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第2章 第12話 〜事の始まり……〜
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「すみません!!
助けてください!!」
と言って来た人は、ボロボロになって……座っていたエミリアさんと似ても似つかない小柄で綺麗な女性だった。
「私、七つの美徳で正義を担当してます。
モーガン・レヴァイストスです。」
と、自己紹介をして来た。
「自己紹介ありがとう。
俺は、七つの大罪の傲慢と暴食を担当してる
ヘルフリート・エミリア=アリスだ。」
「アリス様……どうかお慈悲を。
このままだと、七つの大罪VS七つの美徳が戦う事になります!!」
ん? どういうことだ? 戦争が起きるのか? 美徳と大罪で……。
「ふん! くだらない!!」
と、ルーガスは言った。
「くだらないと思います。
ですが、私の思う正義は……美徳の正義ではないと思ってます。
正義のためならば……無罪な人さえも殺す。
無罪な国さえも滅ぼす。そんなのが美徳と言っていいのでしょうか!!」
つまりだ。正義と言う言葉で……
無罪な世界、人々をこの言葉の名目で行使するのは、果たして美徳だと思うのか?って言う意味だ。
例えば、前世の世界に居た話をしよう。
外国では、戦争が多い理由は
どちらかが悪だと思われてるかもしれない。
だけど、どちらとも自分の国の正義を振りかざして戦っているし、何億人の命が犠牲になる。
いじめもそうだ。特に、前世の世界にいた
日本は、資本主義な為……多数決になる。
いじめをしてる側もいじめられてる側も正義VS正義なのだ。だから、一見……いじめてる奴らが悪に見えるが、これもそのいじめてる奴らの正義となる。
これを果たして、美徳と言えるのか?
答えはNO。大罪だ。
最近、知った事ではあるが……
八つの大罪になりかけてはいると異世界では、噂をされていた。
まさか、実現されるとは思わなかった。
「それでですね。七つの美徳の目的は……
うっっ!!」
すると、まるでモーガンさんに向けて撃った様に手紙付きの矢が放たれていた。
「モーガンさん!!」
俺は、近くに駆け寄ってスキルや魔法で回復を施した。
だが、聞く良しもなく……どうしたらいいか分からなくなっていた。
「嫌だ……。私は、まだアリスさんに……
伝えなくては……行けない事が……」
「喋るな!! 死んじまうぞ!!」
「アリスさん。あなたは、狙われている。
特に、七つの美徳よりも上の存在に……。」
「……なんだって!?」
初めて聞いたぞ、それ……
何の目的だ……??
「あなたは、命だけじゃない。
姿もスキルも全てを欲している。
だから、逃げる事を勧めに来た……のに!!」
俺は、どうしたらいいのか分からなかった。
でも、そんな中……俺の脳内から再生されたのは……エミリアさんの最初で最後の優しい言葉だった。
「……私を暴食者で……食べて?」
と、
「大丈夫だよ。貴方は……強い。
私が居なくても……あなたは、更に強くなれる。
守れる人をちゃんと守ってね?
私の最後の希望の英雄さん!!」
だった。
この言葉を糧にし、思いついたのは……
「モーガンさん。あなたの仇や思いは俺……いや、俺らが引き継ぐ!! だから……安心して、眠ってくれ!!」
「……ありがと……
私の正義は、ちゃんとしていたかな?
ちゃんと……果たした……かな?」
モーガンさんは、自分が改めてしてきた事について……悔いを改めながら泣いていた。
死に際なのに、辛い顔しながら泣いていた。
そりゃ、そうだ。
今までやってきた正義は、
誰もが全て、幸せになるわけじゃない。
ましてや、自分の自己満でもある。
それを長年やってきたモーガンさんは、
後悔しながら、死ぬだろう。
でも、俺は違う。
「それはそれです。
でも、今は違う。
ちゃんと、誰かが幸せに
ならなくても……誰かが、
それで不幸せになっても……
あなたが救おうとした
俺らは、今……幸せなんです。
その七つの美徳の事情を知らなければ……
俺らは不幸になってました。
だから、それを助けただけでも
あなたは、誇りに思った方がいい。
だから、俺は……願います。
あなたがあの世で不幸が一切なく、幸せな夢になる様に……ずっと、ずっと!!」
俺は、エミリアさんと同じく……
幸せになれるように暴食者で食べる事にした。
それで、楽になれるのならば……
それで、救えるのであれば……
俺は、俺は……
「ありがとう……蛇さん。」
そうして、モーガンさんは旅立つ前に放った。
「暴食者!!」
……と・・・・・・。
助けてください!!」
と言って来た人は、ボロボロになって……座っていたエミリアさんと似ても似つかない小柄で綺麗な女性だった。
「私、七つの美徳で正義を担当してます。
モーガン・レヴァイストスです。」
と、自己紹介をして来た。
「自己紹介ありがとう。
俺は、七つの大罪の傲慢と暴食を担当してる
ヘルフリート・エミリア=アリスだ。」
「アリス様……どうかお慈悲を。
このままだと、七つの大罪VS七つの美徳が戦う事になります!!」
ん? どういうことだ? 戦争が起きるのか? 美徳と大罪で……。
「ふん! くだらない!!」
と、ルーガスは言った。
「くだらないと思います。
ですが、私の思う正義は……美徳の正義ではないと思ってます。
正義のためならば……無罪な人さえも殺す。
無罪な国さえも滅ぼす。そんなのが美徳と言っていいのでしょうか!!」
つまりだ。正義と言う言葉で……
無罪な世界、人々をこの言葉の名目で行使するのは、果たして美徳だと思うのか?って言う意味だ。
例えば、前世の世界に居た話をしよう。
外国では、戦争が多い理由は
どちらかが悪だと思われてるかもしれない。
だけど、どちらとも自分の国の正義を振りかざして戦っているし、何億人の命が犠牲になる。
いじめもそうだ。特に、前世の世界にいた
日本は、資本主義な為……多数決になる。
いじめをしてる側もいじめられてる側も正義VS正義なのだ。だから、一見……いじめてる奴らが悪に見えるが、これもそのいじめてる奴らの正義となる。
これを果たして、美徳と言えるのか?
答えはNO。大罪だ。
最近、知った事ではあるが……
八つの大罪になりかけてはいると異世界では、噂をされていた。
まさか、実現されるとは思わなかった。
「それでですね。七つの美徳の目的は……
うっっ!!」
すると、まるでモーガンさんに向けて撃った様に手紙付きの矢が放たれていた。
「モーガンさん!!」
俺は、近くに駆け寄ってスキルや魔法で回復を施した。
だが、聞く良しもなく……どうしたらいいか分からなくなっていた。
「嫌だ……。私は、まだアリスさんに……
伝えなくては……行けない事が……」
「喋るな!! 死んじまうぞ!!」
「アリスさん。あなたは、狙われている。
特に、七つの美徳よりも上の存在に……。」
「……なんだって!?」
初めて聞いたぞ、それ……
何の目的だ……??
「あなたは、命だけじゃない。
姿もスキルも全てを欲している。
だから、逃げる事を勧めに来た……のに!!」
俺は、どうしたらいいのか分からなかった。
でも、そんな中……俺の脳内から再生されたのは……エミリアさんの最初で最後の優しい言葉だった。
「……私を暴食者で……食べて?」
と、
「大丈夫だよ。貴方は……強い。
私が居なくても……あなたは、更に強くなれる。
守れる人をちゃんと守ってね?
私の最後の希望の英雄さん!!」
だった。
この言葉を糧にし、思いついたのは……
「モーガンさん。あなたの仇や思いは俺……いや、俺らが引き継ぐ!! だから……安心して、眠ってくれ!!」
「……ありがと……
私の正義は、ちゃんとしていたかな?
ちゃんと……果たした……かな?」
モーガンさんは、自分が改めてしてきた事について……悔いを改めながら泣いていた。
死に際なのに、辛い顔しながら泣いていた。
そりゃ、そうだ。
今までやってきた正義は、
誰もが全て、幸せになるわけじゃない。
ましてや、自分の自己満でもある。
それを長年やってきたモーガンさんは、
後悔しながら、死ぬだろう。
でも、俺は違う。
「それはそれです。
でも、今は違う。
ちゃんと、誰かが幸せに
ならなくても……誰かが、
それで不幸せになっても……
あなたが救おうとした
俺らは、今……幸せなんです。
その七つの美徳の事情を知らなければ……
俺らは不幸になってました。
だから、それを助けただけでも
あなたは、誇りに思った方がいい。
だから、俺は……願います。
あなたがあの世で不幸が一切なく、幸せな夢になる様に……ずっと、ずっと!!」
俺は、エミリアさんと同じく……
幸せになれるように暴食者で食べる事にした。
それで、楽になれるのならば……
それで、救えるのであれば……
俺は、俺は……
「ありがとう……蛇さん。」
そうして、モーガンさんは旅立つ前に放った。
「暴食者!!」
……と・・・・・・。
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