15 / 16
〜第1章 学院生活〜
第15話 〜《魔王軍(スサノオ)》の使い方……?〜
しおりを挟む
「……え、な、なにを言っているのよ……!? あなた……意味がわからないわ……り」
ポケーッとしてようやく口を開いたかと思えば、つまらない答えだな。
「私の班に入れと誘っているんだ。それのなにがわからない? それとも、理解したくないのか?」
「そういうことではなくて……。わたしは、班リーダーなのよ」
「……なら、やめればいい」
「はぁぁぁぁあっ……!?」
ルングは口を開き、呆れたように私を見て言う。
「馬鹿を言わないことね。わたしが班リーダーを辞める理由は何がなんでもないわ。」
「私の班に入れば、クルミと仲良くできるぞ? そのチャンスを逃すのか……?」
その言葉が癪に障ったのか……ルングはキッと睨んできた。
「そのお人形さんの事を妹だと思ったことなんて一度もないわ!!」
言い捨て、ルングは自席へ戻っていった。
「ごめんな……?」
隣の席のクルミが切なそうに呟いた。
「はぁ……。お前が謝る必要はない。私に因縁をつけてきたのはあいつだからな。」
すると、「いいや……」と言いながらふるふるとクルミは首を振った。
「本当はルングはいい子なんや…………。」
姉だから庇っているのか、それとも本当にそう思っているのか。
クルミの表情からは、いま一つ判断しにくいな……。
「わたしのせい……なんや……。」
ふむ。ガラクタ人形などと言われておきながら、クルミは姉のことを憎からず思っているようだな。
「なら、言い直そう。いきなり<滅びの魔眼>で睨み殺そうとしてくるあたり、元気がよくてなによりだ。お前のせいでもなんでもない」
クルミはじっと俺を見た。
「……ほんま、あんたは優しいな。」
とはいえ、少々……気になるな。
「そう言えばなんだが……お人形っていうのは、どういうことだ?」
「…………」
クルミは口を閉ざし、答えようとしない。
「━━━━━━━言わなきゃだめなん……?」
はあ……。言いたくない、か。
まあ……クルミが魔法人形だろうとなんだろうと私にとって友達であることは変わりあるまい。
「別にいいぞ。ちょっと訊いてみただけだ」
すると、安心したようにクルミは微笑んだ。
「……そうか!!」
そこで仕切り直すように、手を叩く音が聞こえた。
「はいはい。それじゃ、班が決まったみたいだから、説明を進めますよ。みんな、席に戻ってください」
ヘカーの声で生徒たちは自席に戻っていく。
「これから、しばらくは<魔王軍>の魔法を中心に授業を行います。どの魔法もそうですが、<魔王軍>は特に実戦ありきのものになります。一週間後にまずこのクラスで班別対抗試験を行いますから、そのつもりでしっかり勉強をしてください」
そう言って、へカーは<魔王軍>とそれを使った班別対抗試験の説明を始める。
<魔王軍>は集団を率いて戦う際、全体の戦闘能力を底上げするための軍勢魔法である。
少し変わった魔法なのだが、術者とその配下には七つのクラスというものが与えられる。
魔王。築城主。魔導士。治療士。召喚士。魔剣士。呪術師。
この七つには……それぞれ魔法によって付与されるクラス特性が存在する。
たとえば、築城主は城やダンジョンを建築する創造魔法。防壁や魔法障壁を構築する反魔法に、魔法強化の恩恵が付与される。
一方で武器魔法や攻撃魔法には、魔法弱化の効果を強制される。
このクラス特性を守る限り、集団での総合的な魔法力が向上するのが、<魔王軍>の魔法である。
術者は必ず魔王となり、配下の者たちに絶えず魔法効果を付与し続ける。また魔力を供給することも可能だ。
魔王が死亡、あるいは魔力が枯渇すると、当然のことながら<魔王軍>の魔法は維持することができず、魔法効果は消える。
「それでは、先に班リーダーに立候補した人が<魔王軍>を魔法行使できるか判定します」
これで魔法行使できなければ、リーダーを選んだ班員も見る目がなかったということになるのだろうな。
それぞれ順番に<魔王軍>の魔法を行使したが、立候補した班リーダー五人の内で特に失敗した者はいなかった。
正直に言えば、実戦では使い物にならないようなレベルの代物ばかりだったが、ルングだけはなかなか安定した魔法行使を行っていた。混沌の世代と呼ばれるだけのことはあるのだろう。
「はい、けっこうです。では、<魔王軍>の詳しい説明を行います。まず始めに━━━━━━━━」
ヘカーが授業を再開する。
しかし、これは私が開発した魔法だから、知っていることばかりだ。
しかも、たまに間違っていることを堂々と説明する始末だ。
とはいえ、いちいち指摘してはきりがない。スルーしておくとしよう。
退屈な授業にだんだんと眠気を感じ、気がつけば、私はうつらうつらと微睡んでいたのだった。
ぼんやりとした意識の中、授業終了の鐘が鳴る。
「クルミ……!!」
刺々しい声が耳を撫でる。ルングのものだ。
「そいつに伝えておいてくれるかしら?」
そいつ、というのは私のことか?
「起こしたらいいんか……?」
「はぁ……。別にいいわ。」
すぐに用件を切り出すと思ったのだが、なぜか無言が続いている。
「ねえ……。それはあなたのなに?」
一拍おいて、ルングが言う。
「え……。何って言っても……友達やで……?」
「あ、そ。そいつと居て楽しいの?」
「そうやな。楽しいで……?」
「あ、そ。ふーん。なら、よかったわねり」
ルングの言葉は刺々しいのだが……どことなく嬉しそうにも思えてしまったのは私だけか……?
仲が良いのか悪いのかわからない、と言っていたな。
クルミがルングを嫌っていないということもある。
あのガラクタ人形という発言にも、なにか事情があるのか?
まあ、姉妹といえども、喧嘩ぐらいはするだろうしな。
「それで……用件はなんだ?」
「━━━━━━っ……!? きゃあぁっ!!」
ビックリして一拍置いた後、驚いたようにルングは後ずさった。
「いきなり起きないでくれるかしら? ……びっくりするわ!!」
「魔力の流れで……起きているかもわからないのか? 情けない奴だな……。」
そう言うと、キッとルングが睨んでくる。
「それで……どうした?」
ルングのその瞳に<滅びのの魔眼>を浮かべる。
私の見たてでは、自分の感情の変化、激しさに伴って、自然と魔眼が出てしまうのだろう。
つまり、制御ができていない。
だが、制御ができていないわりには、綺麗な<滅びの魔眼>だ。その美しさは、才能の表れであろう。
「……勝負をしましょう?」
思いもよらない提案だった。
なにせ二千年前は、私にそんな言葉を堂々と発するような勇気のある者は、魔族にも人間にも殆どいなかったからな。
「私と……? どんな勝負だ……?」
くつくつと私は声を出して笑う。
どんな勝負であれ、負ける気はまったくしなかった。
「ヘカー先生が言ってたでしょ。一週間後に<魔王軍>の班別対抗試験をするって。負けた方が相手の言うことをなんでも聞くってことで……どう?」
━━━━━━━なるほど。それはそれは……。
「中々に面白そうだ。いいだろう。」
「もしも……あなたが勝ったら、班リーダーを辞めてあなたの班に入ってもいいわ。」
「もしも、お前が勝ったら……?」
微笑して、ルングは言った。
「……あなたをもらうわ。」
「なるほど……ルングの班に入れと?」
「いいえ。そこのお人形さんと縁を切って、わたしのものになりなさい。わたしの言うことには絶対服従、どんな些細な口答えも許さないわ。」
高慢な表情で、ルングは妹を見下した。
「クルミ……覚えておきなさい。あなたのものはぜんぶわたしのもの。友達もなにもかも、あなたにはなに一つだってあげないわ。こんな面白いオモチャ……あなたにはもったいないもの。」
はぁ……やれやれ。妹へのあてつけか知らないが、私をオモチャ扱いとは、なかなか見上げた度胸だな。
「まあ、別に……それでいいぞ。めんどくさいからな。」
「めんどくさい……?? ずいぶんあっさり承諾するのね。いいのかしらぁ~?」
「どうせ……私が勝つ」
ムスッとしながらルングが私に向けて睨んでくる。
「さっきは油断しただけだわ……。一週間後、首を洗って待ってなさい!!」
そうして、ルングはくるりとスカートの裾を翻し、去っていった。
「……もし、同じ班になったら仲直りできるかもな。」
クルミにそう言うと、驚いたように彼女は目をぱちぱちさせた。
「なるほどな……。だから、サーシャを誘ったんや……?」
「……まぁ、些細ながら……な? まぁ、余計な世話だったかもしれないが」
すると、クルミはまたふるふると首を横に振り、それから薄く微笑んだ。
「ありがとうな……。」
クルミはルングと仲良くしたいのだろうと思ったが、当たりだったか。
ルングの方は一筋縄ではいきそうになかったが、まあ……どうとでもなるか。
「気にするな……。班別対抗試験、頑張ろうな?」
こくり……とクルミはうなずいた。
「━━━━━━━━━がんばるで……!!」
━━━━━━━━と……。
ポケーッとしてようやく口を開いたかと思えば、つまらない答えだな。
「私の班に入れと誘っているんだ。それのなにがわからない? それとも、理解したくないのか?」
「そういうことではなくて……。わたしは、班リーダーなのよ」
「……なら、やめればいい」
「はぁぁぁぁあっ……!?」
ルングは口を開き、呆れたように私を見て言う。
「馬鹿を言わないことね。わたしが班リーダーを辞める理由は何がなんでもないわ。」
「私の班に入れば、クルミと仲良くできるぞ? そのチャンスを逃すのか……?」
その言葉が癪に障ったのか……ルングはキッと睨んできた。
「そのお人形さんの事を妹だと思ったことなんて一度もないわ!!」
言い捨て、ルングは自席へ戻っていった。
「ごめんな……?」
隣の席のクルミが切なそうに呟いた。
「はぁ……。お前が謝る必要はない。私に因縁をつけてきたのはあいつだからな。」
すると、「いいや……」と言いながらふるふるとクルミは首を振った。
「本当はルングはいい子なんや…………。」
姉だから庇っているのか、それとも本当にそう思っているのか。
クルミの表情からは、いま一つ判断しにくいな……。
「わたしのせい……なんや……。」
ふむ。ガラクタ人形などと言われておきながら、クルミは姉のことを憎からず思っているようだな。
「なら、言い直そう。いきなり<滅びの魔眼>で睨み殺そうとしてくるあたり、元気がよくてなによりだ。お前のせいでもなんでもない」
クルミはじっと俺を見た。
「……ほんま、あんたは優しいな。」
とはいえ、少々……気になるな。
「そう言えばなんだが……お人形っていうのは、どういうことだ?」
「…………」
クルミは口を閉ざし、答えようとしない。
「━━━━━━━言わなきゃだめなん……?」
はあ……。言いたくない、か。
まあ……クルミが魔法人形だろうとなんだろうと私にとって友達であることは変わりあるまい。
「別にいいぞ。ちょっと訊いてみただけだ」
すると、安心したようにクルミは微笑んだ。
「……そうか!!」
そこで仕切り直すように、手を叩く音が聞こえた。
「はいはい。それじゃ、班が決まったみたいだから、説明を進めますよ。みんな、席に戻ってください」
ヘカーの声で生徒たちは自席に戻っていく。
「これから、しばらくは<魔王軍>の魔法を中心に授業を行います。どの魔法もそうですが、<魔王軍>は特に実戦ありきのものになります。一週間後にまずこのクラスで班別対抗試験を行いますから、そのつもりでしっかり勉強をしてください」
そう言って、へカーは<魔王軍>とそれを使った班別対抗試験の説明を始める。
<魔王軍>は集団を率いて戦う際、全体の戦闘能力を底上げするための軍勢魔法である。
少し変わった魔法なのだが、術者とその配下には七つのクラスというものが与えられる。
魔王。築城主。魔導士。治療士。召喚士。魔剣士。呪術師。
この七つには……それぞれ魔法によって付与されるクラス特性が存在する。
たとえば、築城主は城やダンジョンを建築する創造魔法。防壁や魔法障壁を構築する反魔法に、魔法強化の恩恵が付与される。
一方で武器魔法や攻撃魔法には、魔法弱化の効果を強制される。
このクラス特性を守る限り、集団での総合的な魔法力が向上するのが、<魔王軍>の魔法である。
術者は必ず魔王となり、配下の者たちに絶えず魔法効果を付与し続ける。また魔力を供給することも可能だ。
魔王が死亡、あるいは魔力が枯渇すると、当然のことながら<魔王軍>の魔法は維持することができず、魔法効果は消える。
「それでは、先に班リーダーに立候補した人が<魔王軍>を魔法行使できるか判定します」
これで魔法行使できなければ、リーダーを選んだ班員も見る目がなかったということになるのだろうな。
それぞれ順番に<魔王軍>の魔法を行使したが、立候補した班リーダー五人の内で特に失敗した者はいなかった。
正直に言えば、実戦では使い物にならないようなレベルの代物ばかりだったが、ルングだけはなかなか安定した魔法行使を行っていた。混沌の世代と呼ばれるだけのことはあるのだろう。
「はい、けっこうです。では、<魔王軍>の詳しい説明を行います。まず始めに━━━━━━━━」
ヘカーが授業を再開する。
しかし、これは私が開発した魔法だから、知っていることばかりだ。
しかも、たまに間違っていることを堂々と説明する始末だ。
とはいえ、いちいち指摘してはきりがない。スルーしておくとしよう。
退屈な授業にだんだんと眠気を感じ、気がつけば、私はうつらうつらと微睡んでいたのだった。
ぼんやりとした意識の中、授業終了の鐘が鳴る。
「クルミ……!!」
刺々しい声が耳を撫でる。ルングのものだ。
「そいつに伝えておいてくれるかしら?」
そいつ、というのは私のことか?
「起こしたらいいんか……?」
「はぁ……。別にいいわ。」
すぐに用件を切り出すと思ったのだが、なぜか無言が続いている。
「ねえ……。それはあなたのなに?」
一拍おいて、ルングが言う。
「え……。何って言っても……友達やで……?」
「あ、そ。そいつと居て楽しいの?」
「そうやな。楽しいで……?」
「あ、そ。ふーん。なら、よかったわねり」
ルングの言葉は刺々しいのだが……どことなく嬉しそうにも思えてしまったのは私だけか……?
仲が良いのか悪いのかわからない、と言っていたな。
クルミがルングを嫌っていないということもある。
あのガラクタ人形という発言にも、なにか事情があるのか?
まあ、姉妹といえども、喧嘩ぐらいはするだろうしな。
「それで……用件はなんだ?」
「━━━━━━っ……!? きゃあぁっ!!」
ビックリして一拍置いた後、驚いたようにルングは後ずさった。
「いきなり起きないでくれるかしら? ……びっくりするわ!!」
「魔力の流れで……起きているかもわからないのか? 情けない奴だな……。」
そう言うと、キッとルングが睨んでくる。
「それで……どうした?」
ルングのその瞳に<滅びのの魔眼>を浮かべる。
私の見たてでは、自分の感情の変化、激しさに伴って、自然と魔眼が出てしまうのだろう。
つまり、制御ができていない。
だが、制御ができていないわりには、綺麗な<滅びの魔眼>だ。その美しさは、才能の表れであろう。
「……勝負をしましょう?」
思いもよらない提案だった。
なにせ二千年前は、私にそんな言葉を堂々と発するような勇気のある者は、魔族にも人間にも殆どいなかったからな。
「私と……? どんな勝負だ……?」
くつくつと私は声を出して笑う。
どんな勝負であれ、負ける気はまったくしなかった。
「ヘカー先生が言ってたでしょ。一週間後に<魔王軍>の班別対抗試験をするって。負けた方が相手の言うことをなんでも聞くってことで……どう?」
━━━━━━━なるほど。それはそれは……。
「中々に面白そうだ。いいだろう。」
「もしも……あなたが勝ったら、班リーダーを辞めてあなたの班に入ってもいいわ。」
「もしも、お前が勝ったら……?」
微笑して、ルングは言った。
「……あなたをもらうわ。」
「なるほど……ルングの班に入れと?」
「いいえ。そこのお人形さんと縁を切って、わたしのものになりなさい。わたしの言うことには絶対服従、どんな些細な口答えも許さないわ。」
高慢な表情で、ルングは妹を見下した。
「クルミ……覚えておきなさい。あなたのものはぜんぶわたしのもの。友達もなにもかも、あなたにはなに一つだってあげないわ。こんな面白いオモチャ……あなたにはもったいないもの。」
はぁ……やれやれ。妹へのあてつけか知らないが、私をオモチャ扱いとは、なかなか見上げた度胸だな。
「まあ、別に……それでいいぞ。めんどくさいからな。」
「めんどくさい……?? ずいぶんあっさり承諾するのね。いいのかしらぁ~?」
「どうせ……私が勝つ」
ムスッとしながらルングが私に向けて睨んでくる。
「さっきは油断しただけだわ……。一週間後、首を洗って待ってなさい!!」
そうして、ルングはくるりとスカートの裾を翻し、去っていった。
「……もし、同じ班になったら仲直りできるかもな。」
クルミにそう言うと、驚いたように彼女は目をぱちぱちさせた。
「なるほどな……。だから、サーシャを誘ったんや……?」
「……まぁ、些細ながら……な? まぁ、余計な世話だったかもしれないが」
すると、クルミはまたふるふると首を横に振り、それから薄く微笑んだ。
「ありがとうな……。」
クルミはルングと仲良くしたいのだろうと思ったが、当たりだったか。
ルングの方は一筋縄ではいきそうになかったが、まあ……どうとでもなるか。
「気にするな……。班別対抗試験、頑張ろうな?」
こくり……とクルミはうなずいた。
「━━━━━━━━━がんばるで……!!」
━━━━━━━━と……。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!
電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。
しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。
「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」
朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。
そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる!
――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。
そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。
やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。
義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。
二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。
鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。~
月見酒
ファンタジー
高校に入ってから距離を置いていた幼馴染4人と3年ぶりに下校することになった主人公、朝霧和也たち5人は、突然異世界へと転移してしまった。
目が覚め、目の前に立つ王女が泣きながら頼み込んできた。
「どうか、この世界を救ってください、勇者様!」
突然のことに混乱するなか、正義感の強い和也の幼馴染4人は勇者として魔王を倒すことに。
和也も言い返せないまま、勇者として頑張ることに。
訓練でゴブリン討伐していた勇者たちだったがアクシデントが起き幼馴染をかばった和也は命を落としてしまう。
「俺の人生も……これで終わり……か。せめて……エルフとダークエルフに会ってみたかったな……」
だが気がつけば、和也は転生していた。元いた世界で大人気だったゲームのアバターの姿で!?
================================================
一巻発売中です。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる