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番外編
4.
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subを呼べなくなって数週間した頃。
佳紀がベッドに横になっているとノックする音が聞こえた。時計を見ると十七時すぎ。
いつから眠ったのか、起きたのかもうぼんやりとしていて覚えていない。
「先生入りますよ」
佳紀の返事を待たずにサムットが部屋に入る。気だるそうにしていると、サムットがベッドに腰掛けてきた。
「大丈夫……ではなさそうですね」
「ああ」
ベッドに腰掛けて、佳紀の前髪に触れるサムット。抗うのも面倒くさくてそのまま触れさせる。少し冷たい指がするりと頬まで落ちてくる。
微熱があるのか、その冷たさが心地よかった。
何故サムットがこんなに触れてくるのか疑問に思ったが、今はこのままでいい、と考えることをやめた。
いつぶりだろうか。優しく人に触れてもらったのは。いつもプレイ相手に気まぐれに優しく触れることはあっても、その逆は皆無だった。
(こんなにも気持ちいいものだっけ)
目を閉じ、しばらく静かな時間が流れていく。久しぶりに感じた、心の安らぎのような感覚。
そして数分ほど経過し、佳紀が小さくくしゃみをするとサムットがふんわりと布団をかけようと手を離す。離れていったその感触に、残念がっているとサムットが口を開いた。
「先生、いつまでsubを『買う』んですか」
唐突な質問に、佳紀は眉を潜める。そして起き上がると座っているサムットと目線が同じ高さになった。さっきまでの静かな時間は余韻もなく消えた。
「さあ」
「……私が相手になりましょうか」
「お前subじゃないだろ。normal相手にコマンドを出したって改善されねえんだよ」
少し荒い言葉になってしまったのは、軽々しく申し出をしてきたサムットに苛立ったからだ。しかしサムットは怯むことなくポツリと呟いた。
「私はnormalではありません。……Switchです」
その言葉に佳紀は思わず目を見開いた。
佳紀がベッドに横になっているとノックする音が聞こえた。時計を見ると十七時すぎ。
いつから眠ったのか、起きたのかもうぼんやりとしていて覚えていない。
「先生入りますよ」
佳紀の返事を待たずにサムットが部屋に入る。気だるそうにしていると、サムットがベッドに腰掛けてきた。
「大丈夫……ではなさそうですね」
「ああ」
ベッドに腰掛けて、佳紀の前髪に触れるサムット。抗うのも面倒くさくてそのまま触れさせる。少し冷たい指がするりと頬まで落ちてくる。
微熱があるのか、その冷たさが心地よかった。
何故サムットがこんなに触れてくるのか疑問に思ったが、今はこのままでいい、と考えることをやめた。
いつぶりだろうか。優しく人に触れてもらったのは。いつもプレイ相手に気まぐれに優しく触れることはあっても、その逆は皆無だった。
(こんなにも気持ちいいものだっけ)
目を閉じ、しばらく静かな時間が流れていく。久しぶりに感じた、心の安らぎのような感覚。
そして数分ほど経過し、佳紀が小さくくしゃみをするとサムットがふんわりと布団をかけようと手を離す。離れていったその感触に、残念がっているとサムットが口を開いた。
「先生、いつまでsubを『買う』んですか」
唐突な質問に、佳紀は眉を潜める。そして起き上がると座っているサムットと目線が同じ高さになった。さっきまでの静かな時間は余韻もなく消えた。
「さあ」
「……私が相手になりましょうか」
「お前subじゃないだろ。normal相手にコマンドを出したって改善されねえんだよ」
少し荒い言葉になってしまったのは、軽々しく申し出をしてきたサムットに苛立ったからだ。しかしサムットは怯むことなくポツリと呟いた。
「私はnormalではありません。……Switchです」
その言葉に佳紀は思わず目を見開いた。
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