100 / 241
第2章 亜麻色の光
26 本格的な役決め
しおりを挟む
「今日は学園祭の主役、光の王子を演じる人を決めたいと思います。話し合いで決まらなかった場合は多数決を取ります。その場合は特別な理由がない限り拒否することはできません。反対意見のある方は挙手を」
あー、ついに来ちゃったね、この日が。俺は選ばれない……と信じたいけどどうなるかな。俺に無関係なら楽しく見ていられるのに俺を巻き込んだのは一体どこの誰だっけね?
今のうちに特別な理由でも考えておこうかな? でもなにも良さげな理由が思い浮かばないんだよねぇ。
役が決まらないとなにも準備が進まない。特にこのクラスは今までにない『全員が魔法を使う』ということに挑戦するから、他クラスよりも早くから準備を始めなければ間に合わない。分かってるよ、分かってるけどさぁ……
「では光の王子を演じたい方は挙手をしてください」
あれ? 前回より大分人数が減ってるように見えるのは俺の気のせいかな?
「三人ですね。前回立候補していた方はよろしいのですか?」
「この私より向いている人がいるなら、そちらに譲るのが男というものだろう? 私より美しい男はいない……と言いたいところだが、どうやらこのクラスには私より向いている人がいるようだからねぇ」
「オレもそいつと同意見だな。王子役よりやってみたい役を見つけたというのが本音だが」
なんかすごいナルシスト? と言ったら失礼だけど、自信満々な人もいるものだね。良いところのご令息で女性に対しては紳士って感じ。同姓には嫌われてそうだけど俺は嫌いじゃない。だって面白くない? 珍しい人種だよねぇ。
「分かりました。ではお三方は誰が王子役をするかそちらで話し合ってください。その間に他の役も決めましょう」
『光の王子と小さなガラスの靴』、つまりシンデレラなんだけど、役は大きく分けて三つある。
まずはシンデレラや王子様、意地悪な継母などのキャスト。いわゆる花形役者だね。本当の意味とは少し違うけど表舞台に立つという意味ではこれで間違いない。
次に本番で活躍する裏方。これは照明や音響、メイクなどを担当する人の当てはまる。本番の舞台でキャストを支える役。
最後に、本番までの準備期間で活躍する裏方。舞台監督、制作担当、舞台装置に衣装。準備期間が本番になる人達だねー。
演劇で目立つのはやっぱり役者だけど、重要さで言うと役者も裏方も変わらない。どれだけ上手く演技ができていても、その演技を支えるものが駄目なら作品の質は一気に落ちる。逆に多少演技が下手でも裏方がちゃんとしていればマシなものに見える。なにをするにもやっぱり支えてくれる人って大切だよねぇ。
あー、ついに来ちゃったね、この日が。俺は選ばれない……と信じたいけどどうなるかな。俺に無関係なら楽しく見ていられるのに俺を巻き込んだのは一体どこの誰だっけね?
今のうちに特別な理由でも考えておこうかな? でもなにも良さげな理由が思い浮かばないんだよねぇ。
役が決まらないとなにも準備が進まない。特にこのクラスは今までにない『全員が魔法を使う』ということに挑戦するから、他クラスよりも早くから準備を始めなければ間に合わない。分かってるよ、分かってるけどさぁ……
「では光の王子を演じたい方は挙手をしてください」
あれ? 前回より大分人数が減ってるように見えるのは俺の気のせいかな?
「三人ですね。前回立候補していた方はよろしいのですか?」
「この私より向いている人がいるなら、そちらに譲るのが男というものだろう? 私より美しい男はいない……と言いたいところだが、どうやらこのクラスには私より向いている人がいるようだからねぇ」
「オレもそいつと同意見だな。王子役よりやってみたい役を見つけたというのが本音だが」
なんかすごいナルシスト? と言ったら失礼だけど、自信満々な人もいるものだね。良いところのご令息で女性に対しては紳士って感じ。同姓には嫌われてそうだけど俺は嫌いじゃない。だって面白くない? 珍しい人種だよねぇ。
「分かりました。ではお三方は誰が王子役をするかそちらで話し合ってください。その間に他の役も決めましょう」
『光の王子と小さなガラスの靴』、つまりシンデレラなんだけど、役は大きく分けて三つある。
まずはシンデレラや王子様、意地悪な継母などのキャスト。いわゆる花形役者だね。本当の意味とは少し違うけど表舞台に立つという意味ではこれで間違いない。
次に本番で活躍する裏方。これは照明や音響、メイクなどを担当する人の当てはまる。本番の舞台でキャストを支える役。
最後に、本番までの準備期間で活躍する裏方。舞台監督、制作担当、舞台装置に衣装。準備期間が本番になる人達だねー。
演劇で目立つのはやっぱり役者だけど、重要さで言うと役者も裏方も変わらない。どれだけ上手く演技ができていても、その演技を支えるものが駄目なら作品の質は一気に落ちる。逆に多少演技が下手でも裏方がちゃんとしていればマシなものに見える。なにをするにもやっぱり支えてくれる人って大切だよねぇ。
125
お気に入りに追加
605
あなたにおすすめの小説
素材採取家の異世界旅行記
木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。
可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。
個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。
このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。
この度アルファポリスより書籍化致しました。
書籍化部分はレンタルしております。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
魔境育ちの全能冒険者は異世界で好き勝手生きる‼︎ 追い出したクセに戻ってこいだと?そんなの知るか‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
15歳になり成人を迎えたリュカは、念願の冒険者ギルドに登録して冒険者になった。
そこで、そこそこ名の知れた冒険者Dランクのチームの【烈火の羽ばたき】に誘われる。
そこでの生活は主に雑用ばかりで、冒険に行く時でも荷物持ちと管理しかさせて貰えなかった。
それに雑用だけならと給料も安く、何度申請しても値段が上がる事はなかった。
ある時、お前より役に立つ奴が加入すると言われて、チームを追い出される事になった。
散々こき使われたにも関わらず、退職金さえ貰えなかった。
そしてリュカは、ギルドの依頼をこなして行き…
【烈火の羽ばたき】より早くランクを上げる事になるのだが…?
このリュカという少年は、チームで戦わせてもらえなかったけど…
魔女の祖母から魔法を習っていて、全属性の魔法が使え…
剣聖の祖父から剣術を習い、同時に鍛治を学んで武具が作れ…
研究者の父親から錬金術を学び、薬学や回復薬など自作出来て…
元料理人の母親から、全ての料理のレシピを叩き込まれ…
更に、母方の祖父がトレジャーハンターでダンジョンの知識を習い…
母方の祖母が魔道具製作者で魔道具製作を伝授された。
努力の先に掴んだチート能力…
リュカは自らのに能力を駆使して冒険に旅立つ!
リュカの活躍を乞うご期待!
HOTランキングで1位になりました!
更に【ファンタジー・SF】でも1位です!
皆様の応援のお陰です!
本当にありがとうございます!
HOTランキングに入った作品は幾つか有りましたが、いつも2桁で1桁は今回初です。
しかも…1位になれるなんて…夢じゃ無いかな?…と信じられない気持ちでいっぱいです。

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?

加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

異世界無知な私が転生~目指すはスローライフ~
丹葉 菟ニ
ファンタジー
倉山美穂 39歳10ヶ月
働けるうちにあったか猫をタップリ着込んで、働いて稼いで老後は ゆっくりスローライフだと夢見るおばさん。
いつもと変わらない日常、隣のブリっ子後輩を適当にあしらいながらも仕事しろと注意してたら突然地震!
悲鳴と逃げ惑う人達の中で咄嗟に 机の下で丸くなる。
対処としては間違って無かった筈なのにぜか飛ばされる感覚に襲われたら静かになってた。
・・・顔は綺麗だけど。なんかやだ、面倒臭い奴 出てきた。
もう少しマシな奴いませんかね?
あっ、出てきた。
男前ですね・・・落ち着いてください。
あっ、やっぱり神様なのね。
転生に当たって便利能力くれるならそれでお願いします。
ノベラを知らないおばさんが 異世界に行くお話です。
不定期更新
誤字脱字
理解不能
読みにくい 等あるかと思いますが、お付き合いして下さる方大歓迎です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる