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第1章 白銀の龍と漆黒の剣──交わる二色の光──
47 仲直り②
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「最初からそう言ってください。元々、わたしはお姉様と仲良くしていたかったのに突然不仲を演じ始めたのはお姉様ですよ?もっと仲良くしたい、と言うのはわたしからお願いしたいくらいです。いきなり素っ気なくされるようになったわたしの気持ちが分かりますか?分かりませんよね。だってわたしもお姉様がそうした理由が分かりませんでしたから」
「……そうね」
「わたしからも言わせて頂くと、お姉様は中途半端です。何度も言っていますけどね。わたしも怒っていますから、しばらくは毎週手紙をください。当主になって忙しくなるのに毎週わたしに手紙を送らないといけないなんて大変でしょう?今までのことも合わせて、これで清算しますから頑張って罰を受けてくださいな」
毎日なんて無理は言いたくないから、ギリギリを責めてみたけどどうかな?お姉様が断れない感じで言ってみたんだけど……
そんなことを思いながらお姉様を見るとなぜか笑っています。相変わらずお綺麗ですけど、そこは笑うところじゃなくて怒る所じゃないですか?あるいは困惑するところですよ。たぶん。
「ふふ、ごめんなさい?優しい上に可愛いことを言うのね、と思って」
「謝る気あります?」
「だってどこが罰なのか分からないもの。毎週手紙を送るって、リーシャの事だからそれは当主としての仕事の報告も兼ねていると思ってるでしょう?これで許すなんて優しすぎるわよ。それこそ私からお願いしたいくらいだもの」
わたしがおかしいんですか?せめて悩むくらいしてほしかったのに即答されるとは思わなかったですよ。それに随分と素直に自分の気持ちを話してくださるんですね?憑き物が落ちたような、スッキリしているように見えます。
「……わたし、今の今まで忘れていました」
「なにを?」
「お姉様って……わたしのことを良く揶揄ってきましたよね……?それでわたしの反応を見て楽しんでいたような、そんな少し残念な記憶があるんですけど!?」
つまりお姉様ってね?───旦那様と同類なんですよ!!
「うふふ」
「怖いですって!リジー、そろそろわたしのこと守ってよ!」
「姉妹喧嘩は犬も食わないって言いますし、傍観に徹しておきます」
「それを言うなら夫婦喧嘩!」
もう嫌なんですけど。わたしに味方はいないんですか?
シエル……も旦那様と同じく楽しそうにしていますし、わたしのことを少しでも守ろうと言う気は微塵もないんでしょうね、きっと。
「まあ良いじゃない。公爵様とお話ししている所を押しかけてしまってごめんなさいね。また会いましょう」
「はい。新当主、頑張ってください。お姉様なら領民も安心して過ごすことが出来ると思います」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。お父様たちのことはあなたにお任せしていたけど、私はどうなろうと興味がないから好きなだけ復讐しなさいな」
「お父様たちが心配ではないのですか?」
「まったく。お父様もお母様も大嫌いよ。わたしが家族で愛していたのはあなただけだもの」
それは……意外。そんな素振りなかったのに。
「そうですか。すでにお父様たちの処遇は決まっていますのですぐにでも連絡が入るかと」
「分かったわ。ではご機嫌よう。公爵様もこれからは良い関係が築けることを願っておりますわ」
「……そうね」
「わたしからも言わせて頂くと、お姉様は中途半端です。何度も言っていますけどね。わたしも怒っていますから、しばらくは毎週手紙をください。当主になって忙しくなるのに毎週わたしに手紙を送らないといけないなんて大変でしょう?今までのことも合わせて、これで清算しますから頑張って罰を受けてくださいな」
毎日なんて無理は言いたくないから、ギリギリを責めてみたけどどうかな?お姉様が断れない感じで言ってみたんだけど……
そんなことを思いながらお姉様を見るとなぜか笑っています。相変わらずお綺麗ですけど、そこは笑うところじゃなくて怒る所じゃないですか?あるいは困惑するところですよ。たぶん。
「ふふ、ごめんなさい?優しい上に可愛いことを言うのね、と思って」
「謝る気あります?」
「だってどこが罰なのか分からないもの。毎週手紙を送るって、リーシャの事だからそれは当主としての仕事の報告も兼ねていると思ってるでしょう?これで許すなんて優しすぎるわよ。それこそ私からお願いしたいくらいだもの」
わたしがおかしいんですか?せめて悩むくらいしてほしかったのに即答されるとは思わなかったですよ。それに随分と素直に自分の気持ちを話してくださるんですね?憑き物が落ちたような、スッキリしているように見えます。
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「なにを?」
「お姉様って……わたしのことを良く揶揄ってきましたよね……?それでわたしの反応を見て楽しんでいたような、そんな少し残念な記憶があるんですけど!?」
つまりお姉様ってね?───旦那様と同類なんですよ!!
「うふふ」
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「それを言うなら夫婦喧嘩!」
もう嫌なんですけど。わたしに味方はいないんですか?
シエル……も旦那様と同じく楽しそうにしていますし、わたしのことを少しでも守ろうと言う気は微塵もないんでしょうね、きっと。
「まあ良いじゃない。公爵様とお話ししている所を押しかけてしまってごめんなさいね。また会いましょう」
「はい。新当主、頑張ってください。お姉様なら領民も安心して過ごすことが出来ると思います」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。お父様たちのことはあなたにお任せしていたけど、私はどうなろうと興味がないから好きなだけ復讐しなさいな」
「お父様たちが心配ではないのですか?」
「まったく。お父様もお母様も大嫌いよ。わたしが家族で愛していたのはあなただけだもの」
それは……意外。そんな素振りなかったのに。
「そうですか。すでにお父様たちの処遇は決まっていますのですぐにでも連絡が入るかと」
「分かったわ。ではご機嫌よう。公爵様もこれからは良い関係が築けることを願っておりますわ」
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