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第十章 現代日本編

帰れない

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「……概ね、今ので魔力をほぼ使い切っている俺を、何とかしようって訳だろ」

「ええ」

「残念だったな。異世界と俺を断つということは、式神への魔力の供給を絶つということ。つまり、異世界は滅びるぞ」

「神の意志を知っているか? 神は、もし自分がいなくなったら、世界を我に託すと言ってたんだ」

「だからって、異世界を崩壊させていいって訳でもないだろう。無駄なことはもう止めろ。お前は俺に手が出せない」

 俺がそう言うと、後ろから誰かが殴り掛かってきた。

 あまりにも弱々しい力だと思ったので、わざと受ける。


「うぎゃあああああああああああ」

 振り返ってみると、手を押さえた男性がいた。

 俺の硬度に逆にやられたのだろう。

「え?」

 一般人?
 普通の人がいきなり俺に殴り掛かってきたのか?

「我は貴様を抹殺するためなら何だってしよう」

「……これはお前の仕業か!」

「いかにも。彼だけではない。今、七十億を超える人々が貴様の命を狙っている。

「お、お前えええ!」

「ふはははは、さあ、どうする? 貴様ならこの世界の人間を絶滅させることは容易いだろう」

 確かにこいつの言う通りだ。
 残り僅かな魔力でさえ、人間を倒すことは余裕だ。

「いや、お前を倒す。考えてみれば操っているのはお前だ」

「っくっく。今の人間は魔王のような存在だ。つまり、我が消えても勝手に動き続ける」

「……っち。外道が」
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