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第一章 将軍様を街までお届け!
第18話 自覚
しおりを挟む**ヴァルグィ視点**
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これは・・・流石に本当に誘われているのだろうか。
ケイタはソレを当たり前のように私に見せてきたのだから、触ってほしいと言う事か。
もしかしたらケイタにとっては、その状態になったら人にやって貰うのが当たり前なのかもしれない。
・・・私の所為なのだから、確かに私が責任を取る必要がある。
子供に手を出すのは倫理に反するが、このままではケイタが辛いだろう。
少し触って、楽にしてやるだけだ。
どこか自分に言い訳をしながら、私は意を決してケイタに手を伸ばした。
が、ケイタはあっさりと立ち上がり私から離れようとするので、思わず伸ばした手でそのままケイタの腕を掴んでしまった。
『どこへ行く?』
ケイタの意図が分からず、彼を見上げると。
ケイタは異国の言葉で何か言いながら、小さな手で驚くほど淫猥な動作をしてみせた。
信じられない程露骨な表現に言葉を失う。
何も知らなそうな子供なのに、やはりそういう目的で躾けられているのか、ケイタはこちらが困惑するほど明け透けだった。
そのくせ、本人からは不思議な程淫靡な空気を感じない。
まさかケイタにとって、この程度の事は軽い遊びくらいの感覚なのだろうか。
混乱する私にはお構いなしで、どうやらケイタは川へ行きたいらしい。
なるほど、確かに直ぐに体を清められる水辺の方がいいかもしれない。
とりあえず、ケイタの勃ち上がっているソレを鎮めてやらなくては。
多少緊張を覚えながらも、私はこの後の展開に少し期待してしまった。
しかし、こちらの期待を嘲るかのように、ケイタはあっさりと私を拒絶した。
そこまでして、誘っていた訳ではないのか?!
ついてくるな、見るのもダメだと、私を拒む。
1人で処理してくると言う事なのだろうか。
思わず、ケイタの手の怪我を言い訳に未練がましく食い下がってしまった。
だけど、ケイタは再びあの淫猥な手つきをしながら、何故か自信げに大丈夫と言い切った。
ここまでハッキリ断られて、さらに言い寄るのは男として情けなさ過ぎる。
諦めて手を離せば、ケイタはあっけらかんと手を振りながら川辺の岩陰へ姿を隠した。
何なんだ、あの子供は・・・。
何を考えているのか、全く分からない。
誘っているようなのに本人にその自覚は皆無で、こちらを翻弄する。
危な過ぎる。
一緒にいるのが私で無ければ、とうに手を出されて泣かされているだろう。
今は2人きりだからいいが、街に行けば多くの人間と接する機会が増えるのだ。
いくら子供だとは言っても、ケイタと同じくらいの年で娼館で働く者たちもいるし、その若さを好む者達も少なくない。
幼い事を理由に手を出されないとは言い切れない。
私の目の届かないところで、意図せず男を勘違いさせて襲われでもしたら・・・。
想像して、腹の底になにかドロリとしたものが溜まった気がした。
その後、ひとり悶々と時間を潰していたが、ケイタの戻りが遅い事に気づいて途端に心配になってくる。
襲いかかってくるような獣の気配はしないが、何かしら問題が起きたのだろうか。
もしかしたら、傷が痛くて私に見えないところで泣いているのか?
来るなとは言われたが、つい心配でケイタが身を隠した岩陰へそっと足を向けてしまった。
気配を殺して岩陰を覗き込めば、目にした光景に体が硬直する。
結果から言えばケイタは無事だった。何の問題もない。
彼は岩にもたれながら、とても気持ちよさそうに自慰に耽っていた。
目を瞑って自分のものを弄っている姿は、普段の彼からは想像もつかないほど蠱惑的だった。
手元から粘着質な水音を立てながら、小さい口からは荒く熱い息が溢れている。
半開きの口から覗く赤い舌が、時々唇を舐める様がとてもイヤらしい。
ケイタの痴態に、顔に一気に熱が集まる。
急いでその場から離れ元の場所へ戻るが、己の股間に熱が集中しているのが分かる。
誤魔化しようもなく完全に勃ってしまっているソレは、放っておいても暫くは鎮まりそうにない。
・・・仕方がない。
この状態を、戻ってきたケイタに見られるわけにはいかない。
こんな醜悪なモノを見せて、怯えられたくはない。
ケイタから離れるのは不安だか、やむをえず森の中へと身を潜ませ、私は自分のそれを処理する羽目になった。
目を瞑ると、脳裏に焼きついたケイタの姿が浮かぶ。
自慰に耽る幼い痴態に、言いようのない背徳感を感じる。
あんな子供に欲情するなんて最低な事だとは分かっているが、彼の姿を想いながら自分を慰める手を止めることが出来なかった。
手の中に欲望を吐き出した後、私は自分の想いを嫌でも自覚した。
あぁ、ケイタに触りたい。
他の誰にも決して触れさせず、私だけのものにしたい。
薄々、気付いてはいた。
ケイタの危うい行動に惑わされそうになったり、無謀な行動に心臓を縮めたり。
ケイタの言動一つ一つに動揺し、振り回され、心惹かれていたことに。
まさか、自分に少年趣味があったなど。
いや、少年の若さに惹かれるというよりも、ケイタ自身の人柄に惹かれているんだろう。
人懐こく朗らかで強かなケイタは、とても魅力的だった。
はっきりと自覚した途端、どうしてもケイタが欲しくなってしまった。
もちろん、まだ子供のケイタを抱こうなどと非道な事は考えていない。
数年も待てば、彼も成人するのだ。
さすがに、それくらいは待てる。
だが、成人したら絶対に私のものにしたい。
幸いな事にケイタは私に懐いてくれているし、街に出た後も私以外に頼るものは無いはずだ。
私が保護し、経済的にも精神的にも依存させ、成人するまでに私に想いを寄せるように仕向ければ良い。
余所見をしないように、周りから余計な存在は排除して、私だけが視界に入るように。
彼が大人になるまで時間はある。ゆっくり私に慣らして心を捕らえなくては。
これでは、ケイタを飼っていた下衆と同じだと心の何処かで自嘲してしまう。
しかし、私は彼の自由まで奪うつもりはない。
少し魅力的ではあるが、屋敷に閉じ込めるなど可哀想な事はしない。
世界を知らないケイタに、色々と見せてやりたいし教えてやりたい。
美しいものも、楽しいことも。
それを知った時、ケイタはどのように喜ぶのだろうか。
どのような表情を見せてくれるのだろうか。
考えただけで、心が躍る。
優しく捕らえて、蕩けるように甘やかして、近寄る虫は全て追い払って。
私だけの色に染まるように。
前の飼い主が教えたことなど、私が全て消し去ってやる。
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