【第二章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで？

第一章 転生

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「あ、はは……なるほどねぇ………」

　水の宮、書庫の禁書室。禁書室はすべての宮と繋がっている。今俺が手に取っているのは過去の精霊王が書いた日記のような感じの記録二冊と「精霊王」という題名の書物。
　この三冊とも今まで一度も見たことがなかった。俺はすべての宮の書庫にある書物と禁書を読破してる。なのに読んだことがないどころか見たのも初めて。

　何やら仕掛けがあったみたいで、特定の条件を満たしたら認識できるようになっていたみたいだねぇ。こんな小賢しい真似をしたのは一体どこの誰なのでしょうね？ほんと面倒な人だよ。

「精霊王」という書物はそのタイトルの通り、精霊王についてが事細やかに書かれていた。その中には俺が考えていた精霊王の役割、仕事についても。

「これなら精霊王を強くしているのにも納得がいくかなぁ…」

【まず初めに、精霊王にも役割や仕事があると知っているのは精霊王と世界のみである。守秘義務があることと理解した上で以下の内容を読むこと。

　·精霊王はこの世で一番強くあること。
　·下位精霊、中位精霊、大精霊を生み出してその全ての頂点に立ち、統率すること。
　·そしてなにより重要なのが、破壊と創造の力を持って世界の監視下で世を管理すること。

　世界にとってあるべきではないと思う存在を排除（破壊）する、そして世界にとって有用な存在を作る（創造）こと】

　だって。排除って言うのは殺すか再起不能にするか、出来るのであれば更生するかってことだよね。で、作るのは精霊をたくさん生んで他の種族に力を貸すことで成長を促すか、あるいは優秀であるよう教育するか。

　力を貸して成長を促すって言うのは、精霊に頼り切りじゃなくてあくまでも最初の一歩の手助けをってこと。

　よく考えたね。つまり取り敢えず精霊をたくさん生めってこと？それで世界を発展させろ、この国に限らず世界中をって？……めんどくさ。

　俺は転生してまだ一度も精霊を生んでないんだよね。精霊は強ければ強いほど長生きする。一番寿命が長いのは精霊王だけど、寿命が尽きる前に自分の魔力を与えればもっと長く生きられる。でもそれは簡単に出来ることではないし、お互いに最低ひと月は魔法が使えない。それから寿命を延ばした精霊王が死ねば伸ばしてもらった方も一緒に死ぬ。

　今までの二人の精霊王は、自分の代の精霊は強さに限らず全員寿命を延ばしてあげていたみたいだね。俺もそうしてるよ。だから一番寿命が長い俺が死ぬときには精霊はみんな一緒に死んじゃうね。過去のお二人も全く同じ。もちろん寿命を延ばさないでほしいって言う子は延ばさないし、寿命以外なら助けてあげられないけど。

　だから今の精霊たちは俺が生まれた時に生んだ子と、転生前に生んだ子しかいないわけだよ。大精霊四人とルーは俺が生まれてすぐ作ったから年齢は俺と一緒だね。