」

　嫉妬？いや、ないない。なんで俺が俺に嫉妬するの？俺が認めてない方の俺ばかり見たがるからちょっと複雑なだけで……嫉妬、なんて俺に似合わないと思うけどー。
　この際似合う似合わないは置いといても、自分に嫉妬はないでしょ。

「ああ、そういうことですか。納得です」
「なにが納得！？」
「だってさっきからよく分からねえことばっか言ってるだろ」

　あのー、よく分からないこととは何でしょうかー。俺、変なことは言ってないと思いますけどねぇ？

「ナギサ、嫉妬してるの？かわいいね」

　へぇー。また俺を揶揄うの？…面白いじゃん。

「……馬鹿にしてるの？アリスの方が可愛いだろ」

　演技じゃないならこれが限界だねぇ。意識的にやってみたけど、性格が違う時の俺ってこんな感じなの？知らなかった……

「やった！裏ナギサ！」
「……は？」
「今のは演技じゃないよね！素で性格が変わった時のナギサは勝手に裏ナギサって呼んでいるんだよ。男らしさがある裏の顔って言うか、正確には裏じゃないんだけどね」

　なんなの、その微妙なネーミングセンス……率直過ぎじゃない？もうちょっとマシなやつはないのかな。コメントし辛いんですけどー。

　頑張って俺の性格が変わってたって言われた時のことを思い出して色々分析したのに。なのにその反応はなに？予想外の反応だったんだけどー。でもまあ、自分の感情が乱れてる時の感じが分かったし、大体のラインを知れたから今度からはもっと感情コントロールできるかも。

　それと、意識的にアリスの言う「裏ナギサ」になれるかもねぇ。その点と、演技の幅が広がった気がするからこれはこれで良かったのかな？……良かったのかな？
　思わぬ収穫というか、なんでこんなタイミングでと思わなくもないけど、少しでも成長できたのならもうそれで良いや。正直に言うと、考えるのが面倒になっただけなんだけどねー。

「なんか勝手に納得した雰囲気出してるが何を考えてるんだ…？」
「さあ？精霊王様の思考なんて僕たちのような人間には分かりませんよ」
「セイン、お前ついにナギサにも毒を吐くようになったな……」
「ランスロット？」
「何でもない」