90 / 230
第二章 再会
17
しおりを挟む
ついさっきまで俺を揶揄って遊んでいたくせに、少し顔を近づけただけで狼狽えるアリスはそれはもう可愛い。元々エリオットくんたちが言うには国内で有名らしいアリスの美貌だけど、やっぱり身内の前だと少し態度も違う。気を許してくれているのが分かって嬉しいんだよねぇ。
「……あ。アリス、ちょっと目を瞑って」
「え?う、うん」
アリスがこの世界にいるのなら絶対にしておきたいことがあったのを思い出した。アリスって俺からすると大分背が低いんだけど、キスするにはちょうど良いんだよねー。
「…ナギサ?んうっ!なな、な、な…!」
「ん?なんて?」
「なんでキスするの!?」
「え、嫌だった?それは流石に傷つくんだけど」
恋人なのにキスを拒まれるとかショック以外の何物でもなくない?って言うか、そんなに慌てることー?口付けくらいもう何度もしたことあるんだけど……
「嫌ではないよ!?でも、え、なんで今キスするの?」
「んー……キスだけどただのキスじゃないよ?アリスってさ、今世は大精霊と人間のハーフなんだから魔力持ってるよね?俺の魔力を感じなかった?」
「まりょ……あ、たしかに。これがナギサの魔力なの?なんだかすごく温かくて神聖な感じがするよ」
「祝福したんだよ。これで君になにかあればすぐに分かるし、練習すればアリスは全属性の魔法が使えるよ」
…あっ!このメンバーでエリオットくんとアリスが大精霊とのハーフなの知ってるの俺だけだった……言っちゃダメだったかも……
そう思ってチラッとエリオットくんの方を見ると俺が考えていたことが分かったのか問題ないとばかりに頷いてくれた。
人の秘密を次から次へと明かして楽しむ趣味はないんだけど、意図せず色々話ちゃう時があるのは俺の悪い癖だねぇ。今回は許してくれたみたいだけど、このメンバーじゃなければ大騒ぎだったかも。なにせ精霊とのハーフが珍しいのに、大精霊だからねー。
「全属性!それって、転移魔法とかあるの?魔法がある世界の物語だと定番じゃない?」
「あるよー。転移魔法は地水火風どの属性にも当てはまらない無属性。俺か、俺のパートナーしか使えない魔法だよ」
「わあ!嬉しい、今度魔法の使い方教えてくれるかな?」
「いーよー。エリオットくんとアリスって、シルフから魔法の使い方を教わったりした?風魔法なら使えるはずだけど」
純血の精霊ではないから自由自在とまではいかないかもしれないけど、親の一人が大精霊ならかなり自由が利く方なんじゃないかなー?
その分難しくはあると思うんだけど、二人とも器用だからねぇ。そこは問題ないと思うし、ちょっとでも魔法を使ったことがあるのなら俺が教える時も楽なはずだよ。
「……あ。アリス、ちょっと目を瞑って」
「え?う、うん」
アリスがこの世界にいるのなら絶対にしておきたいことがあったのを思い出した。アリスって俺からすると大分背が低いんだけど、キスするにはちょうど良いんだよねー。
「…ナギサ?んうっ!なな、な、な…!」
「ん?なんて?」
「なんでキスするの!?」
「え、嫌だった?それは流石に傷つくんだけど」
恋人なのにキスを拒まれるとかショック以外の何物でもなくない?って言うか、そんなに慌てることー?口付けくらいもう何度もしたことあるんだけど……
「嫌ではないよ!?でも、え、なんで今キスするの?」
「んー……キスだけどただのキスじゃないよ?アリスってさ、今世は大精霊と人間のハーフなんだから魔力持ってるよね?俺の魔力を感じなかった?」
「まりょ……あ、たしかに。これがナギサの魔力なの?なんだかすごく温かくて神聖な感じがするよ」
「祝福したんだよ。これで君になにかあればすぐに分かるし、練習すればアリスは全属性の魔法が使えるよ」
…あっ!このメンバーでエリオットくんとアリスが大精霊とのハーフなの知ってるの俺だけだった……言っちゃダメだったかも……
そう思ってチラッとエリオットくんの方を見ると俺が考えていたことが分かったのか問題ないとばかりに頷いてくれた。
人の秘密を次から次へと明かして楽しむ趣味はないんだけど、意図せず色々話ちゃう時があるのは俺の悪い癖だねぇ。今回は許してくれたみたいだけど、このメンバーじゃなければ大騒ぎだったかも。なにせ精霊とのハーフが珍しいのに、大精霊だからねー。
「全属性!それって、転移魔法とかあるの?魔法がある世界の物語だと定番じゃない?」
「あるよー。転移魔法は地水火風どの属性にも当てはまらない無属性。俺か、俺のパートナーしか使えない魔法だよ」
「わあ!嬉しい、今度魔法の使い方教えてくれるかな?」
「いーよー。エリオットくんとアリスって、シルフから魔法の使い方を教わったりした?風魔法なら使えるはずだけど」
純血の精霊ではないから自由自在とまではいかないかもしれないけど、親の一人が大精霊ならかなり自由が利く方なんじゃないかなー?
その分難しくはあると思うんだけど、二人とも器用だからねぇ。そこは問題ないと思うし、ちょっとでも魔法を使ったことがあるのなら俺が教える時も楽なはずだよ。
156
お気に入りに追加
569
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
幼女に転生したらイケメン冒険者パーティーに保護&溺愛されています
ひなた
ファンタジー
死んだと思ったら
目の前に神様がいて、
剣と魔法のファンタジー異世界に転生することに!
魔法のチート能力をもらったものの、
いざ転生したら10歳の幼女だし、草原にぼっちだし、いきなり魔物でるし、
魔力はあって魔法適正もあるのに肝心の使い方はわからないし で転生早々大ピンチ!
そんなピンチを救ってくれたのは
イケメン冒険者3人組。
その3人に保護されつつパーティーメンバーとして冒険者登録することに!
日々の疲労の癒しとしてイケメン3人に可愛いがられる毎日が、始まりました。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる