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第一章 幸せが壊れるのはあまりにも呆気なく
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「にいさーん。ホテル!ついた!兄さん起きて!渚兄さーん!」
さっきとは逆だね。兄さんは脳内での映画鑑賞が終わったあとに宣言通り眠りに付いた。もう言わなくても分かるだろうけど、それはもう極上な寝顔だったね。睫毛の長さが際立ってた。ちょっと可愛かったけど無防備すぎると思うんだよね。
「……きこえてるから…………だいじょ…ぶ」
「うん、大丈夫じゃないね?兄さん、おれお腹空いたよ。一緒に朝ごはん食べに行こうよ」
「んー……」
「甘いもの食べよ?」
「たべた…いけど……仕事が終わるまではだめ」
寝ぼけてるのにそこはちゃんとしてるんだ。プロ意識高いね。
「おーきて。兄さん」
「ん……おきたおきた。おきてるよー……」
「目が閉じてるよ」
それはきっと……眠たいからだよ、だって。兄さんかわいい。当たり前のこと言ってるんだけど。
起きそうにはなったけど、動く気配がなかったので無理矢理手を引くとやっと動いてくれた。眠そうに目を擦ってるだけではあるけど、この姿を写真にとって写真集でも作ればいったいどれくらいの値がつくだろうね。お金に困ってないけど気になっちゃう。
「ねむー……俺はたぶん今日寝れないんだよねぇ」
「忙しいの?」
「うん。映画の撮影が終わったら何件かモデルの仕事があって……あとは小さい仕事が何種類かあるかな。夜はダンスレッスンが入ってる」
相変わらずハードだね……ショートスリーパーって言っても寝る必要がないわけではないから。兄さんの年齢でこんなに忙しい人って中々いないと思う。
スイートルームに案内されてる人の会話ではないと思うけど、ここには二回くらい来たことがあるから兄さんの性格も理解されてるみたいで特に気にされてない。まあこれだけの美貌、一度見たら忘れるわけないんだけど。
「何とか寝る時間取れないの?」
「移動中くらいなら。あ、PVの撮影もあった。なんか人気の作品があるらしいよ。それで脇役だけど仕事をもらったんだよ」
「さらっとすごいこと言うね。変幻自在の兄さんの声、どんな声でも出せるから聞いてて飽きないよね」
「まあアニメ制作陣にとっては便利だろうね」
便利って言うと兄さんが利用されてるみたいだけど、みんなお願いして兄さんに演じてもらってるからね?そのことを忘れていそう。兄さんに仕事を受けてもらうってすごく大変なんだってスタッフさんが話しているのを聞いたことがある。常にスケジュールがいっぱいなのに、さらに詰め込むことになっちゃうからね。
さっきとは逆だね。兄さんは脳内での映画鑑賞が終わったあとに宣言通り眠りに付いた。もう言わなくても分かるだろうけど、それはもう極上な寝顔だったね。睫毛の長さが際立ってた。ちょっと可愛かったけど無防備すぎると思うんだよね。
「……きこえてるから…………だいじょ…ぶ」
「うん、大丈夫じゃないね?兄さん、おれお腹空いたよ。一緒に朝ごはん食べに行こうよ」
「んー……」
「甘いもの食べよ?」
「たべた…いけど……仕事が終わるまではだめ」
寝ぼけてるのにそこはちゃんとしてるんだ。プロ意識高いね。
「おーきて。兄さん」
「ん……おきたおきた。おきてるよー……」
「目が閉じてるよ」
それはきっと……眠たいからだよ、だって。兄さんかわいい。当たり前のこと言ってるんだけど。
起きそうにはなったけど、動く気配がなかったので無理矢理手を引くとやっと動いてくれた。眠そうに目を擦ってるだけではあるけど、この姿を写真にとって写真集でも作ればいったいどれくらいの値がつくだろうね。お金に困ってないけど気になっちゃう。
「ねむー……俺はたぶん今日寝れないんだよねぇ」
「忙しいの?」
「うん。映画の撮影が終わったら何件かモデルの仕事があって……あとは小さい仕事が何種類かあるかな。夜はダンスレッスンが入ってる」
相変わらずハードだね……ショートスリーパーって言っても寝る必要がないわけではないから。兄さんの年齢でこんなに忙しい人って中々いないと思う。
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「さらっとすごいこと言うね。変幻自在の兄さんの声、どんな声でも出せるから聞いてて飽きないよね」
「まあアニメ制作陣にとっては便利だろうね」
便利って言うと兄さんが利用されてるみたいだけど、みんなお願いして兄さんに演じてもらってるからね?そのことを忘れていそう。兄さんに仕事を受けてもらうってすごく大変なんだってスタッフさんが話しているのを聞いたことがある。常にスケジュールがいっぱいなのに、さらに詰め込むことになっちゃうからね。
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