【第二章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで？

第二章 再会

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　すーぐスカウトされちゃうからまともに外を出歩くことも出来ない。そして桜井の名前を隠して入った芸能界でも引く手数多。バラエティ番組に俳優として出たら毎回最高記録更新の視聴率、モデルをやればその雑誌は一日で完売、役者として映画やドラマに出演しても本気で演技出来ないくらい（他の人が霞むので）上手で、変声も得意だからアニメなんかで声優をすればそのアニメは次の次のシーズンまで放映決定になり……

　私の彼氏すごくない？って自慢したいところなんだけど、あちこちで伝説を作りすぎて渚との関係を公にするのは気が引けてくるんだよね。それでも知ってる人は知っていたけれど。

　と、まあそんな感じで渚の良い所やすごい所なんて一時間や二時間で語りきれるものではないんだけど。だからそんな超人的な渚と私が親しくなれたのは奇跡だなーって思う。

　たぶん、渚を一目でも見た人は一瞬で渚を褒め称える言葉が無数に浮かんでくるよね。それはちょっと言い過ぎなんじゃない？ってくらいに。

　渚は天才だなんだと良く言われているみたいだったけどね、違うんだよ。渚は天才なんかじゃない、みんなが知らない所で努力しているんだって叫びたくなる。学ぶことが好きだと言っていたけど辛くないわけではないでしょう？でもそんな少しも素振り見せなくて、気紛れでマイペースだけど一緒にいると安心できて、実は結構悩みが多くて、身内想いで。それにすごく優しくて。そんな渚に私は恋をした。

　あんな素敵な男の子と一緒にいて好きにならないでって言われる方が難しい話だとも思うんだけれどね。だから両想いになれなくても良い、好きでいられたらそれで良いって思っていたのに渚は私を好きになってくれた。すごく大切にしてくれた。ちょっと……結構、いやだいぶ？S気質なところがあるのは困っちゃうけど。

　───なんて、渚との出会いや渚の伝説を勝手に一人で語っていたけど今言いたいのはそんなことじゃない。


「ナ、ナギサっ！顔が近いよ、お願いだから離れて…！」

　そう、ちょっとナギサを揶揄い過ぎちゃって無事にS気質を発揮したナギサが迫ってきている。それもみんなの前で。長い付き合いだし恋人同士になってからもっと近づくことはあったけれども。それでもやっぱり、この綺麗すぎる顔が迫ってきたら焦るよね。心臓がバクバク鳴り過ぎてヤバいもん。

「先に俺を揶揄ったのはアリスの方、だろ？」
「っ…！」

　ちょっと、ちょっとよろしくない……ナギサってこんな感じで迫ってきている時、恐らく無意識だけど口調が変わるの！普段とのギャップが大きいけど、これはこれでカッコよくて……

　必死に視線で周囲の人たちに助けを求めたけどニヤニヤした笑みが深まっただけだった。