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第4章 光と闇の復活
天界襲撃・1
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――――俺を、忘れないでくれ。
今まで一度も聞いた事のない、ひどく悲しい声を耳にしたような気がする。
目覚めた時、カインはどこにもいなかった。シェリルの手の中に一枚の白い羽根だけを残して、そこから忽然と姿を消していた。
三日月の首飾りと一緒の鎖に繋いだ白い羽根を見つめながら、シェリルは窓辺に立ったまま八回目の溜息をついた。何度空を見上げてみても、カインが戻る気配はまったくない。昨夜屋根の上で話した事を思い出しながら、シェリルは悲しくなった気持ちを紛らわせる為に九回目の溜息をついた。
「どこに行ったの? すぐ戻るって、言ったくせに」
不安げに呟いて、シェリルがそっと羽根に頬を寄せた。ふわりと柔らかな感触はカインの腕に包まれた昨夜の事を思い出させて、シェリルの胸をちくりと痛ませる。その痛みに目を開いたシェリルの耳に、聞き覚えのあるのんびりとした声が届いた。
「また喧嘩でもしたんですか?」
少し呆れたような口調でそう言いながらシェリルの前に舞い降りた天使が、風で乱れた髪と服を整えてからふうっと大きく息を吐いた。
「喧嘩するほど仲がいいって言いますけど、あまり私を巻き込まないで下さいね」
「ルーヴァ? どうして」
「どうしてと言われましても……。あなたを天界まで連れ帰ってくれと言うカインからの手紙が、今朝家の前にあったので、私はここまで飛んできたのですが?」
「カインが……天界へ?」
何か納得のいかない表情を浮かべたシェリルを見て、ルーヴァまでもがその穏やかな顔に影を落とす。
守護天使の身でありながら、守るべきシェリルを下界に置き去りにした事がルーヴァには信じられなかったし、シェリルの家とも言えるアルディナ神殿ではなく天界へ連れて行けという手紙の内容にも何か引っかかるものがあった。しかしシェリルが無事でいるならただの思い過ごしなのだろうと考えていたルーヴァは、同じようにカインの行動に不審を抱くシェリルを見て、やっぱりただ事ではない何かが起こり始めている事を知る。
「どういう事?」
「何も知らないのですか?」
「だって……カインは、戻ってくるって」
縋るような眼差しを向けたシェリルと、曖昧に首を傾げるルーヴァの間に、重い沈黙が流れ込む。
確実に訪れようとしている何かを感じ取っていながらそれを口にする事が出来なかったシェリルは、カインが残した羽根を三日月の首飾りごと握りしめて深く息を吸い込んだ。
「とりあえず、天界へ戻りましょうか。ひょっとしたらカインは天界に戻っているのかもしれませんし」
「……うん。じゃあ私、ここの支払いしてくるから」
そう言って忙しく部屋を出て行ったシェリルの後ろ姿を見つめながら、ルーヴァが呆れたように緩く首を振った。
「まったく、どこをほっつき歩いているんですかね。……シェリルにあんな顔させるなんて、守護天使はおろか男としても失格ですよ」
小言をぼやきながら灰色に曇った空を見上げたルーヴァは、その向こうにカインの姿を思い浮かべてもう一度頭を左右に振った。
カインとは違う華奢な腕は見かけより随分力強く、ルーヴァはその片腕だけで軽々とシェリルを抱き支えた。
灰色の空は魔法を使わずとも二人の姿を覆い隠してしまうほどどんよりと曇っている。その空の色に意味もなく体を震わせたシェリルが、ルーヴァにしがみ付いていた腕にぎゅっと力を入れて唇をきつく噛み締めた。
「どうかしましたか?」
「……あのね。私、涙のかけらを手に入れた時……過去の情景を見たの。アルディナ様がルシエルを殺す事が出来ず、封印した時の事」
風にかき消されてしまいそうなシェリルの声を何とか全部拾い集めて、ルーヴァが訝しげに眉を顰めた。
「殺さなかった?」
「アルディナ様はルシエルを救う為に、あえて彼を殺さなかった。……殺せなかったのかもしれない。だから、闇と一緒に封印したの。……そしてその封印は今、少しずつ解けかかっていて――――ルシエルの精神体が動き始めているのよ」
シェリルの言葉をすぐには信じられず、ルーヴァは空いた右手で額を押えながら何度か頭を左右に振った。自分を支える腕にかすかに力が増した事を感じてルーヴァを見上げたシェリルは、その表情だけで彼が明らかに動揺している事を知る。
死に近い形で永遠の封印に縛られていると思われていた闇の王ルシエル、その彼が復活するかもしれないと言うのだ。平常心を保てる天使の方が珍しい。
「ちょっと待って下さい、シェリル。女神はルシエルを殺す事より封印を選んだ……と、そう言う事ですか? ルシエルの姿をした闇を纏う者に、情けをかけたと?」
「アルディナ様が許したのは闇を纏う者じゃなくてルシエルよ。闇を纏う者の中に残るルシエルの存在を見抜いていたんだわ」
シェリルの言葉はルーヴァの頭に次から次へと疑問を生み出し、ルーヴァは混乱する思考にがっくり肩を落として続けざまに大きな溜息をついた。
「はあぁ、もう頭が混乱してきましたよ。シェリル、私に分かるように最初から説明して下さい」
「……あ、ごめんなさい」
新たな事実だけを話しても、涙のかけらであるディランの言葉を知らないルーヴァが、シェリルの言葉を全部理解する事など出来るはずもない。その事に気付いたシェリルが申し訳なさそうに俯いて、涙のかけらを手に入れた時の事を順番に説明しはじめた。
涙のかけらはディランの分裂した魂の片割れだと言う事。そのディランがシェリルに告げた、闇を纏う者とルシエルの微妙な関係。そして、呪われた地で終わりを迎えたルシエルとアルディナのすれ違う心の悲しみ。
『ひとりでは逝くな、ルシエル。お前を失いたくない』
『望まぬっ! 我は封印など望まぬっ!』
『お前を救いたい。例え姉弟の絆が壊れてしまったとしても、それでお前が救われるのなら……私はそれを受け入れよう』
『殺せ! 我を殺してくれっ! 闇に戻るのも光を羨望するのももうたくさんだ。お前の亡骸と完全な死が手に入らないのなら意味がない。我を――――殺してくれ』
――――お前に殺して欲しかった。お前の手で、我を罰して欲しかった。
記憶の片隅に浮かび上がったルシエルの影にカインの姿を重ねて見たシェリルが、弾かれたようにはっと目を開いた。その翡翠色の瞳に映るルーヴァは、厳しい表情を浮かべたまま唇を軽く噛んでいる。
「困りましたね。闇の王ルシエルが精神体で動き出していると言う事が本当なら……天と地の戦いが再び幕を開けるでしょう。ディランは何が何でもルシエルを復活させようとするでしょうし、もしそうなった場合女神の目覚めを待つだけの私たちには勝機がありません」
「天界戦士や魔道士たちは?」
「魔物を食い止めるだけで精一杯でしょう。闇の王ルシエルの計り知れない強大な力は女神にしか止める事が出来ません。私たちがどれだけ束になっても、彼にはかすり傷ひとつつけられない。……それほどまでにルシエルの力は邪悪で強大なのですよ」
少し震えたルーヴァの言葉を聞きながら、シェリルはその闇の王ルシエルが両親を殺した時の事を思い出す。
記憶に残る暗黒の力は今でもシェリルの体を震わせて、抵抗する力も叫ぶ為の声も何もかもを奪い去っていく。ただの人間が太刀打ちできる訳がない。光ですら、彼を怯えるように消滅したのだから。
「彼の力の前では、私たち天使と言えども無力でしょうね」
「……私も、無力だったわ」
「シェリル?」
「ルシエルが、私の両親をバラバラに引き裂いて殺した時も、……私は震えて泣くしか出来なかった」
シェリルの体がかすかに震えているのを感じたルーヴァは、その言葉からシェリルの過去に何があったのかを悟る。
シェリルは両親をルシエルに殺された。闇を嫌い、何かに怯えるのはその為だったのだ。そして女神に会うという彼女の願いも、ルシエルが関係しているに違いない。人間の、しかもか弱い女性の身でありながら、世界を脅かす闇の王ルシエルに立ち向かおうとしているシェリルの姿に、ルーヴァは驚きと不安を感じずにはいられなかった。
「今まで、ひとりでがんばってきたんですね」
優しい声でそう言って、まるで母親のように頭を撫でてくれたルーヴァの大きな手のひらに、シェリルは心地良い安心感を覚えて静かに瞳を閉じた。
「……ルーヴァ」
「でも、もうひとりで耐えなくてもいいんですよ。私も、そしてカインもずっとあなたの味方なんですから、遠慮なんかしないで下さい」
「……うん」
小さく頷いたシェリルににっこりと微笑んだルーヴァだったが、さっきから感じていた黒い霧のように曖昧な不安を胸の中から完全に消す事は出来なかった。
(何か、不吉な事が起こりそうですね。……それを止める力を、私たちは持っていないと言うのでしょうか)
その答えは、彼らのすぐ目の前まできていた。
崩れ落ちる信頼と友情。歓喜に狂う闇は彼らに絶望だけを与え、そしてそれはひとりの天使を完全に消滅させる弔いの歌でもあった。
今まで一度も聞いた事のない、ひどく悲しい声を耳にしたような気がする。
目覚めた時、カインはどこにもいなかった。シェリルの手の中に一枚の白い羽根だけを残して、そこから忽然と姿を消していた。
三日月の首飾りと一緒の鎖に繋いだ白い羽根を見つめながら、シェリルは窓辺に立ったまま八回目の溜息をついた。何度空を見上げてみても、カインが戻る気配はまったくない。昨夜屋根の上で話した事を思い出しながら、シェリルは悲しくなった気持ちを紛らわせる為に九回目の溜息をついた。
「どこに行ったの? すぐ戻るって、言ったくせに」
不安げに呟いて、シェリルがそっと羽根に頬を寄せた。ふわりと柔らかな感触はカインの腕に包まれた昨夜の事を思い出させて、シェリルの胸をちくりと痛ませる。その痛みに目を開いたシェリルの耳に、聞き覚えのあるのんびりとした声が届いた。
「また喧嘩でもしたんですか?」
少し呆れたような口調でそう言いながらシェリルの前に舞い降りた天使が、風で乱れた髪と服を整えてからふうっと大きく息を吐いた。
「喧嘩するほど仲がいいって言いますけど、あまり私を巻き込まないで下さいね」
「ルーヴァ? どうして」
「どうしてと言われましても……。あなたを天界まで連れ帰ってくれと言うカインからの手紙が、今朝家の前にあったので、私はここまで飛んできたのですが?」
「カインが……天界へ?」
何か納得のいかない表情を浮かべたシェリルを見て、ルーヴァまでもがその穏やかな顔に影を落とす。
守護天使の身でありながら、守るべきシェリルを下界に置き去りにした事がルーヴァには信じられなかったし、シェリルの家とも言えるアルディナ神殿ではなく天界へ連れて行けという手紙の内容にも何か引っかかるものがあった。しかしシェリルが無事でいるならただの思い過ごしなのだろうと考えていたルーヴァは、同じようにカインの行動に不審を抱くシェリルを見て、やっぱりただ事ではない何かが起こり始めている事を知る。
「どういう事?」
「何も知らないのですか?」
「だって……カインは、戻ってくるって」
縋るような眼差しを向けたシェリルと、曖昧に首を傾げるルーヴァの間に、重い沈黙が流れ込む。
確実に訪れようとしている何かを感じ取っていながらそれを口にする事が出来なかったシェリルは、カインが残した羽根を三日月の首飾りごと握りしめて深く息を吸い込んだ。
「とりあえず、天界へ戻りましょうか。ひょっとしたらカインは天界に戻っているのかもしれませんし」
「……うん。じゃあ私、ここの支払いしてくるから」
そう言って忙しく部屋を出て行ったシェリルの後ろ姿を見つめながら、ルーヴァが呆れたように緩く首を振った。
「まったく、どこをほっつき歩いているんですかね。……シェリルにあんな顔させるなんて、守護天使はおろか男としても失格ですよ」
小言をぼやきながら灰色に曇った空を見上げたルーヴァは、その向こうにカインの姿を思い浮かべてもう一度頭を左右に振った。
カインとは違う華奢な腕は見かけより随分力強く、ルーヴァはその片腕だけで軽々とシェリルを抱き支えた。
灰色の空は魔法を使わずとも二人の姿を覆い隠してしまうほどどんよりと曇っている。その空の色に意味もなく体を震わせたシェリルが、ルーヴァにしがみ付いていた腕にぎゅっと力を入れて唇をきつく噛み締めた。
「どうかしましたか?」
「……あのね。私、涙のかけらを手に入れた時……過去の情景を見たの。アルディナ様がルシエルを殺す事が出来ず、封印した時の事」
風にかき消されてしまいそうなシェリルの声を何とか全部拾い集めて、ルーヴァが訝しげに眉を顰めた。
「殺さなかった?」
「アルディナ様はルシエルを救う為に、あえて彼を殺さなかった。……殺せなかったのかもしれない。だから、闇と一緒に封印したの。……そしてその封印は今、少しずつ解けかかっていて――――ルシエルの精神体が動き始めているのよ」
シェリルの言葉をすぐには信じられず、ルーヴァは空いた右手で額を押えながら何度か頭を左右に振った。自分を支える腕にかすかに力が増した事を感じてルーヴァを見上げたシェリルは、その表情だけで彼が明らかに動揺している事を知る。
死に近い形で永遠の封印に縛られていると思われていた闇の王ルシエル、その彼が復活するかもしれないと言うのだ。平常心を保てる天使の方が珍しい。
「ちょっと待って下さい、シェリル。女神はルシエルを殺す事より封印を選んだ……と、そう言う事ですか? ルシエルの姿をした闇を纏う者に、情けをかけたと?」
「アルディナ様が許したのは闇を纏う者じゃなくてルシエルよ。闇を纏う者の中に残るルシエルの存在を見抜いていたんだわ」
シェリルの言葉はルーヴァの頭に次から次へと疑問を生み出し、ルーヴァは混乱する思考にがっくり肩を落として続けざまに大きな溜息をついた。
「はあぁ、もう頭が混乱してきましたよ。シェリル、私に分かるように最初から説明して下さい」
「……あ、ごめんなさい」
新たな事実だけを話しても、涙のかけらであるディランの言葉を知らないルーヴァが、シェリルの言葉を全部理解する事など出来るはずもない。その事に気付いたシェリルが申し訳なさそうに俯いて、涙のかけらを手に入れた時の事を順番に説明しはじめた。
涙のかけらはディランの分裂した魂の片割れだと言う事。そのディランがシェリルに告げた、闇を纏う者とルシエルの微妙な関係。そして、呪われた地で終わりを迎えたルシエルとアルディナのすれ違う心の悲しみ。
『ひとりでは逝くな、ルシエル。お前を失いたくない』
『望まぬっ! 我は封印など望まぬっ!』
『お前を救いたい。例え姉弟の絆が壊れてしまったとしても、それでお前が救われるのなら……私はそれを受け入れよう』
『殺せ! 我を殺してくれっ! 闇に戻るのも光を羨望するのももうたくさんだ。お前の亡骸と完全な死が手に入らないのなら意味がない。我を――――殺してくれ』
――――お前に殺して欲しかった。お前の手で、我を罰して欲しかった。
記憶の片隅に浮かび上がったルシエルの影にカインの姿を重ねて見たシェリルが、弾かれたようにはっと目を開いた。その翡翠色の瞳に映るルーヴァは、厳しい表情を浮かべたまま唇を軽く噛んでいる。
「困りましたね。闇の王ルシエルが精神体で動き出していると言う事が本当なら……天と地の戦いが再び幕を開けるでしょう。ディランは何が何でもルシエルを復活させようとするでしょうし、もしそうなった場合女神の目覚めを待つだけの私たちには勝機がありません」
「天界戦士や魔道士たちは?」
「魔物を食い止めるだけで精一杯でしょう。闇の王ルシエルの計り知れない強大な力は女神にしか止める事が出来ません。私たちがどれだけ束になっても、彼にはかすり傷ひとつつけられない。……それほどまでにルシエルの力は邪悪で強大なのですよ」
少し震えたルーヴァの言葉を聞きながら、シェリルはその闇の王ルシエルが両親を殺した時の事を思い出す。
記憶に残る暗黒の力は今でもシェリルの体を震わせて、抵抗する力も叫ぶ為の声も何もかもを奪い去っていく。ただの人間が太刀打ちできる訳がない。光ですら、彼を怯えるように消滅したのだから。
「彼の力の前では、私たち天使と言えども無力でしょうね」
「……私も、無力だったわ」
「シェリル?」
「ルシエルが、私の両親をバラバラに引き裂いて殺した時も、……私は震えて泣くしか出来なかった」
シェリルの体がかすかに震えているのを感じたルーヴァは、その言葉からシェリルの過去に何があったのかを悟る。
シェリルは両親をルシエルに殺された。闇を嫌い、何かに怯えるのはその為だったのだ。そして女神に会うという彼女の願いも、ルシエルが関係しているに違いない。人間の、しかもか弱い女性の身でありながら、世界を脅かす闇の王ルシエルに立ち向かおうとしているシェリルの姿に、ルーヴァは驚きと不安を感じずにはいられなかった。
「今まで、ひとりでがんばってきたんですね」
優しい声でそう言って、まるで母親のように頭を撫でてくれたルーヴァの大きな手のひらに、シェリルは心地良い安心感を覚えて静かに瞳を閉じた。
「……ルーヴァ」
「でも、もうひとりで耐えなくてもいいんですよ。私も、そしてカインもずっとあなたの味方なんですから、遠慮なんかしないで下さい」
「……うん」
小さく頷いたシェリルににっこりと微笑んだルーヴァだったが、さっきから感じていた黒い霧のように曖昧な不安を胸の中から完全に消す事は出来なかった。
(何か、不吉な事が起こりそうですね。……それを止める力を、私たちは持っていないと言うのでしょうか)
その答えは、彼らのすぐ目の前まできていた。
崩れ落ちる信頼と友情。歓喜に狂う闇は彼らに絶望だけを与え、そしてそれはひとりの天使を完全に消滅させる弔いの歌でもあった。
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