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番外編
8.
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二人は泥のように眠り、起きたのは翌日の午後。窓からの光が眩しくて目が覚めた。隣ではサムットが顔をベットに伏せたまま、まだ眠っている。
すごい寝相だと苦笑いしながら起き上がると体は重たいが気分は久々に爽快だ。
subとのプレイ不足が解消されたからだろうか。現金な体だな、と自分ながらに苦笑いしてしまう。
(さてこれからどうするかな)
職もなく、行くあてもない二人。このままここで暮らし続けるには限界がある、対策を考えないと。
最近は脳に霧がかかっていたかのように、思考する力がなかった。スッキリしたおかげか、この先についてぼんやりと考え始める。
やがて時計を見ようと視線を壁に向けた時、あのオオゴンテングアゲハの標本が目に入った。そしてふと閃いた。
ーー生きているオオゴンテングアゲハを、見たい。
何かがしたい、と思ったのが久しぶりすぎて驚く。しかし一度思い立ったらそうしなければならない気がして、気持ちが昂ってきた。
オオゴンテングアゲハは日本にはいない。主に中国、そしてベトナムが生息地だ。
「……んん、先生、もう起きてるんですか」
サムットの掠れた声にはっとする。
そして佳紀は思い出したのだ。サムットの故郷がベトナムであったことに。
仕事もなくなって、人との関わりもない。根なし草となった二人なら、日本にいる必要などない。
そう思うとまるで子供のようにウキウキと胸が高鳴ってきた。
「……先生?」
「なあ、サムット。いい案があるんだけどさ、聞いてくれるか?」
そうして二ヶ月後。佳紀の暮らしていたマンションは引き払われ全てがなくなった。
真っ白な家具も、カサブランカも。オオゴンテングアゲハの標本も、何もかも無くなった部屋には、大きな窓から日光が燦々と降り注いでいるだけとなった。
すごい寝相だと苦笑いしながら起き上がると体は重たいが気分は久々に爽快だ。
subとのプレイ不足が解消されたからだろうか。現金な体だな、と自分ながらに苦笑いしてしまう。
(さてこれからどうするかな)
職もなく、行くあてもない二人。このままここで暮らし続けるには限界がある、対策を考えないと。
最近は脳に霧がかかっていたかのように、思考する力がなかった。スッキリしたおかげか、この先についてぼんやりと考え始める。
やがて時計を見ようと視線を壁に向けた時、あのオオゴンテングアゲハの標本が目に入った。そしてふと閃いた。
ーー生きているオオゴンテングアゲハを、見たい。
何かがしたい、と思ったのが久しぶりすぎて驚く。しかし一度思い立ったらそうしなければならない気がして、気持ちが昂ってきた。
オオゴンテングアゲハは日本にはいない。主に中国、そしてベトナムが生息地だ。
「……んん、先生、もう起きてるんですか」
サムットの掠れた声にはっとする。
そして佳紀は思い出したのだ。サムットの故郷がベトナムであったことに。
仕事もなくなって、人との関わりもない。根なし草となった二人なら、日本にいる必要などない。
そう思うとまるで子供のようにウキウキと胸が高鳴ってきた。
「……先生?」
「なあ、サムット。いい案があるんだけどさ、聞いてくれるか?」
そうして二ヶ月後。佳紀の暮らしていたマンションは引き払われ全てがなくなった。
真っ白な家具も、カサブランカも。オオゴンテングアゲハの標本も、何もかも無くなった部屋には、大きな窓から日光が燦々と降り注いでいるだけとなった。
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