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第三章 -女騎士凌辱篇-
#065.豚鬼vs小鬼戦争 <Ⅴ>
しおりを挟む小鬼どもが”女だらけの開拓村”を手に入れた、その翌早朝――
ふわりと甘い花蜜の香りが、朝靄にたゆたう中――狡猾なる”小鬼”どもの王位魔獣【小鬼王】は”開拓村”の見張り台に立つと、単眼鏡を覗き見ながらギタァと邪悪に微笑んだ。
『――…ゲッギャギャア…ッ…!!…サスガ”豚”と言うベキか…ァ…もう嗅ぎツケてキタかァ…ッ…!!』
青炎魔光が宿った”鑑定眼”をギタリと微笑み歪ませた【小鬼王】の視界の先には――”開拓村”の眼前に広がる”魔の森”とその森陰に隠れる”耳長族”の狩猟隊、そして――エロい肉体のメスエルフ達を侍らせた【豚鬼王】の姿があった。
本来ならば【耳長族】の密林隠密技能は【小鬼】ごときに看破できるものではない。だが――”鑑定眼”を覚醒させた”特殊個体”の【小鬼王】に掛かれば、木陰に身を隠すメスエルフ達の姿も丸見えなのだった。
その滑稽さに【小鬼王】はギタギタと悪辣に笑いまくる――そして。
『…ゲギャギャ…ッ…自分の”巣窟”を荒らサレて、慌てて出軍シテ来たかァ……間抜けな”豚”どもめ…ッ、どれ…ソレではヤツらに…――”手紙”――をくれてヤろう…ッ…ゲギャギャ…ッ!!』
単眼鏡を覗き見ながら【小鬼王】が部下に指示を出す。
すると”開拓村”の門扉がギギィと開け放たれ――”手紙”が歩き始める。
昨晩、ぐちゃぐちゃになるまで【小鬼】どもに輪姦された事で、その美麗豊満なカラダはどろどろに汚され、股間の割れ目からは【小鬼】の悪臭精液がボタボタと漏れ垂れていた。両腕は荒縄で背中側に縛られ、一晩中輪姦された事で足腰はヨロヨロとふらつき、その理知的な黒瞳は虚ろに涙で潤み、自害防止用に口に突っ込まれた”猿ぐつわ”は卑猥な涎液でねっとり濡れている。
そして、その白濁精液まみれの全身の艶肌には――禍々しい”小鬼言語”による”脅迫文”がたっぷりと墨筆で書かれていた。
その”手紙”は――衣服を剥がされ、丸裸にされた≪女将校≫であった。
◆◇◆
昨晩の事だ。どろどろに輪姦されて意識をトバした≪女将校≫を地べたに置くと――【小鬼王】はギタギタと邪悪に微笑みながら”毛筆”を手に取った。
そして【小鬼王】は≪女将校≫の裸体へ馬乗りになると、その美麗な女肉の艶肌に”毛筆”を滑らせ――【豚鬼王】に宛てた脅迫文を”小鬼言語”で書き綴った。
――”第八の豚王に告げる”――
――”これより季節が巡るごとに、メスエルフを二匹ずつ寄越せ”――
――”こちらにはオマエがよく知る、覚醒した≪女騎士≫がいる”――
そもそも【小鬼】は仲間内で意思疎通は出来ても、”読み書き”は出来ない。
つまり”小鬼言語”とは【小鬼王】が即興で創り上げたモノであり、【小鬼】にも理解できない文字体系なのだ。そんなもの、本来であれば誰にも読めるはずがない。
だが――手紙の差出相手が【豚鬼王】であれば、何も問題はない。
『…ゲギャギャ…ッ…ヤツにはあの忌わしい女神が授けた加護――≪異世界言語・全≫――があるからなァ…ッ。ヤツならば読める……いや、ヤツにしか読めないのだァ……そしてソレは…俺様がヤツの【魂の黙示録】を覗き見…ヤツの”秘密”を握っているコトを暗に示す…ッ……ヤツはこの【小鬼王】様に…服従せざるを得ぬのだァ…ッ…ゲギャギャ…ッ…!!』
また、【小鬼王】が手紙を書く”女”に≪女将校≫を選んだ事にも狙いがあった。
≪女将校≫には【小鬼王】と同様の鑑定系技能がある。【豚鬼王】から”開拓村”の留守を預かるほどに信任が篤い≪女将校≫が、自身の見たモノ――【小鬼王】が”鑑定眼”を覚醒させた”特殊個体”である事や、≪凌辱復讐≫を覚醒させた≪女騎士≫の異様な【能力値】を証言すれば…――
『ゲギャギャア…ッ、ヤツは賢いッ…どんなに”魔の森”を統べる最強種族【耳長族】を支配シテも……魔王級の【能力値】を誇る≪女騎士≫と戦えばァ……双方とも甚大な損害となるは必至ィ……ソレを理解デキぬヤツではない…ッ……ヤツは俺様の”要求”を飲む……飲まざるを得ぬのだァ…ッ…ゲギャギャ…ッ…!!』
単眼鏡を覗き見ながら【小鬼王】がギタギタと邪悪に微笑む。
青炎魔光がゆらめく”鑑定眼”の視線先では――≪女将校≫の裸体に書かれた”脅迫文”を読んだ【豚鬼王】が、ブヒィ~ッと豚鼻を呻り鳴らしている。
そして≪女将校≫と幾つかの言葉を交わすと――悔しげに豚鼻を鳴らしながら、両脇に侍らせていた金髪美女の≪エルフ姉妹≫に何事かを告げる。それを聞いた≪エルフ姉妹≫は一瞬だけゾグリッと背筋を震わせた後、うやうやしく頭を下げた。
それを見ていた【小鬼王】はギタァと醜悪に微笑む…――
どうやら、あの色香ただよう金髪美女の≪エルフ姉妹≫をこちらに寄越すようだ。それは【小鬼】どもの”孕み袋”に堕ちろという冷酷非情な命令であるわけだが……隷属状態の≪エルフ姉妹≫は、大人しく服従している様子だ。
やはり【豚鬼王】の種族特性≪凌辱支配≫は、実に使い勝手が良い。たっぷり利用してやらねばなあァ…――そう悪だくみながら【小鬼王】はギタギタと邪悪に微笑む。
だが、その時だった――【小鬼】どもに貢がれる金髪美女の≪エルフ姉妹≫を両脇に侍らせながら――なぜか【豚鬼王】も一緒に”開拓村”へ近付いてくるではないか。
『――…ッ!?……ゲギャギャア…ッ…大した度胸だなァ、俺様との”対話”を望むか…ッ……まあヤツは知恵者だァ……ここで短慮な暴挙には出まい……ソレに興味が沸いたゾッ……どれ…ヤツと話シテみるとスルかァ…ッ…ゲギャギャ…ッ…!!』
黒翼の様に外套をバサァと翻しながら【小鬼王】はギタギタと邪悪に哄笑すると、”開拓村”の見張り台を降りてゆく。
そして数分後…――
開放された”開拓村”の門扉前で――ついに【小鬼王】と【豚鬼王】は対峙したのだった。
◆◇◆
筋骨隆々の巨体躯を誇る【豚鬼王】が、両脇に”貢ぎ物”の金髪美女≪エルフ姉妹≫ふたりを侍らせながら――”開拓村”の門扉前に辿り着く。
それを出迎えたのは――丸裸のまま”長剣”をだらりと握り締めて、眼前にいる”豚”へ赤黒い”憤怒の蒸気”を噴き上げさせる≪女騎士≫と――それを右脇に抱き侍らせた、矮小体躯の”小鬼”種とは思えぬ上背膂力を誇る【小鬼王】であった。
【小鬼王】の背後では、幾百匹もの【小鬼】どもが武器を手にイキり立ち、木製要塞である”開拓村”の見張り台からも【小鬼呪術師】や【小鬼斥候】が呪術杖や吹き矢筒を構えて遠距離攻撃の準備をしている。まさに万全の態勢――交渉の主導権を奪った【小鬼王】はギタギタと愉悦に微笑む。
『――…ぶひぃ~なるほどな。ただの【小鬼】ではないと思っていたが……よもや”鑑定眼”を覚醒させた【小鬼王】の”特殊個体”とは…な…ッ……』
『…ゲギャギャア…ッ……同じ時代に特殊個体の”王位魔獣”が幾匹も顕れたァ…ッ…邪神が”七大罪の神託”を降ろし……次代の”魔王”降臨を…謀らンデいるのかもシレンなァ…ッ…ゲギャギャア…ッ…!!』
『――…ッ、ぶひぃ…次代の”魔王”…だと…ッ…――?』
『ゲッギャギャ…ッ、そうかァ…”第八の豚王”のオマエは知らぬよなァ…ッ…ゲギャギャ…ッ…!!』
『――…ぶひひっ。なるほど…貴様はいろいろと知っていそうだなぁ……』
『ゲギャギャア…ッ……何ならオマエに俺様の…【強欲】の叡智を貸さぬでもないぞ…ッ…我が配下となれッ……オマエの≪凌辱支配≫には…ソレだけの利用価値があるッ……ゲギャギャア…ッ…!!』
もはや”豚鬼vs小鬼戦争”の戦局は大きく傾き、【小鬼】側の勝利は明らかである――そう考えた【小鬼王】はギタギタと邪悪に哄笑すると、諸手を煽ぎながら【豚鬼王】に服従を迫る。
だが、次の瞬間…――
『――…ぶひっ、ぶひひ…ッ、ぶっひひぃひ…ッ…――!!』
両脇に≪エルフ姉妹≫を侍らせたまま…――
愉悦タマらぬ【豚鬼王】が、豚鼻を鳴らして豚笑いしまくる。そして…――
『ぶっひひぃ…ッ…なあ”小鬼の王”よ…ォ…いい”悪夢”は見れたかァ…?』
【豚鬼王】がブヒィと豚顔をニヤつかせた瞬間…――ふわりと甘い花蜜香る”開拓村”に旋風が噴きすさび――ぐにゃりぃと【小鬼王】の視界が歪み始めた。
◆◇◆
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