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第7話『その戦いの果てに――』

88.聖典に願う“奇蹟”

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T君:(←ちょっと休憩中)……ぷはぁ~ドクペが美味い!(笑*>3<)
K君:いやぁ~TRPGは喋りっ放しだから、ノド渇くよねぇ!(>∀<*笑)
T君:さぁて《迷宮戦争》の勝敗は決したけれども……物語としては今こそ最高潮クライマックス
   だぜぇ!(d*>Д<)あらゆる願望を叶えるという伝説の聖遺物《聖典》を
   獲得した、歌姫シェリエ達が“願い”を叶えてもらう場面シーンを演出しようか!!
   (一同歓声)

K君:では歌姫シェリエが静かに《聖典降臨》の祈りを捧げると、魔導書デッキに蒐集さ
   れた四篇の《聖典の断章》がまるで共鳴するかの様に淡く輝き始め……伝説
   の聖遺物《聖典》へと昇華・顕現される!(一同歓声)
T君:おぉーっ!(>□<。感動)では眼前に顕現された伝説の魔導書デッキ《聖典》に
   指先で触れると、シェリエは「これが…聖典…」と小さく呟きます。
K君:そんなシェリエに対して、傍らに寄り添う《Ⅳ.皇帝の英雄譚インペリアル・アルカナ》の守護騎士・
   カール大帝が優しく尋ねますよ。「シェリエ殿は…聖典に何を願われるので
   すか?」
T君:いやぁーそれなんだよなぁ?(笑;^皿^)
K君:伝説の聖遺物《聖典》の神通力は、仮初めに歌姫シェリエの魔導書デッキに宿った
   のみ……この場で願いを唱えねば満願成就は成らず、また叶えられる願いは
   1つのみだよ!(d*>3<)

T君:では、歌姫シェリエは何かを思い悩む様に暫し沈黙した後……逆に問い返し
   ましょう。「…そういうアンタはどうなのよ、皇帝の英雄譚インペリアル・アルカナ。アンタにも
   《聖典》に願う資格があるわよ…?」
K君:「そうですね…神与の奇蹟に願うならば、かつて生前に願った『戦の無い平穏
   且つ幸せな世界の実現』でしょうか…。その一歩として、まずはシェリエ殿
   に幸せになって欲しいですね?」と、カール大帝が優しく微笑み返します。
   (なぜか一同爆笑)
T君:「あっきれたぁ…けど、まぁ凄くアンタらしいわ…」と呟くと、シェリエは照れ
   ながらも悪戯っぽく微笑みます(笑)。よしっ、ここから少しだけシェリエ
   の回想シーンに入ろうかな!(d*>ω<)此度の《迷宮戦争》の中で出逢っ
   た“ある人物”の言葉が記憶に甦ります――

 ◆◇◆

 「ところでぇ《英雄譚アルカナ》を従えし姫君殿よぉ…
  御主はこの《迷宮戦争》に何を求むのじゃあ…?」

 「ある女の“死”よ…それが何ッ、何か文句でもあるのッ…?」

 「ぬぅはは…女の怨念は騎士道には付き物よぉ…。
  だが、その願いに救いは無いぞぉ…」
 「他人と過去は変えられん…人が変えられるのは己と未来のみじゃよ…
  御主もうっすらと気付いておろう…その先に何が得られよう…」

 「う、うるさいわよ…アンタに何が理解できるって――」

 「英雄の主よ…英雄を誇るならば、己も誇らしく在らねば…なぁ…」

 ◆◇◆

T君:「――フンッ、本当にお節介な爺さんだったわ…」シェリエは小さく呟くと
   ……強気に微笑みながら《聖典》に告げる。「我、シェリエ・ガナッシュが
   《聖典》に願う。此度の《迷宮戦争》に殉じた五人の《魔導書使いウィザード》に“新た
   な命”を、そして我らに遣えし七騎の《英雄譚アルカナ》に新たなる“魂の器”を与えよ
   …!!」要するに、全員を生き返らせてーっ!!(一同爆笑&大歓声)
K君:おぉーっそう来たかぁ!(>∀<*b)そうすると“黒幕ラスボス”の使徒ユダも復活し
   ますなぁ?(▼∀▼*笑)
T君:ぐあぁーっ何てこったぁ!?(一同爆笑)いやさぁ、以前にK君が演出した
   「ジャックの敗退シーン」にオレ凄ぇーっ感動して、何とかして「ジャック
   父娘おやこを再会させたい」と思っちゃってさぁ!(d*>□<)あの時から“聖典
   への願い事”は心に決めていたのだ!(笑)
K君:おぉーそうだったのか!(>□<*笑)ジャック父娘おやこのために《聖典》まで
   使ってくれるとは……そこまで言って貰えると「ジャック役プレイヤー」としてホント
   嬉しいよ!

K君:それでは歌姫シェリエが《聖典》に願いを告げた瞬間――古き革装丁の魔導書デッキ
   に蒐集された聖典断章のページが眩い黄金閃光に輝き始めるや、聖典を励起する
   巨大術式装置と化した《福音の迷宮ダンジョン》全聖域が閃光に輝き鳴動するッッ!!
   (一同大歓声)
T君:「ねぇシェリエ、それで良かったの?」淡い光が迷宮神殿を満たしていく中、
   バニラが問い掛ける。シェリエは照れ隠す様にプイッと顔を背けると「…フ
   ンッ、まぁ独唱ソロだけじゃ芸が無いし…たまになら、誰かと唄うのも、良い…
   かも」と小さく呟いた。そんなシェリエの言葉を聞いて、バニラは嬉しそうに優しく
   微笑んだ――という感じでシーンを終了します!(一同大歓声)

K君:よっしゃ、それじゃあ最後は各陣営のPCキャラ達ごとに「エンディングフェイズ」
   の演出をしようか!(>ω<*b)(一同歓声)
T君:各PCキャラ達にとっての《迷宮戦争》という“物語の終幕エンディング”だね!(d*>皿<)
   それじゃあ演出順番は“開幕”オープニングとは逆順にして、優勝したシェリエ陣営と、姉
   バニラ陣営は一番最後に合同演出しようぜぇ!
K君:OK、それでは《グリモワールRPG:迷宮戦争編》エンディングフェイズ
   の開幕だぁ!(一同歓声)(*>∀<)ノ.’。’.

<次回につづく…!>
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