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鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー

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「な、な、なんでっ」
 真っ赤になった鈴の両手をジンが一掴みにして片手で腰を引き寄せている。
「お前が暴れるから、元に戻ったんだ。…お前、この匂い…発情しているのか?」
 カッとなった鈴が、押し付けられているジンの下肢に戸惑った。
「ふあっ!?」
 ジンが鈴の左耳の真下に鼻を擦り付ける。ジンはふっと笑って見上げる鈴の唇を啄んだ。
「や、やだっやめっ」
「…本当に?」
 ジンは鈴の後頭部を掴むと、逃げられないようにして唇を重ねた。ぬるりと舌が口内に入り、鈴が唸る。
 ーーーダメなのにっ。
 クチュッと音がして唇が離れた。潤んだ双眸で、鈴はくったりとジンにしがみ付く。
「は、あぁっん」
「落ち着いたか?」
「あうっ」
 くいっと、ジンが膝で鈴の下肢を撫でると、鈴はジンを睨んだ。隼人が記憶を無くしてから、鈴は隼人に抱かれていない。それが、赤の他人の情事を見てしまい、身体が疼いたのだ。惨めで涙が滲んだ。
「いあっ」
 双丘を片手で鷲掴みにされ、鈴は甘い声を出してハッとする。
「離せよばかっ!」
 狼狽えてジンの顔を両手でグイグイと押しのけようとする。
「元気になったな」
「……っ」
 鈴は怒ってそっぽを向いた。が、硬く反り返ったジンの陰茎が、服の上から鈴の陰茎に押し付けられる。鈴は目元を染めて睨み上げる。
「潤んだ眼で睨んでも可愛いだけだ」
「か、可愛くないって、ちょっ、何やって!?」
 ジンが鈴の服の中へ右手を差し入れると、小さな乳首を人差し指で撫でた。器用に服をはだけさせると、ジンは鈴の乳頭が口に含まれる。
「んあっ」
「感じれば良い。俺の事だけ考えろ」
「も、無理っ離し」
「鈴」
 間近にあるジンの眼と合う。鈴は動けなくなってしまった。ジンは不敵に笑うと、見せ付けるように濡れた舌を突き出して、ツンと尖った乳首を下から上に撫でる。その姿に鈴はごくりと息を呑む。舌は鳩尾に下りて行き、カチャリとバックルを外されて、ジッパーが下ろされた。
 逃げなくてはと、霞みかがった思考で考える。だが、身体が動かない。鈴は涙を浮かべた双眸を閉じた。涙が頬を滑り落ちる。トランクスの上から経ちあがった陰茎の形を、ジンが舌でなぞった。
「は、あぁっ」
「感じれば良い今は」
「や、あっ!」
 ずり下ろされたスラックスとトランクスが、無様に足首まで落とされる。ふるっと震えた陰茎が、興奮して濡れていたのが、ジンの目前に晒された。
「み、ない、で」
 ジンは口角を上げた。
「無理だな」
 片手で陰茎に触れ、逃げられない様に腰を抱くと、ジンは口腔に鈴の陰茎を含んだ。鈴は喉を逸らして、唇を手で押さえる。
「んんっ」
 涙が溢れて零れ落ちた。

「母さん、鈴は?」
 里桜が夕飯を作る薫に訊ねたね。薫が振り返る。
「あら? さっきコンビニへ行くって云って出掛けたわよ?」
「…そう」
「そういえば、もう直ぐ文化祭よね? 私保護者会で豚汁作るんだけど、当日買に来なさいよ? 頑張っていっぱい作るんだから」
「毎年だね豚汁。あ、カレーもか。今年はお母さん豚汁当番なんだ?」
「そうなのよ。でも来年には役員交代だから少し寂しいかも。里桜も来年は生徒会役員交代でしょ?」
「うん。三月までが任期だよ。先月から、選挙の立候補始まってる」
「そう。もう早いわね。里桜も鈴も来年は高校三年生かぁ。大学はどうするの? もう決めてるの?」
 薫が煮物用の器を食器棚から取り出す。
「まだ何を目指したいとか、思いつかなくて」
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