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幕間Ⅰ -女だけの村-
#018.行商人は奸計をめぐらし、獣耳娘は酔いどれる <Ⅳ>
しおりを挟む「…きゃうん…っ…きゃん…っ、きゃうぅ~んっ!❤」
(……んぅ、んにゃあ?)
どこか近くから”淫靡な遠吠え”が聞こえて……≪猫耳娘≫はボンヤリと意識を覚醒させる。どうにも瞼が重くて、眠たくて、≪猫耳娘≫はもぞもぞと寝布を手繰り寄せる。
(……んにゃ、なんで寝布?)
≪猫耳娘≫はボ~ッと考える。
今夜は同郷の≪黒猫耳娘≫姉さんの誘いで、”食堂兼酒場”でお酒を楽しんでいた――はず。だがこの寝心地は、おそらく寝床の上。
(んにゅう……ここってどこかの宿屋にゃあ? 広くて清潔でイイ匂いがするにゃ……わっ!?//)
≪猫耳娘≫は寝転んだまま薄暗い部屋をぼんやり見渡す――そして、先ほど聞こえた”淫靡な遠吠え”が何であったのかに気づく。
「わぁん…っ、わぁ…んっ…わぁあ…あぁ…ん…っ!❤」
≪猫耳娘≫が薄目を開けてこっそり見たもの――それは隣りの寝床で、冒険者仲間の≪犬耳娘≫が四つん這いの姿勢で”男”に挿入されたまま、全身をぶるぶると痙攣させて絶頂イキの甘声を漏らし吠える姿だった。
部屋の照明が薄暗く、相手の”男”はよく見えない――だがその”男”が≪犬耳娘≫の尻肉を”ぐにり…ぐにり❤”と握り揉むと、ついに≪犬耳娘≫は快感に耐えきれず、枕に顔を埋めて悶絶し……ビキビキに勃起していた”尻尾”をヘタらせてしまう。
(うわぁ、あれって演技じゃなくて≪犬耳娘≫ちゃんの”本気イキ”だにゃん……//)
≪猫耳娘≫は高鳴る鼓動にギュッと両眼を閉じると――とりあえず”寝たフリ”を継続した。
(これってお酒飲んで酔い潰れたとこを、”行きずりの男”に”お持ち帰り”されちゃった感じ? んにゃあぁ~発情期でもないのにヤッちゃったぁ~//……まぁいっか?)
野性味の強い【獣人族】には、周期的な子孫繁栄欲求の高まり……いわゆる”発情期”がある。それゆえか【獣人族】は男女問わず”性”に奔放である。≪猫耳娘≫達も発情期になればムラムラし、街で”男娼”を買ったり、ナンパしたりと楽しんできた。
だが、酩酊状態に陥って”お持ち帰り”されるのは、冒険者としては少し情けない……と≪猫耳娘≫はほんの少し反省する。
(だけど相手の”男”は一人にゃわけ? 性欲の強い【獣人族】の”女”四人を相手に一人で”お持ち帰り”とは、随分と自信家だにゃあ……)
好奇心を抱いた≪猫耳娘≫は再び薄目を開けると、ボ~ッと観察を始める。
どうやらこの部屋は、大きな二人用寝床が二つ並んだ四人部屋らしい。≪猫耳娘≫が寝ていた寝床には、すぐ横に寝息を立てる≪黒猫耳娘≫がいる。そして隣りの寝床では、先ほどイキ果てた≪犬耳娘≫と一緒に≪兎耳娘≫も寝かせられている様だ。
芳香蝋燭が一つだけ灯された部屋は薄暗く、相手の”男”の顔も、匂いも、よく分からないが……陰影を見るに結構たくましい体格をしている。
(にゃふっ私の好みにゃ…たくましい筋肉にムチャクチャされたいにゃあ…❤)
≪猫耳娘≫がニヤけながら観察していると――相手の”男”が股間の怒張棒をバキバキに再勃起させ、のっそりと≪兎耳娘≫に手をつける。
酔いどれの≪兎耳娘≫は”んぅ…?”と惚けているが、そんなのお構いなしに”男”は≪兎耳娘≫の衣服をはだけさせ、肌着に包まれた艶肉の乳房をぶるんと露出させた。
(へえ~っ、あの一見”大人しそう”に見えて”性欲沼”の≪犬耳娘≫ちゃんをたっぷり満足させた上に、”おかわり”いっちゃうとか天晴れな”男”にゃん。これは寝たフリを続けて”順番待ち”しちゃおうかにゃ?❤)
≪猫耳娘≫はそんな事をボ~ッと考えながら、≪兎耳娘≫と”男”の交尾を観察し続けるのだった――
◆
それから約一時間後――
「は…っ…んンゥ…あんっ!❤ すご…っ、ああっ…気持ぢいぃっ、気持ぢいい…ぃ!❤」
相手の”男”が≪兎耳娘≫を抱きしゃぶり、寝床をギシギシと軋ませながら股ぐらを力強く打ちつけ、淫靡な水音を部屋中に轟かせる。その勇ましくも凄まじい”交尾”を、≪猫耳娘≫は赤面しながらも喰いつく様に見続ける。
「はァ…ああっいぐ…っ、またいっじゃう…っ、もうムリぃ…ゆるしてぇ…ゆるしてぇ…っ…!❤」
(す、すごいにゃあ…❤ 発情期になると”男が一人じゃ足りないぜ”とか言って男娼を”二人買い”するあの≪兎耳娘≫ちゃんが……す、すっかり骨抜きにゃあ…❤)
すっかり快感漬けにされた≪兎耳娘≫は甘イキに全身をガクガク震わせる。だが、相手の”男”は容赦なく股ぐらをドシっドシっと叩き込み続け――刹那、背筋を仰け反らせて全身をぶるんぶるんと躍動させる。
射精の瞬間だと確信した≪猫耳娘≫はハッと息を呑む。
≪猫耳娘≫はすっかり肉体も火照り、股間の秘部をねっとり濡らしていた――そして、その事を≪猫耳娘≫も自覚していた。なぜなら蜜液で溢れる股ぐらの疼きが治まらず、かれこれずっと”手淫”で慰めているからだ。
一方、どろどろの精液をびちゃびちゃとぶっかけられた≪兎耳娘≫は……両手両足をびきびきと伸ばし、全身痙攣させながら絶頂地獄に喘ぎ狂っている。
(はにゃあ…すごぉい❤、もう”おあずけ”とかムリにゃ…早く私もあれが欲しいにゃあ…ん❤)
≪猫耳娘≫が潤む瞳で懇願する様に”交尾”を眺めていると――相手の”男”が≪兎耳娘≫の肉壺からヌポォと肉棒を引き抜いた。
その瞬間、≪兎耳娘≫が精液を”どぷ…どぷぷっ❤”と逆流させながら快感イキに意識を飛ばす。その様子を見て満足したのか……相手の”男”がのっしりと寝床から立ち上がった。
(わっ、ついにこっちの番にゃあ?❤)
≪猫耳娘≫は今からその身を襲うであろう”快楽”を想像してゾクゾク興奮すると、そのまま”寝たフリ”を継続する事にした――とその時だった。
(……んにゃ? 何でこんなものがここにあるにゃ?)
≪猫耳娘≫が寝布の陰から見つけたもの――それはひとつの”果実”だった。
柑橘類を想わせる橙色の小さな果実≪黄金柑≫――他種族には”食用”として流通する一般的な果物だ。一方でその独特な香りは、なぜか”猫獣人族”にだけは強烈な刺激臭となっており……”猫獣人族”の冒険者が”体調異常”から回復するための”気つけ薬”としてよく常備しているものだ。
(んもう、≪黒猫耳娘≫お姉ちゃんのかなぁ? 萎えちゃうからあっちいくにゃ――あ。)
その小さな果実を寝床の端に退かそうと、≪猫耳娘≫が手を伸ばした瞬間……寝床が軋んだせいか、橙色の≪黄金柑≫がコロリと転がり≪猫耳娘≫の鼻先にやってくる。
「…………え。」
次の瞬間、ぼんやりと”霞み”が掛かっていた≪猫耳娘≫の”視界”と”嗅覚”――そして”思考”がスッと晴れたのであった。
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