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第3章
第3章 第38話 〜幼神とグラン、昔話をす。〜
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━━━━━━━━━━俺は、昔の話をした。
生まれた年から、幼稚園、小学校、中学校、高校に社会人だったころ……。全てを話した。そして……ここに来たきっかけも話した。
その話を聞いて、グランさんは……少し笑っていた。
まぁ、だからと言って……グランさんに笑われても俺はそんなに気にしていなかった。
「次は、私ですね。」
━━━━━━━━その前に俺は言う。
「前世の事を話す時は……タメ語でいいよ。」
そう言うと……グランさんは言う。
「……そうか? なら、そうするよ。でも、私の前世は……クッソ、しょうもないけどな。」
そうして……俺はグランさんの前世を聞いた。
「私の前世は、お嬢様とは違って戦争の国だった……。その時の私は19歳……。私たちは戦争から逃げていた……。だけどある日、私は逃げ遅れて……火に焼かれていた所に助けてくれたのが、今の王様だ。」
「なるほど……。」
━━━━━━━━それはそれで、中々に辛いな……。
「そして、私は今の王様の命令で……独学でスキルや剣術などを磨いた……。今や、SSSランクと言う昔なら前代未聞なランクの所まで跳ね上がった。だけど……それだけじゃ、物足りなくなった。私が欲しかったのは、名誉や戦闘じゃなくて……仲間とかお嬢様みたいな方が欲しかった。やっぱり、一人ぼっちは寂しくてな……。」
「グラン……。」
「あはははは……!! 何言ってるんだろうな。私……。」
グランさんの表情が一気に暗くなった。
「お嬢様は……こんな私などを必要としなくても……お強い。何故なら、あのハイ・スケルトンを倒しちゃうのですから……。」
そんなことは……ない。
「王様に言いますね。私が居なくても……やって行けるって」
「言うな!!!!」
「……っ!?」
俺は初めて、グランさんの前で大声をあげた。
「私は、グランさんと共に色んな景色を見たい……。色んな思い出を作りたい……。貴女とたくさん、肩を揃えて……同じ土俵に並びたい。だから、私は……死なないで欲しい為に、ハイ・スケルトンから守ったんだ。」
俺はグランさんをギュッと強く抱きしめながら言う。
「せっかく……私の仲間になったのに、消える事は許さないぞ……グランさん。」
━━━━━━━━俺は涙ぐんでいた。それを貰い泣きしたグランさんは言う。
「いいん……ですか? こんな私を……認めてくれるのですか……?」
「認めるも何も、私は貴女が欲しい。貴女じゃないとダメなんだ……。だから……。」
俺は告白するような気持ちで言う。
「私の横をずっと、共に歩んで貰えますか?」
すると……寝ていたグランさんは、体を起こし……言う。
「…………はい!! どこまでも……お供させていただきます……。お嬢様♡」
━━━━━━━━と、そう言うのだった。
生まれた年から、幼稚園、小学校、中学校、高校に社会人だったころ……。全てを話した。そして……ここに来たきっかけも話した。
その話を聞いて、グランさんは……少し笑っていた。
まぁ、だからと言って……グランさんに笑われても俺はそんなに気にしていなかった。
「次は、私ですね。」
━━━━━━━━その前に俺は言う。
「前世の事を話す時は……タメ語でいいよ。」
そう言うと……グランさんは言う。
「……そうか? なら、そうするよ。でも、私の前世は……クッソ、しょうもないけどな。」
そうして……俺はグランさんの前世を聞いた。
「私の前世は、お嬢様とは違って戦争の国だった……。その時の私は19歳……。私たちは戦争から逃げていた……。だけどある日、私は逃げ遅れて……火に焼かれていた所に助けてくれたのが、今の王様だ。」
「なるほど……。」
━━━━━━━━それはそれで、中々に辛いな……。
「そして、私は今の王様の命令で……独学でスキルや剣術などを磨いた……。今や、SSSランクと言う昔なら前代未聞なランクの所まで跳ね上がった。だけど……それだけじゃ、物足りなくなった。私が欲しかったのは、名誉や戦闘じゃなくて……仲間とかお嬢様みたいな方が欲しかった。やっぱり、一人ぼっちは寂しくてな……。」
「グラン……。」
「あはははは……!! 何言ってるんだろうな。私……。」
グランさんの表情が一気に暗くなった。
「お嬢様は……こんな私などを必要としなくても……お強い。何故なら、あのハイ・スケルトンを倒しちゃうのですから……。」
そんなことは……ない。
「王様に言いますね。私が居なくても……やって行けるって」
「言うな!!!!」
「……っ!?」
俺は初めて、グランさんの前で大声をあげた。
「私は、グランさんと共に色んな景色を見たい……。色んな思い出を作りたい……。貴女とたくさん、肩を揃えて……同じ土俵に並びたい。だから、私は……死なないで欲しい為に、ハイ・スケルトンから守ったんだ。」
俺はグランさんをギュッと強く抱きしめながら言う。
「せっかく……私の仲間になったのに、消える事は許さないぞ……グランさん。」
━━━━━━━━俺は涙ぐんでいた。それを貰い泣きしたグランさんは言う。
「いいん……ですか? こんな私を……認めてくれるのですか……?」
「認めるも何も、私は貴女が欲しい。貴女じゃないとダメなんだ……。だから……。」
俺は告白するような気持ちで言う。
「私の横をずっと、共に歩んで貰えますか?」
すると……寝ていたグランさんは、体を起こし……言う。
「…………はい!! どこまでも……お供させていただきます……。お嬢様♡」
━━━━━━━━と、そう言うのだった。
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