飛竜誤誕顛末記

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第三章 将軍様はご乱心!

第32話 怖い馬軍

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「あ、ジョルテ!」

ようやく外出解禁となり早速ザウラの店へとやって来たら、店先で思わぬ人物に出会った。
「ケイタ、こんなところで何をしているんだ。道に迷ったのかね?」
ジョルテも俺を見て驚いてる。
「ううん。此処に仕事しに来たの」
ザウラの店を指差せば、不可解そうな表情を向けられた。
「仕事・・?君はここで仕事をしているのかい?」
「うん。内職系をちょっとだけだけどな」
「それは・・・将軍もご存知で?」
「バルギー?勿論、知ってるよ」
頷けば、ジョルテは少し意外そうにしながらも、それならいいと納得していた。
やっぱ、バルギーの印を使ってザウラのとこに登録してるから、ちゃんと本人に許可とってんのかって話なんだろうな。
「ジョルテは?なんで此処にいんの?」
今日は、衛兵の格好をしていないな。
見た感じ、私服っぽい。
「仕事はお休み?」
「あぁ、今日は非番でね。ここの店主に私用があって来たんだ」
「ザウラ?」
「そうだ。とりあえず中に入ろうか」
ジョルテが扉を開けてくれたので、一緒に店の中へと足を進めた。

「ザウラ!久しぶり!」
「ケイタ!・・・・とジョルテ?何でお前ら一緒なんだ?」
「店の前で会った」
「会ったって、お前ら顔見知りなのか」
「うん。ジョルテとは砦で知り合ったんだけど、最近こっちでまた再会してさ。ってかザウラとジョルテも知り合いなんだな」
なんだか2人とも親しさを感じるけど、どういう関係なんだ?
「あぁ、俺たちは幼馴染だからな」
「オサナナ?」
「幼馴染だよ、ケイタ。子供の頃からの付き合いという事だ」
ジョルテが分かりやすく説明してくれた。
え、2人って子供の頃からの付き合いなの?
へぇ、なんか意外な繋がりだ。
「それよりもケイタ!お前、大丈夫だったのか?」
ザウラが急に話題をぶった斬ったと思ったら、普段は見せないような真剣な顔を向けてきた。
多分、誘拐騒ぎの事だな。
バンも知ってる感じだったし、やっぱザウラも知ってんだな。
「えーっと・・・うん、一応大丈夫。あれ、なんかこれ皆知ってる感じなの?」
ちょっと恥ずかしいな。
「当たり前だろ。馬鹿な奴隷商が馬将軍様の怒りを買ったって、どえらい騒ぎだったんだぞ」
「そ、そうなんだ」
「将軍様の印持ちを攫って売ったって、街中その話題で持ちきりだったんだからな。まぁ、将軍様の印持ちがお前って事までは流石に流れてなかったけど。俺とバンは知ってたからな・・・・心配してたんだ」
最後の一言で、ザウラが頭をガリガリとかきながら顔を逸らした。
ちょっと照れ隠しな感じだけど、そっか心配してくれてたのか。
ザウラの様子に思わずニンマリと笑ってしまった。
「まさかザウラからそんな優しい言葉を貰えるなんて、嬉しいなぁ」
「阿呆、茶化すな。本当に心配してたんだぞ。事件があってからお前パッタリと来なくなっちまったからよ、大きな怪我でもしたんじゃないかって。バンもすげぇ心配しててよ」
「あ!そうそう、バン!落ち着いたら絶対顔見せに来いって言われてたからさ、さっき店に行ったんだけど居なかったんだよ」
此処に来る前にバンの屋台に寄ったけど、珍しく屋台閉まってたんだよな。
「あ?バンならこっちに来てるぞ」
ザウラが片眉をクイっと上げながら、カウンターの後ろの扉を指さした。
「え、居るの?」
「あぁ、ちょっと用があって来てたんだ。ジョルテ、お前はなんか用だったか?」
「あぁ、妻に言われてな。お前の所の子供にお下がりの服を持って来たんだ。うちの子にはもう小さいんだが、お前のところの子には丁度いいだろう」
「お、本当か。それは助かる。悪いな」
ジョルテからザウラに荷物が手渡される。
へぇ、2人の子供って歳近いんだ。
ってか、ザウラの家族の話とか初めて聞くかも。
「まぁ、ここで立ち話もなんだ。とりあえず、お前達茶でも飲んでけよ」
ザウラが後ろの扉を指差しながら、カウンターに店主不在の札を置いた。

「お、ケイタじゃねぇか!お前やっと出てきたな。ん?ジョルテも一緒なのか?」
ソファの上でだらしなく座っていたバンが俺を見た途端、ガバリと体を起こした。
そして、俺の後ろに居たジョルテを見て、さっきのザウラと同じように不思議そうな表情を浮かべる。
何だ、バンもジョルテと顔見知りなのか。
「バン、久しぶり。ジョルテとは店先で会ったんだけど、バンもジョルテと知り合いなんだね」
「おぉ、俺たち3人とも子供の頃からの付き合いだからな」
「あ、オナナナジミだ」
「幼馴染だよ、ケイタ」
ジョルテが丁寧に訂正してくれた。
「分かった、オササナジミな」
「ちげぇよ、ケイタ。オナ・・オササ・・幼馴染だ」
「バン、つられてどうする」
バンも訂正してくれようとしたけど俺につられたらしく、ジョルテが呆れた様にため息をついた。
「う、うるせぇよ。ちょっと間違えただけだ。ケイタ、幼馴染だ。幼馴染!」
間違えたのが恥ずかしかったのか、若干ヤケクソ気味な乱暴さでバンが繰り返す。
「オサナナジミ」
「そうだ」
「オサナナジミ、オサナナジミ、幼馴染」
言いにくいからしっかり覚えとかないとな。
忘れない様にと繰り返していたら、とりあえず座れとジョルテにソファへと促された。
「そんなことより、ケイタこそジョルテと知り合いだったのか」
「うん。砦で知り合って、最近こっちで再会した」
バンがザウラと同じ事を聞いて来たので、俺もまたさっきと同じ返事を返す。
「砦?国境の砦の事か?なんでお前がそんな所に居るんだ」
「えっと、バルギーをーー」
「ケイタはそこで将軍に保護されたのだ」
バルギーをカルバックの森から連れてきたと答えようとしたら、被せるようにジョルテが答えた。
「国境沿いで?」
ジョルテの答えにバンもザウラも少し不思議そうに首を傾げる。
俺が何でそんな所に居たのかって説明にはなってないもんな。
ってか、ジョルテの説明は合っているような合っていないような感じだ。
それだと、俺が国境付近でバルギーに拾われた感じだもん。
「バン、ザウラ、それ以上は詮索するな。軍内部での話だから、余り詳しい事は言えない」
「え、そうなの?」
ジョルテの言葉に、思わず俺が聞き返してしまった。
「・・・ケイタ、ちょっとおいで。バン、ザウラ、少し耳を塞いでおけ」
ジョルテが俺を部屋の隅へと手招く。
招かれるままに移動すると、バン達に聞こえないようにジョルテが小声で話し始めた。
「ケイタ、良いかい。将軍がカルバックの森に居たことは人に言ってはいけないよ」
「なんで?」
俺も小声で聞き返す。
「事故とは言え、将軍ともあろう方が一時行方不明で国を空けていたなんて大きな問題なのだよ。しかも敵国の領地に居た事が公になれば、不法な入国・侵略行為だと国際問題にもなりえる。カルバックは今我々と戦争がしたくて仕方がないみたいだからね。どんな些細な理由であろうと戦争を始めるいい口実にされてしまう」
「わー・・・」
思ったよりヤバい理由じゃん。
え、俺戦争の始まる理由になんか絶対になりたくないんだけど。
「将軍はこの事について、君に何も言っていなかったのかい?」
「言われてない」
初めて知る話だよ。
っつーか、バルギー!
こんな大事な話、ちゃんと言っとけよー!
ジョルテが居なかったら、俺普通にバン達に話しちゃってたぞ。
「そうか・・・。まぁ、兎に角そういう理由があるから、君と将軍の詳しい関係については軍の一部の人間だけしか知らない話だ。あの時、砦にいた兵達にも緘口令が敷かれているからな」
「はー・・・全部初めて聞く話なんだけど・・。とりあえず他で言わないように気を付ける。教えてくれてありがとうなジョルテ」
大丈夫かな、俺他でこの話してないよな。
うん・・・多分大丈夫。
記憶に無いから、話してないと思う。
いやー、危なかったわ。

「あー、将軍様とケイタの関係については詳しい話は聞かない方が良いんだな?」
ジョルテから話を聞いて席に戻ったら、ザウラが確認のように口を開いた。
「あぁ、ケイタは将軍に保護されているとだけ理解しておけば良い」
そんなざっくりした説明で良いのかと思わなくも無いけど、バンもザウラもそれで納得したようで、それ以上の事を聞いてくる事は無かった。
「それじゃあ、この間の騒動の話だ。ケイタ、一体何があったんだ。街で流れている話だと攫われたお前が奴隷商で売られて、将軍様が激怒したって位しか分からねぇ」
「あー、うん。それねぇ・・・」
気は進まないけど、いきなり音信不通になって心配を掛けてしまったのだから、ザウラ達にはある程度の説明は必要だよね。
恥ずかしいからアダルティな内容はぼかしてザックリと事のあらましを説明したけど、2人は何となく分かったようで、バンとザウラにしては珍しく優しく慰めてくれた。
「大変だったんだな。まぁ、無事救出されて良かった」
「怪我はしなかったか。大丈夫だったか?」
「うん、怪我は大丈夫だったけど、なんかバルギーの方が神経質になっちゃってさ。犯人が捕まるまでは外に出たら駄目だって、ずっと家に篭りっきりだったのが一番辛かったな」
もう、ほんと暇で暇で。
地竜トリオが遊んでくれてたから良かったけどさ。
「それほど、将軍様は心配してくださってたんだろ。それにしても・・・よりによって馬将軍様を怒らせるなんて、馬鹿な奴らだ」
「あぁ、全くだぜ。あの日、殺気だった馬軍兵達が市場に来てたから何事かと思ってたんだ。しかも将軍様直々に指揮を取ってたから只事じゃねぇとは思ってたけど、まさかケイタが攫われてたなんてな」
「俺のとこなんか、ケイタが来ていないかって馬軍兵達が探しに来たけど、皆殺気だってるからよぉ、客が怖がって皆逃げちまったよ。俺も怖かったわ」
「ザウラでも兵隊は怖いんだ」
ザウラって強面だし態度もちょっと太々しいとこあるから、兵隊相手でも怯んだりしなさそうなイメージだったんだけど。
意外だな。
「いや兵隊が怖いってか、馬軍がこえぇ」
「馬軍?馬軍だから怖いの?」
随分ピンポイントだな。
なんだ、馬軍って他の軍とは違うのか?
首を傾げたら、ジョルテが説明してくれた。

「ケイタ、馬軍と言うのは他の軍に比べると飛び抜けて規律に厳しい軍でね」
「へぇ・・?」
「何よりも法と規律を重んじるのが馬軍だが、現将軍であられるヴァルグィ様は特にその傾向が強くいらっしゃってね、時に市民からは恐れられる事もある」
そう言えば、一緒に市場に買い物に行った時も皆遠巻きにしてたな。
身分が高いから距離を取ってるのかと思ってたけど、怖がられてたのかあれは。
「バルギーって皆に嫌われてるんだ・・・」
可哀想・・・。
「いや、嫌ってる訳じゃねぇよ」
俺の言葉がストレートすぎたのか、今度はバンが苦笑気味に答えてくれた。
「確かに馬軍はこえぇけど、公正さはピカイチだ。馬将軍様はとても厳しく容赦はないけど、身分によって与える罰を変えるって事はしねぇからな」
「どゆこと?」
「馬軍には賄賂も権力も通じないんだよ。どんなに権力があろうと金があろうと、罪を犯したら全員平等に厳しい罰を受ける。だから、俺たちみたいな市民が身分の差で何か理不尽な扱いを受けても、法を犯す事であれば馬軍だったらちゃんと相手を裁いてくれるんだ。俺たちにとってはとてもありがたい事だし、貴族や富豪達にとっては恐ろしい事だろうさ」
凄いじゃん。
それって、結構大変な事だと思う。
この世界って身分制度がはっきりしてるからな。
日本で育った俺にはちょっと馴染めない感覚だけど、身分が物を言うって感じだ。
そんな世界で権力に左右されずに罪人を裁くって、すげぇ大変な事だろ。
いくら階級が高いって言っても、バルギーだって無敵って訳じゃないだろうからな。
「すげぇ・・・。市民の強い味方じゃん。なんでそれで怖がるの?」
「いやー、その点はありがたいんだけどなー。でも、やっぱあの容赦の無さはこえぇのよ」
バンの横でザウラもウンウンと頷いてる。
「そんなに?」
「他の軍だったら少しは手加減してくれるような罰でも、馬軍は一切手加減なしだ。馬軍の責めと裁きは苛烈で有名だからな」
「はぁー・・・」
「罪人達にとっては、馬軍は地獄の門だ」
俺が知っている馬軍の兵隊さん達のイメージとはかけ離れているな。
皆、普通に優しいけど。
やっぱそれは俺がバルギーの保護を受けてるからなのかね。
「馬軍に捕まった罪人が泣きながら飛軍側に逃げて、飛軍の兵士に縋って自首しようとしたって逸話もあるくらいだしな」
そんなに、怖いんか・・。

ってか、こっちの司法制度がよくわかんねぇな。
聞いた感じだと警察みたいなのは無くて、軍が全部一括してその役割を果たしてるみたいだけど。
「なーなー、よく分かんないから教えて欲しいんだけどさ」
「なんだ」
「罪人は軍によって裁かれるんだよな?」
「あ?当たり前だろ?」
当たり前すぎる事なのか、バン達から何を言っているんだという空気を感じる。
まぁ、そうだよな。
たぶん常識問題だもんね、これ。
「その罪人の裁きって、どう言う基準で馬軍とか飛軍とかで分けてんの?犯罪別とか?」
「それぞれ管轄があるんだよ」
答えてくれたのはジョルテだ。
「それぞれの地域・地区毎に各軍の管轄が決まっていてね、各地区で起こった犯罪はその地区を管轄する軍が担当するんだ」
「へぇ、そういう分け方なんだ。犯罪が地区を跨いだらどうすんの?」
「その場合は各軍が共同で取り締まるか、元々その犯罪を担当していた軍が引き受けるかだね」
なるほどね。
その辺は警察と一緒なんだ。
「ちなみにお前が攫われた市場は飛軍の管轄だけど、売られそうになった奴隷商の館は馬軍管轄の地区だ」
「だけど、今回は最初から馬軍が動いてたよな。市場での捜索も馬軍だったし」
「ケイタが馬将軍様の保護下だったからじゃないか?特に馬軍と飛軍で揉めたって話は聞いてないしな」
ひえ。
もしかして、俺のせいでバルギーが飛軍の縄張り荒らしたみたいになってんのか?
やばいな。俺ほんと広範囲で迷惑かけてんな。
帰ったら、改めてバルギーに謝っておかねぇと。
大丈夫かな。
俺のせいでバルギーとナルガスの間に軋轢が生まれたらどうしよう。
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