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第二章 -エルフ凌辱篇-
#032.巫女姫は濡れる
しおりを挟む黄金の枝葉に輝ける大樹≪世界樹≫の麓――
耳長族の巫女達が暮らす≪神殿宮≫に築かれた”巫女姫の御所”にて――
「はあ……」
光の糸を編み込んだような美麗の金髪。透き通るような白雪色の艶肌。
花弁のごとく艶やかに潤う唇。慈愛に溢れた紫水晶色の麗しき双眸の瞳。
その身に纏う純白の飾薄布製の民族衣装は、太陽の陽射しに透かされて、
その内に秘めた美しい肢体をうっすらと魅せている。
その美貌にはまだ幼さが残るものの、容姿端麗な耳長族ですら”奇跡”と愛でる――御所の主≪巫女姫エルマ≫は、窓辺に腰掛けると……もう一度小さく溜息を零した。
「あら、エルマ様が”憂い顔”とは御珍しいですね。いかがなさいましたか?」
≪巫女姫≫の侍女役を務める”巫女エルフ”が優しく御声をかける。
この巫女エルフは≪巫女姫≫より少し年輩だが幼馴染でもあり、信任が厚い。
≪巫女姫≫は少し思い悩んだ後……最近感じる”異変”を吐露する。
「あのですね、ここ最近…その…邪まな心を…感じるのです」
「あらあら、それは”婚前の憂鬱”じゃないですか? 三日後の”儀式”に向けて、エルマ様の御身体も”寵愛”に備えて敏感になっておられるのです。私にも経験があります」
「あわわ…// それはそうかも…しれませんが…//」
巫女エルフの言葉を聞いて、≪巫女姫≫は顔をまっ赤にする。
その愛らしい反応に、巫女エルフは自然と優しく微笑んでしまう。
【耳長族】の繁栄のためとは言え、年頃の娘が”初めての契り”を里の民全員に知られた上で”致さなくては”いけないのだ。その心的負荷を思えば、殿方衆の視線に敏感になるのも致し方ないと、巫女エルフには思えた…――次の言葉を聞くまでは。
「けどここ数日、その…精霊様の声も……かすれがちだし……」
「……精霊様の御声が、ですか?」
小さく頷き返す≪巫女姫≫の真剣な表情を見て、巫女エルフは急速に思考する。
(そもそも精霊様の御声は誠に小さく遠い……その声音の変化に気づけるのは、なるほどエルマ様ぐらいなのかもしれませんね)
「……かしこまりました。この件は私から長老様方へ御報告しておきましょう」
「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」
≪巫女姫≫は少しだけ安堵した表情になると、朝の祈祷に出掛けて行った。
侍女役の巫女エルフは優しく微笑みながら≪巫女姫≫を見送ると……あの御方の子種汁でふっくら膨らむ下腹部を、愛おしそうに撫でながら静かに呟いた。
「……うふふ。あの娘、どうして気づいたのかしら?」
◆◇◆
(やっぱりそう……何かがおかしいです……)
朝の祈祷を終えた≪巫女姫≫は、気晴らしに”里”の村や市場を散歩していた。
耳長族の”巫女”達は、その”貞操と寵愛”を守るために、普段は≪世界樹≫の麓にある男子禁制の聖域≪神殿宮≫で暮らしている。
一方、”里”の内部であれば、護衛を伴えば森の散歩なども普通に許されていた。なので、護衛兵を連れた≪巫女姫≫が”里”を散歩する姿は、特別珍しい事ではないはずなのだ――が。
(すごい……見られてる…っ…//)
村道ですれ違う若者。農作業に勤しむ中年男。道端で吟遊する老翁――。
全ての民が≪巫女姫≫に明るく挨拶するも……その視線が≪巫女姫≫の肢体をイヤらしく舐めまわす。
透けて見えるその”邪まな感情”に、≪巫女姫≫は背筋をゾクリと震わせる。
(そもそも、この”巫女装束”が……少しエッチなんですよね……//)
そう思案しながら≪巫女姫≫は純白衣装を軽く摘まむ。
耳長族の”巫女”がその身に纏う純白の民族衣装は、風精霊との親和性を重んじ、通気性の高い”飾薄布製”となっている。
そのため太陽の陽射しなどの”強い光”に晒されると……その半透明の生地から肉体がうっすら透けて見えてしまうのだ。
(でも、この純白衣装は耳長族の伝統のものですし、これまでこんな邪まな視線で見られる事もなかったのに……どうして急に…ッ…//)
とその時、村道を歩くひとりの青年がすれ違い際……うっすらと乳房の透けた≪巫女姫≫の胸元に、ねっとりとイヤらしい視線を絡みつけてくる。
(あぅ…// また…見られ…ちゃ…った……//)
その粘着質な視線に≪巫女姫≫は肉体を”ぞくり…っ”と震わせる。と、さらに村道を歩く若者がすれ違い……巫女装束から透けた桃尻や太ももを舐める様に見ていく。
「ひ…ぅ…//」
(どうして……ちょっと歩いただけなのに、衣装が擦れて……胸がじんじん…しちゃってる…っ…//)
≪巫女姫≫が自身の胸元を見やると…――うっすら透ける純白衣装の飾薄布を、薄桃色の突起が”ぷくっ”と突き上げている。
少し身じろぐだけで、敏感に膨れ上がった乳首に布地が擦れ、思わず甘い声が漏れそうになる――と、その時。
「おお、これはエルマ様っ」
「いやぁ~エルマ様は相変わらず御美しいですなあ?」
「これは巫女姫、御機嫌麗しく……三日後の儀式が愉しみですねぇ?」
「いやぁ誠にっ。次代の精霊王殿は羨ましいですなぁ。こんな美しい姫と…ねぇ?」
「あ、はい…その…ご機嫌よう……」
(あぅ…// また…すごく…見られてる…ぅ//)
狩猟に向かう途中の男衆が、≪巫女姫≫に挨拶を述べながら……うっすら純白衣装から透ける乳房や桃尻、陰部や太ももを舐める様に見てくる。
その舌舐めずるような視線に、≪巫女姫≫は再び”ゾクリ…っ”と脊髄を震わせた――とその時。
一陣の涼風が優しく森を撫でり、≪巫女姫≫の純白装束をふわりと膨らませる。足腰を覆う腰布をふわりと捲りあげて吹く微風が、襟元を抜け、衣装の胸元を緩やかにハダけさせる。
「あ…っ…やっ…//」
≪巫女姫≫は恥じらいに頬を染めながら、あわあわと襟乱れる純白装束を両手で押さえつける…――と。その扇情的な光景に、男衆の”ゴクリ…ッ”と唾を飲み込む音が聞こえてくる。
気づけば、今にも衣服を喰い破らんほどに粘着質な男衆の視線が、自身の肉体を舐めまわしている。
ふと男衆の股間を見やれば……何かが膨れ上がっていた。
それを見た≪巫女姫≫は、カタカタ震えながら”あ、あの…ご機嫌よう…”と言い置くと、その場を逃げるように立ち去った…――。
◆
「はぁ…はぁ…っ//」
その場を離れた≪巫女姫≫は、木立ちの日陰でしばし息を整える。
記憶に焼きついた”男衆の股間の膨らみ”が脳裏に浮かぶたびに、≪巫女姫≫の鼓動が激しく乱れる。少し汗ばんだ肉体に純白装束がピタッと貼りつき、その艶やかな雪肌の背中や桃尻、薄桃色に勃起した乳房の乳頭が透けて見えている。
(あぅ…下もすごい…汗かいちゃってる……//)
≪巫女姫≫は傍らにいる護衛兵に気づかれない様に、こっそり純白衣装の隙間から陰部に指先を潜り込ませる……と、陰毛がねっちょり濡れていた。太ももをツーッと垂れる温かい液体の感触。それが自身の蜜壺から溢れた愛液である事に、純朴な≪巫女姫≫は気づけない。
とその時――近くの木陰に隠れている、ひとりの少年エルフに≪巫女姫≫は気づく。
(あぁ…あの少年も……覗きに来たのでしょうか…っ…//)
蜜汁に濡れた指先を巫女服で拭いながら……≪巫女姫≫はチラリと少年エルフを見やる。
(まだジッと見てる……ちょっと…かわいいかも……//)
≪巫女姫≫は小さく微笑む。
ふと気づけば、汗ばむ肉体にピタッと貼りついた純白装束を乾かす素振りで……≪巫女姫≫はうっすら透ける純白の飾薄布をパタパタと扇いでいた。
腰紐は緩まり、胸元の襟布は乳房の谷間から臍にかけて開かれていく。前合わせの腰布は股ぐらをギリギリだけ隠し、艶めかしい太ももをムッチリ晒け出す。
(あぁ…すごい……喰いつく様にジッと…見つめちゃってる…っ…//)
≪巫女姫≫は羞恥に頬を赤らめながらも……高鳴る鼓動に心地良さを感じ始める。
(あ、あの少年の…股間も……先ほどの殿方衆と同じ様に…ふ、膨らみ上がって…いるのでしょうか…っ…//)
意識を性的興奮に沸騰させ、≪巫女姫≫の理性をどろりと溶かしていく。
少年エルフの視線を惹くように胸元の襟布をさらに引っ張り、純白の飾薄布の端から薄桃色の乳輪をチラ見せさせながら……ちらりと少年エルフの方へ視線を向ける。
だがその瞬間――少年エルフと視線が絡み合ってしまい、少年エルフは顔を真っ赤にしながら走り去ってしまった。
(…ぁ…行っちゃい…ました…………ぇ…あ、私…なんてハシたない事を…っ…//)
ふと我に返り、恥じらいを思い出した≪巫女姫≫が頬を紅潮させる。
だがそれと同時に――その胸の内で心地良く高鳴る鼓動の”快感”に、≪巫女姫≫は戸惑いを隠せずにいた。
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