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第二章 再会

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 心当たりはない。だけどそう言われてみれば俺も朝から胸騒ぎがしていたかもしれない。モヤモヤすると思ってたんだけど精霊の勘かなぁ?精霊ってどの属性も自然に関係するもので、それが関係あるのかないのか知らないけど勘が良い子が多い。

 また今回もひと騒ぎありそうだねぇ…………

「中庭に付きましたけどまだいませんね」
「あ、遅れるかもしれないと言っていた」
「そう」
「ところでナギサ、俺はお前の秘密を知っているがセインやランスロットは知っているのか?色々と聞き出したいことがある」

 うわぁ、完全に目が据わってるんですけどー。やっぱり俺に対して怒ってるんじゃないの?

「俺の秘密って?」
「お前は精霊王ナギサだがその前はさくら、」
「え、ちょっと待って待って!なんで知ってるの!?」

 絶対「桜井渚」って言おうとしたよね!?俺、知らない間に話しちゃったりした?え、え、なんで知ってるの?

 精霊が話した……ってことはないだろうし、だったらなんで!?

「本当のことだったのか。別に信じていなかったわけではないが……じゃない、近いうちに理由は分かる。今は風の大精霊が理由だと思っておいてくれ」
「納得できないし理解不能だけど……まあいーよ。そうだね、どうせなら君たちにも話ちゃおっかな」

 友人であり、信頼できる相手だからね。隠していてもどうせ知られちゃうことな気がしてるしさ。……なんでかな、俺の秘密がバレちゃったことが不満ではあるんだけどー。

「セインくん、ランスロットくん。驚かないで聞いてほしいんだけど、俺は前世の記憶って言うのがある。この世界とは別の世界で生きていた時の記憶だよ」
「……そういうものがあると聞いたことはありますね。伝説のようなものですから実際にあるとは思いませんでしたが…」
「ナギサがそんなつまらない嘘を吐くはずがないしな。それでどんな奴だったんだ?今よりもう少し大人しい容姿だったか?」

 あれ?意外にあっさりしてる?過去の転生者たちは生涯隠し続けたって世界が言ってたけど、伝説程度には知られていた話だったとか?

 俺もこの世界のことはまだまだ知らないことだらけだねぇ。

「ううん、容姿や声は全く変わってないよ。前世の俺は桜井渚って言う名前で、皇室の傍系……この国で言う王族の末席くらいに名を連ねる立場だった。だけどかなり下っ端だから知ってる人はほとんどいない、それよりも桜井家はすごくお金がある家なことで有名だった。公爵家と同じくらいかそれ以上だと思うよ。詳しいことを説明したところで分からないだろうから他は省くけど、十七歳の夏に海で溺れた弟を助けて死んじゃってねぇ。それで転生したってわけ。でも精霊王ナギサとしての記憶も十分にあるよー」
「……よく分からないが、物凄い家柄だってことは分かった。弟以外に兄弟は?」
「いないよー」
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