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番外編
6.
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「……いやだ」
俯きサムットが握ってきた手を振り解こうとするも、強い力で握られているから逃れられない。
「先生、大丈夫。だって、私はDom性も持ち合わせている。支配されるだけのsubとは違う」
そんなことがあるのか。切り替わってしまえばsub一択ではないのか。
佳紀は恐る恐るサムットを見る。まるで子供が親に許しを乞うような表情で。そしてその不安を諭すように優しくサムットは佳紀の耳元で囁いた。
「先生はコマンドで私を支配してください。私は自分を捧げることで先生を、支配する」
subとDomの性を持つSwitchだからこそ、二つの支配を望む。それもまたSwitchとして生きてきたサムットならではの特異な望み。
「僕がコマンドを告げたら、お前は幸せになるのか?」
「はい、幸せです」
人を傷つけてばかりの自分のコマンドで目の前の男は幸せになるのだと言う。
佳紀の胸から熱いものが込み上げてくる。
しばらくしてようやく佳紀は口を開く。
「……じゃあそのSwitchの力とやら、見せてくれ」
***
俊にも使わなかったセーフワードを、サムットに決めさせた。
『嫌い』
なぜその言葉なのかを聞くとそれは佳紀に対して絶対に言わないからだ、と答えた。すると佳紀はふん、と鼻で笑う。
「そう余裕ぶってるのも癪だ。言わせてやるよ」
「セーフワードを言わせるためのプレイだなんて、聞いたことない……ッ」
言葉を塞ぐかのように、佳紀が荒々しくキスをする。初めてのキスなのにまるでもう何度も唇を重ねたパートナーのように、息ができないほどのキスだった。舌を絡めながら長い時間口内を蹂躙され、涎が垂れてもまだ、続けていた。
俯きサムットが握ってきた手を振り解こうとするも、強い力で握られているから逃れられない。
「先生、大丈夫。だって、私はDom性も持ち合わせている。支配されるだけのsubとは違う」
そんなことがあるのか。切り替わってしまえばsub一択ではないのか。
佳紀は恐る恐るサムットを見る。まるで子供が親に許しを乞うような表情で。そしてその不安を諭すように優しくサムットは佳紀の耳元で囁いた。
「先生はコマンドで私を支配してください。私は自分を捧げることで先生を、支配する」
subとDomの性を持つSwitchだからこそ、二つの支配を望む。それもまたSwitchとして生きてきたサムットならではの特異な望み。
「僕がコマンドを告げたら、お前は幸せになるのか?」
「はい、幸せです」
人を傷つけてばかりの自分のコマンドで目の前の男は幸せになるのだと言う。
佳紀の胸から熱いものが込み上げてくる。
しばらくしてようやく佳紀は口を開く。
「……じゃあそのSwitchの力とやら、見せてくれ」
***
俊にも使わなかったセーフワードを、サムットに決めさせた。
『嫌い』
なぜその言葉なのかを聞くとそれは佳紀に対して絶対に言わないからだ、と答えた。すると佳紀はふん、と鼻で笑う。
「そう余裕ぶってるのも癪だ。言わせてやるよ」
「セーフワードを言わせるためのプレイだなんて、聞いたことない……ッ」
言葉を塞ぐかのように、佳紀が荒々しくキスをする。初めてのキスなのにまるでもう何度も唇を重ねたパートナーのように、息ができないほどのキスだった。舌を絡めながら長い時間口内を蹂躙され、涎が垂れてもまだ、続けていた。
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