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25:グラムール
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八つ目の神敵スキルの情報が開示されてから一日が経過した。その情報は世界全てに伝わり色々な国に混乱をもたらした。そしてなにも情報を得たのは国だけではなかった。
とある場所の地下深くにてそれは行われていた。そこは地下だというのに棚や机、椅子などと言ったものがあり地下だと言う事を除けば普通の家にいるのと変わらないだろう。そんな空間だった。洞窟内の部屋ーー地下に穴を掘り洞窟としているーーはどれも大きいがその部屋は一際大きかった。そこには複数の男女が貴族などの屋敷にあるような長いテーブルに着き、話し合いをしていた。
「さて、今回はなぜ招集したんじゃ?」
そう言って疑問をぶつけたのは身長二mは超えていると思われる大柄な男だ。短く刈りあげられた髪に威厳のある長い年月を過ごした顔付きが特徴的だ。
「白々しいな。すでに情報が開示されて日が経っているのだから知っているだろう」
きつい言い方で男を非難したのは一見なんの変哲も見られない人間と変わらぬ姿をした女性だ。と言うのも見た目は人と変わらないがそれは魔法で姿を変化させているからに過ぎない。黒のし長い髪をポニーテールに切れ長の少し冷たさをも感じるような目をした女性。白く透き通るような肌に黒髪、そしてすこし冷たさも感じられるが物静かとでも言えるそんな雰囲気からは和風美人のようなものを感じさせられる。
「まったくネルファはきついな。ただ言ってみただけじゃと言うに…」
「そうだぁ、そうだぁ。ネルファは言い方がきついぞぉ。ガルロの爺さんの言う通りだぁ」
ガルロと呼ばれた男を援護するようにやる気のない言い方をした人物はヴェルンハルト。V系バンドにいそうな赤色の長い髪をした男だった。机にぐでぇ~と突っ伏し如何にもやる気ありません感を演出している。一見すれば死んでるのか?と思えるほど脱力しきっている姿だが、先程の言葉と時折ピクピクと動く耳が生きていることを告げていた。その耳はこの場にいるものとは違い、エラのようなものが生えている。このことから彼が普通の人間では無いことは明らかだ。
「良いこと言うじゃないかヴェルンハルト」
「あーはいはい。じいさんは少し黙っていてくれ」
先程とは打って変わってこの態度。かなり適当な人物であることが窺える。
「ヴェルルもガーロもうるさいっ! 静かにしてよ。じゃないネルネルが怒っちゃうよ」
可愛らしく怒る身長135㎝前後の洞窟内にいる誰よりも小さい女の子。水色がかった髪をツインテールにしているのが印象的だ。そんなこの中では一番年下であろうにも関わらず皆の事を愛称で呼ぶ。この連中の正体を知っている者からしたら畏れ多くて誰もしない…いや出来ないだろう。それなのに皆の事を愛称で呼ぶのは親しみゆえか…それとも他に何かあるのか。
「ミルフィー、私はそんなに短気じゃないぞ」
ネルファはコホンとわざとらしく咳をしミルフィーと呼ばれた少女に困ったような笑みを向ける。それからでは、と話題を戻す。
「無駄話はやめろ。今回集まってもらったのはある村で新たな神敵スキル保持者が見つかった件についてだ」
皆の視線を一心に受けるが、動じた様子もなく話の続きを話してく。
「その人物をグラムール引き入れるかどうかが今回の問題だ。しかしここで一つ問題がある。その人物はまだ幼いと言う事、そして聞いたことも無い神敵スキル保持者だと言う事、これが今回集まってもらった理由だ」
一気にまくしたてるネルファ。
「そうさな、というよりまずその情報が本当かどうか、そこが疑問なんじゃが」
どうなんじゃと問うガルロに対しネルファは心配ないと旨を告げ、情報の信憑性を主張する。ガルロが何故こんな事を聞くのかと言うと、普通に信憑性を確認すると言う事事態はそれは誰しもする事だろう。だがガルロが本当に知りたいのはそうゆう事ではなかった。
本来、神敵スキルとは世界に七つしか存在しない筈なのだ。それなのに八つ目が見つかるとは今までに見つかっていなかった事から考えると俄かに信じ難かった。ネルファはそれを分かっていたからこそ既に手を打っていた。
「疑うのはもっともな事だが、まずは話を聞いてくれ。神敵スキル保持者が見つかった村に部下を向かわせ裏を取った。あの村には、少し前に王国関係者が訪れている。そしてその日、一人の少年が行方不明になった事も確認済みだ」
「そうか、なら構わん」
「子供かぁ~、仲良くなれるといいなぁ~」
無邪気に笑うミルフィー。手に持っ飴を見ながらたまだ見ぬ八人目に思いを馳せる。ヴェルンハルトはいつもの如く気怠けにテーブルに腕を置きその上に頭を置いている。
「んで、そいつを引き入れんのかぁ?」
怠そうにしながらもしっかりと話し合いには参加する。仲間になるかもしれない存在だ。情報が確かなら世界に八人しかいない同じ運命を辿る事になる仲間なのだ。多少なりとも興味が湧くと言うものだろう。
「そうだ、我々は一人一人が強大な力の持ち主だ。だがそれでも数には勝てないと言う事もあるだろう。その為、少しでも仲間は増やしておくのが得策だ。既に一人減ってしまった今は特にな。でなければ目的を達するのが難しくなってしまう」
「そーかい」
「それで、誰が説得するの~」
「そうじゃな、問題は」
ガルロがそう言うのと同時に全ての視線がネルファへ集まる。話している時は見られも動じなかったネルファだがこの視線には少したじろいでしまう。
「なっ、なんで私の方を見る?」
答えは既に出ているというのに無駄な抵抗をしてしまう。今まで見せていた冷たい雰囲気が揺らぐ。
「子供なら母性本能溢れる女がいいと思うんだがなぁ。ってことでネルファに一票」
「そうじゃな、幼いなら尚更女のお主の方がいいじゃろう。儂もネルファに一票じゃな」
「本当は私が行きたいけど、ここは譲るよネルネル~」
三人の意見が合致し、説得にはネルファが向かうことになった。どこか釈然としない気もしないではなかったが確かに適任は私しかいないかとため息をつきながら自分を納得させるのだった。
こうして神敵スキル保持者により組織された一団は、新たな神敵者ーーセリム・ヴェルグーーをグラムールに迎え入れる為に動き出したのだった。
こうして三勢力の内、王国を筆頭に殺害・捕縛派が、神敵スキル保持者を核にしたグラムールが動き出した。が、それは残りの神敵者を利用する派も例外ではなかった。かくして三勢力はたった一人を得るがために動き出すのだった。
世界が全て自分を目的に動いてるとはまだこの時のセリムには理解出来ていなかった。薄々はそうなるんじゃないかとは思ってはいたが。今はまだ。
そんなセリムは今日も今日とて森に来ていた。今日はいつもより深い所まで来ている。魔法の練習をするのに威力を間違えて人を巻き込まないようにと、スキル採取が目的だ。
昨日、アーサーとの一件で一緒に行動する?ことを了承したはいいがキーラとどう接すればいいか迷っていた。
(だって一方的にやっちまったからな…あれはプライド高そう系だったし面倒だ)
ぶつぶつ文句を言いながらも魔力操作を繰り返す。ひたすらに魔力操作。モンスターが現れれば練習した魔法で殺す。それの繰り返し。ここ数日はそんな感じでひたすらに魔力操作の精度向上を測っていた。お陰で色々魔法にバリエーションが生まれたがキーラが使っていた魔法を同時に発動することはできずにいた。
「ふぅ~」
一息つき休憩する。と言っても地面にいるとモンスターに見つかるので木の上で枝に寝転がるというものだ。そのままうとうとし始めてしまう。が、その眠気は気配感知に引っかかったモンスターにより邪魔されてしまう。
(ったく、なんだよ)
昨日は今後どうするかと言う事を考えていたせいであまり寝つけていなかったのだ。強くなるという答えが出ていたのだが、考えずにはいられなかった。家族、ルナ、ロー。村に置いてきてしまったみんなの事もあり結局一時間位しか寝れなかった。
木から降りてモンスターの反応があった方に行くが、そこには何もなかった。いや、正確に言うならばそこには湖とその周りにいくつもの血が飛んでいた形跡があった。
「何だ? 水棲系のモンスターでもいんのか」
事実、この世界には水棲家のモンスターは存在している。海に存在するモンスター程大きくはないが、それでも人一人殺すには問題ないだろう。
警戒しながらも湖に近づいていくセリム。湖面の端に膝をつき、のぞき込んでみる。すると海面が少し揺らぎ、続いてどこからともなくシューと言う音が聞こえてくる。
(水中かっ!)
そう言った直後、水中から一条の細い水が飛び出してくる。すんでのところで躱すことに成功したセリム。避けるのが遅れていれば顔面に喰らっていただろう。ここで湖面の周りに血が散らばっている理由に気づく。
「そうゆう事か」
セリムが気づいたのはここには水棲系のモンスターがいるという事だった。それは最初から疑っていたのだが、その水棲系のモンスターが湖に近寄った者を先程のように水鉄砲っぽい物で殺して食っているのではというものだった。
「しかし、どうやって水中から場所が…」
分かんだ?と言おうとして一つの可能性について思いつく。振動などによる音という可能性だ。だがそこである疑問が浮かぶ。水中から音波を放って空中で捉えられるのかというもの、そして捉えたとしてそれをどう把握するのかという事だ。まぁ考えた所で分からないし、結局は魔法ありの異世界なんだからで片付く問題なのだと納得して行動に移す。
「音系のスキルはまだ持ってないし使いようによっては中々使えるかもな」
と言う事で水中に潜むモンスターをどうやって倒すかと思案する。雷系の魔法があれば…とも思ったのだが残念ながら持っておらずそこでセリムは原始的な方法で倒すことにした。
水面全てを蒸発させるという方法で。これはスキルも一気に獲得でき、レベルも上がる、尚且つ魔法の練習にもちょうどいい最適な方法なのだ。
ただの力任せともいう。
湖面に向けて手のひらをかざす。湖面の中央辺りに一際大きな魔方陣が構築される。そこにひたすら魔力を込める。
「爆ぜろ」
その日、森で大爆発があったとギルドに連絡が入り、セリムがボロボロの服で帰ってきたのを目撃した人物があそこにはルーキーに傷を負わせる程のモンスターがいると言う話をし、それが広まりあそこには近づくなと言われるようになってしまった。
名前 セリム・ヴェルグ
年齢 :7歳≪見た目精神年齢ともに15歳≫
種族 :人族
1次職 :異端者
2次職 :異端児
レベル :34→38
体力 :4300→4700
魔力 :3400→4200
筋力 :4900→5500
敏捷 :3700→4200
耐性 :4200→4700
スキル
【神喰 LV2】
剣技 LV6
纏衣 LV9
【筋力強化 LV8】
【拳技 LV6】
【命中率上昇 Lv6】
【体力強化 Lv4】
【敏捷強化 Lv4】
【耐性強化 Lv1】
【魔力強化 Lv2】
【硬化 Lv3】
【気配遮断 Lv3】
【気配感知 Lv2→4】 up
【咆哮 Lv3】
【嗅覚上昇 Lv3】
【跳躍力上昇 Lv4】 new
【毒液 Lv3】
【火魔法 Lv3→4】 up
【水魔法 Lv1→3】 up
【風魔法 Lv1】
【白魔法 Lv1→2】 up
【暗黒魔法 Lv1】
【振動魔法 Lv3】 new
【鑑定 Lv3】
【短剣術 Lv3】
【夜目 Lv2】
【魔力操作 Lv1→3】 up
【受け流し Lv3】
【統率 Lv2】
職業専用スキル
【呪印 Lv1】
【正統破壊 Lv1】
【強奪 Lv2】
魔道具効果
隠蔽 Lv10 max
【】の中身は隠蔽スキルにより視えません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・ソニックガエル
レベル:48
体力 :3300
魔力 :2400
筋力 :1600
敏捷 :2700
耐性 :2000
スキル
敏捷強化 LV2
跳躍力上昇 Lv3
振動魔法 Lv2
気配感知 LV2
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とある場所の地下深くにてそれは行われていた。そこは地下だというのに棚や机、椅子などと言ったものがあり地下だと言う事を除けば普通の家にいるのと変わらないだろう。そんな空間だった。洞窟内の部屋ーー地下に穴を掘り洞窟としているーーはどれも大きいがその部屋は一際大きかった。そこには複数の男女が貴族などの屋敷にあるような長いテーブルに着き、話し合いをしていた。
「さて、今回はなぜ招集したんじゃ?」
そう言って疑問をぶつけたのは身長二mは超えていると思われる大柄な男だ。短く刈りあげられた髪に威厳のある長い年月を過ごした顔付きが特徴的だ。
「白々しいな。すでに情報が開示されて日が経っているのだから知っているだろう」
きつい言い方で男を非難したのは一見なんの変哲も見られない人間と変わらぬ姿をした女性だ。と言うのも見た目は人と変わらないがそれは魔法で姿を変化させているからに過ぎない。黒のし長い髪をポニーテールに切れ長の少し冷たさをも感じるような目をした女性。白く透き通るような肌に黒髪、そしてすこし冷たさも感じられるが物静かとでも言えるそんな雰囲気からは和風美人のようなものを感じさせられる。
「まったくネルファはきついな。ただ言ってみただけじゃと言うに…」
「そうだぁ、そうだぁ。ネルファは言い方がきついぞぉ。ガルロの爺さんの言う通りだぁ」
ガルロと呼ばれた男を援護するようにやる気のない言い方をした人物はヴェルンハルト。V系バンドにいそうな赤色の長い髪をした男だった。机にぐでぇ~と突っ伏し如何にもやる気ありません感を演出している。一見すれば死んでるのか?と思えるほど脱力しきっている姿だが、先程の言葉と時折ピクピクと動く耳が生きていることを告げていた。その耳はこの場にいるものとは違い、エラのようなものが生えている。このことから彼が普通の人間では無いことは明らかだ。
「良いこと言うじゃないかヴェルンハルト」
「あーはいはい。じいさんは少し黙っていてくれ」
先程とは打って変わってこの態度。かなり適当な人物であることが窺える。
「ヴェルルもガーロもうるさいっ! 静かにしてよ。じゃないネルネルが怒っちゃうよ」
可愛らしく怒る身長135㎝前後の洞窟内にいる誰よりも小さい女の子。水色がかった髪をツインテールにしているのが印象的だ。そんなこの中では一番年下であろうにも関わらず皆の事を愛称で呼ぶ。この連中の正体を知っている者からしたら畏れ多くて誰もしない…いや出来ないだろう。それなのに皆の事を愛称で呼ぶのは親しみゆえか…それとも他に何かあるのか。
「ミルフィー、私はそんなに短気じゃないぞ」
ネルファはコホンとわざとらしく咳をしミルフィーと呼ばれた少女に困ったような笑みを向ける。それからでは、と話題を戻す。
「無駄話はやめろ。今回集まってもらったのはある村で新たな神敵スキル保持者が見つかった件についてだ」
皆の視線を一心に受けるが、動じた様子もなく話の続きを話してく。
「その人物をグラムール引き入れるかどうかが今回の問題だ。しかしここで一つ問題がある。その人物はまだ幼いと言う事、そして聞いたことも無い神敵スキル保持者だと言う事、これが今回集まってもらった理由だ」
一気にまくしたてるネルファ。
「そうさな、というよりまずその情報が本当かどうか、そこが疑問なんじゃが」
どうなんじゃと問うガルロに対しネルファは心配ないと旨を告げ、情報の信憑性を主張する。ガルロが何故こんな事を聞くのかと言うと、普通に信憑性を確認すると言う事事態はそれは誰しもする事だろう。だがガルロが本当に知りたいのはそうゆう事ではなかった。
本来、神敵スキルとは世界に七つしか存在しない筈なのだ。それなのに八つ目が見つかるとは今までに見つかっていなかった事から考えると俄かに信じ難かった。ネルファはそれを分かっていたからこそ既に手を打っていた。
「疑うのはもっともな事だが、まずは話を聞いてくれ。神敵スキル保持者が見つかった村に部下を向かわせ裏を取った。あの村には、少し前に王国関係者が訪れている。そしてその日、一人の少年が行方不明になった事も確認済みだ」
「そうか、なら構わん」
「子供かぁ~、仲良くなれるといいなぁ~」
無邪気に笑うミルフィー。手に持っ飴を見ながらたまだ見ぬ八人目に思いを馳せる。ヴェルンハルトはいつもの如く気怠けにテーブルに腕を置きその上に頭を置いている。
「んで、そいつを引き入れんのかぁ?」
怠そうにしながらもしっかりと話し合いには参加する。仲間になるかもしれない存在だ。情報が確かなら世界に八人しかいない同じ運命を辿る事になる仲間なのだ。多少なりとも興味が湧くと言うものだろう。
「そうだ、我々は一人一人が強大な力の持ち主だ。だがそれでも数には勝てないと言う事もあるだろう。その為、少しでも仲間は増やしておくのが得策だ。既に一人減ってしまった今は特にな。でなければ目的を達するのが難しくなってしまう」
「そーかい」
「それで、誰が説得するの~」
「そうじゃな、問題は」
ガルロがそう言うのと同時に全ての視線がネルファへ集まる。話している時は見られも動じなかったネルファだがこの視線には少したじろいでしまう。
「なっ、なんで私の方を見る?」
答えは既に出ているというのに無駄な抵抗をしてしまう。今まで見せていた冷たい雰囲気が揺らぐ。
「子供なら母性本能溢れる女がいいと思うんだがなぁ。ってことでネルファに一票」
「そうじゃな、幼いなら尚更女のお主の方がいいじゃろう。儂もネルファに一票じゃな」
「本当は私が行きたいけど、ここは譲るよネルネル~」
三人の意見が合致し、説得にはネルファが向かうことになった。どこか釈然としない気もしないではなかったが確かに適任は私しかいないかとため息をつきながら自分を納得させるのだった。
こうして神敵スキル保持者により組織された一団は、新たな神敵者ーーセリム・ヴェルグーーをグラムールに迎え入れる為に動き出したのだった。
こうして三勢力の内、王国を筆頭に殺害・捕縛派が、神敵スキル保持者を核にしたグラムールが動き出した。が、それは残りの神敵者を利用する派も例外ではなかった。かくして三勢力はたった一人を得るがために動き出すのだった。
世界が全て自分を目的に動いてるとはまだこの時のセリムには理解出来ていなかった。薄々はそうなるんじゃないかとは思ってはいたが。今はまだ。
そんなセリムは今日も今日とて森に来ていた。今日はいつもより深い所まで来ている。魔法の練習をするのに威力を間違えて人を巻き込まないようにと、スキル採取が目的だ。
昨日、アーサーとの一件で一緒に行動する?ことを了承したはいいがキーラとどう接すればいいか迷っていた。
(だって一方的にやっちまったからな…あれはプライド高そう系だったし面倒だ)
ぶつぶつ文句を言いながらも魔力操作を繰り返す。ひたすらに魔力操作。モンスターが現れれば練習した魔法で殺す。それの繰り返し。ここ数日はそんな感じでひたすらに魔力操作の精度向上を測っていた。お陰で色々魔法にバリエーションが生まれたがキーラが使っていた魔法を同時に発動することはできずにいた。
「ふぅ~」
一息つき休憩する。と言っても地面にいるとモンスターに見つかるので木の上で枝に寝転がるというものだ。そのままうとうとし始めてしまう。が、その眠気は気配感知に引っかかったモンスターにより邪魔されてしまう。
(ったく、なんだよ)
昨日は今後どうするかと言う事を考えていたせいであまり寝つけていなかったのだ。強くなるという答えが出ていたのだが、考えずにはいられなかった。家族、ルナ、ロー。村に置いてきてしまったみんなの事もあり結局一時間位しか寝れなかった。
木から降りてモンスターの反応があった方に行くが、そこには何もなかった。いや、正確に言うならばそこには湖とその周りにいくつもの血が飛んでいた形跡があった。
「何だ? 水棲系のモンスターでもいんのか」
事実、この世界には水棲家のモンスターは存在している。海に存在するモンスター程大きくはないが、それでも人一人殺すには問題ないだろう。
警戒しながらも湖に近づいていくセリム。湖面の端に膝をつき、のぞき込んでみる。すると海面が少し揺らぎ、続いてどこからともなくシューと言う音が聞こえてくる。
(水中かっ!)
そう言った直後、水中から一条の細い水が飛び出してくる。すんでのところで躱すことに成功したセリム。避けるのが遅れていれば顔面に喰らっていただろう。ここで湖面の周りに血が散らばっている理由に気づく。
「そうゆう事か」
セリムが気づいたのはここには水棲系のモンスターがいるという事だった。それは最初から疑っていたのだが、その水棲系のモンスターが湖に近寄った者を先程のように水鉄砲っぽい物で殺して食っているのではというものだった。
「しかし、どうやって水中から場所が…」
分かんだ?と言おうとして一つの可能性について思いつく。振動などによる音という可能性だ。だがそこである疑問が浮かぶ。水中から音波を放って空中で捉えられるのかというもの、そして捉えたとしてそれをどう把握するのかという事だ。まぁ考えた所で分からないし、結局は魔法ありの異世界なんだからで片付く問題なのだと納得して行動に移す。
「音系のスキルはまだ持ってないし使いようによっては中々使えるかもな」
と言う事で水中に潜むモンスターをどうやって倒すかと思案する。雷系の魔法があれば…とも思ったのだが残念ながら持っておらずそこでセリムは原始的な方法で倒すことにした。
水面全てを蒸発させるという方法で。これはスキルも一気に獲得でき、レベルも上がる、尚且つ魔法の練習にもちょうどいい最適な方法なのだ。
ただの力任せともいう。
湖面に向けて手のひらをかざす。湖面の中央辺りに一際大きな魔方陣が構築される。そこにひたすら魔力を込める。
「爆ぜろ」
その日、森で大爆発があったとギルドに連絡が入り、セリムがボロボロの服で帰ってきたのを目撃した人物があそこにはルーキーに傷を負わせる程のモンスターがいると言う話をし、それが広まりあそこには近づくなと言われるようになってしまった。
名前 セリム・ヴェルグ
年齢 :7歳≪見た目精神年齢ともに15歳≫
種族 :人族
1次職 :異端者
2次職 :異端児
レベル :34→38
体力 :4300→4700
魔力 :3400→4200
筋力 :4900→5500
敏捷 :3700→4200
耐性 :4200→4700
スキル
【神喰 LV2】
剣技 LV6
纏衣 LV9
【筋力強化 LV8】
【拳技 LV6】
【命中率上昇 Lv6】
【体力強化 Lv4】
【敏捷強化 Lv4】
【耐性強化 Lv1】
【魔力強化 Lv2】
【硬化 Lv3】
【気配遮断 Lv3】
【気配感知 Lv2→4】 up
【咆哮 Lv3】
【嗅覚上昇 Lv3】
【跳躍力上昇 Lv4】 new
【毒液 Lv3】
【火魔法 Lv3→4】 up
【水魔法 Lv1→3】 up
【風魔法 Lv1】
【白魔法 Lv1→2】 up
【暗黒魔法 Lv1】
【振動魔法 Lv3】 new
【鑑定 Lv3】
【短剣術 Lv3】
【夜目 Lv2】
【魔力操作 Lv1→3】 up
【受け流し Lv3】
【統率 Lv2】
職業専用スキル
【呪印 Lv1】
【正統破壊 Lv1】
【強奪 Lv2】
魔道具効果
隠蔽 Lv10 max
【】の中身は隠蔽スキルにより視えません。
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・ソニックガエル
レベル:48
体力 :3300
魔力 :2400
筋力 :1600
敏捷 :2700
耐性 :2000
スキル
敏捷強化 LV2
跳躍力上昇 Lv3
振動魔法 Lv2
気配感知 LV2
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