31 / 97
第4話『同盟血戦』
30.《裏切り同盟-イスカリオテ-》
しおりを挟む◆第4階層<第3ラウンドの続き…>
K君:(暫し黙考して)……いや、ここで使徒ユダが動くぞ!(*☆ω☆)くっくっ
くっ、ついに使徒ユダによる「聖典補完計画」を発動する時が来たようだな
ぁぁ!!(一同爆笑)
T君:やっぱりコイツ絶対に《迷宮戦争》の黒幕だよぉぉ!?(一同爆笑)
はっ、もしかして――ピノを《裏切り同盟》に勧誘する気だなぁ!?
K君:(←邪悪に笑いながら)くっははぁーっ、その通りであぁるぅぅ!!(一同
爆笑)
今まで演出を割愛してきたが……実のところ《Ⅻ.吊るされた男》陣営のドンキ爺&使徒ユダの主従関係はヒドイものである!(笑)ドンキが「これぞワシが求めた騎士道なりぃ、ゆぅくぞハァングドマン…ッッ!」と意気込み戦闘イベントに突貫しようとすれば、使徒ユダが「おぉ何と誇り高き御言葉…私、感銘の至りで御座います…しかぁし古来より騎士とは平和を愛し、無益な戦いは避けるものでありますれば――」と言葉巧みに戦闘を避ける様に推し薦め、そしてシーン終了際になると「ふぅんっ死に損ないの御老体がぁ…」「貴様に武勲は立てれまいよ…っ」「そろそろ御退場頂くかぁ…っ」と使徒ユダが邪悪に呟く……そんな陣営なのだ(笑;^ω^)
そんな使徒ユダが、以前より「聖典を得るための手駒」として求めていたのが――「人形師ピノッキオ」であった。
理由は2つある。まず1つ目は、回避特化型の使徒ユダには主君を守護する能力が乏しく、低Lvゆえに耐久面に難がある老騎士ドンキは相性が悪かった点だ。使徒ユダとしては、自己完結した高い回避性能=生存能力を誇る「ピノ」の方が相性は良いと判断したわけである。
そして2つ目は、戦闘異常「毒」を付与する暗殺魔法《蛇毒の牙よ》を基本戦術とする使徒ユダにとって、防御魔法で身を護る神官系PCは恰好の餌であるが……高い回避能力を誇る盗賊系PCの「ピノ」は唯一倒し難い「天敵」でもあったからだ。故に「倒しにくいなら味方にしてしまえ」と策謀したわけである――!!
ちなみに《裏切り同盟-イスカリオテ-》とは――シユウ達とドンキ達の両陣営により結成された「同盟」の事を、其の提唱者である「裏切りの使徒ユダ」の真名からふたりが呼び始めた愛称である。いかにも空中分解しそうな名称だが(笑)、K君曰く「ヘルシ○グに登場するイスカリオ○機関っぽくね♪」と御満悦の様子である。AMEN!(笑)
T君:シユウ君と同盟を結ぶ時も、使徒ユダは「狂戦士は抹殺すべきですが…あの
娘には利用価値が御座います…!」とか呟いてたもんなぁ!(笑)今回いよ
いよピノ達を《裏切り同盟》に誘う感じかい?(^ω^*)
K君:おうとも!(>ω<*b)けど今のピノ達は何よりも《聖痕》の獲得を優先
している状況だ。そしてこの両陣営が戦えば……ほぼ間違いなく、ピノ達が
勝利すると思うんだよなぁ~(笑;>ω<)
T君:うぅむ確かに。直接対決の場合、いかに相手陣営の《魔導書使い》を先に倒
せるかが大事だもんね。そう考えると、使徒ユダと人形師ピノの攻防はほぼ
互角でも……狂戦士ベルテと老騎士ドンキの攻防が圧倒的にベルテ優勢っぽ
いもんなぁ!(>Д<;)
K君:その様な状況下で、ピノ達は同盟結成を承諾するのか……という話だね!
T君:なるほどねぇ~(^ω^;)そう言えば、ピノ達は過去にシユウ君とも戦っ
ているよね。ピノ達が《裏切り同盟》に参加するには……やはり物語展開
上の「納得感」が欲しいかな?
K君:そこでぇ演出だぁ!(笑)ピノ達が暫し石造りの迷宮路を進むと、幾本もの
列柱と篝火台座が居並ぶ、仄暗い神殿風の大広間に辿り着き――と、其処で
両陣営が邂逅する! 人形師ピノは素早く魔導書を開帳すると「敵だよ、
塔の英雄譚…」と淡々呟く。刹那、ピノの魔導書から豪炎の如く揺らぎ輝き
ながら狂戦士が姿を顕すや咆哮一声、戦斧を掲げ疾走しようと石畳床を踏み
砕いた其の瞬間――裏切りの使徒ユダの声が静かに響き渡る!「御待ち下さ
い、私共に戦いの意思は御座いません…っ!」
T君:うお、何だこの強烈な既視感はっ!?(一同爆笑)
K君:それも今までにない強烈なやつだ!(一同爆笑)さぁて使徒ユダは道化師の
如く優雅に一礼すると、不気味に微笑みながら語り掛けます。ピノ達に語る
内容は、第2話のシユウ君に話した時とほぼ同じだね。まずは真名を告解し、
次に他陣営との戦力差を語り、そして最後にシユウ達と同盟結成に至った経
緯を説明します。「どうで御座いましょう…我々の同盟にぃ是非とも御参加
頂けませんかぁピノ殿ぉ…?」
T君:あまりにも胡散臭い話に、狂戦士ベルテは唸り声を上げながら戦斧の柄をギ
シリッと握り締めます(一同爆笑)。
K君:OK(笑)。ではピノも「お前は…信用できない」と告げます。仄暗い神殿
広間を、開戦の兆し孕む緊張感が暗澹と満たしてゆく――と、そこに響くは
勇ましき声! ドンキ爺さんだ!(なぜか一同爆笑)「なぁるほど…御令嬢
に誠意を示さぬは騎士の恥と云うもの、そうじゃなぁ…ワシの《聖痕》を
ひとつ、御主に譲るというのはどうじゃあ…?」老騎士ドンキは威風堂々と
右腕を掲げ《聖痕》を見せる。其の言葉は真摯なものだ!
T君:な、何だってーっドンキ爺さんが《聖痕》1個をピノに譲るのかぁ!?
(;◎Д◎)(少し考えて)……けど、なるほど、それならピノ陣営にも利
点が多い。同盟参加も納得できるな! 使徒ユダもピノ達の勧誘に成功して
万々歳……ドンキ爺さんだけが窮地に立った感じだ!(笑)
K君:いえいえ、騎士道っぷりを発揮できてドンキ爺さんも御満悦ですよ(笑)。
「…わかった、お前は信じる」とピノが承諾すると、ドンキ爺は豪快に笑う。
「うむ、これで我ら共に剣をとる盟友となったわけじゃ…っ!」両者が手を
握る――その瞬間、ドンキ爺さんの右腕に刻まれた《聖痕》の一角が閃光を
発して消滅し、ピノの胸元に刻まれた《聖痕》に新たな一角が輝き顕れる!
(d*>Д<)よっしゃ~これにて同盟結成だぁぁ!!
T君:おぉーっ!?(>Д<;)これでシユウ達・ピノ達・ドンキ達の3陣営によ
る《裏切り同盟》が結成されたわけだ、凄ぇ展開だぜ!?
K君:だね。その様子を眺めていた使徒ユダは胸中にて「騎士道狂いの御老体もぉ
…少しは役に立ちましたかぁ…」と邪悪に笑ってますよ(笑)。
T君:ホントに極悪人だなコイツ!(笑)よしっ、それじゃあ第3ラウンドを終了
しよう!
【《聖痕》の譲渡前】
人形師ピノ………《聖痕》1個
老騎士ドンキ……《聖痕》2個
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
【《聖痕》の譲渡後】
人形師ピノ………《聖痕》2個
老騎士ドンキ……《聖痕》1個(←おいおい笑)
◆◇◆◇◆◇◆
◆第4階層<第4ラウンド移動前>
(◇…扉・通路、通行可)(■…壁、通行不可)
A B C D
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
①■【闇妖軍】◇ ◇《魔術師》◇《正義》 ■
■――◇――■■■■■■■■■■■■■――◇――■
②■ ◇ ◇《戦車》 ◇【石像軍】■
■――◇――■――◇――■――◇――■――◇――■
③■《皇帝》 ■ ■ 《力》 ■ 《塔》 ■
■ ■ ■ ■《吊し男》■
■――◇――■――◇――■――◇――■――◇――■
④■ ◇ ◇【粘液菌】◇【黒妖犬】■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
K君:それでは早速「第4ラウンド」を始めよう!(>ω<*b)
T君:ついに3陣営による《裏切り同盟》を結成したんだ、シユウ君達は早くピノ
&ドンキ達と合流したいね!(*>Д<)
K君:(階層MAPを確認して)……シユウ君は左右の通路を「vs闇妖軍」と「vs
石像軍」に挟まれてどのみち戦闘イベントを回避できない状況だ。それなら
最短経路「D②」の「vs石像軍」で集合しようか!(d*>Д<)
T君:OKだぜ(d*>Д<)さて、その他の陣営は…(カードを1枚引く)…おお
っと【クラブA】を引いたぞ!? ついに《福音の迷宮》最終階層、最後の
ボス戦だぁ!?
<次回につづく…!>
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる