23 / 45
第四章 洞窟の中には
火の用心
しおりを挟む
綱を渡りきった姉妹は洞窟の前に居た。
洞窟の中は太陽の光が差し込まないからとても暗く、先の様子が全く見えなくなっている。これでは洞窟の中に入ったところでロクに歩くことは出来ないし、道に迷ってしまう可能性だってある。
どうしたものかと首を傾げていると、洞窟の入口にとある物が置いてあるのに気が付いた。
「ねえねえナナ、これなんだろう」
そう言ってルルが指さした物は、入口の横に備え付けられた大きな木の棒だった。その大きな木の棒は全部で五本あり、それらは洞窟の入口に紐でくくり付けられていた。
二人でそれに近づいてみると、棒の先には布のような物がグルグルと巻かれている。
「あ、お姉ちゃんこれたいまつだよ!」
「たいまつ?」
あまりピンと来ない名前だ。
何故ナナはこんなにも色々な知識があるのだろう。多分、魔女さんの家にある本を読み漁っているからに違いない。
こんな所で姉妹の差が出てくるとは……私ももっと本を読もうと誓ったルルなのであった。
「そうそう、試しに木の棒に付いてる布の匂い嗅いでみて」
「え、いいけど」
ルルはそう言って布に顔を近づけて匂いを嗅いでみた。
すると、鼻をツンと刺激して思わず咳き込んでしまうような匂いがしたのだ。
「けほっけほっ……なにこれぇ……すごく臭い」
顔を離すなり涙目になってしまったルルを、ナナは満足そうな表情で見ている。
「やっぱり……その匂いの正体は油だよ」
「油? 油ってお料理に使うやつだよね?」
「そうそう、油はよく燃えるからね」
そのナナの一言で、ルルはこの『たいまつ』という物の正体が分かった。
「そっか! この布に火を着けて洞窟を照らすんだ!」
ルルが手をポンと叩いて言うと、ナナは顎をコクコクとさせた。
「そうそう、だからこれを使えば暗い洞窟の中も歩けるって事だと思う」
「へー! やったあ! ……でも火はどうするの?」
ルルが頭の上にクエスチョンマークを浮かべると、ナナまでも首を傾げた。
「お姉ちゃんなら出来るでしょ?」
「え、なにが?」
「火の魔法使えるじゃん。あれ使えば良いんだよ」
完全に盲点だった。火を着けると言ったらライターやマッチのような物しか頭に浮かばず、火の魔法はどちらかと言うと攻撃に使う魔法だと思っていた。なのでこんな使い方も出来るのだなあと、しみじみと思うルルなのであった。
「その手があったね!」
「もー、しっかりしてよお」
ナナは呆れ顔を浮かべているが、ルルはたいまつに夢中になっていて、全くそれに気が付いていないようだ。
ルルは胸の前に手を突き出すと、久しぶりに魔法が使える嬉しさから頬を緩めている。
「ナナ! たいまつ取って!」
ルルの両手は魔法で塞がっているので、ナナにたいまつを持ってもらうしかない。
ナナは言う通りにたいまつを一本だけ手に取り、ルルの目の前にたいまつを差し出した。
「たいまつの位置これくらいでいい?」
「うん! それくらいで大丈夫!」
ルルが元気よく返事を返したと同時に、その手に火が灯った。
「よーし、もう少し待っててね、火力を少しだけ強めるから」
「え、いいよそれくらいで」
しかしナナの言うことなど聞こえていないルルは、どんどんと火を強めていく。みるみる内に顔程の大きさになった火の玉は、ナナを嫌な予感に誘うのだった。
「よーし! 出来た!」
「お姉ちゃん……もう少し火の強さ弱めようよぉ……」
「大丈夫大丈夫!」
ルルがそう言ってみせたその時――。顔程の大きさはある火がルルの手から離れ、たいまつを半分程燃やすようにして放たれた。
瞬時に危険を察知したナナはたいまつから手を離すと、一瞬にしてたいまつが焼け焦げて灰になったのだ。
「もう! 危ないよお姉ちゃん!」
「ご、ごめんごめん! ちょっと集中が途切れちゃって」
「えへへ」と全く反省していない表情のルルを、ナナは恨めしそうに睨みつけている。
ルルはその視線に気がつくと、バツが悪そうな表情を浮かべながら視線を逸らした。
「いやあ……次は絶対になんとかするので……」
「何とかするので?」
口をモゴモゴとさせるルルに、まるで親のような態度を示すナナ。今のルルには、姉としての尊厳が消え失せてしまいそうな気持ちになっていた。
「またたいまつを持ってて下さい! 次は小さい火にするので!」
深々と頭を下げるルル。
数秒程そのままで居ると、頭上からナナのため息が零れた。
「もう、分かったよ。次は大きくしちゃダメだからね」
「ありがとうございます!」
頭を下げたまま大声を上げたルルに対し、ナナはそそくさとたいまつを取りに行った。
そんなナナの様子を、顔を上げたルルは少しだけ寂しい気持ちになりながら眺めていた。
「なに、その顔」
たいまつを手に持ち戻ってきたナナ。
「いや、ずっと頭下げてたのツッコんで欲しかったなあって……」
「なにそれ、そんなのいいから早く火着けようよ」
「あ、はい」
これ以上は自分の心に甚大な被害が出てしまうと考えたので、ナナの言うことに従うことにした。ルルはもう一度胸の前に手を突き出すと、すぐに小さな火を灯した。
「これくらいでいい?」
「うん、そのままで居て」
ナナはそう言うと、たいまつにマッチ程の火を近づけた。ゆらゆらと揺れる火を消さないようにと、ルルは真剣な表情を浮かべながら、頭で魔法陣を描き続ける。
たいまつの布に火が燃え移り、ナナは「もう大丈夫だよ」と合図をすると、ルルの手の前から火がプツリと消えた。
「ふぅ、無事に火着いたね」
ルルが息を整えていると、ナナは何か言いたい顔を浮かべていた。
「えっと……どうしたんでしょう……」
ルルがそう尋ねると、ナナはずいっとたいまつを突きつけて来た。
「これ、重い」
その言葉が示しているのは、『持って』という意味だろう。ここまで着いてきてくれたナナには感謝の気持ちしかないので、快くたいまつを受け取った。
「ありがと」
その感謝の言葉がナナの口から聞けただけでも大満足だ。
そう思ったルルは清々しい気持ちになりながら、たいまつを持っていない方の手でナナの手を掴むと、姉妹は足並みを揃えるようにして洞窟の中へと足を踏み入れたのだった。
洞窟の中は太陽の光が差し込まないからとても暗く、先の様子が全く見えなくなっている。これでは洞窟の中に入ったところでロクに歩くことは出来ないし、道に迷ってしまう可能性だってある。
どうしたものかと首を傾げていると、洞窟の入口にとある物が置いてあるのに気が付いた。
「ねえねえナナ、これなんだろう」
そう言ってルルが指さした物は、入口の横に備え付けられた大きな木の棒だった。その大きな木の棒は全部で五本あり、それらは洞窟の入口に紐でくくり付けられていた。
二人でそれに近づいてみると、棒の先には布のような物がグルグルと巻かれている。
「あ、お姉ちゃんこれたいまつだよ!」
「たいまつ?」
あまりピンと来ない名前だ。
何故ナナはこんなにも色々な知識があるのだろう。多分、魔女さんの家にある本を読み漁っているからに違いない。
こんな所で姉妹の差が出てくるとは……私ももっと本を読もうと誓ったルルなのであった。
「そうそう、試しに木の棒に付いてる布の匂い嗅いでみて」
「え、いいけど」
ルルはそう言って布に顔を近づけて匂いを嗅いでみた。
すると、鼻をツンと刺激して思わず咳き込んでしまうような匂いがしたのだ。
「けほっけほっ……なにこれぇ……すごく臭い」
顔を離すなり涙目になってしまったルルを、ナナは満足そうな表情で見ている。
「やっぱり……その匂いの正体は油だよ」
「油? 油ってお料理に使うやつだよね?」
「そうそう、油はよく燃えるからね」
そのナナの一言で、ルルはこの『たいまつ』という物の正体が分かった。
「そっか! この布に火を着けて洞窟を照らすんだ!」
ルルが手をポンと叩いて言うと、ナナは顎をコクコクとさせた。
「そうそう、だからこれを使えば暗い洞窟の中も歩けるって事だと思う」
「へー! やったあ! ……でも火はどうするの?」
ルルが頭の上にクエスチョンマークを浮かべると、ナナまでも首を傾げた。
「お姉ちゃんなら出来るでしょ?」
「え、なにが?」
「火の魔法使えるじゃん。あれ使えば良いんだよ」
完全に盲点だった。火を着けると言ったらライターやマッチのような物しか頭に浮かばず、火の魔法はどちらかと言うと攻撃に使う魔法だと思っていた。なのでこんな使い方も出来るのだなあと、しみじみと思うルルなのであった。
「その手があったね!」
「もー、しっかりしてよお」
ナナは呆れ顔を浮かべているが、ルルはたいまつに夢中になっていて、全くそれに気が付いていないようだ。
ルルは胸の前に手を突き出すと、久しぶりに魔法が使える嬉しさから頬を緩めている。
「ナナ! たいまつ取って!」
ルルの両手は魔法で塞がっているので、ナナにたいまつを持ってもらうしかない。
ナナは言う通りにたいまつを一本だけ手に取り、ルルの目の前にたいまつを差し出した。
「たいまつの位置これくらいでいい?」
「うん! それくらいで大丈夫!」
ルルが元気よく返事を返したと同時に、その手に火が灯った。
「よーし、もう少し待っててね、火力を少しだけ強めるから」
「え、いいよそれくらいで」
しかしナナの言うことなど聞こえていないルルは、どんどんと火を強めていく。みるみる内に顔程の大きさになった火の玉は、ナナを嫌な予感に誘うのだった。
「よーし! 出来た!」
「お姉ちゃん……もう少し火の強さ弱めようよぉ……」
「大丈夫大丈夫!」
ルルがそう言ってみせたその時――。顔程の大きさはある火がルルの手から離れ、たいまつを半分程燃やすようにして放たれた。
瞬時に危険を察知したナナはたいまつから手を離すと、一瞬にしてたいまつが焼け焦げて灰になったのだ。
「もう! 危ないよお姉ちゃん!」
「ご、ごめんごめん! ちょっと集中が途切れちゃって」
「えへへ」と全く反省していない表情のルルを、ナナは恨めしそうに睨みつけている。
ルルはその視線に気がつくと、バツが悪そうな表情を浮かべながら視線を逸らした。
「いやあ……次は絶対になんとかするので……」
「何とかするので?」
口をモゴモゴとさせるルルに、まるで親のような態度を示すナナ。今のルルには、姉としての尊厳が消え失せてしまいそうな気持ちになっていた。
「またたいまつを持ってて下さい! 次は小さい火にするので!」
深々と頭を下げるルル。
数秒程そのままで居ると、頭上からナナのため息が零れた。
「もう、分かったよ。次は大きくしちゃダメだからね」
「ありがとうございます!」
頭を下げたまま大声を上げたルルに対し、ナナはそそくさとたいまつを取りに行った。
そんなナナの様子を、顔を上げたルルは少しだけ寂しい気持ちになりながら眺めていた。
「なに、その顔」
たいまつを手に持ち戻ってきたナナ。
「いや、ずっと頭下げてたのツッコんで欲しかったなあって……」
「なにそれ、そんなのいいから早く火着けようよ」
「あ、はい」
これ以上は自分の心に甚大な被害が出てしまうと考えたので、ナナの言うことに従うことにした。ルルはもう一度胸の前に手を突き出すと、すぐに小さな火を灯した。
「これくらいでいい?」
「うん、そのままで居て」
ナナはそう言うと、たいまつにマッチ程の火を近づけた。ゆらゆらと揺れる火を消さないようにと、ルルは真剣な表情を浮かべながら、頭で魔法陣を描き続ける。
たいまつの布に火が燃え移り、ナナは「もう大丈夫だよ」と合図をすると、ルルの手の前から火がプツリと消えた。
「ふぅ、無事に火着いたね」
ルルが息を整えていると、ナナは何か言いたい顔を浮かべていた。
「えっと……どうしたんでしょう……」
ルルがそう尋ねると、ナナはずいっとたいまつを突きつけて来た。
「これ、重い」
その言葉が示しているのは、『持って』という意味だろう。ここまで着いてきてくれたナナには感謝の気持ちしかないので、快くたいまつを受け取った。
「ありがと」
その感謝の言葉がナナの口から聞けただけでも大満足だ。
そう思ったルルは清々しい気持ちになりながら、たいまつを持っていない方の手でナナの手を掴むと、姉妹は足並みを揃えるようにして洞窟の中へと足を踏み入れたのだった。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説

こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
児童書・童話
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
【完結】アシュリンと魔法の絵本
秋月一花
児童書・童話
田舎でくらしていたアシュリンは、家の掃除の手伝いをしている最中、なにかに呼ばれた気がして、使い魔の黒猫ノワールと一緒に地下へ向かう。
地下にはいろいろなものが置いてあり、アシュリンのもとにビュンっとなにかが飛んできた。
ぶつかることはなく、おそるおそる目を開けるとそこには本がぷかぷかと浮いていた。
「ほ、本がかってにうごいてるー!」
『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』
と、アシュリンを旅に誘う。
どういうこと? とノワールに聞くと「説明するから、家族のもとにいこうか」と彼女をリビングにつれていった。
魔法の絵本を手に入れたアシュリンは、フォーサイス家の掟で旅立つことに。
アシュリンの夢と希望の冒険が、いま始まる!
※ほのぼの~ほんわかしたファンタジーです。
※この小説は7万字完結予定の中編です。
※表紙はあさぎ かな先生にいただいたファンアートです。
Sadness of the attendant
砂詠 飛来
児童書・童話
王子がまだ生熟れであるように、姫もまだまだ小娘でありました。
醜いカエルの姿に変えられてしまった王子を嘆く従者ハインリヒ。彼の強い憎しみの先に居たのは、王子を救ってくれた姫だった。
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる