神同人作家は陸くんを溺愛する。

柏木あきら

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神同人作家は陸くんを溺愛する

3/9 AM6:30

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【三月九日 六時三十分】

いつもなら爆睡の時間に、目が覚めた。あたりはまだ寒く、思わずくしゃみが出る。僕は勢いよくベッドから降りて顔を洗った。

明日は待ちに待った、BL系同人誌即売会【Jパーク】が開催される。年に二回のこの祭りに僕は遠路はるばる参加するんだ。僕は、売るほうではなく買いに行くほう。いやむしろあの人に会いに行く。
僕の大好きなサークル【カンロアメ】の神作家、高西ユウ先生に!

三年前、僕は高西先生の代表作【君の熱を僕に分けて】を読んでどうしてもご本人に会いたくてスペースに寄った。あのころはまだ壁スペースではなく、島だったけどお誕生日席でお客さんが並んでいて、この人は次回壁に行くんだろうなって思いながら僕は『最後尾』の札を持っていた。
そしていよいよご本人に対面したとき!
そこにいたのはグレーアッシュの短髪でピアスを複数つけ革ジャンに身を包んだメチャクチャかっこいい男性。それが高西ユウ先生だった。

【君の熱を僕に分けて】は男子高校生の青春BLで最終回でようやくフレンチキスをするというくらいのうぶいBLだ。胸キュン度が半端なくて、高西先生が商業作家になるきっかけとなった作品。そんな話を書いているのがこのお兄さんだったなんて!

僕はそのギャップと容姿に胸を射抜かれてしまったのだ。緊張しながらお金を渡すと気がついた高西先生はニカッと笑い、新刊をそっと渡してくれた。
「お、男子! なんか嬉しいな」
そう言ってくれた瞬間、その笑顔が眩しすぎて僕はテンパって口を開いた。
「こっ、これからも応援しますっ! 次も来ますから!」
あまりに大きな声だったからまわりの人たちが驚いていた。高西先生も一瞬びっくりしていたけど少し照れたような顔で『待ってます』と言ってくれたのだ。
それから三年。計六回、僕は先生に会いに行ってる。

シャワーを浴びてスッキリした僕は、ドライヤーで髪を乾かしながら歌を口ずさんた。

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