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第三章 -女騎士凌辱篇-
#056.女吟遊詩人はかく語りき <上>
しおりを挟むミッドガルド王国西方で一番の賑わいを誇る、商業都市≪カナーレ≫――
【耳長族】との交易を商う重要拠点≪開拓村メドック≫への街道が、”サキュバス事件”によって封鎖されてから二十日後の今日――ついに街道封鎖が解かれるとあって、商業都市≪カナーレ≫の大通りは普段以上の賑わいを見せていた。
そんな昼間の大通り沿いで――ひとりの≪女吟遊詩人≫がユラリと黙礼し、竪琴を奏で始める。
「――”あぁ…皆聞いてくれ、私は見たのだ……見てしまったのだ…ッ…あの”女騎士”の洛陽を……あの”王”の帰還を…ッ……”――♪♪」
羽飾りの付いた新緑色の帽子と肩掛け、少しクタびれた旅人風の衣服が、いかにも異国情緒を見聞してきた”吟遊詩人”然として好ましい。
だが、その見た目はまだ幼さが残る”美少女”――その唄声もまだ成長途上であり、よく道端で見かける”三流”か、よくて酒場で歌える”二流”か……まさに”駆け出しの吟遊詩人”と云ったところだ。
それなのになぜ道行く民衆は――その足を止め、その唄声に魅かれ、その吟遊に聴き入ってしまったのか――
それは眼前にいる≪吟遊詩人≫の美少女が――血眼を見開き、身体を小刻みに震わせ、まるで命を削ぎ落とし、魂を絞り上げる様にして唄い叫ぶ、そこまでして”何か”を伝えたい、そんな鬼気迫る”語り”に――民衆はズルズルと引きズリ込まれたのだ。
後世にて”世界の黄昏を唄う歌姫”と讃えられる少女――≪女吟遊詩人≫はかく語りき。
◆◇◆
生まれ故郷を離れた少女は――
≪吟遊詩人≫になる事を夢見て、王都に旅立った――♪♪
だが、数年修行すれど芽は息吹かず――
ようやく少女は、故郷に帰ることを決意する――♪♪
ああ、だがしかし――
≪吟遊詩人≫見習いの少女には、”路銀”も乏しく――
ついには酒場で出逢った、方面騎士団所属の輜重兵隊の中年男――
それが指揮する兵站輸送の馬車にこっそり乗り込ませ――
密出国させてやる、という甘言に誘われ――
そのカラダを一晩、輜重兵隊の中年男に抱かせるのだった――♪♪
◆
そして、≪吟遊詩人≫の少女は王都を旅立った――
西方騎士団・第四輜重兵隊の荷馬車に隠れ揺られ――
乗合馬車代や通行税をウカせた≪吟遊詩人≫の少女は――
終始ご機嫌で、荷台の木樽の中で身を潜めた――♪♪
≪吟遊詩人≫の職業特技”背景群衆”は――
伝説の語り部として、ただひっそり”其処にいる”だけに特化した隠密秘術――
≪吟遊詩人≫の少女が乗っている事に――
輜重兵隊の中年男以外は、誰も気付かなかった――♪♪
さらには≪吟遊詩人≫の職業特技”第三視点”――
伝説の語り部として、ただこっそり”見る”だけに特化した盗視秘術――
まるで生霊の様に、≪吟遊詩人≫の少女の意識は肉体を抜け出し――
空飛ぶ”鳥”の様に、周辺をこっそり見渡せるのだった――♪♪
◆
王都を出発して小一時間後――
街道沿いに、ひとりの美しい村娘が立っていた――♪♪
輜重兵隊の中年男が優しく声をかける――
どうやら村娘は、近くの村へ帰る途中、足を挫いたらしい――
輜重兵隊の中年男はニッタリ笑うと――
近くまで送り届けてあげよう、と提案する――
それを聞いた無垢な村娘はとても喜び――
何度もお礼を言いながら、馬車の御者台へと乗り込んだ――♪♪
馬車は進む、ゆっくりと進む――
輜重兵隊の兵隊輸送は、四頭立ての大型馬車が六台――
各馬車の御者台には、武装した騎士が四名――
輜重兵隊を指揮する中年男以外は、すべて”女騎士”であった――♪♪
”女性の騎士様が多いのですね?”と、村娘が素直に問いかけると――
輜重兵隊の中年男はニッタリ笑った――♪♪
”アレは西方騎士団に支給される、慰安用の”備品”なんだよ”――
”荷物として荷台に乗せるより”――
”御者として、自分で自分を運搬させた方が効率的だろ?”――
そう優しく教えてくれた――♪♪
自ら”男ども”に犯されるために、前線へ向かう”女騎士”達――
その首には”隷属の首輪”が括られ――
そのドス黒く澱んだ瞳に光は無い――
≪吟遊詩人≫の少女は、ただその”おぞましさ”に身震いして――♪♪
ああ、幼い村娘の少女は、意味が分からず小首を傾げるだけ――♪♪
◆
馬車は進む、ゆっくりと進む――
街道を静かに逸れて、人気の無い森陰へと進む――♪♪
”あの…道を逸れてますけど…”と村娘が問えば――
”この先に水場があるから、馬を休ませるのさ”と輜重兵隊の中年男は答ふ――
だが、地元出身の村娘は知っている――
この近くに水場など無いことを――♪♪
ようやく我が身の危険を感じた村娘は――
”あ…あの…もうわたし大丈夫です、ここで…ここで降ります…ッ…”と声を震わす――♪♪
ああ、だが輜重兵隊の中年男はニッタリ笑うと――
”少し早いが……まあしょうがないか?”と言いながら――
隣りに座っていた村娘を、御者台に押し倒した――♪♪
◆
”い…いや…ッ、や、やめて…お願いっ…離してぇ…”――
村娘は瞳を恐怖と涙で潤ませ、必死にもがき、抵抗する――♪♪
ああ、だが、輜重兵隊の中年男は村娘へ馬乗りになると――
その衣服を剥ぎ取りながら、ぴしゃりと頬を殴り――
”黙らねぇと殺すぞ?”と静かに脅した――♪♪
ああ哀れ、恐怖で喉を詰まらせた村娘は――
そのまま中年男に股ぐらを開かされ――
”初めて”を犯されてしまう――♪♪
ギシギシと揺れる荷馬車――♪♪
押し殺した村娘の泣き声と鳴き声――♪♪
肉棒が蜜壺をこすり上げる水音が響く――♪♪
荷台の木樽に身を隠す≪吟遊詩人≫の少女は――
ただ恐怖に震え、その光景を空から眺め続けた――♪♪
他の御者台に座る”女騎士”達は――
ただ、ジッとそれを眺めやるのみ――♪♪
◆
輜重兵隊の中年男の”欲望”が、村娘の蜜壺へ射精される――
快感にブルブルと身体を揺らす、輜重兵隊の中年男――
涙を流して、必死に耐える村娘――♪♪
ああ、ああ、その時だ――♪♪
輜重兵隊の中年男の首が、ゴギリッと折れ曲がり――
ああ哀れ、輜重兵隊の中年男は死骸となる――♪♪
その死骸を地面へ放り捨てたのは――
御者台へ乗り込んできた、麗しき金髪碧眼の≪女騎士≫様であった――♪♪
ああ、私は見たのだ――♪♪
かの伝説の勇者≪第八王子≫殿下の”従騎士”を務め――
魔竜を退治し、”救国の英雄”と讃えられた≪女騎士≫様を――♪♪
”ああ…わたし…助かったんだ…”と、村娘は涙を流して喜ぶ――
ああ、その時、≪女騎士≫様の背後に現れし者あり――
≪女騎士≫様が共に旅する仲間とあれば――
それは”勇者”か、”聖女”か”賢者”か――♪♪
ああ、ああ、だが私は見たのだ――♪♪
≪女騎士≫様の乳房をまさぐり、現れたのは――
薄汚い緑肌のバケモノ――小鬼の王位魔獣”小鬼王”――♪♪
◆
”ゲギャ…ッ、ちょうど良い荷馬車が手に入ったナァ…ッ…”と――
”小鬼王”が笑う――♪♪
”輜重兵隊のヤツらは…通りがかりの娘を連れ去っては…”――
”よく此処で輪姦していたからな……ククッ…思惑通りというモノだ”と――
≪女騎士≫様も笑う――♪♪
”ゲギャ…ッ、荷は糧食に武具類か…ァ…”――
”セッカク手に入った兵站だ、このまま馬車ごと貰って行くゾ…ッ”と――
”小鬼王”がさらに笑う――♪♪
”百匹以上から成る”小鬼”の軍勢、隠れて侵攻するにはモッテコイだな…”と――
≪女騎士≫様もさらに笑う――♪♪
そして、御者台に座った≪女騎士≫様は号令する――
”いいか、小鬼騎兵は外套と頭巾を着たら、御者台に座れ…ッ”――♪♪
そして、御者台に立った”小鬼王”も号令する――
”目的地は西方、エルフがたっぷりいる”魔の森”だァ……進めぇ…ッ…”――♪♪
◆
ああ、ついには荷馬車を取り囲む様に――
草むらからウジャウジャと現れる”小鬼”の群れ――♪♪
隷属された”女騎士”達は、御者台にぼんやり座り――
”小鬼”どもが馬車へ乗り込むのを、ただ見つめて――
群がる”小鬼”どもに、されるがまま”女騎士”達は輪姦される――♪♪
ああ、そして助かったと思っていた村娘は――
そのまま”小鬼王”に引きづられ、荷台へ連れ込まれる――♪♪
馬車は進む、ゆっくりと進む――♪♪
輜重兵隊だった六台の大型荷馬車――
荷台をギシギシ軋ませながら、人気の無い森陰を進む――
馬車は進む、ゆっくりと進む――♪♪
”小鬼”が”女騎士”を輪姦す荷台――
そのすぐ隣りに置かれた、木樽の中には――
ガタガタと恐怖に震えながら身を隠す、ひとりの≪吟遊詩人≫の少女――
馬車は進む、ゆっくりと進む――♪♪
馬車は進む、ゆっくりと進む――♪♪
◆◇◆
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