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鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー
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薫が通話を切って、鈴は携帯をバッグにしまう。なんだかいろんな事があり過ぎて、鈴はぐったりとしていた。
「鈴、…鈴?」
迎えに来てくれた薫の運転する車に乗っていた鈴は、うとうとしていたらしく、いつの間に着いたのか自宅の駐車場で、疾風が鈴の肩を揺らしていた。
「…先生?」
「大丈夫か? 今日は休んだ方が良さそうだな」
ああそうか、平日だったと思い出す。文化祭の下準備で、鈴のクラスは午後から登校する日だった。
「鈴ったら話は車の中でって云っていたのに、乗った途端に寝ちゃったのよ。引越し屋の車の邪魔にならないように大変だったんだから、いろいろと」
引越し屋と聞いて、不覚にもジワリと涙が溢れた。
「ごめん、先生今日休む」
「…そうだな。運んでやるから」
車から出て来た鈴を横抱きにして、疾風が玄関から部屋へ向かう。
「鈴」
里桜が学校へ行く処だったのか、制服姿で鈴の部屋へやって来た。
「熱が出てるから親父を呼んで来る。里桜は生徒会、遅刻するなよ?」
「はい」
「疾風君、鈴はやっぱり熱? 疲れたのかしら」
「…だと思います。薫さんはもし鈴が風邪とかだとうつるといけないから、部屋に入らないで下さいね」
「解ったわ」
鈴は里桜の手を額に感じて双眸を閉じた。
次に目覚めた時、空腹で起きた鈴はリビングへ向かうが、薫の姿が見当たらなかった。テーブルにラップの掛かったサンドイッチが置かれていて、起きたら食べなさいと書かれたメモが在った。鈴は椅子に座り、手を合わせていただきますをした。
食べ終えると玄関から薫の声が聞こえ、鈴はそちらへ向かうとジンが薫の隣で片眉を上げた。
「…どうして」
そういえばお前の匂いを後で追って行くからと云っていた。
「鈴、こちらの方私が転びそうになったのを助けて頂いたの。話が弾んだらあなたの撮影のカメラマンなんですって?」
「あぁ、うん」
「奥へどうぞ? 今お茶を出すわね?」
「お気遣いなく」
薫がキッチンへ買い物袋を手に歩いて行く。鈴は薫を見送って、リビングへジンを案内した。
「なんで来るの」
聞こえるようにわざと声に出す。朝からイライラが止まらない自分自身が嫌で、溜息が出た。
「寂しかろうと思ってな」
「…」
耳元に唇を寄せて囁かれ、紅くなる。鈴はどうぞとソファーを進めた。鈴は向かい側に座ると、後から来た薫がお茶と和菓子を出して鈴の隣に座った。
「熱は下がったようね」
薫が鈴の額に手を当てて、にっこりと微笑む。そこへ玄関チャイムが鳴った。
「あら、誰かしら」
薫が慌ててリビングに取り付けて在るインターホンの画面を見る。
「頼まれました引っ越しの荷物をお届けに来ました」
「……は?」
薫が困惑して、鈴が立ち上がる。
「僕が出るから」
「でも、え? まさか」
「あずささんが隼人さんの部屋に越して来たんだ。その入れ違いで」
「……」
薫が呆然とし、その隙に鈴が玄関へ向かう。
『お待たせしました。すみませんたいした量じゃないのに』
インターホンから鈴と業者の声がする。
『いえ。ではこちら運びますね』
引っ越し業者が二人、衣装ケースと学校用品(と、マジックで書かれた段ボール)を案内した鈴の部屋に運んだ。薰が階段下で様子を伺っていた。
「以上で間違いありませんか?」
「はい」
「ではこちらにサインをお願いします」
云われて名前を書き込むと、引っ越し業者は出て行った。
「鈴」
薫が困って立ち尽くしている。その背後でジンが肩を竦めた。
「鈴、…鈴?」
迎えに来てくれた薫の運転する車に乗っていた鈴は、うとうとしていたらしく、いつの間に着いたのか自宅の駐車場で、疾風が鈴の肩を揺らしていた。
「…先生?」
「大丈夫か? 今日は休んだ方が良さそうだな」
ああそうか、平日だったと思い出す。文化祭の下準備で、鈴のクラスは午後から登校する日だった。
「鈴ったら話は車の中でって云っていたのに、乗った途端に寝ちゃったのよ。引越し屋の車の邪魔にならないように大変だったんだから、いろいろと」
引越し屋と聞いて、不覚にもジワリと涙が溢れた。
「ごめん、先生今日休む」
「…そうだな。運んでやるから」
車から出て来た鈴を横抱きにして、疾風が玄関から部屋へ向かう。
「鈴」
里桜が学校へ行く処だったのか、制服姿で鈴の部屋へやって来た。
「熱が出てるから親父を呼んで来る。里桜は生徒会、遅刻するなよ?」
「はい」
「疾風君、鈴はやっぱり熱? 疲れたのかしら」
「…だと思います。薫さんはもし鈴が風邪とかだとうつるといけないから、部屋に入らないで下さいね」
「解ったわ」
鈴は里桜の手を額に感じて双眸を閉じた。
次に目覚めた時、空腹で起きた鈴はリビングへ向かうが、薫の姿が見当たらなかった。テーブルにラップの掛かったサンドイッチが置かれていて、起きたら食べなさいと書かれたメモが在った。鈴は椅子に座り、手を合わせていただきますをした。
食べ終えると玄関から薫の声が聞こえ、鈴はそちらへ向かうとジンが薫の隣で片眉を上げた。
「…どうして」
そういえばお前の匂いを後で追って行くからと云っていた。
「鈴、こちらの方私が転びそうになったのを助けて頂いたの。話が弾んだらあなたの撮影のカメラマンなんですって?」
「あぁ、うん」
「奥へどうぞ? 今お茶を出すわね?」
「お気遣いなく」
薫がキッチンへ買い物袋を手に歩いて行く。鈴は薫を見送って、リビングへジンを案内した。
「なんで来るの」
聞こえるようにわざと声に出す。朝からイライラが止まらない自分自身が嫌で、溜息が出た。
「寂しかろうと思ってな」
「…」
耳元に唇を寄せて囁かれ、紅くなる。鈴はどうぞとソファーを進めた。鈴は向かい側に座ると、後から来た薫がお茶と和菓子を出して鈴の隣に座った。
「熱は下がったようね」
薫が鈴の額に手を当てて、にっこりと微笑む。そこへ玄関チャイムが鳴った。
「あら、誰かしら」
薫が慌ててリビングに取り付けて在るインターホンの画面を見る。
「頼まれました引っ越しの荷物をお届けに来ました」
「……は?」
薫が困惑して、鈴が立ち上がる。
「僕が出るから」
「でも、え? まさか」
「あずささんが隼人さんの部屋に越して来たんだ。その入れ違いで」
「……」
薫が呆然とし、その隙に鈴が玄関へ向かう。
『お待たせしました。すみませんたいした量じゃないのに』
インターホンから鈴と業者の声がする。
『いえ。ではこちら運びますね』
引っ越し業者が二人、衣装ケースと学校用品(と、マジックで書かれた段ボール)を案内した鈴の部屋に運んだ。薰が階段下で様子を伺っていた。
「以上で間違いありませんか?」
「はい」
「ではこちらにサインをお願いします」
云われて名前を書き込むと、引っ越し業者は出て行った。
「鈴」
薫が困って立ち尽くしている。その背後でジンが肩を竦めた。
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