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第三章 -女騎士凌辱篇-

#059.小鬼王は戦争に備える

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 焼けただれた様に真っ赤な夕闇が、大陸西域の魔境”魔の森”を染めていく――
 そして、そんな魔境の森陰から――夕食の買い出しなどで賑わう人間の”開拓村メドック”を、ギョロギョロと監視する不気味な視線がひとつ――


『――ゲギャギャ…ッ…』


 ――【小鬼ゴブリン斥候スカウト】――
 その見た目はそこらの”小鬼ゴブリン”と大差無い。だがその実、ズル賢い”小鬼ゴブリン”種の中でも、さらに”盗み”や”覗き”などの盗賊シーフ系技能に特化した――しかも”開拓村メドック”を監視しているこの個体は、あの”小鬼ゴブリンの王”から斥候装備を与えられた”偵察専門”の精鋭てだれなのだ。

 夜闇に忍ぶために黒塗りされた闇装束を着こなし、単眼鏡スコープを覗き見るその姿は、恐ろしいまでに”人間臭さ”が滲み出ている――とその時。


『……ゲギャ、ギャ…ッ…??』


 あの”魔の森”近境に築かれたニンゲンの”開拓村メドック”監視を開始してから三日目――
 ある初めてのモノを視認して、【小鬼ゴブリン斥候スカウト】は口をポカンと開ける。

 おっといかん、と我に返った【小鬼ゴブリン斥候スカウト】は”ソレ”を念入りに確認せねばと単眼鏡スコープの鏡筒をギリギリと調整しまくると、食い入る様に覗き見やる。


 その単眼鏡スコープから覗き見えてきた”光景”――
 それは”女だけのメドック村”の中央広場に一台の馬車が停まり、その御者台から――匂い立つような美麗を誇る”エルフのメス”が三匹、舞い降りる場面であった。


 おそらく姉妹と思われる”金髪エルフ”が二匹――
 そして抜群の美貌と、褐色肌の豊満な艶身を誇る”銀髪の黒エルフ”が一匹――

 ああ、メスエルフを出迎える”開拓村メドック”側の”メス”村長達もタマらなく色っぽいが、やはり何といっても”エルフ”――その芳醇な”魔素マナ”で潤おう”孕み床”がジュクジュクと匂ってくる様だ。
 そのムッチリした乳房や腰尻をたっぷり覗き見ながら、ゴクリと生唾を飲み込んだ【小鬼ゴブリン斥候スカウト】は股間の腰布をブクブクと勃起させると、ゲタゲタと下卑た笑いを浮かべる。

 おっといかん、いかんぞ――と我に返った【小鬼ゴブリン斥候スカウト】は単眼鏡スコープをソソクサと胸元に仕舞い込む。そして、この異変を”我が王”に報告すべく一目散に樹上から駆け降りると、【小鬼ゴブリン斥候スカウト】は”魔の森”の夜闇へと消えるのだった――


 ◆◇◆


 ”サキュバス襲撃事件”による街道封鎖が解かれてから十日目、晩春五月の頃――
 王都から”魔の森”までの大遠征を無事に成し遂げた”小鬼ゴブリン”の軍勢は――大陸西域の魔境”魔の森”に到着するや、恐るべき早さで”生息圏ナワバリ”を築き上げていた。

 ”魔の森”境界部にほど近い森陰の中――
 天然洞穴の入口を囲う様に、幌馬車六台が半円状に配置されている。それはまるで訓練された”騎士団”のごとき練度で、完璧に布陣された”馬車砦”ワゴンフォート陣形の野営地であったが――


『ゲギャ……ゲギャギャ…ッ…!!』
『ゲッゲッゲッ…ゲギャアァ~…!!』


 そこでもよおされているのは――醜いばかりな”肉欲”の饗宴ウタゲ――

 ”魔の森”に響き渡り、その暗闇に溶けていくのは――薄汚い緑肌&矮小な体躯を歓喜に踊りオドけさせ、鷲鼻&尖耳の醜悪な顔を悪賢そうにニヤつかせた――【小鬼ゴブリン】どもの笑い声。

 【小鬼ゴブリン】どもは、焚火で炙った獣肉にかぶりつき、通りがかりの行商人を殺して奪った安酒をガブガブ飲み酔うと、第四輜重隊が輸送していた”備品”――隷属の首輪で言いなり状態となった”女騎士”達や、近くのメドック村からさらってきた”村娘メス”を犯して愉しむ。
 焚火を囲む様に敷かれた茣蓙ござには、意識をトバして寝かされた裸姿ハダカの”メス”達と、それにウジャウジャと群がる【小鬼ゴブリン】どもの影がうごめき踊っていた。


 そして、そんな”肉欲”の饗宴ウタゲの傍らでは――
 囚われた”メス”を括り付ける”肉の盾”用の木製梯子に加えて、人間の光源である”松明”を消火するための”水桶”が量産されている。その他にも、人間から奪った武器類に塗り込むための、毒草&糞尿を混ぜ込んだ”猛毒”を作り上げたり、【小鬼ゴブリン騎兵ライダー】がこの”魔の森”で新たに調教テイムした騎乗用【魔狼】ダイアウルフの餌付けも試行されている。

 ”狂乱”と”理性”の混在――
 戦争を見据えた”昂揚”と”備え”――
 これらを掌握する”統率者”の手腕が窺い知れる魔窟カオスぶり――

 そんな”小鬼ゴブリンの集落”を【小鬼ゴブリン斥候スカウト】はニタニタ笑いながらも足早に駆け抜けていく。その足先が向かうのは、天然洞穴の階段奥地に居るであろう”我が王”――【小鬼王ゴブリンキング】のもとである。

 ◆

『――ゲギャギャ…ッ、シメタぞ……人間ニンゲンとエルフの”蜂蜜貿易”にカチ合うトハ……ナント僥倖デあろうカァ……ゲギャギャ…ギャッ…!!』


 【小鬼ゴブリン密偵スカウト】の報告を聞き、苔生した洞穴内の暗闇に――狡猾なる”小鬼ゴブリン”の軍勢を統べる王位魔獣【小鬼王ゴブリンキング】の愉悦が漏れ、哄笑となって響き渡る。

 ”我が主”の上機嫌に気を良くした【小鬼ゴブリン斥候スカウト】はギタギタ笑うと――”いよいよ人間のメドック村へ戦争リャクダツですか!!”――と言わんばかりに、身を前に乗り出す。

 ところが【小鬼王ゴブリンキング】は薄汚い顎鬚あごひげを指先で撫でると、クツクツと笑いながらそれを否定する。


『ゲギャゲッゲッ……そうダナ、エルフの”メス”は手に入れル。だが、ソレはエルフ共が”人間のメドック村”を出立した後だ…ッ、シバラク”人間のメドック村”への侵攻は…禁ズルゥ…ッ……』

『ゲッ…ゲギャア…ァ…?』


 【小鬼王ゴブリンキング】の姦計たくらみが理解できず、【小鬼ゴブリン斥候スカウト】はアホヅラのまま小首をかしげる。普段の【小鬼王ゴブリンキング】ならば一笑に付す場面トコロだが、今は機嫌が良い。【小鬼王ゴブリンキング】はニタニタと邪悪に笑うと高説を垂れた。


『ゲギャギャ…ッ…ここ数日、エルフの≪隠れ里ラシル≫に偵察部隊を送り込み続けてワカッタが……アノ”世界樹ユグドラシル”は厄介ダ…ッ……アレでは≪隠れ里ラシル≫への侵攻も難シク、我ら”小鬼ゴブリン”の巣窟アジトにも使えぬダロウ…ッ……』


 【小鬼王ゴブリンキング】はジトリと湿った洞穴内を悠然と歩きながら、言葉を紡ぎ続ける。


『ゲッギャギャ…ッ、まあ…アノ≪女騎士メス≫をウマく使えば、作戦次第では≪隠れ里ラシル≫からエルフの”メス”を数匹ばかり略奪スル事も可能ダガ……ソレデハ””カラなァ…ッ…ゲギャギャ!!』


 底尽きる事の無い”欲望”の昂ぶるまま――【小鬼王ゴブリンキング】はギタギタと邪悪に笑う。


『ゲギャ…ッ、ダガ…ココに千載一遇の好機が巡ってキタ…ッ……エルフが逗留中に”人間のメドック村”へ侵攻シテは、エルフに逃げラレル恐れがあり、我ら”小鬼ゴブリン”の仕業でアル事も自明とナル……ダガ、エルフが”人間のメドック村”を出立した後……ドウナルと思う…ッ……?』


 【小鬼王ゴブリンキング】は邪悪に哄笑すると、黒翼のごとく両手をグアッと掲げ広げる。


『ゲッギャギャ…ッ……人間族には過去”奴隷狩り”を犯シタ悪しき歴史がアル…ッ、”人間のメドック村”との交易に向かったエルフ達が消息を断てば、≪隠れ里ラシル≫にいるエルフ共は”人間のメドック村”を疑わずにはイラレマイッ……ダガ、エルフとて人間を表立って糾弾シテ、戦争にナッテモ困ルのだァ……ナラバ必然、真相解明は深追いできずゥ……我ら”小鬼ゴブリン”の存在にモ気ヅケぬ…ッ…!!』


 ただの魔獣モンスターが天秤に”愉悦リターン”と”死滅リスク”を計る――
 ただの”小鬼ゴブリン”が人間達の世界情勢を理解し、悪用する――


『あとはァ…ッ…わざわざ≪隠れ里ラシル≫から出てキテくれる”捜索隊エルフ”をォ…芋ヅル式にさらいマクレばァ……我らは悠々と…エルフの”メス”を手に入れラレルわけだ…ァ…ゲギャギャ…ッ…!!』


 ああ、その悪辣な底知れぬ【小鬼王ゴブリンキング】の叡智が垣間見せる”恐ろしさ”――その事に気づく者は、この洞穴内には居らず、ただ【小鬼ゴブリン斥候スカウト】が興奮した様に絶叫するのみ…――

 否、それを称賛する者が現れる。


「くはは…っ…さすが”小鬼ゴブリン”の王ともなると悪賢いな…ァ…」


 仄暗い洞穴階段を降りて、ジトリと湿った洞穴広間に現れたのは――ウットリと血眼を恍惚にニヤけさせた、ひとりの”女騎士”だった。

 その魅惑的な裸身カラダには布一片すらまとわず、ぷるんと膨らむ乳房や桃尻は【小鬼ゴブリン】どもの精液でドロドロに汚れまみれ、篝火の灯りでネットリと照り輝かせている。


『ゲギャギャ…ッ……コノ数日間だけデ、ソコまで”能力値チカラ”を孕まセタか……もはや我ら”小鬼ゴブリン”より…余程オマエの方ガ…”バケモノ”だなァ……ゲギャギャ…ッ……!!』


 【小鬼王ゴブリンキング】は”鑑定眼”の青炎を眼光に宿らせると――そこにいる≪女騎士アレシア≫の【能力値ステータス】を覗き見ながら、その狡猾な醜悪ヅラをニタァと邪悪に頬笑ませた。

 ≪女騎士アレシア≫は裸足のままヒタヒタと洞穴広間を歩きゆくと――その豊満な裸身カラダから”能力値ステータス強化アップ”の湯気オーラにじみ溢れさせながら、幽鬼のごとく【小鬼王ゴブリンキング】の眼前で仁王立ち、仄暗い瞳でニタァ~と微笑み返した。


「ああァ…素晴らしい”全能感”だよ……今ならば”魔王”でも片手でほふれそうだ…ァ…」


 ≪女騎士アレシア≫がその身に宿す職業ジョブ特技スキル凌辱属性レイプサービス≫――その凌辱指数が臨界点を超えた事で覚醒した、新たな職業ジョブ特技スキル凌辱復讐レイプリヴェンジ≫の効果により――≪女騎士アレシア≫は”欲望オス”に凌辱されるごとに自身の【能力値ステータス】が強化されてゆく。

 それはまさに”欲望オス”へ復讐するための”チカラ”――

 ≪女騎士アレシア≫は職業ジョブ特技スキル凌辱復讐レイプリヴェンジ≫を覚醒させ、【小鬼王ゴブリンキング】の軍勢と共に王都脱出してから幾日間ずっと……その魅惑的な裸身カラダから醸し出される≪凌辱属性レイプサービス≫が周囲の”欲望オス”を掻き立てるまま、【小鬼ゴブリン】の群れに凌辱されまくった――否、のだ。


『ゲッギャギャ…ッ……ソレデコソ歪み堕チタ英雄…ッ、さあ…開戦は近い…ッ…その前にタップリと……オマエの”能力値チカラ”を強化オカシテやろうカァ…ッ……ゲギャギャ…ッ…!!』


 狡猾なる”小鬼ゴブリン”を統べる王位魔獣【小鬼王ゴブリンキング】は、その醜悪ヅラを愉悦に歪ませ、邪悪に哄笑すると――股間にダラリとぶら下がる醜悪な”四股陰茎”をブクブクッと勃起させ、その四股先端からドプリと欲望汁をぬめり垂らす。

 そしてイキり勃起した”四股陰茎”の先端が――≪女騎士アレシア≫のぷるんと潤み膨らむ艶身を”ぶちゃりぃ…”と舐める様に這い寄りねぶる。
 その瞬間、≪女騎士アレシア≫は植え付けられた生理的な”恐怖”と”悦楽”の興奮にぶるりッと背筋を震わせ、股間を濡らす。そして次の瞬間には、醜悪の権化たる”小鬼ゴブリンの王”が≪女騎士アレシア≫の肉体カラダへと覆いカブサッていた――


「あ…ああ、い、いひっ…ヒッ、ああッ…ひうっ…い…ひああぁあぁ…あッ…―ッ!…――!!」


 ◆◇◆


 ”魔の森”近境にある”開拓村メドック”へ、耳長族エルフの”蜂蜜貿易”使節団が到着してから二日後――

 帰郷の路につくメスエルフ共が乗る馬車を襲撃すべく――【小鬼ゴブリン】の軍勢は”魔の森”の深影に潜んだ。
 ≪耳長族エルフ隠れ里ラシル≫にほど近く、緊張も緩みがちな頃合の場所――メスエルフ共の馬車が通る時には、ちょうど夕闇が訪れる頃合だが”松明”を用意するには少しばかり早い、絶妙な暗がり時に襲撃できる場所だ。
 そんな絶好の”襲撃地点”を見つけ出した【小鬼ゴブリン】の軍勢は、コソコソと草木に身を隠すと、ニタニタと醜悪に笑いながらメスエルフ共が来るのを待ち伏せた。

 だがその日――メスエルフ襲撃計画が実行される事はなかった。

 なぜなら、その馬車の御者台には――メスエルフ三匹を輪姦マワして愉しむ【豚鬼王オークキング】の姿があったからだ。

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