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第四・一章 ドルムンド防衛戦
第109話 ドルムンド防衛戦XVI 決着の足音
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「第1、第2隊突破されました! 第3、第4隊七曲の陣にて応戦中! 敵は一点突破を図っております!」
「くっ…ニーナは何をしている!」
「はっ! それが、敵軍が上がってくると同時に飲まれた模様で…か、確認できておりませんっ!」
「馬鹿者っ! 例え100人に囲まれようが容易く突破するのが魔人だぞ! 探せっ!」
「はっ!」
帝国軍の予想以上の反撃に焦りを見せるのは、ジオルディーネ軍司令官のバーゼル。冒険者対策として左翼に送った魔人ウギョウは別として、敵の司令官を奇襲、撃破の役を担っていた魔人ニーナの消息が分からず、いら立ちを見せていた。
(敵中央の軍長は討った。ならば今敵を率いているのは本陣の司令官に間違いない。なぜニーナはそやつを討たないのだ!)
ニーナが敵司令官を討っているなら、今の敵の反転攻勢はあり得ない。また、ニーナが敵司令官と戦っているならば、帝国軍は指揮官不在となり、今のような統率された動きと突破力は実現できないはず。
つまり、敵の司令官は指揮できる状態にあり、ニーナはそれを見過ごしているか、第三者に邪魔されているという事。
その第三者であるはずの冒険者は全て左翼に集中し、ウギョウと魔人兵の相手をしている事は確認済みなので、第三者に阻まれているという事もあり得ないはず。
厄介な冒険者以外に、魔人であるニーナを止める事が出来る戦力は無いと考えて今回の作戦を立案した、本国の参謀フルカスの読みが間違っていたのか。
現場で指揮を執るバーゼルは、歯噛みする思いで今の状況に耐えていた。そしてそこに、バーゼルをさらに追い詰める報告が入る。
「左翼物見より伝令! 魔人ウギョウ殿、冒険者に敗北! 討ち取られましたっ!」
「な、なんだとっ!? ふざけるな! 最強の魔人だぞっ!!」
「はっ! も、物見の報告では、強力な魔法師との相性が非常に悪かったと…」
「相性? 相性だとっ!? そんなものを凌駕するのが魔人の強さではないのか! おのれぇっ!」
ここでいう強力な魔法師とは『喚水の冠帯』フロールの事。彼女らはガーランドを中心に帝国内を主に活動拠点にしている為、ジオルディーネ王国にまでは知られていなかった。
冒険者の間では一定の知名度を有してはいたが、自国内にいる冒険者を疎み、そのギルドを破壊しつくし、冒険者そのものを軽んじていたジオルディーネ王国騎士団を中心とする王国軍に、水の魔女と呼ばれる彼女の存在を知る術はない。
当然、ウギョウの雷は彼女の力の前には無力だったという事も。
バーゼルの苛立ちは頂点に達し、そして最悪の事態が頭をよぎった。
(く、くそっ! まだ魔人兵共がいるとはいえ、ウギョウが死んだ以上、左翼が勝つという確たる保証は無くなった! 万が一左翼が突破されるとなれば、本陣が3方向から挟撃されるのは必至だ! ニーナがあてにならん以上、今の内に下がって立て直すか!? …いや、いったん後退の指示を出そうものなら、兵達の戦況不利の心理が大きくなりそのまま潰走もありうる!)
「ま、まだだ…」
「はっ?」
「親衛隊長! 本陣の左から200を連れ前線を厚くしろ! 親衛隊の力を見せ、絶対に七曲の陣を突破させるな! 死に物狂いで押し返せ!」
「御意!」
◇
一方の帝国軍司令官ヒューブレスト。彼はコーデリアと魔人ニーナの2人を後方に置き、最前線で指揮をしながら馬上で薙刀を振るっていた。
「はぁっ!」
ガキャン!
「ぶはっ!」
目の前の敵兵を薙ぎ払い、自らが先頭に立って敵の第3、第4隊の布陣を崩してゆく。まさか敵も司令官が最前線で戦うとは思いもよらない。
「あと少しで中央に穴が開くぞっ! 重装歩兵隊前へ! 鉄壁となり、穴を広げてやれっ! 左右に分断するんだ!」
オオオオオッ!
「ブレスト殿! 敵後方より騎馬100超向かってきます! あの隊旗は恐らく近衛親衛隊です!」
因みに帝国軍では司令官が最前線に出る場合、相手にその存在を気取られぬよう、役職名を呼ぶことは禁止。名も偽名で呼ばせるという徹底ぶりである。そのおかげで、相対する敵は小隊、もしくは中隊長クラスの人間だと誤認する。
冷静に見れば、伝令員が控え、全隊に指揮している時点で中隊長の権限を大きく超えているのだが、言わずもがなここは戦場であり、最前線。命のやり取りをしている人間が、そんな事に気を回すのは難しいものだ。
煩わしさと、そして何より栄えある騎士団に粗野な戦術は似合わないと、他国の将官なら言うだろう。
だが、他国との国境を守る帝国騎士団は違う。この通称『国境騎士団』はあらゆる事態を想定し、備え、訓練する。何よりも優先されるのは祖国の防衛であり、勝利だからだ。
「よし、釣れたか…重装歩兵隊はそのまま穴を広げて敵騎馬隊の通り道を作ってやれ! 歩兵隊! 穴からノコノコ出てくる敵騎馬を囲んでやれ! 半円陣だ!」
――――はっ!
(右翼は出てこれるかわからん! アスケリノ殿! 頼みましたぞ!)
◇
「軍長! 敵本陣左の一隊が中央へ向かった事を確認! 騎馬隊1番から3番、予定通り離脱しました!」
「分かりました。離脱を気取られぬよう、残りの4、5番の騎馬隊長に広がりつつ自由に暴れてよしと伝えて下さい」
「はっ!」
「さぁ、大詰めです! 無理にでも重装歩兵隊の速度を上げさせなさい! 全軍重装歩兵隊に続きなさい!」
「御意っ!」
左翼軍長アスケリノの命令で、左翼軍は進軍速度を上げ、ジオルディーネ軍の焦燥を煽る作戦に出る。
これも全て敵本陣の思考を鈍らせ、撤退やむなしの判断をさせる為だった。今、帝国中央軍と左翼軍は徹底して敵を撤退に持ち込む作戦に打って出ている。
離脱した騎馬3隊はそれを決定づける為の飛矢の役目。前線から離脱させ、手薄となった敵本陣を急襲する算段となっている。
(ジオルディーネ諸君、逃げねば全滅しますよ)
◇
そして、ジオルディーネ軍司令官バーゼルの元に、とうとう撤退を余儀なくされる報が舞い込む。
「報告します! 南東の方角より敵騎馬隊接近中! まっすぐ本陣に向かって来ます!」
「ぐっ! なぜ後ろから敵が来るんだ!? 前線の兵は何を見ているのだ!」
「不確定情報ですが、恐らく敵左翼騎馬隊の一部があらかじめ離脱していたかと思われますっ!」
「おのれぇっ!」
(今更出した親衛隊は戻せぬっ! 前線で親衛隊がぶつかったタイミングを見計らってのこの奇襲っ! 下手をすればそれすら誘われた可能性もあるではないか! 帝国の用兵術を完全に甘く見ていた! まだ後退する事は出来ん。致し方無いっ!)
「すぐ本陣を左翼後方へ移動だ! 急げ! 第5隊半数を後ろへ回せっ! 奇襲してきた敵を殲滅しろ!」
命令と同時に馬を駆る司令官のバーゼル。本来なら左翼に近づくべきでは無い。左翼には制御不能の興奮した魔人兵がいる上に、冒険者もいる。最悪なのはウギョウを討てる力を持つ冒険者に襲い掛かられる事。そうなれば本陣はひとたまりも無い。
だが、留まって奇襲を受けて立つのはさらに高いリスクが付きまとう。そう判断したバーゼルは、ウギョウを討った冒険者は戦いにより満身創痍であり、魔人兵には気付かれずに済むという可能性の方に賭けたのである。
(ニーナさえ戻ればまだ逆転の芽はある! あ奴めっ! さっさと司令官を討って戻ってこんかっ!)
その時、一縷の望みである魔人ニーナの働きを期待し、時を稼ぎ続けてきたバーゼルの元に敗北を決定付ける足音が迫った。
ドドドドドド――――
「ん? 何だあの土煙は…?」
「報告します! 敵右翼騎馬隊が接近中! その数200!」
「は? そ、そんな馬鹿な…魔人兵を抜いたと言うのか?」
「未だ左翼が抜かれたとの物見からの報告は入っておりません!」
眼前に迫りつつある敵騎馬隊を前に呆然とするバーゼル。彼はこの突然現れた敵に恐怖を覚えた。戦力としてではなく、あり得ない位置にいた事にである。
「くっ…ニーナは何をしている!」
「はっ! それが、敵軍が上がってくると同時に飲まれた模様で…か、確認できておりませんっ!」
「馬鹿者っ! 例え100人に囲まれようが容易く突破するのが魔人だぞ! 探せっ!」
「はっ!」
帝国軍の予想以上の反撃に焦りを見せるのは、ジオルディーネ軍司令官のバーゼル。冒険者対策として左翼に送った魔人ウギョウは別として、敵の司令官を奇襲、撃破の役を担っていた魔人ニーナの消息が分からず、いら立ちを見せていた。
(敵中央の軍長は討った。ならば今敵を率いているのは本陣の司令官に間違いない。なぜニーナはそやつを討たないのだ!)
ニーナが敵司令官を討っているなら、今の敵の反転攻勢はあり得ない。また、ニーナが敵司令官と戦っているならば、帝国軍は指揮官不在となり、今のような統率された動きと突破力は実現できないはず。
つまり、敵の司令官は指揮できる状態にあり、ニーナはそれを見過ごしているか、第三者に邪魔されているという事。
その第三者であるはずの冒険者は全て左翼に集中し、ウギョウと魔人兵の相手をしている事は確認済みなので、第三者に阻まれているという事もあり得ないはず。
厄介な冒険者以外に、魔人であるニーナを止める事が出来る戦力は無いと考えて今回の作戦を立案した、本国の参謀フルカスの読みが間違っていたのか。
現場で指揮を執るバーゼルは、歯噛みする思いで今の状況に耐えていた。そしてそこに、バーゼルをさらに追い詰める報告が入る。
「左翼物見より伝令! 魔人ウギョウ殿、冒険者に敗北! 討ち取られましたっ!」
「な、なんだとっ!? ふざけるな! 最強の魔人だぞっ!!」
「はっ! も、物見の報告では、強力な魔法師との相性が非常に悪かったと…」
「相性? 相性だとっ!? そんなものを凌駕するのが魔人の強さではないのか! おのれぇっ!」
ここでいう強力な魔法師とは『喚水の冠帯』フロールの事。彼女らはガーランドを中心に帝国内を主に活動拠点にしている為、ジオルディーネ王国にまでは知られていなかった。
冒険者の間では一定の知名度を有してはいたが、自国内にいる冒険者を疎み、そのギルドを破壊しつくし、冒険者そのものを軽んじていたジオルディーネ王国騎士団を中心とする王国軍に、水の魔女と呼ばれる彼女の存在を知る術はない。
当然、ウギョウの雷は彼女の力の前には無力だったという事も。
バーゼルの苛立ちは頂点に達し、そして最悪の事態が頭をよぎった。
(く、くそっ! まだ魔人兵共がいるとはいえ、ウギョウが死んだ以上、左翼が勝つという確たる保証は無くなった! 万が一左翼が突破されるとなれば、本陣が3方向から挟撃されるのは必至だ! ニーナがあてにならん以上、今の内に下がって立て直すか!? …いや、いったん後退の指示を出そうものなら、兵達の戦況不利の心理が大きくなりそのまま潰走もありうる!)
「ま、まだだ…」
「はっ?」
「親衛隊長! 本陣の左から200を連れ前線を厚くしろ! 親衛隊の力を見せ、絶対に七曲の陣を突破させるな! 死に物狂いで押し返せ!」
「御意!」
◇
一方の帝国軍司令官ヒューブレスト。彼はコーデリアと魔人ニーナの2人を後方に置き、最前線で指揮をしながら馬上で薙刀を振るっていた。
「はぁっ!」
ガキャン!
「ぶはっ!」
目の前の敵兵を薙ぎ払い、自らが先頭に立って敵の第3、第4隊の布陣を崩してゆく。まさか敵も司令官が最前線で戦うとは思いもよらない。
「あと少しで中央に穴が開くぞっ! 重装歩兵隊前へ! 鉄壁となり、穴を広げてやれっ! 左右に分断するんだ!」
オオオオオッ!
「ブレスト殿! 敵後方より騎馬100超向かってきます! あの隊旗は恐らく近衛親衛隊です!」
因みに帝国軍では司令官が最前線に出る場合、相手にその存在を気取られぬよう、役職名を呼ぶことは禁止。名も偽名で呼ばせるという徹底ぶりである。そのおかげで、相対する敵は小隊、もしくは中隊長クラスの人間だと誤認する。
冷静に見れば、伝令員が控え、全隊に指揮している時点で中隊長の権限を大きく超えているのだが、言わずもがなここは戦場であり、最前線。命のやり取りをしている人間が、そんな事に気を回すのは難しいものだ。
煩わしさと、そして何より栄えある騎士団に粗野な戦術は似合わないと、他国の将官なら言うだろう。
だが、他国との国境を守る帝国騎士団は違う。この通称『国境騎士団』はあらゆる事態を想定し、備え、訓練する。何よりも優先されるのは祖国の防衛であり、勝利だからだ。
「よし、釣れたか…重装歩兵隊はそのまま穴を広げて敵騎馬隊の通り道を作ってやれ! 歩兵隊! 穴からノコノコ出てくる敵騎馬を囲んでやれ! 半円陣だ!」
――――はっ!
(右翼は出てこれるかわからん! アスケリノ殿! 頼みましたぞ!)
◇
「軍長! 敵本陣左の一隊が中央へ向かった事を確認! 騎馬隊1番から3番、予定通り離脱しました!」
「分かりました。離脱を気取られぬよう、残りの4、5番の騎馬隊長に広がりつつ自由に暴れてよしと伝えて下さい」
「はっ!」
「さぁ、大詰めです! 無理にでも重装歩兵隊の速度を上げさせなさい! 全軍重装歩兵隊に続きなさい!」
「御意っ!」
左翼軍長アスケリノの命令で、左翼軍は進軍速度を上げ、ジオルディーネ軍の焦燥を煽る作戦に出る。
これも全て敵本陣の思考を鈍らせ、撤退やむなしの判断をさせる為だった。今、帝国中央軍と左翼軍は徹底して敵を撤退に持ち込む作戦に打って出ている。
離脱した騎馬3隊はそれを決定づける為の飛矢の役目。前線から離脱させ、手薄となった敵本陣を急襲する算段となっている。
(ジオルディーネ諸君、逃げねば全滅しますよ)
◇
そして、ジオルディーネ軍司令官バーゼルの元に、とうとう撤退を余儀なくされる報が舞い込む。
「報告します! 南東の方角より敵騎馬隊接近中! まっすぐ本陣に向かって来ます!」
「ぐっ! なぜ後ろから敵が来るんだ!? 前線の兵は何を見ているのだ!」
「不確定情報ですが、恐らく敵左翼騎馬隊の一部があらかじめ離脱していたかと思われますっ!」
「おのれぇっ!」
(今更出した親衛隊は戻せぬっ! 前線で親衛隊がぶつかったタイミングを見計らってのこの奇襲っ! 下手をすればそれすら誘われた可能性もあるではないか! 帝国の用兵術を完全に甘く見ていた! まだ後退する事は出来ん。致し方無いっ!)
「すぐ本陣を左翼後方へ移動だ! 急げ! 第5隊半数を後ろへ回せっ! 奇襲してきた敵を殲滅しろ!」
命令と同時に馬を駆る司令官のバーゼル。本来なら左翼に近づくべきでは無い。左翼には制御不能の興奮した魔人兵がいる上に、冒険者もいる。最悪なのはウギョウを討てる力を持つ冒険者に襲い掛かられる事。そうなれば本陣はひとたまりも無い。
だが、留まって奇襲を受けて立つのはさらに高いリスクが付きまとう。そう判断したバーゼルは、ウギョウを討った冒険者は戦いにより満身創痍であり、魔人兵には気付かれずに済むという可能性の方に賭けたのである。
(ニーナさえ戻ればまだ逆転の芽はある! あ奴めっ! さっさと司令官を討って戻ってこんかっ!)
その時、一縷の望みである魔人ニーナの働きを期待し、時を稼ぎ続けてきたバーゼルの元に敗北を決定付ける足音が迫った。
ドドドドドド――――
「ん? 何だあの土煙は…?」
「報告します! 敵右翼騎馬隊が接近中! その数200!」
「は? そ、そんな馬鹿な…魔人兵を抜いたと言うのか?」
「未だ左翼が抜かれたとの物見からの報告は入っておりません!」
眼前に迫りつつある敵騎馬隊を前に呆然とするバーゼル。彼はこの突然現れた敵に恐怖を覚えた。戦力としてではなく、あり得ない位置にいた事にである。
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