【第一章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで？

第一章

13

　察しが良くて助かるね。そういう人は嫌いじゃないよー。察しが悪い人とか空気が読めない人とか、あとは理解が遅い人とかは面倒だからあまり好きじゃないけどねぇ。

「なにをゴチャゴチャ言ってやがる！それより何だコレは！」
「気にすることはないよー。じゃあすこーし我慢してねぇ？君たちが苦しめた人たちに比べたらマシだと思うからね
　ー」

　とは言ったもののどうしよっかな？どうやって痛めつけるか決めてなかったよー。考えるの面倒だしここは適当に水魔法でも使う？せっかく水の精霊の好む水場にいるんだしね。

「あぁん？なに言ってんだ！こいつがどうなっても良いのか！」

　なんかすごい有名…ではないけど定番のセリフだねぇ？でもさ、ルーがどうなっても良いのかって、精霊なのに気付いてないのかな？やっぱり頭が弱そうだねぇ。武器を持っておくくらいの危機感はあるようで安心したけど精霊じゃ相手にならないよ？

「うっさいですね。それはこっちのセリフなんですよ。近づいてくるな、このクソ野郎」

　口が悪いねぇ。気持ちは分かる、よーく分かるけどちょっと抑えようよ。あ、俺の代わりに痛めつけてくれるみたいだね。手間が省けてラッキー！

「あ゛？もう一回言ってみろ」
「死ねクズ野郎」

　悪化したね。彼らも怒ってるけどこれ、ルーも相当怒ってるね。まあこんな穢れた人たちとずっと同じ空間にいたらそうなるかぁ…

「死ぬのはテメェだァ！このクソガキがァ！」
「精霊に刃を向けるとか馬鹿ですよね。しかも中位精霊のぼくに勝てるわけないのに。種族を見分けるくらい出来た方がいいですよ」
「なに言ってやが…な、なんだコレ！動けねェ！」

　水魔法で拘束したのか。辛そうな体勢だねぇ。水で出来た鎖のようなものが彼らの動きを封じ五人とも、誰一人として動けなくなった。無様に暴れているのがここからよく見える。せっかくだから俺は、その水で出来た鎖に電流を纏わせることにした。

　あれじゃあ痛めつけることは出来ないからね。屈辱的ではあるかもだけどー。

「っぐ、ああああっ」

　電流を流すとそれぞれ叫びながら暴れようとする。抗う術もないようだから哀れだよ。もうちょっと抵抗出来るようになってれば良かったのにね。

「王様、もっとやっちゃえー！」
「やっちゃおっかー？」
「おにいちゃん！もうやめてあげて！」

　セナちゃんは優しい子だねぇ。そんな泣きそうな顔しなくていいのにー。

「ごめんね？もうやらないから泣きやんでくれる？」

　どうやら俺は子供に弱いみたいなんだよね。直人くんを思い出すからかな…セナちゃんはせっかく可愛いんだし、泣いてるより笑っていてほしいかなぁ。

「うん」
「よしよし。じゃあこの人たちは騎士さんたちの所に連れて行くね。ルー、もう拘束を解いていいからさ、騎士団のところに連れて行ってくれるかな？ちゃんと証拠もあるから」
「えー……分かりました」