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第四話 夏越の祓
12.お誘い
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まだ話していたかったけれど、私はおやすみなさいを言おうとした。シたい気持ちはちょっとはあるけど、私はそれほど消耗しなかったし怪我もしてない。だから今夜は大丈夫だってお風呂の前に伝えてある。慎也さんの方がずっと疲れてるだろうから早く休んでもらいたい。なのに、
「一緒に寝ては駄目でしょうか?」
へ?? 慎也さんからのお誘いに動揺しまくりながら言葉の意味を考える。それは、召し上がっちゃってくださいってことでしょうか、それとも文字通りこてんと一緒に眠ろうってだけ?
固まる私に膝を詰めて慎也さんは小声になった。
「その気になってしまいました」
うわぁ、恥ずかしい。顔を覆いたくなるのをかろうじて堪えたものの、かああっと頬が熱くなるのは止められない。なんだこれ。私ってばこっちからぐいぐいいくのは平気なのに、慎也さんからアプローチされるとなるとめちゃくちゃ照れる。恥ずかしいぃ。
「いいですか?」
そんな迫られたらこっちが我慢できません。思わず結局、私から慎也さんを押し倒してしまった。
頬を寄せた首筋からお湯とせっけんの香り。大好きな慎也さんの肌の匂い。一気に手のひらが熱くなってからだ全体が火照る。やせ我慢したのが間違いでした。やっぱり私も欲しい。
いったん起き上がって威勢よくTシャツを脱ぐ。あ、電気。胸を露わにしてしまってから気付いたけどまあ、いいか。
「たまには明るいのもイイですよね」
二回出してもらって満足して枕に頬を埋めて、そのときになって、あれ、いつ電気消したっけ、なんてまた今更思った。
手を伸ばしてまだ汗ばんだ肌の感触を確かめる。一緒に寝ようって言ってくれたのだから朝まで横にいてくれるのだよな。
「正式に顔を合わせた日に、尋ねたことを覚えてますか?」
すぐ隣で向かい合った慎也さんの瞳がすごく近い。私はじっとその目を見つめ返した。
「なんでしたっけ?」
「なぜ、わたしを選んだのですか、と」
少しだけ目を伏せて、慎也さんはすぐにまた私と目と目を合わせた。
「十和子さんははぐらかして答えてくれませんでした」
「そうでしたっけ」
今度は私の方がまぶたを伏せてしまう。
「今なら教えてくれますか?」
「まだ内緒です」
ズルいやり口だけど抱き着きながらごまかした。一目惚れしたからって伝えるのは簡単だけど、そんな理由じゃいけない気がして。
「一緒に寝ては駄目でしょうか?」
へ?? 慎也さんからのお誘いに動揺しまくりながら言葉の意味を考える。それは、召し上がっちゃってくださいってことでしょうか、それとも文字通りこてんと一緒に眠ろうってだけ?
固まる私に膝を詰めて慎也さんは小声になった。
「その気になってしまいました」
うわぁ、恥ずかしい。顔を覆いたくなるのをかろうじて堪えたものの、かああっと頬が熱くなるのは止められない。なんだこれ。私ってばこっちからぐいぐいいくのは平気なのに、慎也さんからアプローチされるとなるとめちゃくちゃ照れる。恥ずかしいぃ。
「いいですか?」
そんな迫られたらこっちが我慢できません。思わず結局、私から慎也さんを押し倒してしまった。
頬を寄せた首筋からお湯とせっけんの香り。大好きな慎也さんの肌の匂い。一気に手のひらが熱くなってからだ全体が火照る。やせ我慢したのが間違いでした。やっぱり私も欲しい。
いったん起き上がって威勢よくTシャツを脱ぐ。あ、電気。胸を露わにしてしまってから気付いたけどまあ、いいか。
「たまには明るいのもイイですよね」
二回出してもらって満足して枕に頬を埋めて、そのときになって、あれ、いつ電気消したっけ、なんてまた今更思った。
手を伸ばしてまだ汗ばんだ肌の感触を確かめる。一緒に寝ようって言ってくれたのだから朝まで横にいてくれるのだよな。
「正式に顔を合わせた日に、尋ねたことを覚えてますか?」
すぐ隣で向かい合った慎也さんの瞳がすごく近い。私はじっとその目を見つめ返した。
「なんでしたっけ?」
「なぜ、わたしを選んだのですか、と」
少しだけ目を伏せて、慎也さんはすぐにまた私と目と目を合わせた。
「十和子さんははぐらかして答えてくれませんでした」
「そうでしたっけ」
今度は私の方がまぶたを伏せてしまう。
「今なら教えてくれますか?」
「まだ内緒です」
ズルいやり口だけど抱き着きながらごまかした。一目惚れしたからって伝えるのは簡単だけど、そんな理由じゃいけない気がして。
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