3 / 53
神同人作家は陸くんを溺愛する
3/9 PM16:00、22:00
しおりを挟む
【三月九日 十六時】
オフ会、といっても仲良しさんが数人集まるっていうもの。計五人がホテルの一室に集合し、再会の乾杯を。半年に一度の逢瀬にみんなでワイワイしながら、サークルガイドを手にして明日のスペースをまわる順番を考察している。
「高西先生、商業番外編が新刊なんでしょ?」
そう声をかけてきたのは姫野さん。美人さんで好きなシチュエーションは『触手』。隣のほんわかしたユミさんは『年下攻め』、九州から参加のクー子さんは『なんでも美味しくいただきます』な人だ。
「うん」
「陸くん、高西先生大好きだもんね。そうそう、永田くんもだよね」
この永田くんは今回初めてイベントに参加する姫野さんの友人で僕とは初対面。僕より少し背の低い男の子で高西先生、と聞いた途端フニャっと笑う。
「はい! 大好きです! 男性であんな素敵な作品を書かれるなんて、きっと素敵な人なんでしょうね。手紙も持って来ましたッ!」
隣に置いていたカバンからスッと分厚い封筒を出してきたので、みんなが驚いた。
「すっごい厚い!」
「わ、ワァ……」
きゃあきゃあとみんなが騒いでいる中、ポンと肩を姫野さんに叩かれた。
「ライバル誕生だわね」
「……ライバルだなんて、高西先生のファンに対してそんなこと……」
見透かされたような気がして僕はドキドキしてしまった。何でだろう、女子たちが高西先生にアタックしても気にならないのに、男子だと心がザワザワしてしまう。
ポメラニアンみたいな永田くんはずっと高西先生の作品の素晴らしさを熱弁していた。
……そんなの、僕が一番知ってるのに!
ドス黒い気持ちが湧いて来て僕は頭を振った。
【三月九日 二十二時】
飲み干したビール缶をゴミ箱に入れて、僕はベッドに入った。明日は早いからもう寝よう。体調万全でイベントに臨みたいし。
とはいえ、寝れるかなあ……
照明を消して枕に顔を向け、目を閉じる。
明日は晴れるみたいだし楽しもう。
高西先生、明日お会いしましょう。
オフ会、といっても仲良しさんが数人集まるっていうもの。計五人がホテルの一室に集合し、再会の乾杯を。半年に一度の逢瀬にみんなでワイワイしながら、サークルガイドを手にして明日のスペースをまわる順番を考察している。
「高西先生、商業番外編が新刊なんでしょ?」
そう声をかけてきたのは姫野さん。美人さんで好きなシチュエーションは『触手』。隣のほんわかしたユミさんは『年下攻め』、九州から参加のクー子さんは『なんでも美味しくいただきます』な人だ。
「うん」
「陸くん、高西先生大好きだもんね。そうそう、永田くんもだよね」
この永田くんは今回初めてイベントに参加する姫野さんの友人で僕とは初対面。僕より少し背の低い男の子で高西先生、と聞いた途端フニャっと笑う。
「はい! 大好きです! 男性であんな素敵な作品を書かれるなんて、きっと素敵な人なんでしょうね。手紙も持って来ましたッ!」
隣に置いていたカバンからスッと分厚い封筒を出してきたので、みんなが驚いた。
「すっごい厚い!」
「わ、ワァ……」
きゃあきゃあとみんなが騒いでいる中、ポンと肩を姫野さんに叩かれた。
「ライバル誕生だわね」
「……ライバルだなんて、高西先生のファンに対してそんなこと……」
見透かされたような気がして僕はドキドキしてしまった。何でだろう、女子たちが高西先生にアタックしても気にならないのに、男子だと心がザワザワしてしまう。
ポメラニアンみたいな永田くんはずっと高西先生の作品の素晴らしさを熱弁していた。
……そんなの、僕が一番知ってるのに!
ドス黒い気持ちが湧いて来て僕は頭を振った。
【三月九日 二十二時】
飲み干したビール缶をゴミ箱に入れて、僕はベッドに入った。明日は早いからもう寝よう。体調万全でイベントに臨みたいし。
とはいえ、寝れるかなあ……
照明を消して枕に顔を向け、目を閉じる。
明日は晴れるみたいだし楽しもう。
高西先生、明日お会いしましょう。
0
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる