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第二章 再会

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「……ナギサ様」
「ん?どうしたの、ルー」
「恋人はいらっしゃらないのではなかったのですか?」
「この世界には、いなかったよー。アリスがいたのに他に恋人を作るなんて俺には無理だったから。アリスが他に好きな人が出来たなら俺は手を引くけど、俺が自分からアリスを手放すことはないからねぇ」

 やっぱり俺がアリスを幸せにしたい……というより、一緒に幸せになりたいって思うよ?でもねぇ、アリスが俺を望まないなら執着するつもりはない。例えフラれたとしても俺がアリスを好きなのは変わらない。少なくとも自分から嫌われるようなことはしたくない。アリスは俺の光そのものだから。
 ただの可愛い幼馴染から「好きな人」、「愛おしい人」に変わったのはいつだったか……結構早かった気がする。覚えていないけど今の俺にはアリスが必要。俺が死んでアリスに会えなくなったことを理解した時。家族に会えないのも辛いけどそれ以上に有栖に会えないのが俺は辛かった。俺の恋人で婚約者で家族だから。

 ……我ながら愛が重いよねー。

 それでも好きだから。表現し切れないくらいに、俺はアリスが好きだからね。

「それは私のセリフだよ。ナギサがいなくなってどれだけ辛い思いをしたと思ってるの?ナギサって自分に向けられる好意には疎いよね。でも………今世こそはナギサと結婚したいって思ってるよ」
「…と、言うことだよルー。アリスがいないなら結婚なんて以ての外、恋人だって作るつもりはなかったけどアリスがいるなら話は別だからー。言ったでしょ、俺はこれでも一途なんだよ」
「ナギサ様ってあまり一途そうには見えないですよね」
「ううん、多分ナギサは本当に一途だよ。だってナギサは私が初恋らしいし?初恋の相手と婚約までしてるんだから。ね、ナギサは私のこと大好きだもんね?」
「……あのさ、アリス。みんなの前で言わないでよ」

 恥ずかしくはないんだけどこのメンバーの前で言われると何となく気まずい。っていうか、それ普通自分で言うかなー?まちがっ……て、はないんだけど………
 改めて言われるのは恥ずかしいんだよ。分かる?

「あれ?初恋って言ってなかったっけ?大好きじゃないのかな~?」

 あぁ……完全に遊ばれてるー……心なしか皆もニヤニヤしてる気がするしさぁ……

「ナーギサくーん?」
「なにその呼び方……あーもうっ、そうだよ。俺の初恋はアリスだし大好きだよ!これで良い!?」
「ふふっ」
「なに」
「んーん、かわいいなって」

 ……ふぅん?俺も負けてばかりじゃいられないよねー?いつまでもアリスに主導権を握らせたりしないよ。俺は優しくないからねぇ。

「アリス」
「ふぇっ?な、なんでしょう……」

「どうしたの、そんなに顔赤くしてさ。俺のこと可愛いって言ってたんじゃなかったの?アリスの方が可愛いじゃん」
「あ、え、えっ…とぉ」
「なんかスイッチ入ったな。おもしれえ」

 アリスの方にグイっと顔を寄せて目を合わせるとあからさまに目が泳ぎだす。うん、やっぱり俺は攻められるより攻める方が性に合ってる気がするよー。
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