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第二章 将軍様のお家に居候!
第9話 やっぱりこの寝方か・・・
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バルギーが逆上せたのではと心配したけど、しばらくしたら元の顔色に戻っていたから大丈夫だったみたいだ。
顔色が戻るまでは、何故だか妙に顔を逸らされていたのが気になるけど。
とにかくバルギーの体調の心配はなかった様なので、その後は心ゆくまで湯を堪能して、エリーと共に良い気分で風呂から上がった。
ここが風呂文化のある世界で良かった。
神様ありがとう。
そして良い気分で部屋に戻った筈の俺は今、ベッドの上でバルギーに抱え込まれて寝ている。
・・・なんでだよ。
どうしてこうなっているかと言うと、風呂から戻ってベッドに入ったらバルギーも当たり前のように一緒に入ってきて、いつも通り俺の腹に腕を回してきたからだ。
そう、いつも通り。
森の中ですっかり慣れてしまったそれに、俺も危うく疑問に感じずに受け入れるとこだったわ。
バルギーの動きも恐ろしく自然だったから。
普通に「バルギーおやすみ」って言うとこだった。あっぶねぇ。
もちろん抵抗したさ。
森の中とは状況が違うんだから。
さすがにベッドの上で男に抱きしめられて寝るとかな、アウトだろ。
俺が女だったら、ドキドキ胸を高鳴らしていたかもしれないけど、残念ながら俺は男だ。
逞しくてダンディなおじさんに抱き込まれても、ちょっと怖いだけだ。
だけど、片腕しか使えなかった時でさえ力で勝てなかった俺が、両腕使えるようになったバルギーに勝てるわけもなく・・・。
がっちりとしたホールドが解かれる気配はゼロだった。
そもそもここはバルギーの部屋らしく、他に部屋は無いしベッドもこれしか無いから一緒に寝るしかないらしい。
と言うような事をバルギーが説明してくれた。
数少ない知っている言葉とジェスチャーから推測した内容だけど、多分だいたいそんな感じのことを言っているんだと思う。
まぁね?分かるよ。
ホテルじゃねぇもんな、ここ。
余分な部屋もベッドも無いってのは分かる。
同じベッドで寝るしか無いってのも、まぁ理解したよ。
だけどさ?だけどだよ、バルギーさん。
俺の腹に腕を回す必要はなくないか?
はっきり言って、このベッドはそこそこデカイ。
バルギーが入ってきても、まだ余裕がある。
つまり同じベッドの中でも、こんな抱き合いながら寝る必要は無いんだよ。
ただ並んで寝るだけで良いじゃないか。
抱きしめる必要は無いよな?
ってのを、俺は一生懸命少ない語彙とジェスチャーで伝えたんだが、バルギーは意味が分からんと言った感じで肩をすくめただけだった。
てめぇ、なんで突然ニホンゴワカリマセーンっていう外人みたいになってんだよ。
いつもはもっと、俺の言いたいことちゃんと汲み取ってくれんじゃん!
コミュニケーションを諦めないで!
俺は必死でこの状況はおかしいとアピールしたけど、途中でバルギーはうるさいと言わんばかりに腕に力を入れて、そのまま目を瞑ってしまった。
あーっ!頼むから寝ないでくれー!!
と、俺の願いも虚しく、しばらくするとバルギーから安らかな寝息が聞こえてきた。
嘘だろ。
抜け出せないかと試しにバルギーの腕を押してみたけど、石像かと思う程それは微動だにせず、解放される気配は全くない。
マジか・・・・マジかぁ・・・。
気付いてなかっただけで、もしかして俺が熱で寝込んでいる間もこんな感じで一緒に寝てたんだろうか。
・・・寝てたんだろうな。
腹に回された腕から、密着した背中から、バルギーの体温が伝わってくる。
男として色々と思い悩む状況の筈なのに、伝わってくる温もりが存外心地よくて不覚にも瞼が段々と重くなってくる。
どうやら俺は自分で思っている以上に、バルギーに抱きしめられて眠る事に慣れてしまっていたようだ。
バルギーの体温がだんだんと自分の体温に馴染んでいくのと比例して、俺の瞼もゆっくりと落ちていく。
結局、俺は森で過ごした夜と同じように、またバルギーの抱き枕にされて眠りにつくことになったのだった。
* * * *
翌朝、俺はバルギーに揺り起こされて重たい瞼を上げた。
「おはよう、ケイタ。起こしてすまないな。今日は王都に戻るから、悪いがそろそろ起きてくれ。屋敷に戻ったら、また眠らせてやるから」
バルギーはすでに着替え終わっていて、ベッドに腰掛けて俺が起きるのを待っているようだ。
「おー・・おはよう。」
くそう・・・ろくに抵抗できないまま、普通に寝ちまった。
眠い目を擦りながら体を起こすと、バルギーが俺に着替えを渡してきた。
「これを着なさい。着替えたら朝食にしよう」
渡された服は今着ている服と似た形だけど、細かい刺繍が入った少し立派な感じの服だ。
多分、今着ているのは部屋着みたいなもので、こっちはちゃんとした外着なんだろう。
半分寝ながら着替えを終えると、すぐに昨日食事をした部屋へと連れて来られた。
昨日と同じく、室内には既にイバンがいた。
「おはようございます、将軍。ケイタ、おはよう」
イバンはバルギーに挨拶した後、俺にも声を掛けてくれた。
「おはよー、イバン」
イバンに挨拶を返して、昨日と同じ席につく。
連れてきていたエリーを下ろすと、今日は机から俺の膝の上に飛び降りてきて、そこに座り込んだ。
『ふふ・・・・今日はそこが良いのかエリー』
優しく撫でてやれば、エリーは気持ちよさそうに体を揺らす。
「本当に懐いているんですね。茸が人に懐くなんて知りませんでしたよ」
「ケイタも妙に走り茸を気に入っているみたいでな。森の中で見る度に喜んでいた」
「変わってますねぇ。市場で時々食用のものが売ってますけど、串焼きなんか見たら卒倒するんじゃ無いですか?」
「・・・目につかないように気をつけなくては」
バルギー達は俺とエリーを見ながら何か話している。
ふふん、羨ましいんだろう。
こんな可愛いエリーを独占している俺が。
残念ながら、エリーは俺にしか懐いていなからな!
優越感!
俺は2人に見せつけるように、エリーを撫でくりまわしておいた。
朝食は夜と違って各自の前にそれぞれの料理が置かれた。
パンやスープ、豆の煮込みのような物や山盛りの果物。
おおうヘヴィ・・・・朝からこんな量食えねぇよ・・・。
バルギーとイバンを見れば、当たり前のように山盛りの料理を皿から消している。
マジかよ、おじさん達・・・。
俺も食べれそうなところから攻略していくけど、3分の1くらいでギブアップだった。
「どうしたケイタ。食欲が無いのか?」
「もう終わりかい?育ち盛りなんだからもっと食べなさい」
2人が俺にもっと食えと言った感じに料理を勧めてくれるけど、本当にキツい。
普段から朝はそんなに食べない方だから、この量の朝食は俺には難易度が高い。
「食の細い子ですね」
「森の中でも食べる量は少なかったな。食料を節約するために我慢しているのだと思っていたのだが・・・」
何だか心配げな顔で2人に見られてしまい、圧に負けて仕方なく果物をいくつか追加で腹に納めた。
朝から胃が破裂しそうだ・・・。
顔色が戻るまでは、何故だか妙に顔を逸らされていたのが気になるけど。
とにかくバルギーの体調の心配はなかった様なので、その後は心ゆくまで湯を堪能して、エリーと共に良い気分で風呂から上がった。
ここが風呂文化のある世界で良かった。
神様ありがとう。
そして良い気分で部屋に戻った筈の俺は今、ベッドの上でバルギーに抱え込まれて寝ている。
・・・なんでだよ。
どうしてこうなっているかと言うと、風呂から戻ってベッドに入ったらバルギーも当たり前のように一緒に入ってきて、いつも通り俺の腹に腕を回してきたからだ。
そう、いつも通り。
森の中ですっかり慣れてしまったそれに、俺も危うく疑問に感じずに受け入れるとこだったわ。
バルギーの動きも恐ろしく自然だったから。
普通に「バルギーおやすみ」って言うとこだった。あっぶねぇ。
もちろん抵抗したさ。
森の中とは状況が違うんだから。
さすがにベッドの上で男に抱きしめられて寝るとかな、アウトだろ。
俺が女だったら、ドキドキ胸を高鳴らしていたかもしれないけど、残念ながら俺は男だ。
逞しくてダンディなおじさんに抱き込まれても、ちょっと怖いだけだ。
だけど、片腕しか使えなかった時でさえ力で勝てなかった俺が、両腕使えるようになったバルギーに勝てるわけもなく・・・。
がっちりとしたホールドが解かれる気配はゼロだった。
そもそもここはバルギーの部屋らしく、他に部屋は無いしベッドもこれしか無いから一緒に寝るしかないらしい。
と言うような事をバルギーが説明してくれた。
数少ない知っている言葉とジェスチャーから推測した内容だけど、多分だいたいそんな感じのことを言っているんだと思う。
まぁね?分かるよ。
ホテルじゃねぇもんな、ここ。
余分な部屋もベッドも無いってのは分かる。
同じベッドで寝るしか無いってのも、まぁ理解したよ。
だけどさ?だけどだよ、バルギーさん。
俺の腹に腕を回す必要はなくないか?
はっきり言って、このベッドはそこそこデカイ。
バルギーが入ってきても、まだ余裕がある。
つまり同じベッドの中でも、こんな抱き合いながら寝る必要は無いんだよ。
ただ並んで寝るだけで良いじゃないか。
抱きしめる必要は無いよな?
ってのを、俺は一生懸命少ない語彙とジェスチャーで伝えたんだが、バルギーは意味が分からんと言った感じで肩をすくめただけだった。
てめぇ、なんで突然ニホンゴワカリマセーンっていう外人みたいになってんだよ。
いつもはもっと、俺の言いたいことちゃんと汲み取ってくれんじゃん!
コミュニケーションを諦めないで!
俺は必死でこの状況はおかしいとアピールしたけど、途中でバルギーはうるさいと言わんばかりに腕に力を入れて、そのまま目を瞑ってしまった。
あーっ!頼むから寝ないでくれー!!
と、俺の願いも虚しく、しばらくするとバルギーから安らかな寝息が聞こえてきた。
嘘だろ。
抜け出せないかと試しにバルギーの腕を押してみたけど、石像かと思う程それは微動だにせず、解放される気配は全くない。
マジか・・・・マジかぁ・・・。
気付いてなかっただけで、もしかして俺が熱で寝込んでいる間もこんな感じで一緒に寝てたんだろうか。
・・・寝てたんだろうな。
腹に回された腕から、密着した背中から、バルギーの体温が伝わってくる。
男として色々と思い悩む状況の筈なのに、伝わってくる温もりが存外心地よくて不覚にも瞼が段々と重くなってくる。
どうやら俺は自分で思っている以上に、バルギーに抱きしめられて眠る事に慣れてしまっていたようだ。
バルギーの体温がだんだんと自分の体温に馴染んでいくのと比例して、俺の瞼もゆっくりと落ちていく。
結局、俺は森で過ごした夜と同じように、またバルギーの抱き枕にされて眠りにつくことになったのだった。
* * * *
翌朝、俺はバルギーに揺り起こされて重たい瞼を上げた。
「おはよう、ケイタ。起こしてすまないな。今日は王都に戻るから、悪いがそろそろ起きてくれ。屋敷に戻ったら、また眠らせてやるから」
バルギーはすでに着替え終わっていて、ベッドに腰掛けて俺が起きるのを待っているようだ。
「おー・・おはよう。」
くそう・・・ろくに抵抗できないまま、普通に寝ちまった。
眠い目を擦りながら体を起こすと、バルギーが俺に着替えを渡してきた。
「これを着なさい。着替えたら朝食にしよう」
渡された服は今着ている服と似た形だけど、細かい刺繍が入った少し立派な感じの服だ。
多分、今着ているのは部屋着みたいなもので、こっちはちゃんとした外着なんだろう。
半分寝ながら着替えを終えると、すぐに昨日食事をした部屋へと連れて来られた。
昨日と同じく、室内には既にイバンがいた。
「おはようございます、将軍。ケイタ、おはよう」
イバンはバルギーに挨拶した後、俺にも声を掛けてくれた。
「おはよー、イバン」
イバンに挨拶を返して、昨日と同じ席につく。
連れてきていたエリーを下ろすと、今日は机から俺の膝の上に飛び降りてきて、そこに座り込んだ。
『ふふ・・・・今日はそこが良いのかエリー』
優しく撫でてやれば、エリーは気持ちよさそうに体を揺らす。
「本当に懐いているんですね。茸が人に懐くなんて知りませんでしたよ」
「ケイタも妙に走り茸を気に入っているみたいでな。森の中で見る度に喜んでいた」
「変わってますねぇ。市場で時々食用のものが売ってますけど、串焼きなんか見たら卒倒するんじゃ無いですか?」
「・・・目につかないように気をつけなくては」
バルギー達は俺とエリーを見ながら何か話している。
ふふん、羨ましいんだろう。
こんな可愛いエリーを独占している俺が。
残念ながら、エリーは俺にしか懐いていなからな!
優越感!
俺は2人に見せつけるように、エリーを撫でくりまわしておいた。
朝食は夜と違って各自の前にそれぞれの料理が置かれた。
パンやスープ、豆の煮込みのような物や山盛りの果物。
おおうヘヴィ・・・・朝からこんな量食えねぇよ・・・。
バルギーとイバンを見れば、当たり前のように山盛りの料理を皿から消している。
マジかよ、おじさん達・・・。
俺も食べれそうなところから攻略していくけど、3分の1くらいでギブアップだった。
「どうしたケイタ。食欲が無いのか?」
「もう終わりかい?育ち盛りなんだからもっと食べなさい」
2人が俺にもっと食えと言った感じに料理を勧めてくれるけど、本当にキツい。
普段から朝はそんなに食べない方だから、この量の朝食は俺には難易度が高い。
「食の細い子ですね」
「森の中でも食べる量は少なかったな。食料を節約するために我慢しているのだと思っていたのだが・・・」
何だか心配げな顔で2人に見られてしまい、圧に負けて仕方なく果物をいくつか追加で腹に納めた。
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