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30:我儘なエルフ
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ミノタウロスを倒し魔石を回収し抜きにちょうどいいと斧も一応拾った後、アーサーの言により角等が素材として使えるとの事だったので回収した。
闘技のダンジョンをクリアしたセリム達は今現在都市アルスへと向け帰路についていた。一日弱かかるため行き同様野宿をする予定だ。ダンジョンまでは歩きで来たため帰りも同じく歩きだ。
道中の道は商人などダンジョンに挑む者だけが使う者ではないため整備は進んでいる。だから考え事をしながら進んでも余程の事でもない限り問題はないだろう。
(ミノタウロスを素手で倒すねぇ キーラにとっていい刺激になればと思ったが… うまくはいかんかぁ…)
アーサーはため息を吐きつつ横目でセリムをみるのだった。
アーサーの失敗があるとすればそれは、セリムの力を把握できていないことだった所為だろう。とは言え、セリム自身まだ本気を出したことが無いため底が分からない。自身にすらわからないのだからまだ会って日の浅いアーサーにはわかりっこないのは仕方がないことだ。
そんなこいつちょっと筋力おかしいだろと思われているとは露知らず、今にも脳筋渾名が付きそうなセリムは違う事を考えていた。
(Bランクであの程度、なれば努力でどうにかなるAランクも大したことは無いのかもな。となるとSランクからが本番という訳か…)
これから自身の力をより高めるための相手の事を考えていた。そしてそれはキーラも同じだった。
それにセリムが言った「独りになる」というものは寂しかったしさせたくもなかった。何せ自分がそのつらさを知っているのだから。だから、させないためにも並び立つ、否、超えなきゃと思った。そうすることで目的にも近づく事が出来るのだから。エルフの国アルフレイムを壊滅に導いた者を倒すことへの。
「セリム、私に無詠唱のやり方をおしえないさいよ」
言い方がちょっと偉そうだったのは年下に頼むのに抵抗があった故か…きっとそうだ。そうだと思いたい。誰にでもこの態度だといつか痛い目にあいそうだ。
後ろを歩いていたキーラに突然話しかけられセリムはおろか、アーサーまでもが一瞬呆気にとられる。エルフが人族のしかも年下におしえを乞うたのだ。二人じゃなくとも驚くだろう。
世間の認識としてエルフと言うのは魔法の扱いに優れ他の種族を下にみるというかあまり馴れ馴れしくしないと言うのが世間での認識だ。それが上から目線とは言え人に教えを乞うたのだ。驚かずにはいられない。まぁ、こんな性格のエルフはそう多くはないが…
「キーラ、どうしたんだ急に?」
アーサーがもの珍しそうに尋ねる。
「何か問題あるの! で、いつ教えてくれるのよ」
アーサーの質問におざなりな回答をする。
あんたに用はないのよ、おっさん!
そういっているかのように一瞬、アーサーに視線を向けると直ぐにそらされる。セリムに対しては既に教えてくれるのが当たり前となっているのはエルフ族の傲慢さかそれともキーラの性格か。なんにしてもセリムが教えるのはキーラの中では決定事項なのだろう。
ため息をつき何言ってんだかとだと断ろうとするが、待てよと自分を抑える。
「教えるのは構わないが、教えるのだけだとこちらとしても得がない。だから、魔法を同時に複数発動するやり方を教えてくれ教えてくれ」
教えるだけなら無駄な事だがこちらも教わるならそれは有意義だと。幸いセリムはキーラが出来る同時発動をいつかは物にしたいと思っていたのでいい機会だと思ったのだ。
「同時発動…二重発動のことね」
「そんな名前だっのか。で、いつ教えてくれんだ?」
先程のキーラと同様の態度をとるセリム。教えてもらうことは確定なのだ。
「嫌よ」
が、キーラの答えはNOだった。一方的に教えろと言うのだ。セリムもアーサーもこの答えには驚きに固まってしまう。街道とは言え森の中なのだ。その道の真ん中で周りへの警戒をも忘れ立ち尽くしてしまう。
「は? 何で?」
驚きながらも何故だと理由を問うセリム。こんな状況になったら誰しも問わずにはいられないだろう。
ご多聞にもれずセリムもその一人だ。だが、ここでもキーラの答えは予想の斜め上を行くものだった。
「だって教えたら、セリムはもっと強くなっちゃうでしょ」
頬を膨らませ顔をそむける。その際金髪がファサァと揺れた。
その応えに再び驚きを露わにしてしまう。せざるえない。が、とりあえずこのまま話し合いというか一方的な要求を受け続けるのもあれだった為、都市アルスに向け歩き出す一行。
その日の夜、野宿の際に再び話し合いが行われ結果的にセリムも教えてもらう事になった。
教えてくんないと教えないとちょっと意地悪したら頬を膨らませて「分かったわよ」と不承不承頷くのだった。その行動がちょっとかわいいと思えてしまったのは今までの言動とのギャップか。案外虐められると素直になる性格なんだだろうか…
ダンジョンの帰りにはそんな波乱?があったが無事に都市アルスへと帰還した三人。そうして次の日からキーラの「出来ないわよ」と言う声を何度も聞くことになるセリムだった。
名前 セリム・ヴェルグ
年齢 :7歳≪見た目精神年齢ともに15歳≫
種族 :人族
1次職 :異端者
2次職 :異端児
レベル :44→45
体力 :7300→8100
魔力 :6400→6700
筋力 :8900→9200
敏捷 :6800→7200
耐性 :7400→7600
スキル
【神喰 LV4】
剣技 LV8
纏衣 LV10 max
【拳技 LV7】
【斧技 Lv4】 new
【筋力強化 LV10 】 max
【体力強化 Lv8→9】 up
【敏捷強化 Lv8】
【耐性強化 Lv3】
【魔力強化 Lv3】
【反射速度強化 Lv4】
【硬化 Lv5→6】 up
【気配遮断 Lv4】
【気配感知 Lv5】
【咆哮 Lv4→5】 up
【命中率上昇 Lv6】
【嗅覚上昇 Lv3→4】 up
【跳躍力上昇 Lv4】
【毒液 Lv3】
【火魔法 Lv5】
【水魔法 Lv4】
【風魔法 Lv2→3】 up
【白魔法 Lv4】
【暗黒魔法 Lv1】
【振動魔法 Lv5】
【鑑定 Lv5→6】 up
【短剣術 Lv4】
【夜目 Lv3】
【魔力操作 Lv6】
【受け流し Lv4→5】 up
【統率 Lv3】
【罠師 Lv3】
【重量装備時重量軽減 Lv4】
【見切り Lv5】
【闘魂 Lv4】 new
職業専用スキル
【呪印 Lv1】
【正統破壊 Lv1】
【強奪 Lv4】
【瞬滅 Lv4】
【鉄壁硬化 Lv3】
【重撃破 Lv5】
【乱魔の一撃 Lv2】
【空拳 Lv4】
魔道具効果
隠蔽 Lv10 max
【】の中身は隠蔽スキルにより視えません。
ダンジョンから無事に帰った翌日の昼近くの事。今日は少し寝すぎたようだ。昨日ダンジョンから帰ったと言う事で今日は休みにするとアーサーが言ったので今日はオフだ。キーラに魔法を教えなければならないと言う用事があるが…そんなセリムは今、宿にてベットに寝転がりながらギルドで買ったモンスターの情報が載った紙束を眺めていた。
「読みづらいな、起きるか」
独り言をいいながらのっそのっそ身体を起こし紙をめくっていく。一通り見終わると紙束をマジックリングにしまう。
「やっぱここら辺はSはおろかAすらいないのか…」
こんな街に近い所にSランクのモンスターがいないことは分かっていた。いたら真っ先に討伐対象として依頼が出されるだろう。
では何故、紙を見ていたかと言うと目ぼしいスキルを持ったモンスターを探しいていたのだ。加えてAランクの魔物などいればと言う希望を持つ思いで見ていたのだがスキルの方はまだ持っていない物がいくつかあったのでいいのだが、ランクに関しては全然と言わざる得ない状態だったのだ。やれやれと重い腰を上げ顔を洗い食事をとるために下に降りる。
先に記した通り今日からキーラに魔法の特訓をしなければならなくなった為にオフだと言うのに出かけるのだ。まぁ、キーラに魔法を教える事がなければモンスターを狩りに行くと思うので結局は外出するのだが…そんなことを思いながら昼食を食べる。今日の昼食はサンドイッチにポテトフライのような揚げ物だ。パンは、バケットとか言った種類の物に似たものにたっぷりの肉と野菜が挟まっている。
食べてみるとフランスパンのように硬さのあるパンでサンドイッチとして食べる事は無かったので中々新鮮だった。ポテトらしきものは簡単に塩で味付けがされておりフライドポテトを思い出させるものだった。
昼食を済ませそのまま外出する。キーラとの約束は二時くらいだったのでそれまでに色々と寄り道ををしていく。まずは鍛冶師のバロックの元に向かうのだ。
店に入るとカランカランと言う音が鳴る。前に来た時には無かったものだ。客が来た事を知らせるもの何だろうが何故今更と思わざる得ない。
「ったく、今度は誰だ…ってセリムか 久しぶりだな」
相変わらずカウンターには立たず奥の工房から出てくるバロック。出るのが面倒なら誰か雇えばいいと思うんだが…
「どうも、っていうか何故今更ベルなんか?」
ここに来た時に思った疑問をぶつける。
「それがよぉ、どこで聞いて来たのか今期待のルーキーが使う鍛冶屋ってことで結構客が来るようになってな。それで客が来たのに気付かずにいたらおもいきり大声で呼ばれて、それでな… まったく参ったぜ」
何だそのこれは全てお前の所為だぞみたいな眼は。俺関係ないだろと心の中で言い訳をしつつ今日来た要件を伝える。
「それより、今日は剣の手入れをお願いしたいんですが」
ここ最近は剣を使う事もめっきり減ったがと言うより殴った方が早いために使わないだけなのだが、これから先に使うかもしれないと思い手入れをお願いしに来たのだ。それとついでに魔法衣ーーセリムが勝手にそう呼んでるーーについてもどうなったか聞いておこうと思い寄ったのだ。
これですとマジックリングから剣を取り出し渡す。
「何だ、まだそこまで使ってないのか? 多少汚れてはいるがこのままでも問題ぞ」
「そうですか?…なら今回はやめときます。それと魔方陣を刻んだ服の方はどうなってます?」
剣をしまいながら質問する。どちらかと言うと剣よりもこっちの方が重要だったりする。
「たった数日でそうそう変化はねぇよ。まだ大量生産できる状態でもないしな。そもそも大量生産するのに金も時間も掛かる。特に金がな」
そうですかと相槌を打っておく。たった数日でどうにかなっているとは思っていないので特に気落ちはしない。ついでに改良点として魔力の伝達速度などを告げ鍛冶屋をあとにした。
そしてこの後キーラとの約束の為に待ち合わせ場所に急ぐセリムであった。だって遅れたらなんか言われそうだし…
闘技のダンジョンをクリアしたセリム達は今現在都市アルスへと向け帰路についていた。一日弱かかるため行き同様野宿をする予定だ。ダンジョンまでは歩きで来たため帰りも同じく歩きだ。
道中の道は商人などダンジョンに挑む者だけが使う者ではないため整備は進んでいる。だから考え事をしながら進んでも余程の事でもない限り問題はないだろう。
(ミノタウロスを素手で倒すねぇ キーラにとっていい刺激になればと思ったが… うまくはいかんかぁ…)
アーサーはため息を吐きつつ横目でセリムをみるのだった。
アーサーの失敗があるとすればそれは、セリムの力を把握できていないことだった所為だろう。とは言え、セリム自身まだ本気を出したことが無いため底が分からない。自身にすらわからないのだからまだ会って日の浅いアーサーにはわかりっこないのは仕方がないことだ。
そんなこいつちょっと筋力おかしいだろと思われているとは露知らず、今にも脳筋渾名が付きそうなセリムは違う事を考えていた。
(Bランクであの程度、なれば努力でどうにかなるAランクも大したことは無いのかもな。となるとSランクからが本番という訳か…)
これから自身の力をより高めるための相手の事を考えていた。そしてそれはキーラも同じだった。
それにセリムが言った「独りになる」というものは寂しかったしさせたくもなかった。何せ自分がそのつらさを知っているのだから。だから、させないためにも並び立つ、否、超えなきゃと思った。そうすることで目的にも近づく事が出来るのだから。エルフの国アルフレイムを壊滅に導いた者を倒すことへの。
「セリム、私に無詠唱のやり方をおしえないさいよ」
言い方がちょっと偉そうだったのは年下に頼むのに抵抗があった故か…きっとそうだ。そうだと思いたい。誰にでもこの態度だといつか痛い目にあいそうだ。
後ろを歩いていたキーラに突然話しかけられセリムはおろか、アーサーまでもが一瞬呆気にとられる。エルフが人族のしかも年下におしえを乞うたのだ。二人じゃなくとも驚くだろう。
世間の認識としてエルフと言うのは魔法の扱いに優れ他の種族を下にみるというかあまり馴れ馴れしくしないと言うのが世間での認識だ。それが上から目線とは言え人に教えを乞うたのだ。驚かずにはいられない。まぁ、こんな性格のエルフはそう多くはないが…
「キーラ、どうしたんだ急に?」
アーサーがもの珍しそうに尋ねる。
「何か問題あるの! で、いつ教えてくれるのよ」
アーサーの質問におざなりな回答をする。
あんたに用はないのよ、おっさん!
そういっているかのように一瞬、アーサーに視線を向けると直ぐにそらされる。セリムに対しては既に教えてくれるのが当たり前となっているのはエルフ族の傲慢さかそれともキーラの性格か。なんにしてもセリムが教えるのはキーラの中では決定事項なのだろう。
ため息をつき何言ってんだかとだと断ろうとするが、待てよと自分を抑える。
「教えるのは構わないが、教えるのだけだとこちらとしても得がない。だから、魔法を同時に複数発動するやり方を教えてくれ教えてくれ」
教えるだけなら無駄な事だがこちらも教わるならそれは有意義だと。幸いセリムはキーラが出来る同時発動をいつかは物にしたいと思っていたのでいい機会だと思ったのだ。
「同時発動…二重発動のことね」
「そんな名前だっのか。で、いつ教えてくれんだ?」
先程のキーラと同様の態度をとるセリム。教えてもらうことは確定なのだ。
「嫌よ」
が、キーラの答えはNOだった。一方的に教えろと言うのだ。セリムもアーサーもこの答えには驚きに固まってしまう。街道とは言え森の中なのだ。その道の真ん中で周りへの警戒をも忘れ立ち尽くしてしまう。
「は? 何で?」
驚きながらも何故だと理由を問うセリム。こんな状況になったら誰しも問わずにはいられないだろう。
ご多聞にもれずセリムもその一人だ。だが、ここでもキーラの答えは予想の斜め上を行くものだった。
「だって教えたら、セリムはもっと強くなっちゃうでしょ」
頬を膨らませ顔をそむける。その際金髪がファサァと揺れた。
その応えに再び驚きを露わにしてしまう。せざるえない。が、とりあえずこのまま話し合いというか一方的な要求を受け続けるのもあれだった為、都市アルスに向け歩き出す一行。
その日の夜、野宿の際に再び話し合いが行われ結果的にセリムも教えてもらう事になった。
教えてくんないと教えないとちょっと意地悪したら頬を膨らませて「分かったわよ」と不承不承頷くのだった。その行動がちょっとかわいいと思えてしまったのは今までの言動とのギャップか。案外虐められると素直になる性格なんだだろうか…
ダンジョンの帰りにはそんな波乱?があったが無事に都市アルスへと帰還した三人。そうして次の日からキーラの「出来ないわよ」と言う声を何度も聞くことになるセリムだった。
名前 セリム・ヴェルグ
年齢 :7歳≪見た目精神年齢ともに15歳≫
種族 :人族
1次職 :異端者
2次職 :異端児
レベル :44→45
体力 :7300→8100
魔力 :6400→6700
筋力 :8900→9200
敏捷 :6800→7200
耐性 :7400→7600
スキル
【神喰 LV4】
剣技 LV8
纏衣 LV10 max
【拳技 LV7】
【斧技 Lv4】 new
【筋力強化 LV10 】 max
【体力強化 Lv8→9】 up
【敏捷強化 Lv8】
【耐性強化 Lv3】
【魔力強化 Lv3】
【反射速度強化 Lv4】
【硬化 Lv5→6】 up
【気配遮断 Lv4】
【気配感知 Lv5】
【咆哮 Lv4→5】 up
【命中率上昇 Lv6】
【嗅覚上昇 Lv3→4】 up
【跳躍力上昇 Lv4】
【毒液 Lv3】
【火魔法 Lv5】
【水魔法 Lv4】
【風魔法 Lv2→3】 up
【白魔法 Lv4】
【暗黒魔法 Lv1】
【振動魔法 Lv5】
【鑑定 Lv5→6】 up
【短剣術 Lv4】
【夜目 Lv3】
【魔力操作 Lv6】
【受け流し Lv4→5】 up
【統率 Lv3】
【罠師 Lv3】
【重量装備時重量軽減 Lv4】
【見切り Lv5】
【闘魂 Lv4】 new
職業専用スキル
【呪印 Lv1】
【正統破壊 Lv1】
【強奪 Lv4】
【瞬滅 Lv4】
【鉄壁硬化 Lv3】
【重撃破 Lv5】
【乱魔の一撃 Lv2】
【空拳 Lv4】
魔道具効果
隠蔽 Lv10 max
【】の中身は隠蔽スキルにより視えません。
ダンジョンから無事に帰った翌日の昼近くの事。今日は少し寝すぎたようだ。昨日ダンジョンから帰ったと言う事で今日は休みにするとアーサーが言ったので今日はオフだ。キーラに魔法を教えなければならないと言う用事があるが…そんなセリムは今、宿にてベットに寝転がりながらギルドで買ったモンスターの情報が載った紙束を眺めていた。
「読みづらいな、起きるか」
独り言をいいながらのっそのっそ身体を起こし紙をめくっていく。一通り見終わると紙束をマジックリングにしまう。
「やっぱここら辺はSはおろかAすらいないのか…」
こんな街に近い所にSランクのモンスターがいないことは分かっていた。いたら真っ先に討伐対象として依頼が出されるだろう。
では何故、紙を見ていたかと言うと目ぼしいスキルを持ったモンスターを探しいていたのだ。加えてAランクの魔物などいればと言う希望を持つ思いで見ていたのだがスキルの方はまだ持っていない物がいくつかあったのでいいのだが、ランクに関しては全然と言わざる得ない状態だったのだ。やれやれと重い腰を上げ顔を洗い食事をとるために下に降りる。
先に記した通り今日からキーラに魔法の特訓をしなければならなくなった為にオフだと言うのに出かけるのだ。まぁ、キーラに魔法を教える事がなければモンスターを狩りに行くと思うので結局は外出するのだが…そんなことを思いながら昼食を食べる。今日の昼食はサンドイッチにポテトフライのような揚げ物だ。パンは、バケットとか言った種類の物に似たものにたっぷりの肉と野菜が挟まっている。
食べてみるとフランスパンのように硬さのあるパンでサンドイッチとして食べる事は無かったので中々新鮮だった。ポテトらしきものは簡単に塩で味付けがされておりフライドポテトを思い出させるものだった。
昼食を済ませそのまま外出する。キーラとの約束は二時くらいだったのでそれまでに色々と寄り道ををしていく。まずは鍛冶師のバロックの元に向かうのだ。
店に入るとカランカランと言う音が鳴る。前に来た時には無かったものだ。客が来た事を知らせるもの何だろうが何故今更と思わざる得ない。
「ったく、今度は誰だ…ってセリムか 久しぶりだな」
相変わらずカウンターには立たず奥の工房から出てくるバロック。出るのが面倒なら誰か雇えばいいと思うんだが…
「どうも、っていうか何故今更ベルなんか?」
ここに来た時に思った疑問をぶつける。
「それがよぉ、どこで聞いて来たのか今期待のルーキーが使う鍛冶屋ってことで結構客が来るようになってな。それで客が来たのに気付かずにいたらおもいきり大声で呼ばれて、それでな… まったく参ったぜ」
何だそのこれは全てお前の所為だぞみたいな眼は。俺関係ないだろと心の中で言い訳をしつつ今日来た要件を伝える。
「それより、今日は剣の手入れをお願いしたいんですが」
ここ最近は剣を使う事もめっきり減ったがと言うより殴った方が早いために使わないだけなのだが、これから先に使うかもしれないと思い手入れをお願いしに来たのだ。それとついでに魔法衣ーーセリムが勝手にそう呼んでるーーについてもどうなったか聞いておこうと思い寄ったのだ。
これですとマジックリングから剣を取り出し渡す。
「何だ、まだそこまで使ってないのか? 多少汚れてはいるがこのままでも問題ぞ」
「そうですか?…なら今回はやめときます。それと魔方陣を刻んだ服の方はどうなってます?」
剣をしまいながら質問する。どちらかと言うと剣よりもこっちの方が重要だったりする。
「たった数日でそうそう変化はねぇよ。まだ大量生産できる状態でもないしな。そもそも大量生産するのに金も時間も掛かる。特に金がな」
そうですかと相槌を打っておく。たった数日でどうにかなっているとは思っていないので特に気落ちはしない。ついでに改良点として魔力の伝達速度などを告げ鍛冶屋をあとにした。
そしてこの後キーラとの約束の為に待ち合わせ場所に急ぐセリムであった。だって遅れたらなんか言われそうだし…
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