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第6章 新しい物語
罪の十字架・2
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二人が目を覚ましたという報せは、天界中に瞬く間に広がった。中でも毎日様子を見に来ていたルーヴァは誰よりも早く吉報を耳にし、二人と感動の再会を果たしていた。
しかしその喜びもそこそこに、シェリルはルーヴァから笑顔で絶対安静を言い渡された。シェリル自身に疲れている自覚はなかったが、よく考えてみれば体は一度死んでいるのだ。ここはルーヴァの言う通りにした方がいいと、シェリルは暫くの間月の宮殿にて休養する事になった。
「無理しないで今はゆっくり休む事が先決ですよ」
「帰る時にはいつも同じ事言うのね。もう五回目よ」
いつものように診察を終えて帰ろうとしていたルーヴァをベッドの上で見送りながら、シェリルがそう言っておかしそうに笑った。
「あと五回言わないうちに元気になればいいんですけどね」
「まだ五日も安静にしてなくちゃいけないの?」
明らかに不満たらたらの声で返事をして、シェリルが大きな溜息をついた。その様子にルーヴァがくすりと笑みを浮かべる。
「安静というか、無理をしなければいいんですよ。気分転換に宮殿の中庭を散歩するくらいは許可しましょう」
その言葉に喜ぶシェリルを見ながら、ルーヴァも自然と柔らかい微笑みを浮かべて小さく頷いた。もう一度こうしてシェリルと話せるなんて、まさに夢のようだ。シェリルを見ているだけで、ルーヴァは二人が起こした奇跡に心までもを震わせる。
人と天使。種族は違えど絆の深さは誰にも負けない。この二人ならば或いは……。
考えて、思考をそこで止める。更なる奇跡を願って止まないが、それを決めるのはルーヴァではない。
「それじゃあシェリル。また明日伺います」
軽く頭を下げて荷物を手に取ると、ルーヴァはそのままシェリルの部屋を後にした。静かに扉を閉めて部屋を出たルーヴァを待っていたように、廊下に佇んでいたカインが早足に近付いてくる。
「調子はどうだ?」
「あぁ、カイン。別に心配する事は何もありません」
先ほど閉めた扉の方を見ながら、ルーヴァが穏やかに言って微笑んだ。
「極度の寝不足なので寝溜めしているところ……とでも言えば分かりやすいですか?」
「何だ、その例え……」
「どっちにしろ体力も大分戻ってきてますし、後数日で元通りになるでしょうね。……カイン、少し歩きませんか? 貴方が戻ってきてからゆっくり話す機会もありませんでしたし」
「あぁ、……そうだな」
少し低い声で言って前髪をくしゃりとかき上げたカインを見て、ルーヴァは敏感に「何か」を感じ取る。意識的にシェリルの部屋を避けて歩き出したカインについていきながら、ルーヴァはさっき感じた「何か」を心の中で確信した。
言葉少なに二人がやって来た場所は、月の宮殿の屋上だった。天界全土を覆う結界の核であった水晶は、今はその役目を終え石畳の上に転がったままになっている。それを持ち上げて表面に走る亀裂を指でなぞりながら、カインは歪んで映る自分の虚像をじっと見つめていた。
「何か、言いたい事でもあるんじゃないですか?」
そう話を切り出してきたルーヴァへ目を向けて、カインが何か言おうと口を開いた。けれど唇から音は漏れず、カインは再度不安げな視線を手元の水晶へ落とす。水晶球はカインの手の中で風化するようにさらさらと崩れ、風に流されていった。
「――皆、優しいんだな」
風に舞い、空に消えていく水晶の欠片を目で追いながら、カインは小さな声で呟いた。
「俺は多くの命を奪った。例えそれがルシエルの意識下の出来事だったとしても、俺の罪に違いはない。……なのにどうして」
「どうして皆が罪を許すのかと、そう言いたいんですか?」
カインの言葉を遮って口を開いたルーヴァが、溜息と同時に首を横に振って先を続ける。
「何を言いたいのか大体理解できますよ。自分の罪は許されるべきではなく、ましてや幸せに浸るなど以ての外だと」
思っていた事を見事に言い当てられ、カインは何も言えないままルーヴァの言葉を自分の中で繰り返す。
天地大戦の時も今回の戦いでも、カインは己の意思とは反対に多くの天使たちを殺した。許されるべきではない罪を犯した事はよく分かっていた。自分は罰せられるべきだと。
しかし戻った天界で、彼を責める者はひとりもいなかった。彼に優しい現実は素直に嬉しくもあったが、同時に不安でもあったのだ。誰も自分を責めない。犯した罪を咎めない。
己の罪すら背負えないほど自分は弱いのだろうかと、疑問だけが生まれてくる。このまま甘い優しさに溺れてしまってもいいのだろうかと。
「俺は罰せられるべきだ」
一言だけ口にして俯いたカインの耳に、ルーヴァの重い溜息が届いた。
「恨まれたいんですか?」
その声音はいつになく冷たく、沈んでいくカインの心に鋭い針のように突き刺さる。僅かな胸の痛みに眉を顰めて顔を上げたその先で、真剣な表情を浮かべたルーヴァがカインを真っ直ぐに見つめていた。漂う雰囲気にいつもの穏やかさはまったくない。
「確かに天使たちの中には、貴方に対してやりきれない怒りを抱えている者も少なくありません。けれど誰かを憎んで解決するような簡単な問題ではないでしょう? 憎しみに身を任せる事がどういう結果を招くのか、貴方が一番よく知っているはずです。それを私たち天使も学んだ。……だから、カイン。貴方ももう前に進むべきではないんですか?」
「……前に?」
「えぇ。貴方は私たちが想像も出来ないほどの苦しみを背負ってきた。けれど、もうその荷物を下ろしてもいいと思いますよ」
そう言ってカインの隣まで歩を進めると、ルーヴァはいつも通りの穏やかな笑みを浮かべながらカインの背中をばしんっと手加減なしに引っぱたいた。
「らしくないですよ、カイン。……貴方は罰を受ける為に戻ってきたわけではないでしょう? 一番大事な事を忘れてどうするんですか」
心の奥を見透かすようにカインをじっと見つめ、ルーヴァが確信めいた口調できっぱりと言い切った。
何の為に戻って来たのかと言われ、カインがはっと顔を上げる。捨て去ったはずの孤独を呼び戻し、死ぬか狂うかの曖昧な境界線に佇んでいた自分が再びこの世界に戻って来れたのはなぜか。なぜ戻ろうと思ったのか。
答えはただひとつ。シェリルと共に生きたいと願ったから。
一番大切な思いを押し殺していた事に気付き、カインは自分を恥じるようにルーヴァから目を逸らして唇を噛み締めた。
「もう私の言葉は必要ありませんね」
カインの様子を見て優しく言ったルーヴァが、一度ゆっくりと目を閉じて背中からばさりと二枚の翼を羽ばたかせた。
「ルーヴァ……」
「仕事が残っているので、私はここで失礼します」
にこりと笑ってそのまま空を飛んで行こうとしたルーヴァだったが、途中で何かに気付いたらしくふっとカインを振り返った。
「そうそう、言い忘れてましたけど……貴方がどんな選択をしようと、私はそれを応援しますよ。一応、戦友ですしね」
最後の方は冗談っぽく笑いながら口にして、ルーヴァは淡く微笑むカインに軽く頭を下げてから街の方へと飛んで行った。
空を飛んで行く友の姿を黙って見送りながら、カインはさっきルーヴァと交した幾つもの言葉を心の中で反芻してみた。そのたびにカインの中に刻まれていく確かな思い。それはカインにとって、ひとつの決意を生み出すきっかけとなる。
深く息を吸い込んで、カインは己の気持ちを入れ替える。そしてくるりと踵を返し、宮殿の中へと戻っていった。
しかしその喜びもそこそこに、シェリルはルーヴァから笑顔で絶対安静を言い渡された。シェリル自身に疲れている自覚はなかったが、よく考えてみれば体は一度死んでいるのだ。ここはルーヴァの言う通りにした方がいいと、シェリルは暫くの間月の宮殿にて休養する事になった。
「無理しないで今はゆっくり休む事が先決ですよ」
「帰る時にはいつも同じ事言うのね。もう五回目よ」
いつものように診察を終えて帰ろうとしていたルーヴァをベッドの上で見送りながら、シェリルがそう言っておかしそうに笑った。
「あと五回言わないうちに元気になればいいんですけどね」
「まだ五日も安静にしてなくちゃいけないの?」
明らかに不満たらたらの声で返事をして、シェリルが大きな溜息をついた。その様子にルーヴァがくすりと笑みを浮かべる。
「安静というか、無理をしなければいいんですよ。気分転換に宮殿の中庭を散歩するくらいは許可しましょう」
その言葉に喜ぶシェリルを見ながら、ルーヴァも自然と柔らかい微笑みを浮かべて小さく頷いた。もう一度こうしてシェリルと話せるなんて、まさに夢のようだ。シェリルを見ているだけで、ルーヴァは二人が起こした奇跡に心までもを震わせる。
人と天使。種族は違えど絆の深さは誰にも負けない。この二人ならば或いは……。
考えて、思考をそこで止める。更なる奇跡を願って止まないが、それを決めるのはルーヴァではない。
「それじゃあシェリル。また明日伺います」
軽く頭を下げて荷物を手に取ると、ルーヴァはそのままシェリルの部屋を後にした。静かに扉を閉めて部屋を出たルーヴァを待っていたように、廊下に佇んでいたカインが早足に近付いてくる。
「調子はどうだ?」
「あぁ、カイン。別に心配する事は何もありません」
先ほど閉めた扉の方を見ながら、ルーヴァが穏やかに言って微笑んだ。
「極度の寝不足なので寝溜めしているところ……とでも言えば分かりやすいですか?」
「何だ、その例え……」
「どっちにしろ体力も大分戻ってきてますし、後数日で元通りになるでしょうね。……カイン、少し歩きませんか? 貴方が戻ってきてからゆっくり話す機会もありませんでしたし」
「あぁ、……そうだな」
少し低い声で言って前髪をくしゃりとかき上げたカインを見て、ルーヴァは敏感に「何か」を感じ取る。意識的にシェリルの部屋を避けて歩き出したカインについていきながら、ルーヴァはさっき感じた「何か」を心の中で確信した。
言葉少なに二人がやって来た場所は、月の宮殿の屋上だった。天界全土を覆う結界の核であった水晶は、今はその役目を終え石畳の上に転がったままになっている。それを持ち上げて表面に走る亀裂を指でなぞりながら、カインは歪んで映る自分の虚像をじっと見つめていた。
「何か、言いたい事でもあるんじゃないですか?」
そう話を切り出してきたルーヴァへ目を向けて、カインが何か言おうと口を開いた。けれど唇から音は漏れず、カインは再度不安げな視線を手元の水晶へ落とす。水晶球はカインの手の中で風化するようにさらさらと崩れ、風に流されていった。
「――皆、優しいんだな」
風に舞い、空に消えていく水晶の欠片を目で追いながら、カインは小さな声で呟いた。
「俺は多くの命を奪った。例えそれがルシエルの意識下の出来事だったとしても、俺の罪に違いはない。……なのにどうして」
「どうして皆が罪を許すのかと、そう言いたいんですか?」
カインの言葉を遮って口を開いたルーヴァが、溜息と同時に首を横に振って先を続ける。
「何を言いたいのか大体理解できますよ。自分の罪は許されるべきではなく、ましてや幸せに浸るなど以ての外だと」
思っていた事を見事に言い当てられ、カインは何も言えないままルーヴァの言葉を自分の中で繰り返す。
天地大戦の時も今回の戦いでも、カインは己の意思とは反対に多くの天使たちを殺した。許されるべきではない罪を犯した事はよく分かっていた。自分は罰せられるべきだと。
しかし戻った天界で、彼を責める者はひとりもいなかった。彼に優しい現実は素直に嬉しくもあったが、同時に不安でもあったのだ。誰も自分を責めない。犯した罪を咎めない。
己の罪すら背負えないほど自分は弱いのだろうかと、疑問だけが生まれてくる。このまま甘い優しさに溺れてしまってもいいのだろうかと。
「俺は罰せられるべきだ」
一言だけ口にして俯いたカインの耳に、ルーヴァの重い溜息が届いた。
「恨まれたいんですか?」
その声音はいつになく冷たく、沈んでいくカインの心に鋭い針のように突き刺さる。僅かな胸の痛みに眉を顰めて顔を上げたその先で、真剣な表情を浮かべたルーヴァがカインを真っ直ぐに見つめていた。漂う雰囲気にいつもの穏やかさはまったくない。
「確かに天使たちの中には、貴方に対してやりきれない怒りを抱えている者も少なくありません。けれど誰かを憎んで解決するような簡単な問題ではないでしょう? 憎しみに身を任せる事がどういう結果を招くのか、貴方が一番よく知っているはずです。それを私たち天使も学んだ。……だから、カイン。貴方ももう前に進むべきではないんですか?」
「……前に?」
「えぇ。貴方は私たちが想像も出来ないほどの苦しみを背負ってきた。けれど、もうその荷物を下ろしてもいいと思いますよ」
そう言ってカインの隣まで歩を進めると、ルーヴァはいつも通りの穏やかな笑みを浮かべながらカインの背中をばしんっと手加減なしに引っぱたいた。
「らしくないですよ、カイン。……貴方は罰を受ける為に戻ってきたわけではないでしょう? 一番大事な事を忘れてどうするんですか」
心の奥を見透かすようにカインをじっと見つめ、ルーヴァが確信めいた口調できっぱりと言い切った。
何の為に戻って来たのかと言われ、カインがはっと顔を上げる。捨て去ったはずの孤独を呼び戻し、死ぬか狂うかの曖昧な境界線に佇んでいた自分が再びこの世界に戻って来れたのはなぜか。なぜ戻ろうと思ったのか。
答えはただひとつ。シェリルと共に生きたいと願ったから。
一番大切な思いを押し殺していた事に気付き、カインは自分を恥じるようにルーヴァから目を逸らして唇を噛み締めた。
「もう私の言葉は必要ありませんね」
カインの様子を見て優しく言ったルーヴァが、一度ゆっくりと目を閉じて背中からばさりと二枚の翼を羽ばたかせた。
「ルーヴァ……」
「仕事が残っているので、私はここで失礼します」
にこりと笑ってそのまま空を飛んで行こうとしたルーヴァだったが、途中で何かに気付いたらしくふっとカインを振り返った。
「そうそう、言い忘れてましたけど……貴方がどんな選択をしようと、私はそれを応援しますよ。一応、戦友ですしね」
最後の方は冗談っぽく笑いながら口にして、ルーヴァは淡く微笑むカインに軽く頭を下げてから街の方へと飛んで行った。
空を飛んで行く友の姿を黙って見送りながら、カインはさっきルーヴァと交した幾つもの言葉を心の中で反芻してみた。そのたびにカインの中に刻まれていく確かな思い。それはカインにとって、ひとつの決意を生み出すきっかけとなる。
深く息を吸い込んで、カインは己の気持ちを入れ替える。そしてくるりと踵を返し、宮殿の中へと戻っていった。
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