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第3章 涙のかけら
望まれぬ子・2
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真夜中に目を覚ました。
隣で寝ているはずの夫と子供の姿がない事に気付いて、エリザは弾かれたようにベッドから飛び起きた。
「……ディラン? あなた?」
暗闇に呼びかけても返事はない。早くなる鼓動を耳元で聞きながら、エリザは気持ちを落ち着かせて注意深く家の中を見回した。ベッドにはまだ二人の温もりが残っている。家の中にはエリザ以外誰の気配もない。そして鍵を閉めたはずの扉が、開いていた。
慌てて外へ飛び出したエリザは視界の端にちらりと見えた灰青の影を追うように、村の一番奥にある涙のかけらを奉った儀式場へと駆け出して行った。
大きな岩で作られた石の祭壇の上には聖水を作る為の器が置かれていて、今夜も水をたっぷり入れた器の底で涙のかけらが淡い光を放っていた。
その光に、ぼんやりと照らし出された灰青の影。
「涙のかけら。長かったな」
口元に笑みを浮かべながら、レヴェリックは一緒に連れてきたディランを乱暴に祭壇の上へと放り投げた。レヴェリックの異様な扱いにも泣き声ひとつあげず、反対にそれを待っていたかのように目の前の器をじっと見つめたディランの瞳は、生きているとは思えないほど虚ろに輝いている。
「この為だけにお前を生かしておいたんだ。さあ、ディラン。涙のかけらを奪え」
闇に妖しく煌いた、血のように赤いレヴェリックの瞳……それは紛れもなく魔物の持つ忌々しい色と同じであった。そこに、あの優しいレヴェリックの姿はない。
「我らの時代が来るのだ。闇の王ルシエル様の復活の妨げになるものは排除せねばならない。すべてはルシエル様の為、そして我らの世界の為。……光栄だろう? ディラン。ルシエル様は目覚めようとしている。そして、かけら奪取の命を我らに与えて下さったのだ」
歓喜に満ちた声で興奮したように言ったレヴェリックが、小さな手の泳ぐ聖水の中を忌々しげに覗き込む。光の波紋に歪められて映る自分の姿を壊すように、レヴェリックが右手で聖水をぐしゃぐしゃにかき混ぜた。じゅうっと響いた嫌な音と共に、辺りに肉の焼け焦げたような生臭い異臭が漂う。
「かけらはおろか、我らは聖水にすら触れられない」
聖水の中から抜き出した右手は皮を溶かし肉を削られ、見る影もなくどろどろに溶け落ちていた。赤黒い肉塊の漂う聖水の中でディランの手だけが、かけらを掴もうとなおも彷徨っている。
「だからお前が必要だったんだ、ディラン。人間でもなく魔物でもないお前がな。分かるか? ――――エリザ」
異臭を放つレヴェリックの焼け爛れた右手が、すっと真後ろへ差し出された。その先に立ち尽くしていたのは、二人の後を追って儀式場まで来ていたエリザ本人だった。
目の当たりにした信じられない光景と、それを裏付けるレヴェリックの焼け爛れた右手。がたがたと震え出す体を両腕で抑えながら、それでもエリザは目の前で妖しく笑う夫を信じようと首を横に振る。
「……レヴェ、リック? 何を言ってるの? 冗談でしょう……早く家に帰りましょう」
「この右手が冗談に見えるか? 人間であるはずの我が聖水に触れられないのも、ディランを使ってかけらを奪おうとしている事も、お前にはすべてが幻に見えるのか?」
隠す必要のなくなった真実を、レヴェリックが芝居じみた口調で残酷に告げた。真実を知り、絶望のどん底に突き落とされたエリザを、嫌らしいくらいに下卑た目で見てにやりと笑う。
「愚かなエリザ。お前の夫は三年前のあの日に死んだ。お前が今まで愛していたのは……レヴェリックの皮を被った、魔物の我だ」
言い終わると同時にレヴェリックの背中が縦にばっくりと割れ、中からどす黒い液体が待っていたと言わんばかりに勢いよく弾け飛んだ。エリザの悲鳴はレヴェリックの皮が裂ける音にかき消され、それは内側から別の生き物を引きずり出す合図の音となる。ねっとりと糸を引く黒い液体にまみれて完全に姿を現した醜悪な魔物の足元に、べちゃりっと音を立てて落ちたレヴェリックの、皮。
「いっ……いやあああっ!」
エリザの絶叫が村中に響き渡ったその瞬間、小さなディランの手のひらに淡く輝く涙のかけらが掴み取られた。
「涙のかけらは貰った!」
ディランを片手で掴み上げ、そのまま素早く空へ上昇した魔物が、小さな手にしっかりと握られた涙のかけらを見て満足げに笑みを零す。ルシエルの命を受け、長い間この時だけを待ち望んできた魔物が、目の前で輝く涙のかけらを見て歓喜の叫び声を上げた。鋭く高く響く声ともつかない音は村全体を包み込み、村の外に巣くう仲間たちの元へ目的の達成を告げる。
「ディラン! ……ディランっ!」
力を失い、がくがくと震える足を引きずりながら空へ手を伸ばしてくるエリザを見て、魔物が嘲るようにふんっと鼻で笑った。
「我が子が愛しいか? ……ならば、返してやろう。こいつはもう用済みだ」
にいっと笑った魔物の影が、エリザの視界の中で真紅の色にかき消された。
「やめてぇっ!」
エリザの絶叫が木霊するより先に、骨の折れる鈍い音と肉をねじ切られる嫌な音がその場の空気を凍りつかせた。
泣き声を上げる間もなく、涙のかけらを握りしめていたディランの右手が肩から強引にねじ切られた。切り離された体は石のように落下し、黒いだけの闇に見事な赤い花を大量に咲かせていく。
玩具のように弄ばれた幼き命は地面に激しく叩きつけられ、全身の骨を粉々に砕かれてもなお、息を止める最期の瞬間まで声をあげる事はなかった。
「ディランっ!」
何度も転びながらやっとの思いで駆け寄ったエリザの前にいたのは、変わり果てた我が子の姿。くしゃりと体を折り曲げて、開いたままの目から血の涙を流したディランを腕にかき抱いて、エリザは何度も何度もディランに呼びかけてみる。しかしエリザに答えるのは、ねじ切られた右腕から溢れ出す生温かい血の流れる感触だけだった。
「……う、そ……嘘よっ。ディ……、ディランっ……あなたっ」
ディランの顔に、エリザの涙の雨が降る。
汚された祭壇。
奪われた涙のかけら。
地面に這いつくばった皮と、砕けた幼子。
「……よっ。こんなの、嘘っ……! ……いやああっ!」
大地を震わせる激しいエリザの叫びに反応して、魔物の手に握られたディランの右腕……その手のひらに輝いていた涙のかけらが真っ白な光を炸裂させた。
「何っ?」
闇を吹き飛ばす強大な光は渦を巻きながらあっという間に村を覆い、その外に群がる魔物たちを包み込みながら更に大きく膨らんだ。
「ぐあああっ!」
邪悪を浄化する聖なる光に触れた闇は一瞬のうちに塵と化し、ディランを抱えたまま蹲って泣くエリザの上にも、三年間彼女を騙し続けてきた魔物の灰が雨のように降り注ぐ。
村を中心として大きく高く広がった白い光は、死んだ大地のはるか彼方からでも朝焼けのようにはっきりと空を照らし出していた。
涙のかけらの思わぬ力により魔物は目的を遂げる事なく消滅し、村は魔の手を逃れる事が出来た。
しかしエリザの腕の中ではぐしゃりと壊れた幼子が、そして鮮血とどす黒い液体にまみれたレヴェリックの皮が、エリザに否定しようのない悲劇を生々しく見せ付けていた。
「……ラ……ン。……ディ、ランっ」
目の前にぼとりと落ちた、小さな右腕。
魔物が狙い、奪う事の出来なかった涙のかけらは、小さな手のひらに包まれたままさっきとは違う淡く優しい光をぼんやりと放っている。
ディランの手のひらに収まるくらいの小さな石。村を守り続けてきた涙のかけらによって、エリザは一瞬のうちにすべてを失った。
『エリザ、よくがんばったね。……この子はディランと名付けよう』
ディランを腕に抱き、レヴェリックの皮を見つめたエリザが何度も首を横に振った。エリザを抱いたあの腕も、ディランを愛した父親も……レヴェリックではなかったのだ。かけらを奪う為にレヴェリックを殺し、ディランを欲した憎むべき魔物。
「……い、や。嫌よ……どうして……こんなっ」
目の前に転がったディランの右腕を拾い、皮と成り果てた本当のレヴェリックを拾い、エリザは誰もいなくなった儀式場にひとり蹲って泣き喚いた。
失った夫と子供を思って。自分の運命を呪って。
魔物を吹き飛ばした聖なる光の渦に異変を感じて儀式場に集まった村人は、そこで信じられない光景を目の当たりにした。
蹲って泣くエリザの声に反応し、彼女を優しく包み込んだ白い光の中で、小さな命が再び時を刻み始めたのだ。
弱々しくはあるが確かな鼓動を感じたエリザの腕の中で、決して開く事のなかった幼子の瞳がぱっちりと開き、大きな声をあげて泣く事で自分の存在を強く主張する。ねじ切られた右腕は完全に元に戻り、そしてその手のひらに握られていた涙のかけらは、ディランと同化する事によってその命を救ったのだった。
隣で寝ているはずの夫と子供の姿がない事に気付いて、エリザは弾かれたようにベッドから飛び起きた。
「……ディラン? あなた?」
暗闇に呼びかけても返事はない。早くなる鼓動を耳元で聞きながら、エリザは気持ちを落ち着かせて注意深く家の中を見回した。ベッドにはまだ二人の温もりが残っている。家の中にはエリザ以外誰の気配もない。そして鍵を閉めたはずの扉が、開いていた。
慌てて外へ飛び出したエリザは視界の端にちらりと見えた灰青の影を追うように、村の一番奥にある涙のかけらを奉った儀式場へと駆け出して行った。
大きな岩で作られた石の祭壇の上には聖水を作る為の器が置かれていて、今夜も水をたっぷり入れた器の底で涙のかけらが淡い光を放っていた。
その光に、ぼんやりと照らし出された灰青の影。
「涙のかけら。長かったな」
口元に笑みを浮かべながら、レヴェリックは一緒に連れてきたディランを乱暴に祭壇の上へと放り投げた。レヴェリックの異様な扱いにも泣き声ひとつあげず、反対にそれを待っていたかのように目の前の器をじっと見つめたディランの瞳は、生きているとは思えないほど虚ろに輝いている。
「この為だけにお前を生かしておいたんだ。さあ、ディラン。涙のかけらを奪え」
闇に妖しく煌いた、血のように赤いレヴェリックの瞳……それは紛れもなく魔物の持つ忌々しい色と同じであった。そこに、あの優しいレヴェリックの姿はない。
「我らの時代が来るのだ。闇の王ルシエル様の復活の妨げになるものは排除せねばならない。すべてはルシエル様の為、そして我らの世界の為。……光栄だろう? ディラン。ルシエル様は目覚めようとしている。そして、かけら奪取の命を我らに与えて下さったのだ」
歓喜に満ちた声で興奮したように言ったレヴェリックが、小さな手の泳ぐ聖水の中を忌々しげに覗き込む。光の波紋に歪められて映る自分の姿を壊すように、レヴェリックが右手で聖水をぐしゃぐしゃにかき混ぜた。じゅうっと響いた嫌な音と共に、辺りに肉の焼け焦げたような生臭い異臭が漂う。
「かけらはおろか、我らは聖水にすら触れられない」
聖水の中から抜き出した右手は皮を溶かし肉を削られ、見る影もなくどろどろに溶け落ちていた。赤黒い肉塊の漂う聖水の中でディランの手だけが、かけらを掴もうとなおも彷徨っている。
「だからお前が必要だったんだ、ディラン。人間でもなく魔物でもないお前がな。分かるか? ――――エリザ」
異臭を放つレヴェリックの焼け爛れた右手が、すっと真後ろへ差し出された。その先に立ち尽くしていたのは、二人の後を追って儀式場まで来ていたエリザ本人だった。
目の当たりにした信じられない光景と、それを裏付けるレヴェリックの焼け爛れた右手。がたがたと震え出す体を両腕で抑えながら、それでもエリザは目の前で妖しく笑う夫を信じようと首を横に振る。
「……レヴェ、リック? 何を言ってるの? 冗談でしょう……早く家に帰りましょう」
「この右手が冗談に見えるか? 人間であるはずの我が聖水に触れられないのも、ディランを使ってかけらを奪おうとしている事も、お前にはすべてが幻に見えるのか?」
隠す必要のなくなった真実を、レヴェリックが芝居じみた口調で残酷に告げた。真実を知り、絶望のどん底に突き落とされたエリザを、嫌らしいくらいに下卑た目で見てにやりと笑う。
「愚かなエリザ。お前の夫は三年前のあの日に死んだ。お前が今まで愛していたのは……レヴェリックの皮を被った、魔物の我だ」
言い終わると同時にレヴェリックの背中が縦にばっくりと割れ、中からどす黒い液体が待っていたと言わんばかりに勢いよく弾け飛んだ。エリザの悲鳴はレヴェリックの皮が裂ける音にかき消され、それは内側から別の生き物を引きずり出す合図の音となる。ねっとりと糸を引く黒い液体にまみれて完全に姿を現した醜悪な魔物の足元に、べちゃりっと音を立てて落ちたレヴェリックの、皮。
「いっ……いやあああっ!」
エリザの絶叫が村中に響き渡ったその瞬間、小さなディランの手のひらに淡く輝く涙のかけらが掴み取られた。
「涙のかけらは貰った!」
ディランを片手で掴み上げ、そのまま素早く空へ上昇した魔物が、小さな手にしっかりと握られた涙のかけらを見て満足げに笑みを零す。ルシエルの命を受け、長い間この時だけを待ち望んできた魔物が、目の前で輝く涙のかけらを見て歓喜の叫び声を上げた。鋭く高く響く声ともつかない音は村全体を包み込み、村の外に巣くう仲間たちの元へ目的の達成を告げる。
「ディラン! ……ディランっ!」
力を失い、がくがくと震える足を引きずりながら空へ手を伸ばしてくるエリザを見て、魔物が嘲るようにふんっと鼻で笑った。
「我が子が愛しいか? ……ならば、返してやろう。こいつはもう用済みだ」
にいっと笑った魔物の影が、エリザの視界の中で真紅の色にかき消された。
「やめてぇっ!」
エリザの絶叫が木霊するより先に、骨の折れる鈍い音と肉をねじ切られる嫌な音がその場の空気を凍りつかせた。
泣き声を上げる間もなく、涙のかけらを握りしめていたディランの右手が肩から強引にねじ切られた。切り離された体は石のように落下し、黒いだけの闇に見事な赤い花を大量に咲かせていく。
玩具のように弄ばれた幼き命は地面に激しく叩きつけられ、全身の骨を粉々に砕かれてもなお、息を止める最期の瞬間まで声をあげる事はなかった。
「ディランっ!」
何度も転びながらやっとの思いで駆け寄ったエリザの前にいたのは、変わり果てた我が子の姿。くしゃりと体を折り曲げて、開いたままの目から血の涙を流したディランを腕にかき抱いて、エリザは何度も何度もディランに呼びかけてみる。しかしエリザに答えるのは、ねじ切られた右腕から溢れ出す生温かい血の流れる感触だけだった。
「……う、そ……嘘よっ。ディ……、ディランっ……あなたっ」
ディランの顔に、エリザの涙の雨が降る。
汚された祭壇。
奪われた涙のかけら。
地面に這いつくばった皮と、砕けた幼子。
「……よっ。こんなの、嘘っ……! ……いやああっ!」
大地を震わせる激しいエリザの叫びに反応して、魔物の手に握られたディランの右腕……その手のひらに輝いていた涙のかけらが真っ白な光を炸裂させた。
「何っ?」
闇を吹き飛ばす強大な光は渦を巻きながらあっという間に村を覆い、その外に群がる魔物たちを包み込みながら更に大きく膨らんだ。
「ぐあああっ!」
邪悪を浄化する聖なる光に触れた闇は一瞬のうちに塵と化し、ディランを抱えたまま蹲って泣くエリザの上にも、三年間彼女を騙し続けてきた魔物の灰が雨のように降り注ぐ。
村を中心として大きく高く広がった白い光は、死んだ大地のはるか彼方からでも朝焼けのようにはっきりと空を照らし出していた。
涙のかけらの思わぬ力により魔物は目的を遂げる事なく消滅し、村は魔の手を逃れる事が出来た。
しかしエリザの腕の中ではぐしゃりと壊れた幼子が、そして鮮血とどす黒い液体にまみれたレヴェリックの皮が、エリザに否定しようのない悲劇を生々しく見せ付けていた。
「……ラ……ン。……ディ、ランっ」
目の前にぼとりと落ちた、小さな右腕。
魔物が狙い、奪う事の出来なかった涙のかけらは、小さな手のひらに包まれたままさっきとは違う淡く優しい光をぼんやりと放っている。
ディランの手のひらに収まるくらいの小さな石。村を守り続けてきた涙のかけらによって、エリザは一瞬のうちにすべてを失った。
『エリザ、よくがんばったね。……この子はディランと名付けよう』
ディランを腕に抱き、レヴェリックの皮を見つめたエリザが何度も首を横に振った。エリザを抱いたあの腕も、ディランを愛した父親も……レヴェリックではなかったのだ。かけらを奪う為にレヴェリックを殺し、ディランを欲した憎むべき魔物。
「……い、や。嫌よ……どうして……こんなっ」
目の前に転がったディランの右腕を拾い、皮と成り果てた本当のレヴェリックを拾い、エリザは誰もいなくなった儀式場にひとり蹲って泣き喚いた。
失った夫と子供を思って。自分の運命を呪って。
魔物を吹き飛ばした聖なる光の渦に異変を感じて儀式場に集まった村人は、そこで信じられない光景を目の当たりにした。
蹲って泣くエリザの声に反応し、彼女を優しく包み込んだ白い光の中で、小さな命が再び時を刻み始めたのだ。
弱々しくはあるが確かな鼓動を感じたエリザの腕の中で、決して開く事のなかった幼子の瞳がぱっちりと開き、大きな声をあげて泣く事で自分の存在を強く主張する。ねじ切られた右腕は完全に元に戻り、そしてその手のひらに握られていた涙のかけらは、ディランと同化する事によってその命を救ったのだった。
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