転生した元魔王はTSの熾天使幼女で魔王学院生活を過ごす件。

〜第1章 学院生活〜

第7話 〜根源の仕組みと起源魔法〜

　爆発が収まると……闘技場の戦場は……倒れている奴らばかり、、だが、生きてる事に違いないし……死なないだけマシである。

　と、言うよりはこのくらいの程度でこんなに瀕死まで行くとなると……始祖として恥ずかしすぎる。

｢貴様ァ……。何をした……？｣

　リリーノスはよろよろと体を起こした。
右腕は血で真っ赤に染まっていた。下手すれば、一生使えない傷となるだろう。だが、それ以外は思った事より、軽傷で済んでいる。多分、恐らく無意識の内に、右腕だけに暴走を抑えようとしていたのだろう。

｢ん？  お前らの本気を表彰し、威嚇しただけだけど？  まぁ、お前たちの雑魚な根源が……私を恐れて暴走したって所かな？｣

｢ふざけるな……。｣

　まぁ、実質的には事実なのだが？
リリーノスは信じるつもりは無さそうだな……と、一瞬にしてわかった。
詳細を説明するならこうだ。
魔力と言うのは魔の根源から生み出す力の事。
根源は……心臓、脳よりも重要な部位である。
根源は、生命を動かす命だと思っている。
根源は、力にもなれる。
例えば、私の前世の根源の源は……｢時空間クロノス｣。
つまり、ありとあらゆる時空と空間を操作する効果にプラスして、全知全能も出来ると言う根源だ。
つまり、この根源は……全知全能ゼウスや七つの大罪ルシファーよりも超える神羅万象の1つだ。

　そして、もう1つの根源……
それは｢断罪ミカエル｣だ。
この効果は……根源魔法 即死を発動させる事で、その者の罪以外のものを自分の物にする根源。
つまり、ステータスや姿……はたまた、命の源である根源までもを自分の物にする。

　これは元々……熾天使が持つ根源なのだが、
私は、何故か……自称となってしまうが……
魔王の始祖 兼 熾天使となっている。

　なんと、複雑な転生の仕方をしたんだか……。
ちなみに、｢断罪｣を使用したければ……
スキル  ｢聖天使ゴッド｣を発動させないと
この転生した根本的な体の属性魔法である 開闢魔法や根源  ｢断罪｣を使用できない仕組みとなっている。本当に複雑だ……。

　ちなみに、スキルはここ二千前に現れていた能力の1つらしい。不思議な事に、私は1つしか貰ってないがな？

｢まぁ、それよりもそろそろ認めたらどうだ？
私が第10代目魔王の始祖だと……。｣

　そう言うと……リリーノスは、また私に憎悪を向けてきた。

自分がどれだけ不利だとしても憎悪を向けただけでも賞賛しよう。
あぁ、それともその実力を認めようとも認められない相手に対しての敬意を持って、大馬鹿者と罵った方がいいのか？

｢認めぬ。絶対に死んでも、認めぬ！！｣

　うん。絶対に後者だ。

｢そうか……。だが、少なくてもお前よりも始祖だって事は、確実だぞ？  それでいいのか？？｣

｢色んな魔法を持っている奴が……生身で使えてるわけが無い。何かしらの魔導具をお前は使っている。｣

　私は、呆れて笑いすらも出てこなくなった。

｢そうか。次に出る言葉は……魔導具と来たか。
それだけ、私の実力を拒むのはわかるが……
言い訳が苦しいぞ？  リリーノス。｣

｢でなければ……雑種如きに扱えない品物である！！｣

｢雑種、雑種とほざきよって……。｣

　はぁ……1万年前はそんな血筋などを気にする奴らなど居なかったものの……本当に変わった。

｢皇族としての誇りに掛けて……断じてお前を……雑種如きのお前を、、前に立たせたくないのだ！！  例え、代償が死であってもだ！！｣

　リリーノスは……使用ができない右腕を私の前に突き出して……魔法陣を展開し、詠唱をした。

　なるほど……これは、これで面白い。

｢見せてやろう……お前と俺の格の違いを！！
皇族にしか発動せぬ起源魔法を！！！！｣

　やっぱり、起源魔法か……。
構築されていく魔法陣が、何を構築するのか分からないが……せっかく、私に向けて撃ってくれるのだ。水を差す事はやめておこう。

｢規定水準の超える魔力量を確認！！

観客席の方々はお逃げ下さい！！
ではなければ……死んでしまいます！！｣

　リリーノスが発動してるのを観客達は絶叫しながら逃げる。

　そして、リリーノスはニヤリと笑う。

｢後悔するがいい……エリザベス・アリス！！
起源魔法は命懸けの禁忌呪文だ。俺も使用すれば……ただではすまぬ！！｣

　リリーノスの魔法陣には黒い風に黒い雷と黒い炎が纏われていて、更にその力は増す一方……。
それをもろに食らうと死ぬと言われてるようなものだ。

｢分かるか……？？  雑種ごときには真似出来る品物だぞ！！｣

　壮大な物言いをした後にリリーノスは風、雷、炎を極大に纏わせたものを私に向けて撃った。

｢魔帝全能サタン！！｣

　黒い風、雷、炎が何億倍に膨れ上がり……闘技場を吹き飛ばしながら燃やし尽くしていた。

　それを私は、"とある魔法"で……かき消した。

｢なぁ！？  なぜ、あんな膨大な魔法を！！
……起源魔法だぞ！？｣

　はぁ……物凄い威力の起源魔法だったが……
こいつは、1番……致命的な失敗を犯した。

｢古くの物にはそれだけの魔力が宿る。
絶大な魔力を持ってきている起源のことを指す魔法だ。そうだよな？｣

｢そ、その秘密を……何故！？｣

　驚愕な表情をするリリーノス。
だが、一応……言うが、、
起源魔法は……初代魔王が発明した魔法であり、
それを知っていた私は、その"とある魔法"で相殺したのだ。

｢ちなみに、言う……。
お前の魔力を表彰して私も"起源魔法"で行かせてもらった。もう勝ち目などない。｣

｢そんな……馬鹿な……。
雑種如きが……起源魔法など……。｣

｢月影の支配者ツクヨミと言う起源魔法をご存知で？｣

｢なぁ……！？  そ、それは……第10代目魔王だけが持つ起源魔法……。
何故、それを……！？｣

　私は、ニヤリと笑いながら言う

｢なんせ、皆には信じて貰えないが……
第10代目魔王の始祖  ヘルフリート・マーベラス 事 エリザベス・アリスが今、目覚めたからだ！！｣

｢……ふざけるな……この私を……圧倒したとしても始祖を名乗る資格は……ないぞ……この無礼者が……。｣

　私は思った。この狼狽えながら言うリリーノスをどうやって料理してやろうか……と━━━。