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3.最悪な二人の体の相性は最高
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その挑発に、鳳は持っていた音無の頭を強く掴み、ヌラヌラしているそれを勢いよく音無の口内に突っ込む。
「ん!んむっ……!」
突然奥まで突っ込まれて、音無は苦しそうな声を上げた。だが鳳は構わず自分の気持ちいいように頭を動かしていく。音無の目尻に涙が浮かんできた頃に、鳳は目を瞑る。
「出る……ッ!」
そう宣言した瞬間に音無の頭を引っ張って、口の中に押し込んでいたそれを出すと、勢いよく白濁したものがビュルっと涎を垂らした音無の顔にたっぷりと放出された。呆然としている音無に、鳳はテーブルにあったティッシュを渡した。それを受け取り、顔を拭いながらため息をつく。
「顔射とは、いい趣味だな」
音無の言葉ににやりと鳳が笑った。
「飲ます趣味はないんでね。まあ、お前も嫌いじゃないみたいだし」
鳳の責め方は、音無のいいところを確実に捉えていた。初めて肌を重ねるのになぜ分かるのか。それだけ大勢と寝たのだろう、そんなことを音無は思いながら、快楽の波にのまれている。
身体を舐めまわし、胸の突起も執拗に責められ。初めは声を出すまいと我慢していた音無だったが、後ろに指を挿られた頃にはもう我慢などできなかった。
四つん這いの格好で枕に顔を埋める音無。卑猥な粘膜を掻き混ぜる音が響く。そして掻き回されているうちに……
「ひあっ!ああっ!」
前立腺を当てられ、大きな声と共に体が一瞬のけぞる。それに気づいた鳳は、音無の背中に舌を這わせ耳たぶを舐る。
鳳は音無のヒクヒクしている後ろに自分の熱いモノの先端を擦り付けた。
「う……」
擦り付けるだけで、なかなか挿れない鳳に音無は背中越しに顔を向ける。言葉にはしないが目が挿れろ、と訴えている。赤く染まった頬に潤んだ瞳。甘い吐息を吐く唇。そんな音無の顔に鳳はもう我慢の限界だった。
ぷつり、とその狭い所に鳳のものが侵入していくと絞り出すような音無の声が聞こえてくる。
「んあ…あ、ああ…っ、あつ…いぃ」
音無はその熱さを感じ、鳳はまるで吸い取られるかのように締まるその中を感じていた。
ゆっくりと全てを挿れ終わったあと、鳳は腰をスライドさせていく。だんだんと早く、深く。
「は、あっ、んんっ!んぅっ、アアッ」
後ろから突き上げられるたびに声が出る音無。尻を打ち付ける音と出し入れする粘膜の音、そして音無の声が部屋に響く。
後ろだけではなく鳳は背中から前に手を回し、胸の突起をいじる。ギュッと摘んだり指で弾かれたり。刺激に思わず体が揺れると鳳のそれを受けている所が締まり、鳳は思わず声を出す。
「く……っ、そんなに締め付けんな…っ」
「も、だめ……あ…!あっあっ、イク!」
音無の体が痙攣し、シーツに勢いよく放出されたのち、さらに締め付けられた所によって鳳もまた音無の中で果てた。
最悪な二人の体の相性は最高だった。
あの日から二人はゲイバーで出会えば一緒に飲み、ホテルに行くようになった。初めの日のように気まずい沈黙はないものの、話が弾むということはない。淡々と喋り深々と酒を味わう。鳳はほぼ話をせず音無の話に静かに答えるくらいだ。ただ唯一、酒の話になると、少し饒舌になる。
「『ファンタスティック・レマン』、どこで知った?」
音無がジンを飲みながら鳳に聞いたことがある。鳳は顎に手をやり少し考えた後、答えた。
「酒に詳しい奴と付き合ってたときがあって。そいつと飲みに行った時に知ったんだ。別れた後もこのカクテルが忘れられなくて。あちこちで断られたから諦めてた」
グラスの中の氷を見ながら、鳳がそう言うとへぇと音無はニヤリと笑う。
「案外、そいつのことも忘れられないんじゃないか?」
「馬鹿言え。もう顔も覚えてないよ」
「へー。じゃ、セフレの俺なんてあっという間に顔忘れるんだろうな」
「否定はできないな」
「正直だな、インテリ君は。まあ俺もいつまでも覚えられてても困るけど」
そんな嫌味を言い合いながら会計を済ませたのち、二人はいつものようにホテルへと向かった。
お互い個人的な連絡先は交換することはなく、ゲイバー出会ったら一緒に飲むというスタンスだったが、同じ曜日の時間に行くものだから、ほぼ毎週のように会っていた。しかし、二週続けて鳳の顔を見ていないことに音無は気づく。
「おーちゃん?ああ、そう言えば顔を見ていないわねぇ」
他の曜日に変えたのかと思い、音無がママに様子を聞くとどうやら変えてはいないようだ。ふうん、と答えてギムレットを飲む音無を見て、ママはニヤニヤした顔をする。
「なんだよ」
「おーちゃんのことが気になるのねぇ。いいわあ、恋の始まりって」
「ないない。そもそもアイツのデカイの、もう何度も咥えてるし」
「……もぉ、そう言う生々しいこと言うんじゃないわよ。想像するでしょお?……あら、いらっしゃい」
カランとドアチャイムの音がして、ママが顔をそちらに向けると、鳳がいた。
「ん!んむっ……!」
突然奥まで突っ込まれて、音無は苦しそうな声を上げた。だが鳳は構わず自分の気持ちいいように頭を動かしていく。音無の目尻に涙が浮かんできた頃に、鳳は目を瞑る。
「出る……ッ!」
そう宣言した瞬間に音無の頭を引っ張って、口の中に押し込んでいたそれを出すと、勢いよく白濁したものがビュルっと涎を垂らした音無の顔にたっぷりと放出された。呆然としている音無に、鳳はテーブルにあったティッシュを渡した。それを受け取り、顔を拭いながらため息をつく。
「顔射とは、いい趣味だな」
音無の言葉ににやりと鳳が笑った。
「飲ます趣味はないんでね。まあ、お前も嫌いじゃないみたいだし」
鳳の責め方は、音無のいいところを確実に捉えていた。初めて肌を重ねるのになぜ分かるのか。それだけ大勢と寝たのだろう、そんなことを音無は思いながら、快楽の波にのまれている。
身体を舐めまわし、胸の突起も執拗に責められ。初めは声を出すまいと我慢していた音無だったが、後ろに指を挿られた頃にはもう我慢などできなかった。
四つん這いの格好で枕に顔を埋める音無。卑猥な粘膜を掻き混ぜる音が響く。そして掻き回されているうちに……
「ひあっ!ああっ!」
前立腺を当てられ、大きな声と共に体が一瞬のけぞる。それに気づいた鳳は、音無の背中に舌を這わせ耳たぶを舐る。
鳳は音無のヒクヒクしている後ろに自分の熱いモノの先端を擦り付けた。
「う……」
擦り付けるだけで、なかなか挿れない鳳に音無は背中越しに顔を向ける。言葉にはしないが目が挿れろ、と訴えている。赤く染まった頬に潤んだ瞳。甘い吐息を吐く唇。そんな音無の顔に鳳はもう我慢の限界だった。
ぷつり、とその狭い所に鳳のものが侵入していくと絞り出すような音無の声が聞こえてくる。
「んあ…あ、ああ…っ、あつ…いぃ」
音無はその熱さを感じ、鳳はまるで吸い取られるかのように締まるその中を感じていた。
ゆっくりと全てを挿れ終わったあと、鳳は腰をスライドさせていく。だんだんと早く、深く。
「は、あっ、んんっ!んぅっ、アアッ」
後ろから突き上げられるたびに声が出る音無。尻を打ち付ける音と出し入れする粘膜の音、そして音無の声が部屋に響く。
後ろだけではなく鳳は背中から前に手を回し、胸の突起をいじる。ギュッと摘んだり指で弾かれたり。刺激に思わず体が揺れると鳳のそれを受けている所が締まり、鳳は思わず声を出す。
「く……っ、そんなに締め付けんな…っ」
「も、だめ……あ…!あっあっ、イク!」
音無の体が痙攣し、シーツに勢いよく放出されたのち、さらに締め付けられた所によって鳳もまた音無の中で果てた。
最悪な二人の体の相性は最高だった。
あの日から二人はゲイバーで出会えば一緒に飲み、ホテルに行くようになった。初めの日のように気まずい沈黙はないものの、話が弾むということはない。淡々と喋り深々と酒を味わう。鳳はほぼ話をせず音無の話に静かに答えるくらいだ。ただ唯一、酒の話になると、少し饒舌になる。
「『ファンタスティック・レマン』、どこで知った?」
音無がジンを飲みながら鳳に聞いたことがある。鳳は顎に手をやり少し考えた後、答えた。
「酒に詳しい奴と付き合ってたときがあって。そいつと飲みに行った時に知ったんだ。別れた後もこのカクテルが忘れられなくて。あちこちで断られたから諦めてた」
グラスの中の氷を見ながら、鳳がそう言うとへぇと音無はニヤリと笑う。
「案外、そいつのことも忘れられないんじゃないか?」
「馬鹿言え。もう顔も覚えてないよ」
「へー。じゃ、セフレの俺なんてあっという間に顔忘れるんだろうな」
「否定はできないな」
「正直だな、インテリ君は。まあ俺もいつまでも覚えられてても困るけど」
そんな嫌味を言い合いながら会計を済ませたのち、二人はいつものようにホテルへと向かった。
お互い個人的な連絡先は交換することはなく、ゲイバー出会ったら一緒に飲むというスタンスだったが、同じ曜日の時間に行くものだから、ほぼ毎週のように会っていた。しかし、二週続けて鳳の顔を見ていないことに音無は気づく。
「おーちゃん?ああ、そう言えば顔を見ていないわねぇ」
他の曜日に変えたのかと思い、音無がママに様子を聞くとどうやら変えてはいないようだ。ふうん、と答えてギムレットを飲む音無を見て、ママはニヤニヤした顔をする。
「なんだよ」
「おーちゃんのことが気になるのねぇ。いいわあ、恋の始まりって」
「ないない。そもそもアイツのデカイの、もう何度も咥えてるし」
「……もぉ、そう言う生々しいこと言うんじゃないわよ。想像するでしょお?……あら、いらっしゃい」
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