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第二章 再会

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「ねえ、そろそろ出てきたら?ここなら誰も来ないと思うんだけどー」
「…………」
「あー無視?俺が尾行に気付かないわけがないんだけど、誤魔化せるとでも思ってるかなぁ?出てこないなら俺から行っちゃうよ」

 学園前の通りに差し掛かった辺りから、俺は誰かに尾行されていた。気配からして人間、それもかなり強い。相手の予想はついてるんだけどねー。

「……気配を消すのは得意なのですがね。まさか気付かれていたとは思いませんでした。そのような素振りは一切なかったので」

 木陰から出てきたのは俺の予想通り、王弟殿下(まともな方)だった。

 俺がこの人だろうって思ったのは地の魔力の気配が濃かったからだよ。濃さからしてノームに祝福を受けている人だろうなーって思った。

「何の用?」
「何の用、とはご挨拶ですね」
「ストーキングしてた人には言われたくないかな。噂よりも面倒そうな性格だねぇ」

 ただ、穢れは感じないから悪い人ではないのだろうけど。ノームの祝福を受けているあたりも信用できるし。

「そちらこそ、腹に一物も二物も抱えていそうではありませんか。明らかに腹黒いですよね。ああ申し訳ありません、何の用かと聞かれたのでしたね。あの有名な精霊王はどんな方なのか見てみたかっただけですよ。なにせノームは貴方様の話ばかりするものですから」
「理由は分かったけど……」

 理由は分かったよ?理解はした、でも納得はしてない。わざわざそんな理由で尾行するかなー?俺に恨みではないけど…何というか……

「嫉妬?俺に嫉妬してる?」
「……そうですね」
「なんで?ノームのことが好きなのー?」

 この国では同性婚も身分差婚も当たり前のように認められてる。特別な事情があるなら別だけど、そうじゃないなら例え貴族の跡取りでも認められる。その場合は一家でよく話し合って跡取りをどうするかとか決めないといけないけどねぇ。それは王族も同じみたいなんだよ。同性婚したいから跡取りの座を降りるって人も少なくないしねー。

 なんか恋愛に関してはかなーり自由だよね。まあ身分差婚が認められてなかったらシルフたちは結婚出来てなかったかもしれないから、俺としては嬉しいんだけど。

「はい。貴方様は認めてくれないかもしれませんが……」
「え、なんで?普通に両想いなら良いと思うけど。無理矢理なら賛成しかねるからそこはちゃんとしてほしいけどさー。ノームはあれでしっかりしてるから、そのノームが祝福してる君は俺からすると十分信用に足る人だしねぇ」
「そ、そうですか?」
「うん。だから尾行なんてする暇あったらアプローチでもしてなよー」

 王弟も別に暇ではないでしょ?それにたしかこの人──ジェフリーさんは王宮魔法師団師団長だったよね?いや、ほんと尾行なんてしてたらダメでしょ。仕事はどうすんの。
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