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第1章 白銀の龍と漆黒の剣──交わる二色の光──
82 緊張感がないのですが
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「そういえばあなた、お名前は?」
「あー、言ってなかったな。ルイスだ。ありがちな名前だろ?」
「良い名前じゃないですか。わたしは好きだよ」
「ありがとさん。あんたも可愛い名前してんな。あんたは可愛いし良く似合ってる」
本当に敵対することになる相手と話す内容じゃないよね。旦那様が来るまでだから、せっかくだし楽しんじゃいましょうか。どうせ暇ですしね。
「ありがとう。一つ聞きたいんだけど、さっきのわたしのお誘いはどういうつもりで受けたの?」
「ん? あんたならオレのことを見抜いているだろうと思っていたから、面白い展開になりそうだと思ってな。まあ見抜いてなくてもあんたと関係を持てるなら良いかと」
「……本気で言ってる?」
「当然。あんたほどの美貌、世界中回っても中々見ないと思うぞ? そんな美少女と触れ合えるなら全然うれし、」
「お黙りください。リーシャ様で邪な想像をしないでください」
あ、すごいタイミングだね、リジー。旦那様の前で不倫を疑われる発言を許すところでした。まあわたしから聞いたことなんですけど。
「君に呼ばれたから来たんだが邪魔したか」
「助かりましたから余計なことを言うのはやめてください。この人……ルイスさんとは旦那様が来られるまでお話ししていただけですよ。今からは命の取り合いになるかもしれないです」
「そうそう。で、旦那さんはどうするのかな? オレはこいつを今すぐにでも殺せるぞ」
瞬時に立ち上がってそう言った彼は、わたしの背後に回って忍ばせてあった銃を頭に突き付けてくる。不思議な人だよね。普通に話していたかと思えば急に人を殺そうとしてくる。
それはわたしも同じことで、むしろ今はわたしの方が殺気が強いと思いますけれども。
「リーシャ様」
「大丈夫、リジーはもう下がって良いわよ」
「……はい」
わたしが負けるわけないって気持ちと、それでも心配だという気持ちが混ざっているみたい。渋々ではあるけど消えていったから、危なくなれば旦那様のことを守ってくれるんじゃないかな。旦那様がどのくらい戦えるのかは分からないけど裏社会で戦うタイプではないだろうから、今のようなシチュエーションでは誰かが守れるようにした方が良いかも。
シエル様も扉の向こうにはいるみたい。わざわざ連れてきているのだからある程度は戦えるのでしょうね。
「あんたやっぱ強いんだな。完全にオレの方が優位な状況なのに、気を抜いたらすぐにでも殺されそうだ」
「あなたの行動次第では殺しません」
「皇帝に指示を受けているわけじゃないのか?」
「今日のわたしの任務は皇帝陛下の護衛です。それも一応というだけの軽いものでした。あなたが銃を所持していることに気付いたから急遽こうして向き合うことになっているわけですけど、最終的に皇帝陛下さえお守りできるならばそれで良いんですよ。生かすも殺すもわたしが決めて良いんです。だから……どうする? わたしと交渉するか、殺されるか。選んで良いよ?」
あくまでも決定権はわたしにあるんですよね。当主の座を継いでなかったらここまで自由は利かないのですが、ちょうど先日継ぎましたので。
「自分が殺されると言う選択肢はねぇのかよ」
「ないね。銃を突き付られていたら動けない、ということはないもの。感謝してよ、わたしがあなたを殺そうと思えばすぐにでも抜け出せるのに、大人しくしてあげているのだから」
「あー、言ってなかったな。ルイスだ。ありがちな名前だろ?」
「良い名前じゃないですか。わたしは好きだよ」
「ありがとさん。あんたも可愛い名前してんな。あんたは可愛いし良く似合ってる」
本当に敵対することになる相手と話す内容じゃないよね。旦那様が来るまでだから、せっかくだし楽しんじゃいましょうか。どうせ暇ですしね。
「ありがとう。一つ聞きたいんだけど、さっきのわたしのお誘いはどういうつもりで受けたの?」
「ん? あんたならオレのことを見抜いているだろうと思っていたから、面白い展開になりそうだと思ってな。まあ見抜いてなくてもあんたと関係を持てるなら良いかと」
「……本気で言ってる?」
「当然。あんたほどの美貌、世界中回っても中々見ないと思うぞ? そんな美少女と触れ合えるなら全然うれし、」
「お黙りください。リーシャ様で邪な想像をしないでください」
あ、すごいタイミングだね、リジー。旦那様の前で不倫を疑われる発言を許すところでした。まあわたしから聞いたことなんですけど。
「君に呼ばれたから来たんだが邪魔したか」
「助かりましたから余計なことを言うのはやめてください。この人……ルイスさんとは旦那様が来られるまでお話ししていただけですよ。今からは命の取り合いになるかもしれないです」
「そうそう。で、旦那さんはどうするのかな? オレはこいつを今すぐにでも殺せるぞ」
瞬時に立ち上がってそう言った彼は、わたしの背後に回って忍ばせてあった銃を頭に突き付けてくる。不思議な人だよね。普通に話していたかと思えば急に人を殺そうとしてくる。
それはわたしも同じことで、むしろ今はわたしの方が殺気が強いと思いますけれども。
「リーシャ様」
「大丈夫、リジーはもう下がって良いわよ」
「……はい」
わたしが負けるわけないって気持ちと、それでも心配だという気持ちが混ざっているみたい。渋々ではあるけど消えていったから、危なくなれば旦那様のことを守ってくれるんじゃないかな。旦那様がどのくらい戦えるのかは分からないけど裏社会で戦うタイプではないだろうから、今のようなシチュエーションでは誰かが守れるようにした方が良いかも。
シエル様も扉の向こうにはいるみたい。わざわざ連れてきているのだからある程度は戦えるのでしょうね。
「あんたやっぱ強いんだな。完全にオレの方が優位な状況なのに、気を抜いたらすぐにでも殺されそうだ」
「あなたの行動次第では殺しません」
「皇帝に指示を受けているわけじゃないのか?」
「今日のわたしの任務は皇帝陛下の護衛です。それも一応というだけの軽いものでした。あなたが銃を所持していることに気付いたから急遽こうして向き合うことになっているわけですけど、最終的に皇帝陛下さえお守りできるならばそれで良いんですよ。生かすも殺すもわたしが決めて良いんです。だから……どうする? わたしと交渉するか、殺されるか。選んで良いよ?」
あくまでも決定権はわたしにあるんですよね。当主の座を継いでなかったらここまで自由は利かないのですが、ちょうど先日継ぎましたので。
「自分が殺されると言う選択肢はねぇのかよ」
「ないね。銃を突き付られていたら動けない、ということはないもの。感謝してよ、わたしがあなたを殺そうと思えばすぐにでも抜け出せるのに、大人しくしてあげているのだから」
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