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第1章 五歳児
第10話 竜騎士の話
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ノクス・ドラコ・モンタギューは100年前に魔王を倒した四英雄の一人だ。
非常に珍しい黒髪黒目の彼の生まれた年や家名は誰も知らない。軍隊育ちの孤児だったという、貧民ながら他の貴族である英雄達と共に魔王を倒しに向かったのは彼と竜の驚異的な相性だ。
この世界観で竜というもの飛竜と地竜に分けられ飛龍はファンタジーでよく見る翼が生えた生き物、大きさは柴犬ぐらいの大きさから9メートル近い大きさまで育つ、長い年月の寿命を生き平均で二百歳を生きられる、高い智能を持って魔法も使えるので野生の飛龍の住む地域には誰も近づかない。ちなみに伝説上の飛竜は千年生きていて90メートルぐらい大きいらしい。
飛竜が狼だとすると地竜は犬、人間に家畜化された竜だ。肩高2メートル近く頭も含めると3メートル高い力も強く魔法を使える個体もいる、この国での最大で最強の騎獣だ。平均寿命は4-50歳。ややこしいのは地竜の中にも翼のある個体とない個体がいて、ある個体は翼竜と呼ばれる。翼竜は個体数が少なくそれ故に国に重宝されている、ただ翼竜は自尊心が高く、一般の地竜のように誰でも載せるのは嫌がる、彼らは一度に一人の人間しか選ばない。しかしノクスの事を見るとどの竜も頭を自ら下げたのだ。この特異な性質は彼が13歳になりある翼竜騎士の従者になった時に発見された。噂はすぐに広まり王宮にも届いた、王宮に召喚された彼を見て、当時王の付きの預言者は言った。「この少年はやがて英雄になります。」と。彼は預言者からドラコという名前を授かり、伯爵家に引き取られその時からノクス・ドラコ・モンタギューを名乗る。16の頃魔王討伐の戦いに身を投じ18の時に魔王を倒しその功労から辺境伯の爵位を貰った。
これが初代ヴォイアチェスター辺境伯、俺達の先祖様だ。
ちなみににこの国の爵位は
1.公爵、デューク
2.侯爵、マークィス
3.伯爵、アール
4.子爵、ヴィカウント
5.男爵、バロン
6.准男爵、バロネット
7.ナイト爵、ナイト
と続いていて辺境伯
は禁地を守る為に作られた全国でたった一つだけの特殊な爵位だ。地位的には伯爵に値するがその特殊性によりかなり重視されている家系でもある。
俺たちの父親のアルフレッド・トラヴィス・モンタギューが王族の血を引く俺たちの母親、公爵令嬢のアイリーン・シーデルム・リリエンソールと結婚できたのもその所縁だろう。
話を戻そう、そもそもいきなりご先祖の話をし出したのはこの目の前の翼竜騎士、ウェーズリー ・ジェイコブ・レイヴァースが切り出したからだ。
「へえ~、コールは黒龍騎士様の話を読んでたの?でも四騎士のお話は僕達の部屋にもあるじゃない、黒龍騎士のお話もルシールがしょっちゅうしてくれるし」
アルバスが首をかしげる。
「いえ、その本は黒龍騎士様主体の話でした、ですが僕は聖剣使いの英雄ルーシャン・ランドルフ・ビルバーク様に関しての記述を読みたかったのです」アルバスに、でも正確にはヴェーズリーの質問に答える。
「え?まさかの聖剣士ルーシャン?まじかあ、てっきりコールは俺と同じ竜騎士志望かと思っていたなー」ヴェーズリーは少し大げさに驚いてみせる。
「いえ、志望とか関係なく単に気になっただけでですよ」
「それに聖剣は僕らの土地にあるしね~」
「ああそういえばそうだったな」
トントンとその時扉がノックされた。
「どうぞ」ルビー姉さんが答える
ドアを開けたのは家政婦だ。
「レイヴァース様、お着替えの準備が出来ました」続いて一人のフットマンが入ってきて礼をする。
「滞在中はこのスティーブがお世話を務めさせていただきます」
「おお、ありがとう」そういうと赤毛の男性は俺たちの頭を一人ずつをわしゃわしゃと撫でていく。
「きゃあ!」「もう!髪型が!」女子陣から抗議の悲鳴が上がる。
「じゃあ別れ惜しいが後でな」姉達の不満げな顔を物ともせずヴェーズリーはニコニコ笑って去っていった。
非常に珍しい黒髪黒目の彼の生まれた年や家名は誰も知らない。軍隊育ちの孤児だったという、貧民ながら他の貴族である英雄達と共に魔王を倒しに向かったのは彼と竜の驚異的な相性だ。
この世界観で竜というもの飛竜と地竜に分けられ飛龍はファンタジーでよく見る翼が生えた生き物、大きさは柴犬ぐらいの大きさから9メートル近い大きさまで育つ、長い年月の寿命を生き平均で二百歳を生きられる、高い智能を持って魔法も使えるので野生の飛龍の住む地域には誰も近づかない。ちなみに伝説上の飛竜は千年生きていて90メートルぐらい大きいらしい。
飛竜が狼だとすると地竜は犬、人間に家畜化された竜だ。肩高2メートル近く頭も含めると3メートル高い力も強く魔法を使える個体もいる、この国での最大で最強の騎獣だ。平均寿命は4-50歳。ややこしいのは地竜の中にも翼のある個体とない個体がいて、ある個体は翼竜と呼ばれる。翼竜は個体数が少なくそれ故に国に重宝されている、ただ翼竜は自尊心が高く、一般の地竜のように誰でも載せるのは嫌がる、彼らは一度に一人の人間しか選ばない。しかしノクスの事を見るとどの竜も頭を自ら下げたのだ。この特異な性質は彼が13歳になりある翼竜騎士の従者になった時に発見された。噂はすぐに広まり王宮にも届いた、王宮に召喚された彼を見て、当時王の付きの預言者は言った。「この少年はやがて英雄になります。」と。彼は預言者からドラコという名前を授かり、伯爵家に引き取られその時からノクス・ドラコ・モンタギューを名乗る。16の頃魔王討伐の戦いに身を投じ18の時に魔王を倒しその功労から辺境伯の爵位を貰った。
これが初代ヴォイアチェスター辺境伯、俺達の先祖様だ。
ちなみににこの国の爵位は
1.公爵、デューク
2.侯爵、マークィス
3.伯爵、アール
4.子爵、ヴィカウント
5.男爵、バロン
6.准男爵、バロネット
7.ナイト爵、ナイト
と続いていて辺境伯
は禁地を守る為に作られた全国でたった一つだけの特殊な爵位だ。地位的には伯爵に値するがその特殊性によりかなり重視されている家系でもある。
俺たちの父親のアルフレッド・トラヴィス・モンタギューが王族の血を引く俺たちの母親、公爵令嬢のアイリーン・シーデルム・リリエンソールと結婚できたのもその所縁だろう。
話を戻そう、そもそもいきなりご先祖の話をし出したのはこの目の前の翼竜騎士、ウェーズリー ・ジェイコブ・レイヴァースが切り出したからだ。
「へえ~、コールは黒龍騎士様の話を読んでたの?でも四騎士のお話は僕達の部屋にもあるじゃない、黒龍騎士のお話もルシールがしょっちゅうしてくれるし」
アルバスが首をかしげる。
「いえ、その本は黒龍騎士様主体の話でした、ですが僕は聖剣使いの英雄ルーシャン・ランドルフ・ビルバーク様に関しての記述を読みたかったのです」アルバスに、でも正確にはヴェーズリーの質問に答える。
「え?まさかの聖剣士ルーシャン?まじかあ、てっきりコールは俺と同じ竜騎士志望かと思っていたなー」ヴェーズリーは少し大げさに驚いてみせる。
「いえ、志望とか関係なく単に気になっただけでですよ」
「それに聖剣は僕らの土地にあるしね~」
「ああそういえばそうだったな」
トントンとその時扉がノックされた。
「どうぞ」ルビー姉さんが答える
ドアを開けたのは家政婦だ。
「レイヴァース様、お着替えの準備が出来ました」続いて一人のフットマンが入ってきて礼をする。
「滞在中はこのスティーブがお世話を務めさせていただきます」
「おお、ありがとう」そういうと赤毛の男性は俺たちの頭を一人ずつをわしゃわしゃと撫でていく。
「きゃあ!」「もう!髪型が!」女子陣から抗議の悲鳴が上がる。
「じゃあ別れ惜しいが後でな」姉達の不満げな顔を物ともせずヴェーズリーはニコニコ笑って去っていった。
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