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天使は甘いキスが好き
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ベッドに横になると、携帯を胸に微笑んだ。
「絶対何か遭ったな、あれは」
翌日クラスメイト達は、恵と平片の異変に気付く。
「恵はフェロモン大放出だ」
クラスメイト達が一斉に頷く。まるで恵の周りに花が咲いたようにほんわかだ。
「細川、明日平片の家だよな?」
お泊り組みの仲間二人が声を掛けてくる。平片の耳がピクリと動いた。聞き耳を立てている。
「え? うん。行くよ? 十八時だっけ?」
「そう、十八時だ」
クラスメイトの言葉に、左斜めの前席に座る平片が振り返って恵を見る。
「……来るよな?」
恵はムッとする。
「行くってばっ」
目許を紅くして云う。
「……なんだよその反応…お前まさか…昨日何かあったのか?」
平片が唸る。恵はポッと頬を染めて窓の外へ視線を逸らした。その反応に平片がガタリと立ち上がった。クラス中が驚いて平片を見た。
「恵、まさかマジで昨日何か遭ったのか!?」
「なんだよ! 昨日からっ俺が誰と会ってキスしようがっ…あ…」
恵は両手で口を覆った。
「キ!? 恵、例の先輩とキスたのか!?」
「か、関係無いだろう!?」
恵は羞恥で真っ赤だが、平方は違う意味で真っ赤だ。
「何っ! 恵君、恋人出来たの!? キスって誰とよ!?」
女子生徒達が悲鳴を上げる。恵は両手で口を押さえていたが、如何せん。手遅れだ。正直者の恵は押し黙り、平片は平片であんぐりと口を開け、ウルウルと眼を潤ませて、拳を振るわせた。
「恵の大馬鹿やろうう!!!」
平片は大絶叫を上げ、教室を飛び出す。
「ば、馬鹿って何なんだよ??」
恵は真っ赤になってむくれた。
「あれは完璧に平片がふられたわ」
「ショック~私達のアイドルが…」
女子達は好き勝手を云い出す。恵の周りに女子達が集まった。
「恵君、相手は誰!?」
「だ、誰って…えっとぉ年上」
まさか教師を目指す、大学生だとは云えない。馬鹿正直に『年上』とだけばらした。
「恵君、年上が好みだったの!?」
「でもなんとなく解るわ。恵君守ってあげたい男の子なんだもん」
ーーー…俺って、そう思われてたのかよ。
ある意味ショックだ。
「その年上女許せないっ恵君のファーストキス奪うなんてっ」
「そうよっ何処の女よっ」
「あのう…」
なぜファーストキスだとばれたのか? それよりも…。
ーーー相手、完璧女だと思っている。
当たり前だが黙っておく方が良いだろう。この場合。なんとか女子軍団から抜け出した恵を待っていたのは、今度は男子軍団だった。
「細川、キスって本当に遣っちゃったのか? その先は?」
恵はカチンと来て、堪忍袋の緒が切れた。
「未成年者にその先遣ったら、犯罪だろうがっ!!」
チェリーのままかと、皆がホッとする。が、
「えぇぇぇぇっ!? 相手は大人か!?」
恵はあわわと慌て、クラス中が大騒ぎ。恵は硬直状態。その内、チャイムと共に担任が遣って来た。皆がブスくれる。
「ほーら、何遣ってる!? 早く席着け。なんだ? 細川、そこで固まってんな。早く席に着け」
恵は違う意味でブスくれた。
恵はメールを打ちながら、ゾクリと身体を震わせた。今居るのは、立ち入り禁止の外階段。吐く息は白い。
「さすがに此処は寒いや」
「べくしっ」
恵はギョッとして、階下を除く。
「平片!? お前そんな所に居たのか」
平片は鼻をズズッと吸うと、目許を紅くして恵を見上げる。恵は平片の傍まで降りて行くと、階段の平片の隣に座った。
「泣いてたのか?」
「違うっ眼にゴミが入ったんだ!」
恵はチャイムの音に顔を上げる。
「授業始まるぞ」
「絶対何か遭ったな、あれは」
翌日クラスメイト達は、恵と平片の異変に気付く。
「恵はフェロモン大放出だ」
クラスメイト達が一斉に頷く。まるで恵の周りに花が咲いたようにほんわかだ。
「細川、明日平片の家だよな?」
お泊り組みの仲間二人が声を掛けてくる。平片の耳がピクリと動いた。聞き耳を立てている。
「え? うん。行くよ? 十八時だっけ?」
「そう、十八時だ」
クラスメイトの言葉に、左斜めの前席に座る平片が振り返って恵を見る。
「……来るよな?」
恵はムッとする。
「行くってばっ」
目許を紅くして云う。
「……なんだよその反応…お前まさか…昨日何かあったのか?」
平片が唸る。恵はポッと頬を染めて窓の外へ視線を逸らした。その反応に平片がガタリと立ち上がった。クラス中が驚いて平片を見た。
「恵、まさかマジで昨日何か遭ったのか!?」
「なんだよ! 昨日からっ俺が誰と会ってキスしようがっ…あ…」
恵は両手で口を覆った。
「キ!? 恵、例の先輩とキスたのか!?」
「か、関係無いだろう!?」
恵は羞恥で真っ赤だが、平方は違う意味で真っ赤だ。
「何っ! 恵君、恋人出来たの!? キスって誰とよ!?」
女子生徒達が悲鳴を上げる。恵は両手で口を押さえていたが、如何せん。手遅れだ。正直者の恵は押し黙り、平片は平片であんぐりと口を開け、ウルウルと眼を潤ませて、拳を振るわせた。
「恵の大馬鹿やろうう!!!」
平片は大絶叫を上げ、教室を飛び出す。
「ば、馬鹿って何なんだよ??」
恵は真っ赤になってむくれた。
「あれは完璧に平片がふられたわ」
「ショック~私達のアイドルが…」
女子達は好き勝手を云い出す。恵の周りに女子達が集まった。
「恵君、相手は誰!?」
「だ、誰って…えっとぉ年上」
まさか教師を目指す、大学生だとは云えない。馬鹿正直に『年上』とだけばらした。
「恵君、年上が好みだったの!?」
「でもなんとなく解るわ。恵君守ってあげたい男の子なんだもん」
ーーー…俺って、そう思われてたのかよ。
ある意味ショックだ。
「その年上女許せないっ恵君のファーストキス奪うなんてっ」
「そうよっ何処の女よっ」
「あのう…」
なぜファーストキスだとばれたのか? それよりも…。
ーーー相手、完璧女だと思っている。
当たり前だが黙っておく方が良いだろう。この場合。なんとか女子軍団から抜け出した恵を待っていたのは、今度は男子軍団だった。
「細川、キスって本当に遣っちゃったのか? その先は?」
恵はカチンと来て、堪忍袋の緒が切れた。
「未成年者にその先遣ったら、犯罪だろうがっ!!」
チェリーのままかと、皆がホッとする。が、
「えぇぇぇぇっ!? 相手は大人か!?」
恵はあわわと慌て、クラス中が大騒ぎ。恵は硬直状態。その内、チャイムと共に担任が遣って来た。皆がブスくれる。
「ほーら、何遣ってる!? 早く席着け。なんだ? 細川、そこで固まってんな。早く席に着け」
恵は違う意味でブスくれた。
恵はメールを打ちながら、ゾクリと身体を震わせた。今居るのは、立ち入り禁止の外階段。吐く息は白い。
「さすがに此処は寒いや」
「べくしっ」
恵はギョッとして、階下を除く。
「平片!? お前そんな所に居たのか」
平片は鼻をズズッと吸うと、目許を紅くして恵を見上げる。恵は平片の傍まで降りて行くと、階段の平片の隣に座った。
「泣いてたのか?」
「違うっ眼にゴミが入ったんだ!」
恵はチャイムの音に顔を上げる。
「授業始まるぞ」
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