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第二章 再会

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「……穴があってもなくても掘って埋まりたい……っ!」
「渚って変なところで恥ずかしがるよね。人前で泣いたのは私も恥ずかしいけど、渚を見てると落ち着いちゃう。渚、顔真っ赤だよ」
「あー!やめて有栖っ!」
「何やってるんですか……ナギサ様、僕たちのこと忘れてましたよね」

 ほんとにやだ!恥ずかしいんだけど!人前で泣くとか最悪っ……ルーの言う通り忘れてたし…!

「王様が泣いてるの初めて見た!泣いてる姿も綺麗だね!」
「っルー!!君の奥さんどうにかしてよー!」

 リーの場合、揶揄ってるとかじゃなくてたぶん本気で言ってるから余計に恥ずかしいんだよ。しかも見られたのは二人だけじゃなくてセイン君たち三人もいるし何より有栖……

「あぁ……本当、最悪すぎて消えたい。アリスに見られるのが一番嫌だったのにー……」

 どこの男が大事な女の子に泣いてるところ見られたいって思うかなぁ?情けない………

「なんで私に見られたくないの?」
「なんでも。だって俺、有栖の前で泣いたの初めてだよ」
「泣いてる渚はかわいかったよ♡」

 全く嬉しくないよ。男に可愛いは褒め言葉じゃないでしょー。

「それより渚、さっきの渚は口調が変わってたの気付いてた?」
「え!?うそ、ほんとに?気付かなかった。ごめんね」

 ほんと最悪……俺って感情的になってる時は口調が変わってるらしいんだよねぇ。普段より雑な口調。もう半分の俺は口調とか色々雑だし言葉遣いが良くないから有栖の前であまり使いたくないんだけど、無意識に使ってるみたいだからどうにも出来ないんだよねぇ。

「私はいつもより雑な口調の渚も刺激的で好きだよ?それと、今の私はアリスであって有栖じゃないからね。私も気をつけないといけないけど」
「それだけ聞くと何を言ってるんだって感じだろうねー。分かったよ、アリス」
「私はナギサ様って呼んだ方が良いかな?」

 ちょっとおどけたように聞かれる。でもアリスに様付けされるなんて絶対嫌だし、

「違和感すごいからダメ。そもそもアリスは俺のこと様付けで呼んだことないでしょー」
「あるよ。だって前世のナギサだって幼馴染とはいえ格上だったから」
「そうだっけ?格上って言っても深真もそんなに変わらないと思うよ」
「全然違うから。深真は日本で有名だけど、桜井は世界的に有名でしょ。世界中のメディアを牛耳っていたじゃない。桜井を敵に回したら社会的にも物理的にも惨殺されるってよく言われてたよ。次期社長で桜井のハイスぺ御曹司、渚様は情報通ですからそんなことも知らないわけありませんし~」

 牛耳るって人聞きが悪いねー。父さんはそんなことしないよ。俺?俺はどうだろうねぇ。ご想像にお任せするよ。あ、でも一回だけ父さん含めた一族が暴走した時があったね。

「「桜井の宝物庫」」
「……一族が暴走した時に俺に付けられた二つ名があったね、そういえば」
「皇族の一人で世界的有名な財閥の御曹司、芸能人としても超一流、おまけに跡取りと。そうじゃなくても家族愛が強い一族だもんね」

 俺が毒を盛られて臥せっている時に、その事件に少しでも関与した人は直人くん含めた一族全員が葬り去ったんだよー。葬り去ったと言っても社会的にだけどね。あ、でも一人残さず警察に付き出したらしいから人生は終わってるか。
 宝物庫って言うのは俺のことで、俺自身が大事にされているのと俺の実力を宝物に例えて宝物庫だったかなぁ?初めて聞いた時はすごい驚いたのを覚えてるよ。
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