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第四章 将軍様一局願います!
第48話 愛を囁く
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そこから俺は、一気に話しきった。
バルギーの元から逃げた後、竜たちの助けで神島へ行ったこと。
そこで全ての竜の頂点、5匹の大竜に会ったこと。
その大竜達に教えてもらった、俺がこの世界へと来た理由。
イクファという兄竜に、生まれずに死んだと思われていた卵。
その卵と俺の因果関係。
そして。
大竜に卵の中へと落とされ、気がついたら竜として生まれ変わっていたこと。
俺が話を進める度に、バルギーは驚きに表情を変え、時に呻き声をもらし、そして絶句するというのを繰り返していた。
俺がどんな竜になったのか、どんな特性の竜なのかも、隠さず話した。
あと、俺が卵に入っている間にエリーが立派な走り茸の魔物になった事も教えたら、その時だけはバルギーは凄く微妙な顔をした。
多分、魔物化したエリーがどんなか想像できないんだろう。
後で会わせてやれば、きっとエリーの格好よさにビックリする筈だ。楽しみだ。
そんなエリーちゃんと友達竜のダイル達、そして同種の兄イクファと一緒に神島で竜として過ごし、時々下に降りて遊んだりと、どんな生活をしていたか説明する。
裸一貫で服を買いに行った時の話なんか、俺の臨場感溢れる話にバルギーは凄くハラハラした顔をしていた。
それでも殆ど口を挟まずに俺の話に耳を傾けてくれたから、俺は勢いに乗せて一気に話す事ができた。
そんなバルギーだったけど、最後にどうして俺が此処に戻ってこようと思ったのか。
そのきっかけとなったニギルとイクファとの人生相談会の話をした時は、今までに無い強い反応を見せた。
要するに、俺がバルギーの事を好きだったのだと自覚したって話ね。
行為を無理強いされた事も辛かったけど、何よりも無視された事が悲しかったこと。
話を聞いてもらえず、話をしてもらえず、理解し合いたいという気持ちを拒絶されたのが悲しかったこと。
バルギーの考えている事が分からなくて、なんでこんな事をしたのかの答えが欲しかったこと。
そして、それらの思いは結局のところバルギーを好きだったからだと、兄竜達の導きで漸く気がついたことなど、思いのままに、興奮する感情のままに、俺は喋り通した。
話を聞いていたバルギーは、途中でギョッとしたような驚愕の表情になり、それから少ししてどこか恍惚とした表情で俺を見つめる。
話が進む度に、青ざめ、項垂れ、驚き、顔を赤らめ、そして狼狽してと表情筋が忙しそうだった。
そんで、俺が話している間も、私はなんて事を・・・とか、なんて非道な事か・・・とか、そんなまさか・・とか、信じられない・・とかとか。
ブツブツ独り言をこぼしてて、感情が全部口と表情から漏れ出ててちょっと面白かった。
俺がバルギーへの想いに気がついたってくだりのところでは、とても驚いた顔が一気に赤くなり、それから何故かギュッと気難しげに眉間を歪めて、喉の奥からウグゥとよく分からない呻き声を出していた。
「とりあえずザックリとだけど、俺の話はこんな感じかな」
バルギーの元を去ってから再びここへ来るまでの出来事を、言葉通りザックリ説明し終えて一息つく。
“声”を出してこんなに長時間喋るのは久しぶりだから、ちょっと疲れたな。
でも、どこか茫然とした表情のバルギーに、なんだか悪戯が成功したようなちょっとだけ楽しい気持ちが湧き上がった。
はは、驚いてる、驚いてる。
「どうだ、驚いただろ?」
「・・あぁ、とても驚いた。一生分驚いた気がする・・」
バルギーはボンヤリした表情のまま、少し疲れを感じさせるような調子で返事をした。
「どこが一番驚いた?」
何となく好奇心が疼いて、ふざけて良い雰囲気じゃ無いのは分かってたけど、ちょっと茶化すように聞けば。
「お前が私を好いているということだ」
バルギーは間髪入れずに、そう答えた。
予想外の答えだった。
「え、えぇ、そこぉ・・?」
嘘だろ、バルギー。
「いやいや、もっと驚くところ他に一杯あったでしょ。俺が他の世界から来たこととか、神島に行ってた事とかさ、あるじゃん?色々」
「うむ。それも確かにとても驚いた。お前の話は我々人間の知識が到底及ばない神の領域の話だ。世界の神秘に触れて、驚いたのと同時にとても感動している」
何時もよりも饒舌・・・と言うか、少し熱のこもった話し方からして、確かにバルギーが興奮しているのは分かった。
「だが、お前が私を好いているという話が一番信じられぬ」
信じられぬは俺のセリフだわ。
「いや、まぁ。気持ちは分かんなくもないけどさ。でも、俺大竜と会って話したんだぜ?凄いだろ?」
「あぁ、そうだな」
「・・・」
本当にそう思ってんのか?
「あと・・・・俺、人間じゃなくなってるよ?」
俺的にはここが一番、驚きポイントだと思ってたんだけど・・。
「俺、竜なんだぜ?」
こんな俺を、バルギーこそまだ好きだと言えるんだろうか。
「大した問題ではない」
「大した問題だよなぁ!?」
やば。
バルギーの判断基準が全く分からん。
「あ、さては信じてないな」
口では信じてるって言ってるけど、実際にはあんまり信じてないのかもしれない。
じゃなきゃ、俺が人外だって事にもっと反応があって良いはずだ。
「信じている。お前は間違いなく竜なのであろう」
何とも無いようにサラリと言われて、余計に疑惑が深まった。
自分で言っといて何だけど、こんな荒唐無稽な話を普通そんなすんなりと信じられるか?
「・・・・俺の本当の姿見てないから、そんな簡単に言えるんだ」
人間じゃない姿見たら、絶対バルギーは引くと思う。
でも、竜の状態を見せるのが本当に信じてもらうのには一番手っ取り早い。
でも、それはちょっと勇気がいる。
いや、もともと竜の姿も見せるつもりだったけど。
でもね、やっぱりバルギーがどんな反応をするか想像すると、それは覚悟が必要なんだ。
竜の姿を見せる事への躊躇いと葛藤で、腕を組みながらウンウン唸っていたら。
バルギーは物凄く怪訝な顔をした。
「・・ケイタ。もしかして気が付いていないのか?」
「何が?」
眉間に皺を寄せたまま、首を傾げれば。
バルギーがそっと俺の手を取り、見ろと言わんばかりに顔の前に持ち上げる。
目に映るのは、鱗に覆われた真っ黒な手。
「・・・・・うん?」
ワキワキと指を動かせば、鋭い鉤爪がクイクイと空を掻く。
「うん・・・・・うんっ?!」
バッと慌てて頭に手をやれば、指先に伝わるのはゴツリとした感触。
うおぉぉ!角ぉぉーー!出てるーー!!
「え?・・・えっ!?いつから?いつから!?」
「イクファと二ギルという2匹の竜の話をしている最中だ。気付いていなかったのか・・・」
ひぇ。
話す事に夢中で、全然気が付いてなかった・・・。
話に集中しすぎて変化が解けたんだな。
うぅ、俺の未熟者め。
もしかして途中でひどくバルギーが驚いた顔をしていたのは、俺の話に驚いてたんじゃなくてコレに驚いていただけか。
「マジかー・・・。え、ってかバルギーこれ見て、何も言わずに話聞いてたの?」
「驚きはしたが、お前が竜になったと言ったからそういうものなのだろうと」
えー・・・それで納得しちゃうんだ。
いや、納得してもらえるのは有り難いけど。
バルギー、すげぇな。
まぁ、でも、とりあえず俺が竜だって事を本当にちゃんと信じて受け入れてくれていたってのは理解したわ。
「・・・気持ち悪くないか?」
何となく隠すように両手で角を握れば。
「気持ち悪いなど思うわけがない。むしろ、とても美しいと思う」
バルギーは俺の手を優しく頭からどかして、うっとりとしたような眼差しで角を眺めた。
話してる途中で見せた恍惚の表情と同じだ。
成る程、あれもそう言う事だったのか。
「ケイタ、言ったであろう。例えお前が魔性であっても私の気持ちは変わらないと」
鱗まみれの俺の手を、バルギーは気持ち悪がる事もなく宥めるように軽く叩く。
「私にとってお前が人か人でないかは、さほど重要な事では無いのだ。ケイタがケイタである限り、私のこの想いは決して変わらない」
「おふん」
少しばかり常軌を逸したバルギーの熱烈な告白に、どう答えたら良いか分からなくて間抜けな声しか出せなかった。
人か人でないかは凄く重要な問題だと思うけど、バルギーはそれを簡単に否定してくれた。
それよりも“俺自身”が重要なのだと言ってくれて、それにジワジワと抑えられない嬉しさが湧き上がる。
ある意味、俺が一番欲しかった言葉だ。
「だが」
「え」
ニヤけそうになる口元を必死で引き締めていたら、まさかの“だが”という言葉をバルギーが口にした。
え、“だが”って何?
やっぱり何か否定されるのかと、スッと興奮の熱が引いていく。
だけどバルギーが続けたのは、思ってたのとはちょっと違う方向の話だった。
「やはり、お前が私を好いているというのだけが、どうしても信じられない」
「何でだよー!」
「そんな事、ありえない・・・」
「他の世界から来て実は竜でしたって話よりも、よっぽどありえる話じゃん!なんで竜だって事は信じられるのに、それは疑うんだよ」
俺の気持ちを否定するような言葉に、ムッとして唇が前に突き出る。
そしたらバルギーもちょっと怒ったように、眉間にぎゅっと皺を寄せた。
「お前は私に何をされたのか、ちゃんと理解しているのか」
「んなこと十分理解してるよ。された事については俺だって怒ってんだからな。でも、それでも、このままバルギーの気持ちが分からないまま、もう二度と会えないのは嫌だったし。俺もせっかく気付いた自分の気持ちをこのまま放ったらかしにするのは嫌だったんだ。だから、また傷付けられるかもしれないのを覚悟の上で戻ってきたんだぞ。バルギーの答えを聞きに」
俺が何を思って戻ってきたのか、俺の気持ちは嘘じゃないってのを分かって欲しくて熱弁すれば、バルギーが嬉しそうで悲しそうで、そんでもって苦しそうな複雑な微笑を浮かべた。
鈍感な俺でも何となく分かった。
多分、俺の気持ちは純粋に嬉しいんだと思う。
でも、それと同時に自分のした事への強い罪悪感があるんだろうな。
だから、俺の気持ちをそのまま受け入れることができないんだ。
「なぁ、バルギー」
俺は一歩を踏み出せた。
だから、今度はバルギーに1歩前に進んでほしい。
「バルギーのした事は、確かに許されない事だと思うよ」
「あぁ、その通りだ」
「でも、俺は許しても良いって思ってる」
「いいや、許してはならん」
「えー・・・」
「ケイタ、私のした事は・・・私は外道だ。許されるべきではない。いや、許されてはならない」
「何か意地になってないか?」
「意地だとかそう言う問題ではないであろう?いくらお前を想っていたからと言って罪は罪だ」
頭が硬いな、バルギーは。
「でも、だからって俺の気持ちまで否定する必要はないだろ?」
「しかし・・・・あんな事をした私を好いてるなど・・・」
「バルギー!また俺の気持ちを無視するのか?」
「っ!」
俺の言葉に、バルギーがハッとした顔をした。
経緯が経緯なだけに、俺の好意が信じられないってのは理解できる。
でも、それで俺の気持ちを否定されるのは腹が立つし、傷つくってもんだ。
「いいじゃん、そのまま受け取っとけば。バルギーの罪と俺の気持ちは別の話だろ」
「それでは、余りにも私に都合が良すぎる」
「何がいけないんだ?簡単なことだろ。バルギーは俺が好き、俺もバルギーが好き。それでいいじゃん、もう」
「・・・お前は、こんな私を受け入れてくれるというのか?」
お?少し前向きになったか?
「バルギーだって、人間じゃない俺を受け入れてくれたじゃん?俺は凄い嬉しかったよ」
「私は・・」
何か迷うように、コニャックの瞳が忙しなく左右に揺れる。
「私は・・重い男だぞ?」
「?体が?」
デカいもんな。
「そうではなくて・・。存在がだ」
「あー、そういうこと。うん、何となくそれは分かってる」
「それに、とても嫉妬深い」
「シットブカイ」
聞いた事ない言葉だけど、取り敢えず曖昧に頷いておく。
「独占欲も強い」
「ドクシェンヨク」
よく分からないけど、ウンウンと首を振る。
何となくバルギーが一歩を踏み出そうとしている雰囲気を感じるから、取り敢えず否定することはせずに頷くけど、それはすぐにバルギーにバレた。
「分かっていないな?」
「うへへ。ちょっと聞いた事ない言葉だったな」
「お前が私以外の人間と親しくするのが嫌だという事だ」
「あー、何となく分かった」
やきもち焼きって事だ。
「私はもうお前を傷つけたくない。だが、お前がもし本当に私の気持ちを受け入れてくれると言うなら・・・想いを返してくれると言うなら、もう我慢はしない。できない。きっとお前を束縛してしまう」
俺を見つめる瞳は、凄く切なそうで、でも強い期待を孕んでいた。
「私は自分の自制心の弱さを思い知った。自分の冷酷さも」
バルギーが唇を少し噛む。
「二度とお前の事は傷付けない。それは命にかけて誓う。だが・・・・それでもまた同じ過ちを繰り返すのではないかと思ってしまって怖い。私は私を信用できない」
「・・・俺は信じるよ?」
バルギーの性格が極端なのは今回の事でよく理解したけど、でも、それと同じくらい真面目で優しいのも知っている。
「大丈夫。バルギーは同じ事はもうしないよ。しないだろ?バルギーが信じられなくても、俺が信じるからさ。その代わりバルギーは俺の気持ちを信じてくれよ」
「あぁ、ケイタ。お前と言う子は、本当に・・・」
男らしい節くれだった指が、俺の目に掛かっていた前髪をそっと払う。
「ケイタ、もう一度言うぞ?もしお前が本当に私の想いを受け取り、そして返してくれると言うなら」
「うん」
「私はもう我慢しないし、決して手放さない。今度こそお前は私から逃げられなくなるぞ」
「・・・・また閉じ込めるって話じゃないよね?」
「あぁ、それは決してしない。だが、この先お前の気持ちが変わったとしても、他の誰かに心を移したとしても、私は絶対にお前を手放してやれない。私のものになったのならば、一生私から離れられないという覚悟をしなさいという話だ」
わー、熱烈ー。
それ、もう永久就職のお誘いじゃん。
物凄い口説き文句のはずなのに、なんでそんなネガキャンな感じに出来るんだ。
「だからケイタ、よく考えてから答えなさい。本当に私を受け入れてく」
「いいよー」
何だかまどろっこしくなって、つい被せるように答えちった。
「・・・・ケイタ、ちゃんと考えなさいといっ」
「だから良いっつってんじゃん」
まだウダウダ続けるバルギーに、また被せて答えてやれば。
「ケイタ・・」
バルギーが困った子供を見るような目をした。
何だこの野郎。
「あのさぁ、バルギー」
ちょっとムカついたから、俺も精一杯呆れたような顔で言ってやる。
いや、呆れてんのは本当だ。
「そう言う時は、こう言うんだよ」
どうにも告白が下手くそなバルギーに、俺はお手本を見せてやることにした。
バルギーの手をそっと取って、キリッと顔を引き締める。
「これから先、貴方のことは私が守ります。傷つけた以上に貴方に尽くします。他に余所見なんかさせません。一生私の側にいてください。絶対に後悔はさせませんから。私の一生は貴方のためにあります」
キメ顔のままバルギーの手をしっかりと握り、見上げるようにして男らしい瞳を見つめる。
さっきバルギーがウジウジと零した言葉を、ポジティブに変換してやれば。
何と言うことでしょうか。
ネガキャン全開だった告白は、こんなにも熱烈で恥ずかしい告白へと大変身。
そして仕上げの言葉は。
「だからどうかお願いです。私の愛を受け取ってください。そして貴方の愛を私にください」
かぁーっ!決まったね!
こう言うのは、恥を捨てるのが大切なんだ。
もうね、心頭滅却よ。
勢いに乗せていっちゃえば良いのさ。
どうだ、バルギー分かったか。
告白ってのはこう言うんだ。
って、バルギーの反応を待つけど。
「・・・・・・」
バルギーはポカーンと口を開けて、ただ呆けていた。
「・・・・・・」
いつまで待っても、返事はない。
え、ちょっとやめてよ。
反応が無いのが一番恥ずかしいんだけど。
顔はキメ顔のまま固めているけど、徐々に熱が上がっていくのが分かる。
あ、やばい。
俺、今顔超赤い気がする。
気まずい静けさに、滅却していたはずの恥ずかしさがブワリと溢れた。
「・・・なんか言ってくんねぇかな」
流石に居た堪れなくて、呆けているバルギーに反応を要求した途端。
バルギーの顔が未だかつて見た事ないくらいに、一気に真っ赤に染まった。
耳まで真っ赤だ。
赤い絵の具をぶち撒けたみたいだ。
それに驚いていたら。
俺が握っていた大きな手に、反対にガシリと握り返された。
それはもう、凄まじい力で。
ギュッとかいう表現じゃすまされない。
ギュッじゃなくて、もうメキメキ。
いや、これは表現とか言うもんじゃない。
実際に、俺の手からメキメキって骨の軋む音が聞こえてきて。
思わず俺は腹の底から、歌うように叫んでしまった。
「あああぁぁぁぁ~~~~っっっ!!」
合唱の時の発声練習みたいな俺の悲鳴は、中々の美声だったと思う。
バルギーの元から逃げた後、竜たちの助けで神島へ行ったこと。
そこで全ての竜の頂点、5匹の大竜に会ったこと。
その大竜達に教えてもらった、俺がこの世界へと来た理由。
イクファという兄竜に、生まれずに死んだと思われていた卵。
その卵と俺の因果関係。
そして。
大竜に卵の中へと落とされ、気がついたら竜として生まれ変わっていたこと。
俺が話を進める度に、バルギーは驚きに表情を変え、時に呻き声をもらし、そして絶句するというのを繰り返していた。
俺がどんな竜になったのか、どんな特性の竜なのかも、隠さず話した。
あと、俺が卵に入っている間にエリーが立派な走り茸の魔物になった事も教えたら、その時だけはバルギーは凄く微妙な顔をした。
多分、魔物化したエリーがどんなか想像できないんだろう。
後で会わせてやれば、きっとエリーの格好よさにビックリする筈だ。楽しみだ。
そんなエリーちゃんと友達竜のダイル達、そして同種の兄イクファと一緒に神島で竜として過ごし、時々下に降りて遊んだりと、どんな生活をしていたか説明する。
裸一貫で服を買いに行った時の話なんか、俺の臨場感溢れる話にバルギーは凄くハラハラした顔をしていた。
それでも殆ど口を挟まずに俺の話に耳を傾けてくれたから、俺は勢いに乗せて一気に話す事ができた。
そんなバルギーだったけど、最後にどうして俺が此処に戻ってこようと思ったのか。
そのきっかけとなったニギルとイクファとの人生相談会の話をした時は、今までに無い強い反応を見せた。
要するに、俺がバルギーの事を好きだったのだと自覚したって話ね。
行為を無理強いされた事も辛かったけど、何よりも無視された事が悲しかったこと。
話を聞いてもらえず、話をしてもらえず、理解し合いたいという気持ちを拒絶されたのが悲しかったこと。
バルギーの考えている事が分からなくて、なんでこんな事をしたのかの答えが欲しかったこと。
そして、それらの思いは結局のところバルギーを好きだったからだと、兄竜達の導きで漸く気がついたことなど、思いのままに、興奮する感情のままに、俺は喋り通した。
話を聞いていたバルギーは、途中でギョッとしたような驚愕の表情になり、それから少ししてどこか恍惚とした表情で俺を見つめる。
話が進む度に、青ざめ、項垂れ、驚き、顔を赤らめ、そして狼狽してと表情筋が忙しそうだった。
そんで、俺が話している間も、私はなんて事を・・・とか、なんて非道な事か・・・とか、そんなまさか・・とか、信じられない・・とかとか。
ブツブツ独り言をこぼしてて、感情が全部口と表情から漏れ出ててちょっと面白かった。
俺がバルギーへの想いに気がついたってくだりのところでは、とても驚いた顔が一気に赤くなり、それから何故かギュッと気難しげに眉間を歪めて、喉の奥からウグゥとよく分からない呻き声を出していた。
「とりあえずザックリとだけど、俺の話はこんな感じかな」
バルギーの元を去ってから再びここへ来るまでの出来事を、言葉通りザックリ説明し終えて一息つく。
“声”を出してこんなに長時間喋るのは久しぶりだから、ちょっと疲れたな。
でも、どこか茫然とした表情のバルギーに、なんだか悪戯が成功したようなちょっとだけ楽しい気持ちが湧き上がった。
はは、驚いてる、驚いてる。
「どうだ、驚いただろ?」
「・・あぁ、とても驚いた。一生分驚いた気がする・・」
バルギーはボンヤリした表情のまま、少し疲れを感じさせるような調子で返事をした。
「どこが一番驚いた?」
何となく好奇心が疼いて、ふざけて良い雰囲気じゃ無いのは分かってたけど、ちょっと茶化すように聞けば。
「お前が私を好いているということだ」
バルギーは間髪入れずに、そう答えた。
予想外の答えだった。
「え、えぇ、そこぉ・・?」
嘘だろ、バルギー。
「いやいや、もっと驚くところ他に一杯あったでしょ。俺が他の世界から来たこととか、神島に行ってた事とかさ、あるじゃん?色々」
「うむ。それも確かにとても驚いた。お前の話は我々人間の知識が到底及ばない神の領域の話だ。世界の神秘に触れて、驚いたのと同時にとても感動している」
何時もよりも饒舌・・・と言うか、少し熱のこもった話し方からして、確かにバルギーが興奮しているのは分かった。
「だが、お前が私を好いているという話が一番信じられぬ」
信じられぬは俺のセリフだわ。
「いや、まぁ。気持ちは分かんなくもないけどさ。でも、俺大竜と会って話したんだぜ?凄いだろ?」
「あぁ、そうだな」
「・・・」
本当にそう思ってんのか?
「あと・・・・俺、人間じゃなくなってるよ?」
俺的にはここが一番、驚きポイントだと思ってたんだけど・・。
「俺、竜なんだぜ?」
こんな俺を、バルギーこそまだ好きだと言えるんだろうか。
「大した問題ではない」
「大した問題だよなぁ!?」
やば。
バルギーの判断基準が全く分からん。
「あ、さては信じてないな」
口では信じてるって言ってるけど、実際にはあんまり信じてないのかもしれない。
じゃなきゃ、俺が人外だって事にもっと反応があって良いはずだ。
「信じている。お前は間違いなく竜なのであろう」
何とも無いようにサラリと言われて、余計に疑惑が深まった。
自分で言っといて何だけど、こんな荒唐無稽な話を普通そんなすんなりと信じられるか?
「・・・・俺の本当の姿見てないから、そんな簡単に言えるんだ」
人間じゃない姿見たら、絶対バルギーは引くと思う。
でも、竜の状態を見せるのが本当に信じてもらうのには一番手っ取り早い。
でも、それはちょっと勇気がいる。
いや、もともと竜の姿も見せるつもりだったけど。
でもね、やっぱりバルギーがどんな反応をするか想像すると、それは覚悟が必要なんだ。
竜の姿を見せる事への躊躇いと葛藤で、腕を組みながらウンウン唸っていたら。
バルギーは物凄く怪訝な顔をした。
「・・ケイタ。もしかして気が付いていないのか?」
「何が?」
眉間に皺を寄せたまま、首を傾げれば。
バルギーがそっと俺の手を取り、見ろと言わんばかりに顔の前に持ち上げる。
目に映るのは、鱗に覆われた真っ黒な手。
「・・・・・うん?」
ワキワキと指を動かせば、鋭い鉤爪がクイクイと空を掻く。
「うん・・・・・うんっ?!」
バッと慌てて頭に手をやれば、指先に伝わるのはゴツリとした感触。
うおぉぉ!角ぉぉーー!出てるーー!!
「え?・・・えっ!?いつから?いつから!?」
「イクファと二ギルという2匹の竜の話をしている最中だ。気付いていなかったのか・・・」
ひぇ。
話す事に夢中で、全然気が付いてなかった・・・。
話に集中しすぎて変化が解けたんだな。
うぅ、俺の未熟者め。
もしかして途中でひどくバルギーが驚いた顔をしていたのは、俺の話に驚いてたんじゃなくてコレに驚いていただけか。
「マジかー・・・。え、ってかバルギーこれ見て、何も言わずに話聞いてたの?」
「驚きはしたが、お前が竜になったと言ったからそういうものなのだろうと」
えー・・・それで納得しちゃうんだ。
いや、納得してもらえるのは有り難いけど。
バルギー、すげぇな。
まぁ、でも、とりあえず俺が竜だって事を本当にちゃんと信じて受け入れてくれていたってのは理解したわ。
「・・・気持ち悪くないか?」
何となく隠すように両手で角を握れば。
「気持ち悪いなど思うわけがない。むしろ、とても美しいと思う」
バルギーは俺の手を優しく頭からどかして、うっとりとしたような眼差しで角を眺めた。
話してる途中で見せた恍惚の表情と同じだ。
成る程、あれもそう言う事だったのか。
「ケイタ、言ったであろう。例えお前が魔性であっても私の気持ちは変わらないと」
鱗まみれの俺の手を、バルギーは気持ち悪がる事もなく宥めるように軽く叩く。
「私にとってお前が人か人でないかは、さほど重要な事では無いのだ。ケイタがケイタである限り、私のこの想いは決して変わらない」
「おふん」
少しばかり常軌を逸したバルギーの熱烈な告白に、どう答えたら良いか分からなくて間抜けな声しか出せなかった。
人か人でないかは凄く重要な問題だと思うけど、バルギーはそれを簡単に否定してくれた。
それよりも“俺自身”が重要なのだと言ってくれて、それにジワジワと抑えられない嬉しさが湧き上がる。
ある意味、俺が一番欲しかった言葉だ。
「だが」
「え」
ニヤけそうになる口元を必死で引き締めていたら、まさかの“だが”という言葉をバルギーが口にした。
え、“だが”って何?
やっぱり何か否定されるのかと、スッと興奮の熱が引いていく。
だけどバルギーが続けたのは、思ってたのとはちょっと違う方向の話だった。
「やはり、お前が私を好いているというのだけが、どうしても信じられない」
「何でだよー!」
「そんな事、ありえない・・・」
「他の世界から来て実は竜でしたって話よりも、よっぽどありえる話じゃん!なんで竜だって事は信じられるのに、それは疑うんだよ」
俺の気持ちを否定するような言葉に、ムッとして唇が前に突き出る。
そしたらバルギーもちょっと怒ったように、眉間にぎゅっと皺を寄せた。
「お前は私に何をされたのか、ちゃんと理解しているのか」
「んなこと十分理解してるよ。された事については俺だって怒ってんだからな。でも、それでも、このままバルギーの気持ちが分からないまま、もう二度と会えないのは嫌だったし。俺もせっかく気付いた自分の気持ちをこのまま放ったらかしにするのは嫌だったんだ。だから、また傷付けられるかもしれないのを覚悟の上で戻ってきたんだぞ。バルギーの答えを聞きに」
俺が何を思って戻ってきたのか、俺の気持ちは嘘じゃないってのを分かって欲しくて熱弁すれば、バルギーが嬉しそうで悲しそうで、そんでもって苦しそうな複雑な微笑を浮かべた。
鈍感な俺でも何となく分かった。
多分、俺の気持ちは純粋に嬉しいんだと思う。
でも、それと同時に自分のした事への強い罪悪感があるんだろうな。
だから、俺の気持ちをそのまま受け入れることができないんだ。
「なぁ、バルギー」
俺は一歩を踏み出せた。
だから、今度はバルギーに1歩前に進んでほしい。
「バルギーのした事は、確かに許されない事だと思うよ」
「あぁ、その通りだ」
「でも、俺は許しても良いって思ってる」
「いいや、許してはならん」
「えー・・・」
「ケイタ、私のした事は・・・私は外道だ。許されるべきではない。いや、許されてはならない」
「何か意地になってないか?」
「意地だとかそう言う問題ではないであろう?いくらお前を想っていたからと言って罪は罪だ」
頭が硬いな、バルギーは。
「でも、だからって俺の気持ちまで否定する必要はないだろ?」
「しかし・・・・あんな事をした私を好いてるなど・・・」
「バルギー!また俺の気持ちを無視するのか?」
「っ!」
俺の言葉に、バルギーがハッとした顔をした。
経緯が経緯なだけに、俺の好意が信じられないってのは理解できる。
でも、それで俺の気持ちを否定されるのは腹が立つし、傷つくってもんだ。
「いいじゃん、そのまま受け取っとけば。バルギーの罪と俺の気持ちは別の話だろ」
「それでは、余りにも私に都合が良すぎる」
「何がいけないんだ?簡単なことだろ。バルギーは俺が好き、俺もバルギーが好き。それでいいじゃん、もう」
「・・・お前は、こんな私を受け入れてくれるというのか?」
お?少し前向きになったか?
「バルギーだって、人間じゃない俺を受け入れてくれたじゃん?俺は凄い嬉しかったよ」
「私は・・」
何か迷うように、コニャックの瞳が忙しなく左右に揺れる。
「私は・・重い男だぞ?」
「?体が?」
デカいもんな。
「そうではなくて・・。存在がだ」
「あー、そういうこと。うん、何となくそれは分かってる」
「それに、とても嫉妬深い」
「シットブカイ」
聞いた事ない言葉だけど、取り敢えず曖昧に頷いておく。
「独占欲も強い」
「ドクシェンヨク」
よく分からないけど、ウンウンと首を振る。
何となくバルギーが一歩を踏み出そうとしている雰囲気を感じるから、取り敢えず否定することはせずに頷くけど、それはすぐにバルギーにバレた。
「分かっていないな?」
「うへへ。ちょっと聞いた事ない言葉だったな」
「お前が私以外の人間と親しくするのが嫌だという事だ」
「あー、何となく分かった」
やきもち焼きって事だ。
「私はもうお前を傷つけたくない。だが、お前がもし本当に私の気持ちを受け入れてくれると言うなら・・・想いを返してくれると言うなら、もう我慢はしない。できない。きっとお前を束縛してしまう」
俺を見つめる瞳は、凄く切なそうで、でも強い期待を孕んでいた。
「私は自分の自制心の弱さを思い知った。自分の冷酷さも」
バルギーが唇を少し噛む。
「二度とお前の事は傷付けない。それは命にかけて誓う。だが・・・・それでもまた同じ過ちを繰り返すのではないかと思ってしまって怖い。私は私を信用できない」
「・・・俺は信じるよ?」
バルギーの性格が極端なのは今回の事でよく理解したけど、でも、それと同じくらい真面目で優しいのも知っている。
「大丈夫。バルギーは同じ事はもうしないよ。しないだろ?バルギーが信じられなくても、俺が信じるからさ。その代わりバルギーは俺の気持ちを信じてくれよ」
「あぁ、ケイタ。お前と言う子は、本当に・・・」
男らしい節くれだった指が、俺の目に掛かっていた前髪をそっと払う。
「ケイタ、もう一度言うぞ?もしお前が本当に私の想いを受け取り、そして返してくれると言うなら」
「うん」
「私はもう我慢しないし、決して手放さない。今度こそお前は私から逃げられなくなるぞ」
「・・・・また閉じ込めるって話じゃないよね?」
「あぁ、それは決してしない。だが、この先お前の気持ちが変わったとしても、他の誰かに心を移したとしても、私は絶対にお前を手放してやれない。私のものになったのならば、一生私から離れられないという覚悟をしなさいという話だ」
わー、熱烈ー。
それ、もう永久就職のお誘いじゃん。
物凄い口説き文句のはずなのに、なんでそんなネガキャンな感じに出来るんだ。
「だからケイタ、よく考えてから答えなさい。本当に私を受け入れてく」
「いいよー」
何だかまどろっこしくなって、つい被せるように答えちった。
「・・・・ケイタ、ちゃんと考えなさいといっ」
「だから良いっつってんじゃん」
まだウダウダ続けるバルギーに、また被せて答えてやれば。
「ケイタ・・」
バルギーが困った子供を見るような目をした。
何だこの野郎。
「あのさぁ、バルギー」
ちょっとムカついたから、俺も精一杯呆れたような顔で言ってやる。
いや、呆れてんのは本当だ。
「そう言う時は、こう言うんだよ」
どうにも告白が下手くそなバルギーに、俺はお手本を見せてやることにした。
バルギーの手をそっと取って、キリッと顔を引き締める。
「これから先、貴方のことは私が守ります。傷つけた以上に貴方に尽くします。他に余所見なんかさせません。一生私の側にいてください。絶対に後悔はさせませんから。私の一生は貴方のためにあります」
キメ顔のままバルギーの手をしっかりと握り、見上げるようにして男らしい瞳を見つめる。
さっきバルギーがウジウジと零した言葉を、ポジティブに変換してやれば。
何と言うことでしょうか。
ネガキャン全開だった告白は、こんなにも熱烈で恥ずかしい告白へと大変身。
そして仕上げの言葉は。
「だからどうかお願いです。私の愛を受け取ってください。そして貴方の愛を私にください」
かぁーっ!決まったね!
こう言うのは、恥を捨てるのが大切なんだ。
もうね、心頭滅却よ。
勢いに乗せていっちゃえば良いのさ。
どうだ、バルギー分かったか。
告白ってのはこう言うんだ。
って、バルギーの反応を待つけど。
「・・・・・・」
バルギーはポカーンと口を開けて、ただ呆けていた。
「・・・・・・」
いつまで待っても、返事はない。
え、ちょっとやめてよ。
反応が無いのが一番恥ずかしいんだけど。
顔はキメ顔のまま固めているけど、徐々に熱が上がっていくのが分かる。
あ、やばい。
俺、今顔超赤い気がする。
気まずい静けさに、滅却していたはずの恥ずかしさがブワリと溢れた。
「・・・なんか言ってくんねぇかな」
流石に居た堪れなくて、呆けているバルギーに反応を要求した途端。
バルギーの顔が未だかつて見た事ないくらいに、一気に真っ赤に染まった。
耳まで真っ赤だ。
赤い絵の具をぶち撒けたみたいだ。
それに驚いていたら。
俺が握っていた大きな手に、反対にガシリと握り返された。
それはもう、凄まじい力で。
ギュッとかいう表現じゃすまされない。
ギュッじゃなくて、もうメキメキ。
いや、これは表現とか言うもんじゃない。
実際に、俺の手からメキメキって骨の軋む音が聞こえてきて。
思わず俺は腹の底から、歌うように叫んでしまった。
「あああぁぁぁぁ~~~~っっっ!!」
合唱の時の発声練習みたいな俺の悲鳴は、中々の美声だったと思う。
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