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7、七色の蝶
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明彦と拓也が【ロジウラ】をあとにして、店内には岡と二人きりだ。
岡にたくさん話したいことがあるのに、何故か口にすることができない。
そして岡もまた、何も言わなくて静かな時間だけが流れていく。
(何か喋らないと)
気があせれば焦るほど、何を言えばいいかわからない。
今まで岡とどんな話をしていたっけと俊が考え込んでいると、岡の方から口を開いた。
「モッキンバードのカクテル言葉、知ってる?『似たもの同士』なんだよ。私たちみたいだね、お互いたくさん言いたいことがあるのに、喋れない」
そう言うと、岡は最後の一口を飲み干した。何もかも見透かされている岡に俊は笑う。
「うん。似たもの同士ですね。……岡さん、このあと俺の家に来ませんか?」
「でも、拓也さんが」
「一人暮らしをしているんです。狭いけどよかったら」
その言葉に岡は目を瞬く。
「じゃあ、寄らせてもらよ。安田くん、色々頑張ってるんだね」
その優しい声に胸が詰まる。
岡に褒められることが俊にとってこの上ない幸せなのだ。
「……俺、頑張ってるんです」
そう俊は笑って答えたが、瞳からは涙が流れ落ちた。
「だから、岡さんに早く会いたかった。頑張ってるんだよって、報告したかったのに、全然連絡できなくて……っ」
必死に話す俊の手を岡がすっと握る。
「よく頑張ったね、おいで」
真っ赤な目をした俊がカウンターから出てくるとその体を抱きしめ、頬を両手で包むと唇を重ねてきた。
俊もまた岡の体を抱きしめてその甘いキスを堪能する。
一度唇を離し、二人は見つめ合うとまた貪るようにキスを続けた。お互いの舌を絡め、求め合う。
「ん……ぅ」
蕩けそうなキスにだんだんと熱くなっていく身体。
長い情熱的なキスをやめると、俊は名残惜しそうに岡を見つめた。
「参ったな、そんな顔されたら我慢できないよ」
体を密着したまま、岡は下半身を押し付ける。
俊は硬くなっているそれを感じて顔を赤らめたと同時にドクドクと鼓動が早くなる。
色んな話をゆっくりしたいけど、それより先に触れて欲しい。繋がりたい。……命令されたい。
「岡さん……俺……」
「何?」
耳元で囁く岡。
少し微笑んでいるのは彼もまたスイッチが入ったのかもしれない。
俊を支配したいと。
「言わなきゃ、分からないよ?ねぇ、安田くん。say」
ビクッと体が震えて俊はゆっくりと言葉に出す。
「命令して下さい。俺を……あなたのものにして」
「good boy。ああでも一つだけ、間違ってるね。君はものじゃない。私の大切なパートナーだ」
頭を撫でられ、俊は幸福感に包まれる。
まるで猫のように頭を岡に擦り付けながらその頬にキスをした。
「ここで? ママに怒られないかな」
「大丈夫、拓也さんとここでシてるの、みたことあるから」
それを聞くと岡はクスッと笑う。
「じゃあStrip」
すると俊はゆっくり離れて、ベストから脱ぎ始める。
ベストにつけてあった蝶のピンブローチに気づくと岡は嬉しそうに微笑む。
「ピンブローチもつけてくれてたんだ」
「岡さんがそばにいてくれる気がして」
体が顕になりボクサーパンツだけとなったとき、少し躊躇う俊。
すると岡は近寄ってボクサーパンツを思い切り下にずらした。
「ひ……」
「恥ずかしがらないで」
外に放たれたそれを岡はぎゅっと握る。
「君が私を待たせたお仕置きと、君が頑張って連絡くれたご褒美をあげないとね」
『サブスペース』というものがあるんだと、拓也に以前聞いたことがあった。
SubがDomの完全支配下に入って、多幸感のあまり酒に酔ったように体と気持ちがふわふわするような現象だと拓也は言った。
俊はそんな体験をしてなかったし、拓也もまた数えるくらいしか体験していないという。
『いつか俊も体験できたらいいね』
ベッドに腰掛けながら、拓也が笑っていたのを俊は思い出す。
いま、まさにそんな体験をしようとしているのではないかと俊は岡に抱かれながら感じていた。
岡にたくさん話したいことがあるのに、何故か口にすることができない。
そして岡もまた、何も言わなくて静かな時間だけが流れていく。
(何か喋らないと)
気があせれば焦るほど、何を言えばいいかわからない。
今まで岡とどんな話をしていたっけと俊が考え込んでいると、岡の方から口を開いた。
「モッキンバードのカクテル言葉、知ってる?『似たもの同士』なんだよ。私たちみたいだね、お互いたくさん言いたいことがあるのに、喋れない」
そう言うと、岡は最後の一口を飲み干した。何もかも見透かされている岡に俊は笑う。
「うん。似たもの同士ですね。……岡さん、このあと俺の家に来ませんか?」
「でも、拓也さんが」
「一人暮らしをしているんです。狭いけどよかったら」
その言葉に岡は目を瞬く。
「じゃあ、寄らせてもらよ。安田くん、色々頑張ってるんだね」
その優しい声に胸が詰まる。
岡に褒められることが俊にとってこの上ない幸せなのだ。
「……俺、頑張ってるんです」
そう俊は笑って答えたが、瞳からは涙が流れ落ちた。
「だから、岡さんに早く会いたかった。頑張ってるんだよって、報告したかったのに、全然連絡できなくて……っ」
必死に話す俊の手を岡がすっと握る。
「よく頑張ったね、おいで」
真っ赤な目をした俊がカウンターから出てくるとその体を抱きしめ、頬を両手で包むと唇を重ねてきた。
俊もまた岡の体を抱きしめてその甘いキスを堪能する。
一度唇を離し、二人は見つめ合うとまた貪るようにキスを続けた。お互いの舌を絡め、求め合う。
「ん……ぅ」
蕩けそうなキスにだんだんと熱くなっていく身体。
長い情熱的なキスをやめると、俊は名残惜しそうに岡を見つめた。
「参ったな、そんな顔されたら我慢できないよ」
体を密着したまま、岡は下半身を押し付ける。
俊は硬くなっているそれを感じて顔を赤らめたと同時にドクドクと鼓動が早くなる。
色んな話をゆっくりしたいけど、それより先に触れて欲しい。繋がりたい。……命令されたい。
「岡さん……俺……」
「何?」
耳元で囁く岡。
少し微笑んでいるのは彼もまたスイッチが入ったのかもしれない。
俊を支配したいと。
「言わなきゃ、分からないよ?ねぇ、安田くん。say」
ビクッと体が震えて俊はゆっくりと言葉に出す。
「命令して下さい。俺を……あなたのものにして」
「good boy。ああでも一つだけ、間違ってるね。君はものじゃない。私の大切なパートナーだ」
頭を撫でられ、俊は幸福感に包まれる。
まるで猫のように頭を岡に擦り付けながらその頬にキスをした。
「ここで? ママに怒られないかな」
「大丈夫、拓也さんとここでシてるの、みたことあるから」
それを聞くと岡はクスッと笑う。
「じゃあStrip」
すると俊はゆっくり離れて、ベストから脱ぎ始める。
ベストにつけてあった蝶のピンブローチに気づくと岡は嬉しそうに微笑む。
「ピンブローチもつけてくれてたんだ」
「岡さんがそばにいてくれる気がして」
体が顕になりボクサーパンツだけとなったとき、少し躊躇う俊。
すると岡は近寄ってボクサーパンツを思い切り下にずらした。
「ひ……」
「恥ずかしがらないで」
外に放たれたそれを岡はぎゅっと握る。
「君が私を待たせたお仕置きと、君が頑張って連絡くれたご褒美をあげないとね」
『サブスペース』というものがあるんだと、拓也に以前聞いたことがあった。
SubがDomの完全支配下に入って、多幸感のあまり酒に酔ったように体と気持ちがふわふわするような現象だと拓也は言った。
俊はそんな体験をしてなかったし、拓也もまた数えるくらいしか体験していないという。
『いつか俊も体験できたらいいね』
ベッドに腰掛けながら、拓也が笑っていたのを俊は思い出す。
いま、まさにそんな体験をしようとしているのではないかと俊は岡に抱かれながら感じていた。
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